任天堂からソニーへのシフトが見られる次世代ゲーム機
2009年5月21日
価格.com上では人気の「PS3」。やや陰りが見られる任天堂「Wii」の人気
据え置き型の「次世代ゲーム機」と呼ばれる、ソニーの「PS3」、任天堂の「Wii」、マイクロソフトの「Xbox 360」の3機種。この3機種の出荷台数シェアなどはよく話題に上る。これまで報道されてきたさまざまな調査結果によれば、この3機種のうち、任天堂の「Wii」がダントツのトップを走っており、そこからだいぶ差が開いてソニーの「PS3」、さらにマイクロソフトの「Xbox 360」が追いかけるという展開が一般的だ。過去に「価格.comリサーチ」で調査した結果(※2008年10月調査)でも、この3機種の所有率では「Wii」(37.1%)、「PS3」(24.7%)、「Xbox 360」(10.4%)と出ており、その差は縮まっているものの、このシェア順位は依然として変わっていないことが明らかとなっている。
【図1 ゲーム機別所有率 (価格.comリサーチ 2008年10月調査)】
しかし、価格.comにおける、ここ1年間の製品の注目度を見ると、これとはだいぶ異なる傾向が現れている。年間を通じて高い注目度を集めているのはソニーの「PS3」であり、所有率シェアではだいぶ水を空けられている「Wii」の約2〜3倍となるページビューを獲得しているのだ。さらに、所有シェアでは「Wii」、「PS3」と比べてもはるかに低い「Xbox 360」の注目度が「Wii」に匹敵するほどになっている。このグラフで見る限り、価格.comユーザーの関心は「PS3」がもっとも高く、「Wii」と「Xbox 360」がほぼ同程度でそれを追いかけるという構図になっている。
【図2 PS3、Wii、Xbox360のページビュー数】
特に注目したいのが、昨年2008年の年末商戦が終わってから、2009年の2月〜3月にかけてのページビューである。「PS3」と「Wii」については、いずれも年末商戦時期にかなりの注目度を集めたが、年が明けると急激にその注目度は下がっている。しかし、この3月になって「PS3」の注目度が急激に反転し上昇に向かっているのがポイントだ。これは、この2月〜3月にかけて「PS3」にとっては注目タイトルとなる「龍が如く3」(セガ)、「バイオハザード5」(カプコン)の2タイトルが発売されたことが大きい。これまでヒット作不足と言われていた「PS3」だが、この2作の評判が高く、これに合わせてゲーム機本体を購入したユーザーが多いことがこのグラフからもうかがえる。これに対して「Wii」のほうは、しばらくヒット作が出ておらず、やや厳しい状況だ。人気タイトルの「ドラゴンクエストX」(スクウェア・エニックス)の発売が決まってはいるものの、発売日は未定となっており、今後もヒット作不足の状況はあまり改善される見込みがない。
また、マイクロソフトの「Xbox 360」は、2008年の8月〜9月にかけて、「テイルズ・オブ・ヴェスペリア」(バンダイナムコゲームズ)のヒットにより注目度が高まっており、年末商戦に爆発的な伸びはしていないものの、その後もコンスタントな注目を集め、2009年2月時点で「Wii」のページビューを上回り、順位的には第2位に上がっている形だ。ただ、現状ではほぼ横ばいという形でさほどの伸びは見られない。この春は「PS3」が注目を一手に集めているといっても過言ではないだろう。
携帯ゲーム機でも「PSP」が強く「DS」が凋落傾向に
一方、携帯ゲーム機のほうに目を向けてみると、こちらでもソニーの「PSP」の注目度が高く、任天堂の「ニンテンドーDS」の注目度が落ちていることがわかる。「価格.comリサーチ」で調査した結果(※2008年10月調査)においても、所有率こそ「DS」(63.4%)、「PSP」(36.6%)と、2倍程度の開きがある両者だが、ここ1年に購入した割合では、「DS」(13.6%)、「PSP」(12.8%)と、ほとんど差がなく、両者の差が縮まっている。こうした傾向は、価格.comのページビューにも顕著に表れており、新モデル「ニンテンドーDSi」が発売された2008年11月から年末商戦期にかけては、かなり高い注目度を集めたものの、それからの注目度は急激に下落している。対する「PSP」は、2008年10月に発売された新モデル「PSP-3000」が人気となり、秋以降のページビューが増加。その後もコンスタントに注目を集め、年末商戦が終わった2009年1月以降は、「DS」を逆転し、携帯ゲーム機では首位の人気となっている。
【図3 ニンテンドーDS、PSPのページビュー数】
こちらもその大きな原因はヒット作の有無にあるといっていい。「PSP」については、大きなヒット作こそ出ていないものの、長期ヒットを続けている「モンスターハンターポータブル 2nd G」(カプコン)などの影響や、多彩なカラーバリエーション展開などにより、コンスタントな注目を集め続けている。これに対し「DS」のほうは、クリスマス商戦で新モデル「DSi」が注目を集めたものの、3月に予定していたビッグタイトル「ドラゴンクエストIX」(スクウェア・エニックス)の発売が7月に延期されたこともあって、年明け以降の人気は今ひとつふるわない。そもそも「DS」の普及率はすでにかなり高いレベルであることもあって、マイナーバージョンアップともいえる新モデル「DSi」もさほどの人気とはなっていないということだろう。
この結果から、据え置き型も携帯型も、最近のゲーム機の注目度としては、ソニーが高く、任天堂が低いという状況が見えてくる。所有シェアではまったく逆の両者だが、特に今年に入ってから両者の注目度は明らかに逆転しており、今後の売れ行きにも影響を与えそうだ。
※価格.comリサーチ No.23「最新ゲーム機対決!-ゲームで遊ぶ頻度はどのくらい?-」
http://kakaku.com/research/backnumber023.html
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