「レグザ」ブランドを有する東芝映像ソリューションを傘下に収めた世界的な総合家電メーカー、ハイセンス。両者が共同開発した映像エンジン「レグザエンジンNEO」を搭載した4K液晶テレビ「A6800」シリーズが2018年12月に発売され好評を博しているが、それに続くモデルとして2019年2月に発表されたのが、4K有機ELテレビ「E8000」と4K ULEDテレビ「U7E」シリーズの2つだ。どちらも、映像エンジンに、さらなる高性能を追求した「レグザエンジンNEO plus」を搭載したのがポイント。その出来映えはどれほどのものか、早速チェックしていこう。

価格.com上でも人気ハイセンスと東芝映像ソリューションの技術が融合して生まれた4Kテレビ

ハイセンス4Kテレビ

東芝映像ソリューションと共同開発した高性能映像エンジンを搭載した高画質モデルの第2段として登場する、4K有機ELテレビ「E8000」(写真左)と4K ULEDテレビ「U7E」(写真右)。「レグザ」に迫る圧巻の映像再現力が期待される。写真はともに55V型

1969年に中国・青島で誕生した総合家電メーカー、ハイセンスは、2010年に日本国内のテレビ市場に参入して以降、すぐれた価格競争力で徐々に存在感を高めてきた。2017年11月には「レグザ」ブランドを有する東芝映像ソリューションを傘下に収めたことで、その動向がこれまで以上に注目されている。

実際、ハイセンスと東芝映像ソリューションの技術が融合して生まれた映像エンジン「レグザエンジンNEO」を初搭載した4K液晶テレビ「A6800」は、その画質と価格のバランスのよさから、2018年12月の発売以降、瞬く間に人気を集め、50V型「50A6800」が価格.com「薄型テレビ」カテゴリーの売れ筋/注目ランキングでともに1位(2019年2月18日時点)を獲得。価格.comユーザーの大きな注目を集めている。

そんな「A6800」シリーズに続けと言わんばかりに2019年3月に発売されるのが、4K有機ELテレビ「E8000」(55V型のみ)と、4K ULEDテレビ「U7E」シリーズ(55V、65V型)の2つ。映像エンジンには、「レグザエンジンNEO」の処理能力をさらに高めた「レグザエンジンNEO plus」を搭載し、より美しく映像を表示することができるという。また、2018年12月から開始された新4K衛星放送を受信できる4Kチューナーも内蔵しているので、BS/110°CSの受信環境があれば4K放送をすぐに楽しむこともできるのだ。

ハイセンス4Kテレビ

「E8000」「U7E」シリーズともに、新4K衛星放送が受信できるBS/110°CS 4Kチューナー内蔵。4Kチューナー内蔵モデルをまだ発売していない日本国内のテレビメーカーもあるなか、海外メーカーでありながらいち早く内蔵させたところに、ハイセンスの日本市場に対する力の入れ具合が感じられる

ハイセンス4Kテレビ

安心のメーカー3年保証に対応 簡単に買い換えることができない大画面テレビは、できるだけ長く安心して使用したいもの。その点、ハイセンスのテレビには、3年間のメーカー保証(本体のみ、付属リモコンは1年)が付属するので安心感が高い。製品の品質に自信があるからこそ実現された長期保証だ。

4K有機ELテレビ「E8000」最新映像エンジンと有機ELパネルが実現する高画質を見よ!

ハイセンスとして日本市場に初めて投入する4K有機ELテレビ「E8000」。最大の見どころはもちろん、ハイセンスと東芝映像ソリューションが共同開発した「レグザエンジンNEO」をさらに進化させた、高性能映像エンジン「レグザエンジンNEO plus」を搭載したことだ。この映像エンジンには、東芝「レグザ」のハイエンドモデルが搭載する「レグザエンジンEvolution PRO」からゆずり受けた高画質化技術が多数取り込まれており、地上デジタル放送はもちろん、4Kネイティブコンテンツである新4K衛星放送も、よりキレイに楽しむことが可能だ。

レグザエンジンNEO plus
ハイセンス4Kテレビ

東芝映像ソリューションとの共同開発で生まれた高性能映像エンジン「レグザエンジンNEO plus」。最新の有機ELパネルの特性を最大限に引き出し、圧倒されるような美しい映像を表示してくれる

また、120Hzの倍速駆動に対応した最新の有機ELパネルを採用しているのも見逃せない。自発光する「有機EL素子」を使用した有機ELパネルは、液晶テレビのようにLEDバックライトの光が漏れて、画面が白っぽくなる「黒浮き」と呼ばれる現象が発生しないのが特徴。そのため、漆黒とも言える“完全な黒”を表現でき、液晶テレビとは次元の異なる高コントラストな映像表現が可能だ。また、動きの速い映像を残像感少なく表示できるのもメリットと言えるだろう。なお、色域については、「BT.709」を121%カバー。新4K衛星放送の「BT.2020」にも対応するなど、再現できる色の範囲も広い。

また、最新の輝度拡張技術「HDR」への対応も十分。新世代ブルーレイディスク「UHD Blu-ray」などが採用する「HDR10」のほか、新4K衛星放送で使用されている「HLG(ハイブリッド・ログガンマ)」の主要な2規格をサポートしているので、メジャーな4K HDRコンテンツなら、その高コントラストな映像をしっかりと楽しむことができるはずだ。

ハイセンス4Kテレビ

有機ELテレビは、液晶テレビに比べて黒の表現力が段違いに高い。暗闇に炎が浮かび上がる4K HDR映像を表示させてみたが、黒がしっかりと沈み込んでいるうえ、ダイナミックレンジも広いため、ハイライト部はかなり明るく表示され、まるで本物の炎がゆらめいているかのように見える

「レグザエンジンNEO plus」の超解像技術にも注目

BS/CS 4K高画質処理 plus
ハイセンス4Kテレビ

「レグザ」の遺伝子が注ぎ込まれた高性能映像エンジンを採用するだけあって、すぐれた超解像技術も搭載している。特に恩恵が大きいのが、新4K衛星放送の本来の美しさを引き出す「BS/CS 4K高画質処理 plus」だろう。入力された映像の種類に応じて参照するフレームを変え、絵柄に応じたノイズ低減や高精細化処理を行うのだ

地デジ高画質処理 plus
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実際にはフルHD(1920×1080)解像度をやや下回って送り出されている地上デジタル放送(1440×1080)。この映像に対しては、水平4/3倍伸長、水平2倍伸長、垂直2倍伸長の3段階で4Kアップコンバートを行う。そのため、ノイズの少ない自然な4K相当の映像になるのだ。これも「レグザ」ゆずりの高度な高画質化技術だ

価格.comスタッフが「55E8000」を視聴レビュー
ハイセンス4Kテレビ

55V型「55E8000」に4K HDR映像を映し出し、その画質をチェックしてみた。まず目を奪われたのは、有機ELパネルによるコントラスト比の高さ。有機ELならではの黒の深さが際立っており、漆黒の中に浮かび上がる映像を見続けていると、画面の中へと引き込まれそうになる。もちろん、HDR映像ならではのダイナミックレンジの広さも再現されており、シャドー部からハイライト部まで階調表現は繊細で、その映像美に圧倒された。

ハイセンス4Kテレビ ハイセンス4Kテレビ

バイクのエンジンの映像を表示させたところ、複雑な造形になったエンジンの表面に映り込んだ陰影まで階調豊かに再現された。また、同じ赤でも微妙に色の異なる漆器や口紅、チークなどが並んだ映像も色の違いをしっかりと描き分けている。「55E8000」は色再現性も高いと言えるだろう。

続いて、地上デジタル放送のテレビ番組を表示させてみたが、映像にノイズをほとんど感じないうえ、細部まで美しく描かれていた。この4Kアップコンバート性能の高さは、超解像技術に定評のある「レグザ」の遺伝子を受け継いでいるだけのことはある。4Kのネイティブコンテンツだけでなく、地デジタル放送などのテレビ番組がよりキレイに見られるのは素直にうれしい。

また、「55E8000」の内蔵スピーカーは、ツイーターを備えた10W+10Wのシステム。サラウンド技術「Dolby Audio」や、ハイセンス独自のイコライジング技術「Hi-Sound Pro」などにも対応しており、サウンドに広がりが感じられた。人の声を強調し聞き取りやすくする「Clear Sound」や、80Hzの重低音を再現する「BASS BOOST」などの機能も備えるので、内蔵スピーカーだけでも十分に映画やライブ映像を満期することができそうだ。

有機ELならではの圧倒的スリムボディ

バックライトが不要な有機ELテレビには、ボディを極限まで薄くできるというメリットもある。実際に、「55E8000」のボディをチェックすると非常にスリム。最薄部は実測で約5mmしかなく、驚異的な薄さだ。これに加え、画面外周のベゼルも極限まで細くしたと言ってもいいほどの狭額縁になっており、むだがない。また、スタンドにはメタルスタンドが採用され、そのたたずまいはシンプル&スタイリッシュ。デザインの面での満足度も高い。

ハイセンス4Kテレビ

スタンドを含む本体サイズは約1226(幅)×754(高さ)×272(奥行)mmで、ディスプレイの最薄部はなんと実測約5mm。横から見ると薄い板にしか見えないスリムさだ

ハイセンス4Kテレビ ハイセンス4Kテレビ

画面外周のベゼルは実測約8mm(フレーム幅と非表示エリア含む)。この狭額縁がデザイン的にシャープな印象を与えてくれる。センタースタンドは細身だが、頑丈な金属製。実はこのスタンド、小さなテレビラックに設置することの多い日本市場に合わせた専用仕様なのだとか

ハイセンス独自のスマートテレビOS「VIDAA(ヴィダ)」とは?

使い勝手の面では、OSにハイセンス独自のスマートテレビOS「VIDAA」が搭載されているのが特徴。秀逸なのは、表示コンテンツの並び順を使いやすいようにリモコン操作でカスタマイズでき、自分好みのホーム画面を作れる点。「Netflix」や「YouTube」といった定番のネット配信サービスはもちろん、テレビ放送の「番組表」や、外付けのUSBハードディスクを使って録画した番組の「録画リスト」などにも素早くアクセス可能。自分好みにカスタマイズしたホーム画面で、さまざまなコンテンツを手軽に視聴できる。

ハイセンス4Kテレビ ハイセンス4Kテレビ

“素晴らしい生活”というスペイン語に由来する名が付けられた、ハイセンス独自のスマートテレビOS「VIDAA」。「Netflix」や「YouTube」といった海外ブランドのサービスだけでなく、「U-NEXT」や「dTV」「ひかりTV4K」など、日本のサービスにも対応している

4K ULEDテレビ「U7E」シリーズゲームやスポーツも臨場感たっぷり。その高画質・高音質を体験!

4K ULEDテレビ「U7E」シリーズは、ハイセンスの4K液晶テレビの新しいフラッグシップモデルで、55V型と65V型の2モデルをラインアップする。その大きな特徴は、高彩度・広色域を実現する独自の色再現技術「ウルトラカラー」と、LEDバックライトのエリア別制御による高コントラスト技術「ウルトラコントラスト」を実現する「U(ウルトラ)LED」を採用していることだ。ここに、東芝映像ソリューションと共同開発した高性能映像エンジン「レグザエンジンNEO plus」が組み合わさることで、高画質な4K HDR映像が楽しめるモデルとなっている。

ULED
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VA液晶パネルにハイセンス独自の技術を盛り込んだ「ULED」。LEDバックライトに特殊な素材を採用し、輝度を高めたうえ、バックライトの明るさをエリア別制御するローカルディミングの技術を採用することで、「BT.709」を121%、デジタルシネマ規格「DCI-P3」を95%カバーしながら、メリハリのある明暗豊かな映像を表示する

「U7E」シリーズは液晶テレビでありながら、スポーツやゲームなど動きの速い映像に強いのが特徴だ。液晶パネルは120Hzの倍速駆動が可能なうえ、毎秒60コマの映像から中間コマを作り出し120コマで表示させるフレーム補間技術「SMR(Smooth Motion Rate)」を搭載するので、動きの速いシーンもなめらかで、残像感が少ない。ハイセンスと言えば、世界的なサッカー大会の公式スポンサーであるなど、スポーツマーケティングに力を入れていることでもよく知られているが、「U7E」シリーズなら、スポーツ中継なども破綻の少ないなめらかな映像で楽しむことができる。

フレーム補間技術「SMR」
ハイセンス4Kテレビ

動きの速い映像を液晶テレビに表示すると、液晶の動作が追いつかず画面に残ってしまった前の映像と、次の映像との間にズレが生じ、それが残像のように感じられることがある。これに対し「U7E」シリーズは、1秒間に表示されるコマ数を通常の倍の120コマに増やすことで、残像感を低減し、なめらかに見せてくれるのだ

スポーツモード
ハイセンス4Kテレビ
ゲームモード(HDMI入力時のみ有効)
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コンテンツに合わせて最適な映像設定に切り替えられる「映像メニュー」には、「スポーツモード」が用意されている。これを選択すると、フレーム補間技術「SMR」が動作し、映像の残像感を減らしてくれる。また、このメニューには「ゲームモード」も用意されており、映像の残像感を減らすだけでなく、ボタン操作の入力遅延も約0.83msに低減してくれる

また、サウンド面では、55V型「55U7E」は10W+10Wのフルレンジスピーカー(65V型は15W+15W)に加え、ウーハーを2基搭載するため、低音に迫力がある。このほか、サウンドの奥行き感を向上させるサラウンド技術「Dolby Audio」や、コンテンツに合わせてサウンドのバランスを最適化するイコライジング技術「Hi-Sound Pro」、人の声の帯域を強調する「Clear Sound」なども搭載するので、容積の限られた薄型テレビの内蔵スピーカーでありながら、クリアで迫力のあるサウンドを響かせてくれるのだ。

ハイセンス4Kテレビ ハイセンス4Kテレビ

フルレンジスピーカーは画面下部左右に1基ずつ、ウーハーは本体背面に2基搭載している。4K有機ELテレビ「55E8000」に比べて、ウーハーを搭載している分、低音に迫力が感じられた。映画などの視聴に適していると言えそうだ

ハイセンス4Kテレビ ハイセンス4Kテレビ

4K有機ELテレビ「55E8000」ほどではないが、55V型「55U7E」のボディも非常にスリム。ディスプレイの最薄部を実測したところ厚さは約8.5mmだった。LEDバックライトを搭載した液晶テレビであることを考えると、かなり薄い。画面中央から伸びた、鈍いシルバーに輝く金属製スタンドもスマートでスタイリッシュだ

価格.comスタッフが「55U7E」を視聴レビュー
ハイセンス4Kテレビ

55V型「55U7E」の画質をチェックしていこう。まずは、4K HDR映像から。外国の女性が画面いっぱいに映し出されると、ハイセンス独自の「ULED」の効果なのだろうか、顔が非常に明るく、背景の黒が引き締まり、肌色も自然な映像が映し出された。4K有機ELテレビ「55E8000」ほどではないが、4K ULEDテレビの「55U7E」もコントラスト表現や階調表現に長けている印象だ。また、緑に光る宝石の表情も実に繊細に描いており、色再現力も非常に高いと言えるだろう。

ハイセンス4Kテレビ ハイセンス4Kテレビ

次に、「55U7E」の動画性能を確かめるべく、地上デジタル放送のスポーツ番組を「スポーツモード」で視聴してみた。120Hzの倍速駆動パネルとフレーム補間技術「SMR」の効果だろうか、選手同士が接触するような激しい動きのシーンでも残像感がほとんど感じられず、白熱するプレイに思わず手に汗を握ってしまった。また、「ゲームモード」で格闘ゲームをプレイしてみたところ、確かに、通常モードよりレスポンスが向上したように感じられた。数フレームの差を争うようなゲームをプレイする場合に積極的に活用したい。

まとめ国内メーカーの4Kテレビに負けない映像美に驚き!

大変失礼ながら、筆者は、国内ではまだ知名度がそれほど高くないハイセンスの4Kテレビの画質に大きな期待をしていなかった。しかし今回、4K有機ELテレビ「E8000」と4K ULEDテレビ「U7E」シリーズをレビューしていく中で、その認識は180°覆されることとなった。

東芝映像ソリューションとの共同開発で生まれた高性能映像エンジン「レグザエンジンNEO plus」と、最新の高性能パネルを組み合わせて生まれたハイセンスの4Kテレビの画質は、日本国内のテレビメーカーのフラッグシップモデルに迫るほどに美しく、デザイン性や使い勝手も十分以上のクオリティだった。さらに、BS/110°CS 4Kチューナーをいち早く内蔵させるなど、日本市場に対する力の入れようも感じられた。

ハイセンス渾身のモデルとして新たに登場した4K有機ELテレビ「E8000」と4K ULEDテレビ「U7E」シリーズ。その画質をぜひ店頭で確認してみてほしいと思う。その美しさにあなたもきっと驚くはずだ。

4K有機ELテレビ
4K有機ELテレビ
55V型55E8000