モータージャーナリスト 竹岡圭さんがレポート 229万円(税込)の手ごろなグレードも新登場 人気SUVトヨタ「C-HR」を“今こそ買うべき”これだけの理由!

今や、国内自動車市場において大激戦区のひとつとなったSUV市場において、2017年(1〜12月)と2018年(1〜12月)の2年連続で新車販売台数1位に輝いたトヨタ「C-HR」。2018年5月には、手ごろな価格の「S-T」グレードが登場したこともあり、その注目度はさらに上昇している。本特集では、価格.com「C-HR」製品ページに寄せられたユーザーの声をチェックしつつ、同車が支持される背景を、モータージャーナリストの竹岡圭さんとともにじっくりと検証。「C-HR」が、今こそ買うべきSUVである理由を浮き彫りにしていく。 ※日本自動車販売協会連合会調べ。

PROFILE モータージャーナリスト 竹岡 圭 さん

モータージャーナリスト 竹岡 圭 さん トヨタ「C-HR」

国内外のレースやラリーなど、自らモータースポーツ活動に関わるとともに、テレビ番組への出演やラジオパーソナリティ、雑誌やWEB媒体での執筆、イベントでのトークショー、各種インストラクターなど、幅広く活躍するモータージャーナリスト。道路・自動車関係をメインに、国や都道府県、高速道路会社などの審査会や委員会の委員を務めるほか、自動車関連企業の研修講師としても活動。クルマを購入する側、クルマを販売する側両方の視点からのわかりやすい解説に定評がある。

はじめに販売好調の「C-HR」ってどんなクルマ?

オフローダー派生の力強いデザインをまといながら、都市部の景観にもしっくりとなじみ、高めのヒップポイントにより前方視界のよさを確保するとともに、爽快な走行フィールも味わえるなど、さまざまな要素がバランスよく取り入れられたSUVは、成熟した現代の自動車社会を象徴するクルマのひとつと言える。

そんな、日本の自動車市場において最もホットなカテゴリーのひとつとなったSUV市場において、2016年12月にデビューを果たしたのがトヨタ「C-HR」だ。同車はトヨタの中で、世界戦略車として位置づけられており、欧州や北米でも高い支持を獲得しているが、とりわけ日本国内での人気は絶大で、2017年(1〜12月)と2018年(1〜12月)の2年連続で、SUV新車販売台数において並みいるライバル車を抑えて堂々の1位に輝いた。

また、価格.comの「C-HR」製品ページにも、ユーザーから多数のコメントが寄せられている。その数はガソリン車とハイブリッド車の合算で、レビューが191件、クチコミが7,571件(2019年1月23日時点)。同車を熱烈に支持する内容もあれば、ネガティブな意見も散見されるが、これは人気車種の宿命とも言えるもの。とにかく、ひとつの車種にこれだけのコメントが寄せられていること自体が、「C-HR」の注目度や期待の高さを表していると言えるだろう。 ※日本自動車販売協会連合会調べ。

トヨタ「C-HR」

2016年12月の発売以降、活況を呈する国内SUV市場において高い支持を獲得し続けてきた「C-HR」。同車には、1.2L直噴ターボのガソリン車と、1.8Lのハイブリッド車が用意されているが、今回は1.8Lのハイブリッド車を使ってレビューを行った

ではなぜ「C-HR」はこれほどまでに注目されているのか?

その理由についてモータージャーナリストの竹岡圭さんは、「世界的にSUVの人気が高まる中で、『C-HR』の発売は後発でした。ライバル車がひしめく中で差別化を行い、個性を打ち出すためにトヨタが選択したのは“スタイリング・ファースト”。ここまでデザインコンシャスに振り切ったトヨタのクルマというのは新鮮で、発売当時、ジャーナリスト仲間の間でも驚きがありました。その潔さから生まれたスタイリングが市場のニーズにバシッとはまったのでしょうね」と、斬新なスタイリングこそが多くの注目を集めた最大の要因であると指摘する。

「最近は男女問わず、ファッションでもライフスタイルでも自分の個性を大切にするようになってきていますよね。個性的なデザインに対する抵抗感よりも、それを求める人が増えているからこそ、『C-HR』は受け入れられた。製品設計として、絶妙なポイントを突いていると思います」と竹岡さん。

個性的なデザインに振り切ることができたのは、クルマの骨格であるプラットフォームがしっかりしていればこそ。「C-HR」には、4代目「プリウス」から始まったトヨタの新しいクルマ作りの思想である「TNGA(Toyota New Global Architecture)」が採用されている。これは、“もっといいクルマ作り”を目指し、プラットフォームだけでなく、開発・製造に関わるすべての工程で製品力を向上させる取り組みのこと。従来のプラットフォーム開発は、基幹車種の開発時に設計したプラットフォームを流用し、新車種を開発するのが常識だった。それに対して「TNGA」は、プラットフォームの基礎設計の段階からボディサイズや排気量などを元に共有する対象車種を絞り込み、このプラットフォームでどんなタイプのクルマをどれだけ作るのかを事前に想定することで、部品共有や製品力向上につなげようとする考え方だ。その第2弾モデルが「C-HR」となる。

「4代目『プリウス』がベースになってはいますが、プラットフォームをそのまま流用するのではなく、『C-HR』に合わせて細部を専用設計していると聞いています。『C-HR』は全高、最低地上高ともに『プリウス』より高く、スタイリング重視で大径タイヤを採用しているため、サスペンションの取り付け位置や車体剛性の向上は独自のアプローチで行われているはず。基本的なプラットフォームは同一でありながら、クルマのキャラクターに合わせて専用設計できる懐の深さが、『TNGA』にはあるわけですね」と竹岡さんは解説する。

トヨタ「C-HR」

「TNGA」は、「もっといいクルマ作り」を掲げるトヨタの、クルマ作りにおける新しい考え方。その「TNGA」が採用された第1弾モデルが4代目「プリウス」で、第2弾モデルが「C-HR」となる

また、2018年5月には、車両本体価格229万円(税込)の「S-T」グレードが追加設定され、発売当初よりも手が届きやすい存在になったのもうれしいポイントだ。

「若い世代のクルマ離れが指摘されていますが、デザインコンシャスな『C-HR』のようなクルマに、手の届きやすいグレードが設定されたのはとてもよろこばしいことだと思います。クルマにも旬があるとすれば、『C-HR』は今がまさに旬。実車を見て、触れて、試乗するには、絶好のタイミングではないでしょうか」と竹岡さんは笑顔を見せる。

「C-HR」のグレード構成と価格 (2019年1月時点)
グレード 車両本体価格(税込)
ガソリン車 S-T 2,290,000円
S-T“LED Package” 2,346,000円
G-T 2,605,200円
G-T“Mode-Nero” 2,655,200円
G-T“Mode-Bruno”
ハイブリッド車 S 2,614,000円
S“LED Package” 2,670,000円
G 2,929,200円
G“Mode-Nero” 2,979,200円
G“Mode-Bruno”

ガソリン車には2WD/4WDの設定があり、ハイブリッド車は2WDのみの設定。上記価格はすべて2WDで、4WDは194,400円高となる。最廉価モデルはガソリン車の「S-T」グレード(2WD)で、2,290,000円とかなり手ごろな価格設定だ

デザイン計算され尽くしたスタイリングと、ジャストサイズのパッケージング

価格.comユーザーレビュー抜粋
ユーザー

このクルマに決めたいちばんの理由はエクステリア。私は格好いいと思います。

ユーザー

斬新でありながら奇抜ではなく、全体的にもよくまとまっています。

ユーザー

後部座席は広くはありません。大人3人で乗るとかなり狭く感じます。

ユーザー

屋根のデザインが下がっていっているので、普通の感覚で乗り降りすると頭をぶつけます。

ユーザー

リヤシートは閉塞感があると聞いてましたがそこまで感じませんでした。さすがに180cmオーバーの友人を乗せたら、頭が天井につきそうでしたが。

※2019年1月23日時点、価格.comの「C-HR」「C-HR ハイブリッド」製品ページに寄せられたユーザーレビュー

ボディサイズは4,360mm(全長)×1,795mm(全幅)×1,550mm(全高)と、コンパクトSUVらしく小ぶりなサイズだが、存在感は抜群。「このクルマに決めたいちばんの理由はエクステリア」といったコメントがユーザーから寄せられているように、デザインに惚れ込んで購入を決める人が多いという。塊から削り出した彫刻のような造形や、ボディに溶け込むようにデザインされたリヤのドアハンドル、四肢で路面をとらえるような躍動感を表す大径ホイールなど、さまざまな要素を取り入れながら、まとまりのあるデザインとなっている。

「C-HR」のデザインについて竹岡さんは、「私は以前から、クルマの購入動機は『見た目が8割以上』が持論。かっこいいクルマに乗れば気分も高揚するし、大切に、長く乗りたいと思うはずです。そういった意味でも『C-HR』のデザインは高評価。スタイリングにホレて購入する人が多いのも納得できます。私が特に気に入ってるのはリヤの造形ですね。(テールランプ部分を指差しながら)このくびれなんてとても斬新で、優等生的なクルマの多いトヨタがここまでやるとは、最初は驚きました」と語る。※ガソリン車(4WD)は4,360mm(全長)×1,795mm(全幅)×1,565mm(全高)。

トヨタ「C-HR」 トヨタ「C-HR」

ボディサイズはコンパクトだが、抑揚の効いたボディラインやリヤを絞った疾走感のあるデザインと、SUVらしい力強さをクロスオーバーさせたスタイリングはひと際目を引く

トヨタ「C-HR」 トヨタ「C-HR」

リヤのドア下部からテールランプに向かって一気に駆け上がるキャラクターラインや、ボディから張り出したテールランプの造形など、「C-HR」だとひと目でわかるデザインとなっている

トヨタ「C-HR」

竹岡さんが特に気に入っているのはリヤのデザイン。テールランプ部分のくびれを指差しながら、「よくここまで振り切りましたよね。こんなクルマ、ほかにはなかなか見あたりません」と感心しきりだった

トヨタ「C-HR」

ハイブリッド車には、18インチアルミホイールが標準装備される。大径ホイールはこのクルマのポイントのひとつであり、スポークデザインもスタイリッシュだ

トヨタ「C-HR」

ブラックやホワイトといった定番色だけでなく、カラーバリエーションも豊富に用意され、選ぶ楽しみが多いのも竹岡さんのお気に入りのポイント。「最近は色にこだわる人が多いですから、カラーバリエーションの豊富さは魅力です。個人的には、レッドやイエローなどメリハリのある色がよく似合うなって思っています」

ダイナミックで個性的なエクステリアに対して、「C-HR」のインテリアは上質感とエレガントさを強調したものになっている。コンセプトは、質感と先進性を融合させた「センシュアル・テック」。開放感がありながら、インパネの角度を若干運転席側に向けるなど、ドライバーが直感的に操作できるようレイアウトも考え抜かれている印象だ。

「ダイヤモンドをモチーフにしたアクセントで、インテリアに統一感を持たせているのはおもしろいですね。個性を強調しようとすると、どうしても華美な方向に走りがちですが、『C-HR』はデザインのさじ加減がちょうどいい。ダイヤモンドモチーフが、シートやドアトリムだけでなく、サイドシルやラゲッジ開口部、前席の天井など、さまざまな個所に散りばめられています。でも、決してうるさい感じではなく、バランスが絶妙なんです。さすがトヨタの世界戦略車、といったところでしょうか」と竹岡さん。

トヨタ「C-HR」

黒を基調にまとめたインパネには広がり感があり、各種操作系をドライバー側に向けたレイアウトを採用。ただスタイリッシュなだけでなく、実用性も十分に考えられている

トヨタ「C-HR」 トヨタ「C-HR」

ダイヤモンドをモチーフにした加飾はインテリアの各所に見られる。前後のドアトリムにも採用されており、「立体的に成形されているこの加飾は上質感があっていいですね」と竹岡さんも高評価。また、天井にもダイヤモンドモチーフの模様が施されており、「後席から目に付く位置にあって、家族や友人を乗せた際に、さりげなくおしゃれさをアピールできそうです」

トヨタ「C-HR」 トヨタ「C-HR」

センターコンソールにはピアノブラックの樹脂素材を採用。「ラメが入っているので、光の反射角度によってキラキラと表情が変化するのがいいですね」

ただ、居住性については、「後席が狭い」「後席の乗り降りで頭をぶつけることもあります」など、ややネガティブなコメントも寄せられている。「そういった声が存在するのはわかりますが、独特なスタイリングと躍動感のある走りに重きを置いたクルマですので、そこは割り切って購入すべきでしょう」と、竹岡さんは言う。

「後席をもっと広くするのは簡単だと思います。乗り降りに関しても、リヤの絞り込みを少なくすれば解決するでしょう。でも、そうしたらほかのクルマと変わらなくなってしまうし、デザインコンシャスな『C-HR』の魅力が損なわれてしまいます。狭いと言っても、実用的には支障がないと私には思えるので、“狭いからダメ”というのは、このクルマの評価としてちょっと違うかなと感じます」

前席に関しては、足元も頭上も十分なゆとりがあり、ヒップポイントがやや高めに設定されるため前方視界や見切りも良好。シートも、腰回りのサポートがしっかりしているので長距離を走行しても実に快適だった。

「シートの評価が厳しい欧州や北米でも販売されている世界戦略車ということもあり、シートの出来はとてもよく感じました。これは、座れば誰でもわかると思います。また、『スーパーUVカット・IRカット機能付フロントドアグリーンガラス』や『温熱シート』など、女性にとってうれしい装備にも抜かりがありませんね」と、竹岡さんは納得の様子だった。

トヨタ「C-HR」

ブラックのファブリックと、ブラウンの本革をコーディネイトしたシートは、適度なサポートと反発があり、長時間運転しても疲れにくい。「前方の視界や見切りがいいので、運転にあまり自信のない人でも安心して運転できると思います」と竹岡さんは語る

トヨタ「C-HR」

「狭い」という声が寄せられている後席だが、「外観から想像するのとは違い、乗ってみると足元も頭上もそれほど狭さは感じません。キャラクター的に、後席の広さを求めるクルマではないと思いますので、必要十分な居住性と言えるのではないでしょうか」

トヨタ「C-HR」

ラゲッジスペースは、SUVとしては控えめな容量。「でも普段使いには問題ないし、大きな荷物があるならシートを倒せばいい。それに開口部が広くとってあるから、荷物を積み込みやすいというのは強調していい点だと思います」

トヨタ「C-HR」 トヨタ「C-HR」
トヨタ「C-HR」 トヨタ「C-HR」

収納スペースは車内随所に用意されている。センターコンソールのドリンクホルダーやUSBソケット、収納付きアームレスト、大きなカップの入るリヤシートのドリンクホルダーなど、「このあたりはさすがトヨタ。あってほしいものがひと通り装備されていますね」と竹岡さんの評価も高かった

走行性能SUVとしての走りのよさと安全性能を詳細チェック

価格.comユーザーレビュー抜粋
ユーザー

ガッチリした剛性感や、静かで重厚な走行フィールは、とても素晴らしい。

ユーザー

ハイブリッド車に乗っていますが、素晴らしい燃費性能ですね。カタログ値を超えます。

ユーザー

とにかく快適で気持ちよく、安全装備も充実していて満足です。

ユーザー

安全機能が非常に便利。初めてのクルマが「C-HR」でよかったと思っています。免許取り立て1か月で県外旅行ができました。

ユーザー

コンパクトSUVというジャンルのため、バンのようにものすごい量の荷物が入るわけではなく、RVのようにぬかるんだ道を走破できる走行性能もありません。

※2019年1月22日時点、価格.comの「C-HR」「C-HR ハイブリッド」製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。

躍動感のあるデザインから、走りへの期待も高い「C-HR」。ユーザーのコメントにも「静かで重厚な走行フィールは、とても素晴らしい」「快適で気持ちがいい」など、ポジティブな内容が目立つ。SUVでありながら、開発段階でドイツのアウトバーンや、ニュルブルクリンクなど、欧州を中心に走り込んだ成果がしっかりと注ぎ込まれているようだ。

トヨタ「C-HR」

ハイブリッド車のエンジンは、最高出力72kW(98PS)、最大トルク142N・m(14.5kgf・m)の1.8L直列4気筒。これに最高出力53kW(72PS)、最大トルク163N・m(16.6kgf・m)のモーターが加わり、システム最高出力は90kW(122PS)となる

トヨタ「C-HR」

「普通乗用車よりもやや高く、一般的なSUVよりもやや低め。いかにもコンパクトSUVといったヒップポイントの高さで、前方視界が広いから運転しやすい」と竹岡さん。前方や左右の状況がとてもつかみやすいと言う

まず市街地を走行してみたが、最初に感じたのはスムーズな加速。モーターのみのEV走行でスーッと走り出して、エンジンが始動しても気になる衝撃はなく、軽快にスピードに乗っていける。また大径ホイールを装着していながら、最小回転半径は5.2mと小さく、キビキビと走る印象。これはサスペンションの取り付け位置など、「C-HR」専用に設計できる「TNGA」のプラットフォームの恩恵とも言えそうだ。

「街中を走ると、ボディサイズが実にちょうどいいことがよくわかると思います。細い道もストレスなく走れますから。また、ストップ&ゴーが多い市街地の走行が中心なら、燃費のことも考えて、ハイブリッド車を選ぶのがいいのではないでしょうか」と竹岡さん。

高速道路ではどうだろう。試乗車の車両重量は約1,440kgだが、エンジンとモーターを合わせた最高出力が90kW(122PS)となるため、十分にパワフル。本線への合流でも、追い越しでもストレスを感じることはない。普通乗用車に比べるとやや全高が高いが、スピードが上がるに従って安定感が増すような感覚があり、ゆとりあるクルージングも楽しめた。

「ハンドリングも素直で、ワインディング走行でも頼もしそう。また、一般的なハイブリッド車にはデジタルメーターが採用されるケースが多いですが、『C-HR』はスピードメーター、システムインジケーターともにアナログメーターで、クルマを操っている感覚がダイレクトに伝わってくるので、走るよろこびを存分に感じられます」

いっぽうで、「RVのようにぬかるんだ道を走破できる走行性能はありません」といったコメントがユーザーから寄せられているように、本格的なクロスカントリーSUVのような走破性を期待するのは難しいが、竹岡さん的には「オートキャンプや釣りなど、日常のちょっと先にあるフィールドであれば問題ないでしょう。そもそも市街地などのオンロードをメインに想定して、デザインも走りも磨いているのですから、悪路をガンガン走りたいという人は、ほかの選択肢を考えたほうがいいかもしれませんね」という意見だった。

トヨタ「C-HR」

街中での印象は軽快でキビキビと走る。「信号待ちからアクセルを踏み込むと、まずモーターのみのEV走行、そして時速30km/hほどでエンジン走行に切り替わります。その際の振動もあまり感じられないため、乗り心地はいたってなめらかですよ」

トヨタ「C-HR」

高速道路では、システム最高出力90kW(122PS)のパワーが十分に感じられる。アクセルの踏み込みに反応して、ググッと力強く加速していく感覚はハイブリッド車ならでは。速度を上げても室内は静かなままだ。「エッジの効いたエクステリアのデザインは空力面でも効果があるのでしょう。風切り音も気にならないし、これならロングドライブでも快適に運転を楽しめると思います」と竹岡さん

デザインや居住性、走りなどと同様、クルマを選ぶ際に欠かせないポイントとなっている安全性能。「C-HR」は、国が推奨する自動車安全コンセプト「セーフティ・サポートカー」に該当するモデルで、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」を全グレードに標準装備する。JNCAPの予防安全性能評価では、2017年度、最高ランクの「ASV++」を獲得するなど、安全性能に関する評価も極めて高い。

「Toyota Safety Sense」は、単眼カメラとミリ波レーダーを併用した2つのセンサーにより、前方の車両、歩行者を検知。衝突回避の警報を発したり、ブレーキ操作をアシストしたりする機能の総称である。車速に応じて車間距離を保ちながら、追従走行を可能にする「レーダークルーズコントロール」も、もちろん備えている。

「こうした安全装備はどのメーカーも注力していますが、万が一への備えとして必要なもの。『C-HR』の場合、デザイン優先のスタイリングであり、運転に慣れない人は後方が見にくく感じられるかもしれませんが、車両後方の状況確認をフォローする『リヤクロストラフィックアラート』などもオプションで用意されているので、ぜひチェックしたいですね」

トヨタ「C-HR」

トヨタの衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」を全グレードに標準装備。フロントウインドウ上部の単眼カメラと、フロントグリルのトヨタロゴ部分に内蔵されたミリ波レーダーがシステムの基盤になる。「プリクラッシュセーフティ」「レーンディパーチャーアラート」「オートマチックハイビーム」「レーダークルーズコントロール」など、さまざまな衝突回避支援を実現してくれる

コラム2つの特別仕様車が登場

トヨタ「C-HR」

2018年12月3日から、「C-HR」に2つの特別仕様車が加わった。それが「Mode-Nero」と「Mode-Bruno」だ。「Mode-Nero」は、インテリアにブラック基調のデザインを採用するとともに、シート表皮にアクセントカラーとしてクールグレーを使い、クール&スポーティーな雰囲気に仕立てている。「Mode-Bruno」は、ツートーンの専用エクステリアカラーや、ブラウンを基調としたインテリアを採用。シート表皮やインパネ、コンソールボックスにはダークサドルタンを配色し、上質感を強調している。

ボディカラーは、モノトーンの「ブラッキュッシュアゲハガラスフレーク」、ツートーンの「ダークブラウンマイカメタリック/ホワイトパールクリスタルシャイン」など、4つの特別色を含む全11色が用意される。さらに、「バックカメラ」と、「リヤクロストラフィックアラート」を特別装備し、後退時の安全運転をサポート。価格はガソリン車の「G-T“Mode-Nero”」と「G-T“Mode-Bruno”」が2,655,200円(2WD、税込)/2,849,600円(4WD、税込)、ハイブリッド車の「G“Mode-Nero”」と「G“Mode-Bruno”」が2,979,200円(税込)となっている。「C-HR」の世界観を広げる新たな提案を、ぜひチェックしてみてほしい。

トヨタ「C-HR」 トヨタ「C-HR」

「Mode-Nero」は外装にブラック塗装、ブラックナットの18インチホイールを特別装備する

トヨタ「C-HR」 トヨタ「C-HR」

「Mode-Bruno」はフロントアウトサイドドアハンドルにメッキを使ったおしゃれな雰囲気だ

まとめパワートレインも価格も幅広いラインアップで、最適な1台が選べる

今回レビューしたのは1.8Lのハイブリッド車だったが、1.2L直噴ターボのガソリン車も合わせて、「選ぶ楽しみがあるところも、『C-HR』の大きな魅力」と竹岡さんは言う。「2つのパワートレインの性格の違いは乗り比べればすぐわかると思います。ハイブリッド車はどっしりとした重厚感があり、ガソリン車のほうがハンドリングは軽快。これは良い悪いではなく好みの問題なので、ぜひ乗り比べてみてほしいと思います。さまざまな状況で安定感のある走りを求める人、雪道や未舗装路などを走る機会が多い人なら4WDを選択肢に加えてもいい。せっかくこれだけの選択肢があるのですから、自分にぴったりの1台をじっくり選んでほしいですね」。

全国のトヨタディーラーには、さまざまなタイプの「C-HR」が試乗車として用意されているので、個性的なデザインを確認する意味も込めて、ぜひディーラーへ足を運んで、「C-HR」の魅力を体感してみてほしい。

撮影協力/富士山樹空の森

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この記事は2019年2月14日の情報を基にしております。