手元で直感的にナビ操作ができる小型コントローラー「スマートコマンダー」を搭載し、カーナビのインターフェイスに新しい提案を行ってから約1年。パイオニア カロッツェリアの「楽ナビ」シリーズに、最新モデルが登場した。ここでは最新モデル8V型「AVIC-RL99」の実走レビューを行いながら、「スマートコマンダー」の進化ポイントと使い勝手、的確なルート案内、そして新たに採用された安全運転をサポートしてくれる地図表示などについて、ユーザー目線で細かくチェックしていこう。

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使いやすさで絶大な人気を誇る
カロッツェリア「楽ナビ」最新モデルが登場

年々進化を続けているカーナビ。自車位置測位の精度や地図表示の詳細さはひと昔前とは比べものにならないほど向上したほか、エンターテインメント機能やクラウドと連携した通信機能も充実し、大型化したディスプレイはスマートフォン感覚のフリック操作が標準になりつつある。

ユーザーにとってこうした機能の進化はありがたく、注目すべきポイントではあるが、その「多機能さ」が、「道具としての使いやすさ、わかりやすさ」と引き替えになっては意味がない。そんな中、高い基本性能と、「使いやすさ、わかりやすさ」を重視した設計で、市場での存在感を際立たせているのがカロッツェリアの「楽ナビ」シリーズだ。1998年のシリーズ誕生当初から「高性能をカンタンに」という設計思想を貫いてきた「楽ナビ」は、長らく市販ナビ市場のトップランナーとして支持されている。

その「楽ナビ」の最新モデルとして、2015年10月、8V型「AVIC-RL99」、7V型ワイド「AVIC-RW99」、7V型「AVIC-RZ99」をはじめ、合計8機種が発売された。なかでも上記3機種は、ドライビングポジションを保ったまま、手元で簡単にカーナビ操作ができる「スマートコマンダー」同梱モデル。この「スマートコマンダー」は前モデルからさらなる進化を遂げ、走行中における有料道と一般道とのルート比較がワンタッチで行えたり、地図画面からAVソース画面へワンアクションで切り替え可能になるなど、操作性がさらに向上しているという。

次章以降では、「AVIC-RL99」を搭載したデモカーを使い、進化した「スマートコマンダー」をはじめとする「楽ナビ」の使いやすさを徹底チェックしていこう。

最新モデル「AVIC-RL99」
磨き上げられた性能、機能を手軽に扱える使いやすさで、 カロッツェリアブランドの主軸のひとつになっている「楽ナビ」シリーズ。 今回は最新モデルの「AVIC-RL99」を使って、その実力をチェックしていく

よく使う操作や便利な機能が手元で瞬時に完結
定評ある「スマートコマンダー」がさらに使いやすく

カーナビの操作は、出発前に行う目的地検索やルート探索が主となるが、地図の縮尺の変更など、一部の操作は信号待ちや走行中に行うこともある。ところが、シートベルトをしたドライビングポジションから、カーナビ画面にタッチしようとすると、どうしても前かがみになる必要があるし、画面上の小さなボタンにタッチするのは案外難しいもの。そして何より、こうした操作は安全上、問題があると言わざるを得ない。

こうした操作のしにくさや、安全上の問題を解決してくれるのが「スマートコマンダー」だ。これはカーナビ本体とは別に存在する小型コントローラーで、装備されたジョグダイヤルを「回す」「傾ける」「押す」などの簡単なアクションによりナビ操作が可能となる新しいインターフェイス。この「スマートコマンダー」をアームレストやセンターコンソールなどに設置すれば、運転姿勢を保ったまま、前かがみになることなく、また、最小限の視線移動によってカーナビの操作が可能になる。

スマートコマンダー
「スマートコマンダー」には、車種専用のホルダーや、 フレキシブルな取り付けに対応するフリースペース取り付け用のホルダーが別売りで用意されている。 今回、実走レビューを行ったホンダ「N-BOX」には、 運転席アームレストのカップホルダーを利用した車種専用のホルダーが装着されており、手元で快適な操作を行うことができた

今回、「スマートコマンダー」に新採用された機能の中で、「これは使える」と強く感じたのが、「有料道/一般道ルート切り替え」だ。たとえば、高速道路で渋滞に遭遇した際、「このまま高速道路で行ったほうがいいのか、それとも一般道に降りたほうが早いのか」と悩むケースは多い。どちらが正解なのかは賭けのようなもので、これまでは運に頼るよりほかはなかった。ところが、「スマートコマンダー」で「有料道/一般道ルート切り替え」を選択すると、有料道路をこのまま走り続けた場合と、一般道に降りた場合のルート時間、距離、料金を比較表示してくれるのだ。「どちらで行くべきか?」を運任せではなくカーナビが教えてくれる。また、比較表示を参考にルート変更する場合も、実に簡単で、画面上に表示され新ルートを選択して決定ボタンを押すだけ。一般的なカーナビだと、比較表示自体ができないし、現在設定されているルートを消去して、再度、別ルートを探索する必要があるため、かなりの手間がかかるのだ。

スマートコマンダー
スマートコマンダー
ルート案内中に、「スマートコマンダー」のジョグダイヤルを押すと左のようなダイレクトメニューが表示される。ここで、ジョグダイヤルを上側に倒して「有料道/一般道ルート切り替え」を選択すると、高速道路を走行しているときは一般道優先ルートを、一般道を走行しているときは有料道優先ルートを探索し、それぞれのルート時間、距離、料金を比較表示してくれる

さらに、近年のカーナビに求められる要素は、ドライバーを目的地へと正しく導くことだけにとどまらない。車内で音楽や映像を楽しむためのAVステーションとしての役割も担っているのである。実際、カーナビで最もよく使う機能のひとつにAV再生をあげる人も多いが、そうしたニーズに対応するため、「スマートコマンダー」には「AV」ボタンが設けられている。「AV」ボタンを押すだけで、ナビ画面からAVソースのメニュー画面へ切り替えられるのはもちろん、前モデルからの進化ポイントとして、ダイヤルを回すことでCD、FM/AMラジオ、テレビなど、AVソース自体の切り替えも可能となった。走行中のBGMを、音楽CDの再生からラジオ放送に切り替えるといった場合も、手元で「スマートコマンダー」の操作ボタンを押したり、ジョグダイヤルを回したりするだけでOK。このあたりは、使いやすさに徹底的にこだわる「楽ナビ」らしさが感じられる部分だ。

また、使用頻度の高い機能をワンタッチで呼び出せる「カスタムダイレクトキー」も便利だ。前モデルでは42の機能の中から、「カスタムダイレクトキー」に登録する機能が選択できたが、最新モデルでは、スカイビューやハイウェイモードなどを選択する「ビューモードを切り替える」、スケールの縮尺を変更する「地図のスケール切り替え(500m/25m/登録)」、音響設定の「カンタンベース設定を切り替える」、ドライブレコーダーを操作する「ドライブレコーダーのイベント撮影(手動)をする」の4つが加わり、合計46の機能から選択が可能となった。

「地図のスケール切り替え(500m/登録スケール/25m)」を、実際に「カスタムダイレクトキー」に設定して使ってみたが、広域でのルートを確認したいときは「500mスケール」に、通常の走行時は「登録した100mスケール」に、そして、住宅地などの目的地に近づいた際には細街路まで確認できる「25mスケール」に、ブラインドタッチ感覚で簡単に切り替えられるのは、とても便利だと感じた。

スマートコマンダー
スマートコマンダー
「スマートコマンダー」左上の「AV」ボタンを押すとAVソースメニュー(右画面)へ直接ジャンプできる。 さらに「スマートコマンダー」のジョグダイヤルを回すとメニュー選択が可能だ。 AVソースメニューは、MSV/SDカード、FM/AMラジオ、地デジ、Bluetooth Audio、iPod、USB、HDMI、AUXと実に多彩。 AV再生時にダイヤルを回すと音量のアップ/ダウンも行える
スマートコマンダー
「スマートコマンダー」の下方にある「1」「2」のボタンが「カスタムダイレクトキー」。 ここには、46の機能の中から、使用頻度の高い機能を選択して登録することができる。 登録は、一覧表示された機能の中から選択するだけなので簡単だ
<500mスケール> 500mスケール
<100mスケール> 100mスケール
<25mスケール> 25mスケール
今回、カスタムダイレクトキーの「1」に登録したのは「地図スケールの切換え(500m/100m(登録スケール)/25m)」。 広域でルートを確認したい場合は「500mスケール」に、通常の走行時は「100mスケール」に、 そして、目的地周辺では「25mスケール」にと、手元で簡単に縮尺が変えられるのは便利だ
<ノーマルビュー> ノーマルビュー
<スカイビュー> スカイビュー
<ドライバーズビュー> ドライバーズビュー
<ツインビュー> ツインビュー
<AVサイドビュー> AVサイドビュー
<ハイウェイモード> ハイウェイモード
「カスタムダイレクトキー」の「2」には「ビューモードを切り替える」を登録してみた。 用意されるビューモードは上の6パターン。 ボタン「2」を押すたびにビューモードが切り替わり、ジョグダイヤルを回すと縮尺が変更できる

「AVIC-RL99」には、「スマートコマンダー」のほか、「ドラッグ」「フリック」「長押し」「短押し」に対応した「マルチウェイスクロール」のタッチパネルディスプレイや、本体下部に配置されたハードキー、AV操作時に活躍する純正ステアリングリモコン、ハンドルを握ったままでも各種操作ができる音声認識機能と、合計5つのインターフェイスが用意されている。これらのインターフェイスを、好みに応じて、あるいはシーンに応じて使い分けることで、ドライブはこれまで以上に楽しく、そして、安全なものになるはずだ。

マルチウェイスクロール
タッチパネルは、「ドラッグ」「フリック」「長押し」「短押し」による操作が可能な「マルチウェイスクロール」に対応。 追従性は抜群で、地図スクロールなども快適に行える
ハードキー
ステアリングスイッチ
カーナビ本体の下部には「メニュー」「現在地」など、使用頻度の高いボタンを「ハードキー」として装備。ディスプレイの大型化によって、「ハードキー」は小さく設計される傾向にあるが、指で押しやすい大きさと適度な凸凹があるハードキーはやはり操作しやすい。さらに、「ステアリングスイッチ」でのAV操作にも対応している
フリーワード音声検索
フリーワード音声検索
マイクに向かって発話するだけで、目的地や立ち寄り地の検索などが簡単に行える「フリーワード音声検索」にも対応。運転中、目的地周辺の食事処を検索するために試してみたが、音声認識精度が高いうえ、レスポンスも速く、ストレスを感じることはなかった。Bluetooth対応のスマートフォンと連携させればハンズフリー通話も可能となる

カロッツェリアブランドならではの
充実のナビ機能&エンタメ機能も詳細チェック

「楽ナビ」の魅力は、これまで見てきた「使いやすさ」に加え、「基本性能の高さ」にもある。これは、カロッツェリアの最先端カーナビ「サイバーナビ」ゆずりのもの。目的地検索やルート探索のスピードと精度そして、ルート案内のわかりやすさと的確さなど、カーナビとして高い基本性能を備えているからこそ、「楽ナビ」ならではの「使いやすさ」が生きてくるのだ。

そんな、高い基本性能を支えるもののひとつが、ルート探索時やルート案内時に、大きな力を発揮する「スマートループ渋滞情報™」である。全国約70万kmの道路をカバーするプローブデータを活用したリアルタイム渋滞情報や、ナビに収録された渋滞予測データに加え、毎日更新される直近90日分の傾向から分析した質の高い渋滞予測データ、さらに交差点通過時間などを考慮したアルゴリズムによって導き出されるルートは、「目的地にいかに早く到着するか」を基準に算出されたもので、実際の交通状況に即した精度の高いルートを提案してくれる。また、画面上に表示される到着予想時刻も、「楽ナビ」ならではの高い精度を誇っている。

そんな基本性能の高さを、「AVIC-RL99」を使って確認していこう。今回は、神奈川県川崎市にあるパイオニア本社から、神奈川県藤沢市の江ノ島へ向かうルート、約39kmで検証を行った。

スマートループ渋滞情報(TM)
「スマートループ渋滞情報™」は、対応するカーナビから集めたリアルタイムの渋滞情報に加え、過去90日分の傾向から分析した渋滞予測データ、さらに交差点通過時間などを考慮してルートを探索する。一般的なカーナビは、目的地までの最短距離でルート探索を行うが、「AVIC-RL99」は、この「スマートループ渋滞情報™」を考慮して、目的地まで最短時間で行けるルートを提案してくれる
ハードキーの「メニュー」ボタン
ハードキーの「メニュー」ボタンを押すと、ナビメニュー画面が表示されるので、ここで目的地の設定を行う。 アイコンは見やすく、文字も大きいためスムーズに操作できた
名称検索
名称検索
目的地検索だが、最も使用頻度が高いと思われる「名称検索」で行ってみた。画面が大きいことに加え、タッチパネルの反応もよいので入力しやすい
ルート選択
ルートプロフィール
6ルートリスト
ルート再検索
目的地を設定すると、目的地までの距離、所要時間、推定燃料費や推定CO2排出量までわかりやすく表示してくれた。「ルートプロフィール」も一般道と有料道が色分けされていて見やすい。探索できるルートは「推奨」に加え「推奨2」「推奨(有料回避)」「推奨2(有料回避)」「エコ優先」「幹線優先」の6つ。これらに加えて、「ルート再探索」の際には、所要時間を最優先する「タイムブブースト」や、燃料費を抑える「エコブースト」も選択できる
<一時停止表示> 一時停止表示
<冠水地点表示> 冠水地点表示
<ゾーン30エリア表示> ゾーン30エリア表示
「AVIC-RL99」から新採用されたのが、「一時停止表示」「冠水地点表示」「ゾーン30エリア表示」という、安全運転のための3種類の画面表示。局地的な豪雨により道路が冠水、といったニュースに触れる機会も多くなっているが、「冠水地点表示」で、危険な地点だと事前にわかれば回避することもできる
迷いやすい都市高速の入口や分岐は、立体的なイラストで一目瞭然
周辺地図はもちろん、インターチェンジやサービスエリアまでの距離、料金、施設情報も確認できる
迷いやすい都市高速の入口や分岐は、立体的なイラストで一目瞭然。周辺地図はもちろん、インターチェンジやサービスエリアまでの距離、料金、施設情報も確認できる
高精度の「クリスタル 3D ハイブリッドセンサー」や1秒間に10回自車位置を測位する「10Hz測位」
自車位置測位の精度も申し分なし。高精度の「クリスタル 3D ハイブリッドセンサー」や、1秒間に10回自車位置を測位する「10Hz測位」を備え、立体駐車場や高架下などGPSの電波が届かない場所、高速道路と並行して走る道などでも、自車位置表示がずれることは一度もなかった
13バンドグラフィックイコライザー
音場設定
「AVIC-RL99」は、カーナビ機能だけでなくオーディオ機能も秀逸だ。「13バンドグラフィックイコライザー」により、低域から高域まで、きめ細かな音質調整が可能なほか、音場設定は、「MUSIC STUDIO」「DYNAMIC THEATER」「ACTOR’S STAGE」「RELAX LIVING」の4つから選択できる
かんたんベース設定
かんたんベース設定
テーマに合わせて簡単に音を調整したいときは「かんたんベース設定」が便利だ。「迫力アップ」「音声くっきり」「前席メイン」「後席メイン」「フラット」といった具合にスピーカーの出力調整ができる。後席用に設けられたフリップダウンモニターと連動させて音声を「後席メイン」にすれば、前席の人は会話を楽しみ、後席の人は映像と音に集中することも可能だ。さらに、「AVIC-RL99」には、小型アンプや、ドライブレコーダーなど、ドライブをアップグレードさせるシステムアップ製品も多く用意されている
あっという間に江ノ島に到着
「AVIC-RL99」の画面表示の見やすさ、案内のていねいさなどをチェックしながら走行していると、あっという間に江ノ島に到着。ここまで、カーナビの機能でストレスを感じる場面はまったくなかった

カーナビ機能、オーディオ機能に加え、最新の地図データに対応していることも、ドライブの満足度に大きな影響をおよぼす。その点、「楽ナビ」の「マップチャージ」は、毎月最新の地図データに更新が可能で、しかも最大3年間は毎月更新しても追加料金は不要となっている。ちなみに今年度の道路開通情報として、2015年10月末には「圏央道 桶川北本IC〜白岡菖蒲IC」に、2015年度内には「新名神高速道路 四日市JCT〜新四日市JCT」「新東名高速道路 浜松いなさJCT〜豊田東JCT」などが予定されている。

まと

最先端技術でカーナビ市場を常に牽引してきたカロッツェリア「サイバーナビ」。その「サイバーナビ」のDNAをしっかりと受け継ぎながら、使いやすさを徹底追求してきたのが、カロッツェリア「楽ナビ」だ。今回は、そんな「楽ナビ」のハイエンドモデルとなる「AVIC-RL99」のレビューを行ってきたが、コンセプト通りに充実の基本機能を驚くほど簡単に使いこなすことができた。なかでも「AVIC-RL99」の大きな特徴のひとつとなる「スマートコマンダー」は、ドライブ中の安全性を大きく向上させてくれるもので、一度使ったら手放せなくなるほど便利なものだった。「高機能が搭載されているに越したことはないが、操作が難しくてわかりづらいのはダメ」という人にとって、本モデルは比較する製品が思い浮かばないほど、すぐれた完成度を誇る1台だと言えるだろう。

製品紹介

カロッツェリア「楽ナビ AVIC-RL99」

カロッツェリア楽ナビ AVIC-RL99

8V型 ラージサイズ/地デジモデル

カロッツェリア「楽ナビ AVIC-RZ99」

カロッツェリア楽ナビ AVIC-RZ99

7V型 2D(180mm)/地デジモデル

カロッツェリア「楽ナビ AVIC-RW99」

カロッツェリア楽ナビ AVIC-RW99

7V型 200mmワイド/地デジモデル