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ノートPC市場を席巻したネットブック人気に陰り。今後市場は、10万円以下の「非ネットブック」へとシフト

2009年9月9日

ネットブックを中心にノートPC市場の低価格化が進行。

最近不景気で今ひとつ盛り上がりに欠ける感のあるパソコン市場だが、はたして本当にそうなのだろうか。図1は、価格.comのノートPCカテゴリとデスクトップPCカテゴリのPV推移を示したものだが、これを見ると「リーマン・ショック」のあった2008年9月以降、2009年1月まではかなりの勢いでPVが伸びており、その後は減少に転じているものの、それでも昨年の同期と比べてもPVは高い状態に維持されており、ノートPCに関して言えば、市場はそれほど盛り上がっていないわけではないことがわかる。ただし、そのいっぽうで、デスクトップPCのPVは昨年とほとんど変わらず盛り上がりに欠けている状態だ。なお、このPVにはアップルのMac製品は入っていない。

【図1 価格.comにおけるノートPC・デスクトップPCカテゴリのPV数推移】
【図1 価格.comにおけるノートPC・デスクトップPCカテゴリのPV数推移】

では、実際にはどんな製品が売れているのだろうか。図2は、価格.comのノートPCカテゴリにおける、売れ筋の製品価格帯(最安価格)のシェア推移を示したものだ。これを見ると、PVが急激に伸び始めた2008年9月以降、低価格帯の製品シェアがかなり増加していることがわかる。もっとも安い5万円未満の製品シェアは、1年前の時点ではほぼ10%未満だったが、今では40%近いシェアを獲得するに至っている。10万円以下というレンジで見ると、そのシェアはすでに80%に迫る勢いだ。

【図2 ノートパソコンカテゴリ売れ筋価格帯シェア】
【図2 ノートパソコンカテゴリ売れ筋価格帯シェア】】

これらの低価格製品の人気に拍車をかけてきたのが、いわゆる「ネットブック」である。図3は、価格.comに登録されているネットブック製品のPVシェア推移を示したもの。こちらを見ると、図2の低価格帯PCのシェア推移とほぼ同じ形で、ネットブックのシェアが上がってきており、そのシェアはノートPC全体の40%にも達していることがわかる。ただし、2009年5月をピークにそのシェアはやや減少に転じており、ネットブック人気もやや頭打ちになってきていると見ることもできる。

【図3 ノートパソコンとネットブックのPV数シェア】
【図3 ノートパソコンとネットブックのPV数シェア】

※下記の333製品をネットブックとして集計。
ACER「Aspire one」、ASUS「Eee PC」、MSI「Wind Netbook」、Lenovo「IdeaPad Sシリーズ」、SONY「VAIO type P」「VAIO Wシリーズ 」。前述以外は、2007年9月以降に価格.comに登録された、液晶サイズ12インチ以下でCPUがAtomの製品。

ネットブック人気に陰り!?10万円以下でも高性能「非ネットブック」がネットブックのシェア奪う

このように、現在のノートPC市場は、昨年から続く低価格のネットブック人気が支えてきたが、実はそのネットブック人気にも陰りが見えてきた。図2では「5万円未満」のPCシェアが減少しており、図3ではネットブック自体のシェアが減少に転じている。いずれもピークとなっているのは、2009年5月頃のことだ。

逆に、この時期からシェアを伸ばし始めてきているのが、「5万〜10万円」という価格帯のノートPCである。この価格帯にもネットブック製品は存在するが、価格.com上におけるネットブックの人気製品はそのほとんどが5万円以下の安い製品であり、図2、図3の相関関係から見ても、「ネットブック=5万円未満の製品」とほぼ位置づけることができる。そう考えると、その上の価格帯である「5万〜10万円」の製品は「非ネットブック」製品が多くを占めており、2009年5月以降のここ数ヶ月は、こうした「非ネットブック」の人気がじわじわと上がってきていると見てよいだろう。

実は最近、この「5万〜10万円」という価格帯のノートPCに新たな動きが起こっている。これまで10万円を下回るような低価格ノート(非ネットブック)といえば、性能的に低めのいわゆる「エントリーモデル」のみだった。もちろん今でもこうしたエントリーモデルの低価格製品は多く存在するが、この5〜6月くらいから、比較的本格的な性能を持ちながらも、価格を安く抑えることを前提とした設計を持った製品群が登場し始め、人気を呼んでいるのである。こうした製品は、ネットブックのような小型化こそできないが、性能面ではネットブックよりもはるかに高く、さらに値段は2〜3万円しか変わらないというもの。携帯性をさほど重視しなければ、価格的にも性能的にも非常にバランスがいい魅力的な製品である。

【図4 価格.comにおける「Aspire Timeline」詳細情報ページ】
【図4 価格.comにおける「Aspire Timeline」詳細情報ページ】

特に今マニア層を中心に注目を集めてきているのが、一般に「CULV」(Consumer Ultra-Low Voltage)と呼ばれるプラットフォーム製品群だ。CULVノートは、インテルの低電圧版「Core2 Duo」を用い消費電力を抑えることで長時間駆動が可能。さらにボディを薄型に設計できるため、携帯性も十分に実用的という製品だが、価格面も安く抑えられており、販売価格では10万円を切るものが多い。このCULVノートの代表例ともいえるのが、2009年6月にACERから発売された「Aspire Timeline」や、レノボの「IdeaPad U」シリーズなどであるが、こうしたCULV製品の投入によって、ノートPC市場に若干「脱ネットブック」への動きが高まってきたように思える。また、このCULVノートの投入時期と前後して、海外メーカーから低価格戦略を打ち出した「Lenovo G550」や、「HP G61」のような低価格モデルが登場し、こちらもじわじわと人気を得ている。これらの製品は15型を超える大画面ワイド液晶を備えたモデルだが、製品の作りや基本スペックはしっかりしており、決して単純なエントリーモデルという感じではないのが、これまでと違う部分だ。これらの海外勢を中心とした低価格戦略製品と、国内勢のエントリーモデルとがいっしょになって、5万〜10万円というレンジの「非ネットブック」という勢力を作り出しており、こうした製品が今じわじわと人気を得つつあるという状況なのだ。

【図5 価格.comにおける「Lenovo G550」詳細情報ページ】
【【図5 価格.comにおける「Lenovo G550」詳細情報ページ】

総評:今後市場は、ネットブックから、非ネットブックの低価格ノートへシフト

以上のように、昨年より一大ブームになったネットブックの人気も、ここへ来て頭打ちの様子を呈し始めている。その代わりに徐々に存在感を増しつつあるのが、10万円以下で買える、本格的な低価格ノートPCだ。これらの低価格製品と、ネットブック製品との価格差は実売では2〜3万円しかないのに、性能的にはまったくレベルが違う。なかでも、CULVノートのように、低価格ながら、スリムなボディかつ長時間バッテリー駆動が可能といったような、これまでにはなかったタイプの魅力的な製品が出現したことが、人気に拍車をかけているといえる。

そもそもネットブックが日本国内でヒットした大きな要因は、小型サイズからくる「機動性の高さ」と、「価格の安さ」の2つだった。このどちらをも兼ね備え、ネットブックよりも高いパフォーマンスを発揮する製品群が登場したことで、多くのユーザーにとっては、すでにあえてネットブックを選択する必要はなくなっている。今の段階では、国内メーカーがこうした低価格ノートの販売に本腰を入れていないため、しばらくはゆるやかに人気を増していくものと思われるが、そう遠くない将来に、ネットブックから「非ネットブック」へと低価格ノート市場のトレンドはシフトしていくことが予想される。おりしも10月には新OS「Windows 7」が発売され、ネットブック人気を支えてきた「Windows XP」という選択肢が使えなくなることも、この流れに拍車をかけるものと思われる。

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