新4K衛星放送も!地デジも!より美しく楽しめる 4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」徹底レビュー

2018年12月にスタートした新4K衛星放送。フルHDの4倍となる高精細な映像コンテンツをより美しく楽しみたいなら、パナソニックの4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」シリーズに注目してほしい。本機は、新たにBS4K/110度CS4Kチューナーを内蔵したのはもちろん、パナソニック独自の高画質技術により、新4K衛星放送はより美しく、地デジやネット動画などは4K HDR相当の画質で視聴できる高画質モデルになっているのだ。ここでは、リビングルームのテレビの買い換えにぴったりの55V型「TH-55GX850」を使って、その実力をレビューしていく。

画 質新4K衛星放送も地デジも、よりキレイにする高画質技術が満載

2018年12月1日、BS/110度CS放送波を使ってスタートした「新4K衛星放送」。これに合わせて、テレビメーカー各社からBS4K/110度CS4Kチューナーを内蔵した4Kテレビが続々と発売されている。そんな4Kチューナー内蔵テレビのひとつとして注目したいのが、パナソニックの4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」シリーズだ。

4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」

新4K衛星放送を受信できるBS4K/110度CS4Kチューナーを内蔵したパナソニックの最新4K液晶テレビ「GX850」シリーズ。65V、55V、49V、43V型の4サイズをラインアップし、リビングルームの大きさなどに合わせて好みの画面サイズが選べるのも魅力だ。本記事では、55V型の「TH-55GX850」を用いてレビューしていく

まずは、「GX850」シリーズに搭載されている高画質技術からひも解いていこう。色再現技術には、映像編集用マスターモニターにも用いられる3次元カラーマネジメント回路(3D-LUT)を採用した「ヘキサクロマドライブ」を搭載しているが、本記事でまず注目したいのは、新4K衛星放送をより美しく再現してくれる高コントラスト化技術「AI HDRリマスター」だ。

これは、一般的なSDR(スタンダードダイナミックレンジ)コンテンツに対しては、同じコンテンツのSDRとHDRの膨大な映像テータベースを、AI(人工知能)の機械学習で解析することで作成した変換アルゴリズムにより、SDRの映像をHDR相当の映像に変換し、HDR(ハイダイナミックレンジ)コンテンツに対しては、シーンごとに明るさ情報を解析して最適なHDR高画質化処理を行ってくれる新技術。この技術によって、4K HDRコンテンツも、そうではない4Kコンテンツも、通常よりグッとコントラストの効いたメリハリのある映像として再現されるのだ。

AI HDRリマスター 4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」

高コントラスト化技術に用いられる変換アルゴリズムは人間の手によって作成されるのが一般的。「AI HDRリマスター」では、この部分にAIによる機械学習を取り入れて、変換アルゴリズムの精度を向上。さらに、HDRコンテンツに対しては、シーン解析型のHDR高画質化処理を施してより適切な明暗再現を実現している

Wエリア制御 4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」

「AI HDRリマスター」とともに、高コントラスト再現を可能にしている技術が「Wエリア制御」だ。LEDバックライトのエリア制御と、信号処理によるエリアコントラスト制御を組み合わせることで、引き締まった黒や、黒つぶれのない陰影など、明暗の表現力を高めている

4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」

写真ではテレビのHDR表現を存分に切り取れないのが残念だが、上の4K HDR映像を「GX850」シリーズに表示させたところ、背景に広がる紅葉の圧倒的な明るさに目を奪われた。しかし、画面左右の陰になった茂みに目を凝らすと、そこにある細かな葉の階調までしっかりと見て取れる。輝度ピークを高めながら、暗部でも破綻のない階調表現を行っている点に、本機のコントラスト再現力の高さを見せつけられた感じがした

そしてもうひとつ、地デジやブルーレイなどの2K以下の解像度の映像を4K相当の画質に変換してくれる4Kアップコンバート技術にも、最新のテクノロジーが採用されている。それが、4K高精細化技術「素材解像度検出 4Kファインリマスターエンジン」だ。

この技術のポイントは、その名称からもわかるとおり、映像内のオブジェクトごとに高精細化処理を行う「4Kファインリマスターエンジン」に、入力された映像ソース(素材)の解像度を判別する「素材解像度検出」機能が追加されたこと。これにより、入力されるさまざまな映像コンテンツに合わせて適切な4K高精細化処理が行えるようになった。4K放送やブルーレイ、地デジ、ネット動画など、さまざまな、コンテンツを4K相当のクリアな画質でノイズ少なく楽しむことができるのだ。

素材解像度検出 4Kファインリマスターエンジン 4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」

入力映像のオリジナル解像度を検出したうえで、それに合わせた4K高精細化処理を行う「素材解像度検出 4Kファインリマスターエンジン」。入力される映像の解像度だけでなく、その中の情報量の違いを見極めて、それに合わせて適切な処理を行ってくれるように進化したのがポイントだ

4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」

情報量の多いパステルカラーの街並みと、情報量の少ない青空や海が混在した4K映像。こうした映像全体に一律の4K高精細化処理をかけると、過度なエッジの強調が発生し質感が失われやすい。しかし映像ソースの解像度に加えて情報量を見分けたうえで、画面上の各オブジェクトに合わせて適切な「部分解析映像処理」を行う「GX850」シリーズの映像は、街並みのディテールがくっきりとしていると同時に、空や海ものっぺりとせず、ノイズもほとんど感じられない

オブジェクト検出 倍速表示 4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」

スポーツ番組など動きの速い映像を楽しむ場合に効果を発揮する「オブジェクト検出 倍速表示」も、「GX850」シリーズに搭載された新技術。動きの量から背景とオブジェクトを分離して倍速補完を行うので、画面全体が大きく動くような映像はもちろん、画面内で小さなボールが素早く動くような映像でも、破綻の少ない輪郭を保った映像として表示される

4K HDRを思いっきり楽しみたい人に朗報「GX850」シリーズは全方位HDR対応!

「GX850」シリーズは、「HDR10」「HLG」「HDR10+」「Dolby Vision」という4方式のHDR規格に対応した4Kテレビでもある。ひと口にHDRと言っても、「Ultra HD Blu-ray」では「HDR10」、新4K衛星放送では「HLG(ハイブリッド・ログガンマ)」など、さまざまな方式があるのが現状だが、「GX850」シリーズはこの4方式に幅広く対応するので安心。しかも、搭載する4基のHDMI入力端子のすべてが8Gbps(4K/60p/HDR)に対応するため、複数のHDR再生機器をつなぐこともできる。4K HDRを存分に楽しみたいというAVファンにも強く訴求するポイントだ。

「GX850」シリーズが対応するHDR方式

規格名 概要
HDR10 「Ultra HD Blu-ray」などに採用されているHDRの標準規格。HDRと言った場合、一般にこの「HDR10」を指すことが多い
HLG 輝度値を相対的に扱うことで汎用性を高めたHDR方式で、主に放送などに適しているとされる。日本では新4K衛星放送に採用されている
HDR10+ 「HDR10」をベースにしながら、シーンごとに輝度情報を付加できるダイナミックメタデータを採用したHDRの最新規格。「HDR10」と互換性を持つ。「Ultra HD Blu-ray」に採用
Dolby Vision 輝度、コントラスト、色彩などの付加情報をシーンごとに付加するダイナミックメタデータを採用したドルビー社が推進するHDR規格。「Ultra HD Blu-ray」やVODなどに採用

音 質テレビ本体のスピーカーだけで立体音響「ドルビーアトモス」が体験できる

続いては、「GX850」シリーズのサウンド面をチェックしていこう。言わずもがなだが、どんなに高画質な4Kテレビでも、聞こえてくるサウンドに厚みがなければ、せっかくの高画質も迫力に欠けてしまう。もちろん、容積が限られる薄型テレビの内蔵スピーカーにホームシアターシステムのような大迫力の音響効果を求めるのは難しいが、それでもモノ作りに妥協を許さないのがパナソニック。テレビ単体でも多くの人が満足できる得るレベルの高音質が実現されている。

それを実現するのが、音声実用最大出力30W(15W+15W)の「ダイナミックサウンドシステム」だ。これは、映像と音声を処理する回路を分離したうえ、2基のスピーカーをそれぞれ独立したアンプで駆動させる「バイアンプ駆動」のシステムで、ハイエンドオーディオの設計を積極的に応用することで低ノイズ・低ひずみでパワフルなサウンド実現している。スピーカーは下向き設置となるが、画面から音声が聞こえるように定位が補正されているので、響いてくるサウンドにも十分迫力がある。

4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」

「GX850」シリーズは左右にそれぞれ15W出力のスピーカーボックスを搭載。スピーカーボックスの表面に凹凸を設けて剛性を高め、不要な振動を抑制。ノイズを抑え込む作りになっているという

4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」

一般的なテレビは、映像と音声を同一の回路で処理することが多い。しかし、ハイエンドオーディオの設計思想が取り入れられた「GX850」シリーズは、音声と映像を処理する回路を分けることで、不要なノイズややひずみを低減。さらに、2基のスピーカーそれぞれに専用アンプを搭載するなど、音質面にもこだわりが見られる

また、このテレビ内蔵スピーカーだけで、左右に加え、上下方向の音像表現も可能にする最新の立体音響技術「ドルビーアトモス」に対応する点も見逃せない。「Ultra HD Blu-ray」をはじめ、「Netflix」などの映像配信サービスのコンテンツにも「ドルビーアトモス」に対応したものが増えているが、この立体音響を楽しむには、天井を含めたさまざまな方向にスピーカーを設置する必要があり、導入が容易ではなかった。ところが、「GX850」シリーズは内蔵スピーカーだけで、上から左から右からと包み込むようなサラウンドサウンドを擬似的に再現。ワンランク上のサラウンド体験が手軽にできるのだ。

4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」

「GX850」シリーズは、水平方向のサラウンドに、高さ方向のサラウンドをプラスした立体音響技術「ドルビーアトモス」を内蔵スピーカーだけで再現する。テレビ放送などのステレオ音声も立体音響にアップミックスできるので、映像ソースにかかわらず手軽に立体音響を楽しむことができる

4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」

「ドルビーアトモス」は初期設定時からオンになっているので、地デジのテレビ番組などでもその効果を体感できる。リモコンで「ドルビーアトモス」のオン/オフを切り替えながら、その効果の違いを確かめてみたところ、オンにしたほうが明らかにサウンドの広がりが感じられた。この臨場感の高さは、映画だけでなく、ライブ映像やスポーツ中継とも相性がよさそうだ

使い勝手リビングルームのテレビにぴったりな広視野角。転倒防止スタンドも採用

家族が集まるリビングルームの特等席に設置する大画面テレビには、高画質や高音質はもちろん、使い勝手のよさも求めたいものだ。その点、「GX850」シリーズはどうだろう。

「GX850」シリーズのボディは、美しい映像にどっぷりと浸れるよう、華美な装飾を排した「ノイズレスデザイン」。リビングルームに違和感なく溶け込んでくれる。また、液晶パネルには、斜めから見てもコントラストが低下しにくいIPSパネルを採用しているので、リビングルームに設置して家族揃ってテレビを視聴する場合でも、みんなが高コントラストな映像で楽しめるのがうれしい。

4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」 4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」

画面の外周のベゼルは非常に細く、存在感を主張しない。この主張しないデザインが「GX850」シリーズのデザイン上の特徴である。映像の表示がテレビの本分であると考え、それをじゃまするものはすべて“ノイズ”として排除している。とはいえ、視聴にまで影響しない画面の裏側に、高級感のあるシボ加工を施しているあたりは、パナソニックのこだわりなのだろう

4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」 4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」

リビングルームに設置する大画面テレビこそ、IPSパネルのメリットが十分に生かされる。斜めから画面を覗き込んでも、コントラストが低下しにくく、映像の変化の少ないのでとにかく見やすいのだ

アレコレチャンネル
4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」 4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」

「GX850」シリーズを操作していて便利だと感じたのが「アレコレチャンネル」。リモコンのボタンひとつでアクセスでき、今放送中のテレビ番組から録画番組、ネット動画まで、さまざまな映像コンテンツをピックアップして一覧表示してくれる。見たい番組を選択すれば、ここから視聴したり、録画予約したりすることが可能。このほか、よく見るチャンネルやネット動画アプリを、ホーム画面やリモコンの「マイアプリ」ボタンに登録しておけるのも便利だ

リビングルームに設置するインテリアとして機能性が高いのも、「GX850」シリーズの注目すべきポイントだ。それを象徴する機能が「転倒防止スタンド」。大画面テレビの転倒防止対策では、ワイヤーを用いて壁に固定するという方法もあるが、壁などに穴を開ける必要があるこの方法を実践している人はどれだけいるだろうか。

そんな現実を冷静に分析し、パナソニックが編み出したのが、テレビを設置する台にテレビのスタンドを吸着させるという方法だ。実際にこの機構が採用された「転倒防止スタンド」を試してみたが、これが不思議。テレビ台にピタッとくっついて、持ち上げようとしてもびくともしない。抜群に安定するので、地震が来てもぐらつかないし、たとえ、ぶつかったとしてもちょっとやそっとで転倒することはないだろう。これは、なかなかすぐれた機構だ。

転倒防止スタンド
4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」 4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」

一見した限りは通常のセンタースタンドだが、底面には円形の吸盤が装備されていた。この吸盤は、テレビが倒れようとする力が働くと設置したテレビ台にピタッと吸着し、もしもの地震のときなどに、テレビが簡単に倒れてしまうことを防いでくれる

転倒防止スタンドの効果を確かめてみよう。普段は吸着操作スイッチが見えないように付属のスタンドカバーで覆うことができるが、それを外すと吸着操作スイッチにアクセス可能。このスイッチをオンにすると、テレビスタンドをテレビ台に吸着できる。すると吸着前は簡単に持ち上がったテレビが、テレビ台から離れなくなった。持ち上げようとすると、テレビ台も一緒に持ち上がってしまいそうなほど。吸着解除も吸着操作スイッチで簡単に行える

まとめ家族揃って快適に高画質・高音質を堪能できる4Kチューナー内蔵テレビ

2018年12月、ついにスタートした新4K衛星放送。4Kテレビを購入するなら、これからはBS4K/110度CS4Kチューナーを内蔵したテレビのほうがいいと思っている人は多いはずだ。

今回レビューしたパナソニックの4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」シリーズは、まさにそんな人のニーズに応えてくれるモデルであるが、単に4Kチューナーを搭載しただけではなく、プラスアルファの価値を感じられる製品に仕上がっていた。新たに始まった新4K衛星放送はより美しく、従来の地デジなどは高精細な4K相当の画質でしっかりと表示。そのうえ、内蔵スピーカーだけで立体音響を楽しむことまでできるのだ。AVファンにとっては、「HDR10」「HLG」「HDR10+」「Dolby Vision」の4方式のHDR規格に対応しているのも魅力だろう。

そして忘れてはいけないのが、パナソニックらしい使い勝手のよさ。リビングルームの中心に設置して、家族みんなが安心して楽しめるような工夫があちこちに見られた。今、大画面テレビの買い換えを検討している人は、この4Kチューナー内蔵ビエラ「GX850」シリーズに注目しない手はないだろう。