トヨタ「ハリアー」のあふれる魅力をプロの視点で解き明かす!

トヨタ「ハリアー」は、平成が生んだロング&ベストセラーカーと言ってもいいだろう。3代目となる現行モデルの誕生から5年半ほど経過しているものの、価格.com「自動車」カテゴリーのSUV人気・注目ランキングでは6位(2019年5月7日時点)を維持し、2018年度の新車販売台数を見ても、SUVの中では5位(日本自動車販売協会連合会調べ)と健闘中。「クロスオーバーSUV」というジャンルを切り拓いたブランドとして高く支持されているのだ。本特集では、長きにわたって支持され続ける「ハリアー」のクルマとしての魅力や、リセールバリューの高さに注目。日本自動車鑑定協会の中古車鑑定士、吉良祐哉氏と、モータージャーナリストの小沢コージ氏に、「ハリアー」についてじっくりと語ってもらった。

日本自動車鑑定協会 鑑定士
吉良祐哉氏

特定非営利活動法人 日本自動車鑑定協会に所属する中古車鑑定士。日ごろは、「Goo鑑定師」として、公正で中立な立場から、「ハリアー」をはじめ、数多くの中古車の鑑定を行っている。
中古車市場の動向を間近で見つめる “中古車のプロ”として本企画に登場

モータージャーナリスト
小沢コージ氏

日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車メーカー勤務を経て、自動車情報誌「NAVI」の編集に携わる。フリーランスとして独立後、各メディアで幅広く活躍。現在は、「ベストカー」「カーセンサー」「carview」「webCG」「週刊プレイボーイ」などで連載を抱えるほか、TBSラジオでパーソナリティーも務める

概要
SUV人気の火付け役は
このクルマだった

平成の自動車市場を振り返った時、大きく様変わりしたカテゴリーのひとつと言えばSUVだろう。1990年代前半、SUVと言えば「無骨な四駆」であり、あくまでもレジャー用のクルマという位置づけだった。悪路走破性にはすぐれるものの、お世辞にもタウンユースや、日常使いに向いたクルマとは言えなかったのだ。

潮目が変わったのは1997年、1台のモデルの登場がきっかけだった。オフローダー由来の力強さと、都市の景観にもしっくりとなじむ洗練されたデザイン。走らせれば、高めのヒップポイントによって見晴らしがよく、セダンなどと比較しても遜色のない乗り心地のよさを持つ。それが、今や世界的に大きな市場を形成している「クロスオーバーSUV」というジャンルを切り拓いたトヨタ「ハリアー」だった。

では、「ハリアー」とはどんなクルマなのか? モータージャーナリストの小沢コージ氏にうかがうと、「初代のキャッチコピーが、『ハリアー』を象徴しているのでは?」というお答え。確かに、“ワイルド・バット・フォーマル”のキャッチコピーで登場した時の印象は強く、「クロスオーバーSUV」という新しいクルマの誕生にワクワクした記憶を持つ人もいるだろう。

「初代が誕生した時から知っている人も、現行モデルから知った人も、『ハリアー』の第一印象は“カッコいい”という人が多いのではないでしょうか。これ、実は『ハリアー』を語るうえでとても重要なポイントで、時代や世代が変わっても受け入れられる、不変的なカッコよさこそがこのクルマの最大の特徴だと思うんです。こうしたポジショニングが可能だったのは、高級・先進・洗練の3つを軸にする『ハリアーネス』というブランドイメージがブレなかったからでしょうね」と小沢氏は語ってくれた。

トヨタ「ハリアー」

1997年の初代モデル誕生以来、「クロスオーバーSUV」というジャンルを築き、市場を牽引するモデルとして支持され続けている「ハリアー」。今回の撮影車は2.0Lガソリン車の「PROGRESS」。ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャインだ

3代目となる現行モデルを改めてじっくり眺めてみたが、力強さとエレガントさ、そして高級感が融合したデザインで確かにカッコいい。さらに、積載性にもすぐれ、多彩なシートアレンジによって大きな荷物や長尺物も苦にしない使い勝手のよさも備えている。また、2.0Lガソリン車、2.0Lターボ車、2.5L+モーターのハイブリッド車という3つのパワートレインが用意されているのもポイントで、荷物をたくさん積みたいアウトドア志向の人にも、走りを楽しみたい人にも、燃費や使い勝手重視のファミリー層にも、幅広く受け入れられる懐の深さがある。

さらに「ハリアー」の魅力を高めているのが、「売るときにも高値が付くことが多い」こと。普遍的なカッコよさを持っているクルマは、人気の上がり下がりが少なく、高いリセールバリューをキープし続ける理由にもなっているのだ。

対談
2人のプロフェッショナルが
「ハリアー」人気の秘密に迫る

対談に入る前に、現行「ハリアー」の中古車市場での人気を示す数字を紹介しておこう。価格.com「中古車」カテゴリーの「SUVの人気中古車ランキング」において、「ハリアー」は堂々3位にランクイン(2019年5月7日時点)。2013年12月の発売から5年半ほど経過している「ハリアー」が、ここ2、3年の間にモデルチェンジされた新興勢力に交じって3位にランクインするだけでも大健闘だが、小沢氏が驚いたのはその価格だと言う。

価格.com「中古車カテゴリー」に登録されている現行「ハリアー」は2339台あるのだが、その最安値は179万円という高値をつけているのだ(2019年5月7日時点)。発売から5年半も経過しているというのに値下がり幅が少なく、小沢氏はその点にかなり驚いたとのこと。

トヨタ「ハリアー」

現行「ハリアー」は価格.com「中古車」カテゴリーの「SUVの人気中古車ランキング」で3位と、上位が定位置。価格.com上での最安値は179万円(2019年5月7日時点)と、発売から5年半近くが経過しながら、驚異的な高値がつけられている

中古車市場での販売価格の高さは、当然ながら下取り価格が高いことを意味する。ではなぜ、「ハリアー」がこれほどまでに高値で取り引きされているのか。日本自動車鑑定協会の鑑定士、吉良祐哉氏と、小沢氏の対談から、その秘密を解き明かしていこう。

対談:1
SUVを中心に、中古車市場は
活況を呈しています

価格.comまずお聞きしたいのが、中古車市場全体の動向です。市場は今、どのような潮流にあるのでしょうか? また、その中でSUVはどのような立ち位置となっているのでしょうか?

吉良氏日本自動車販売協会連合会が発表した統計データによると、2018年度の中古車販売台数(軽自動車除く)は384万2947台です。前年度比は0.4%増で、4年連続のプラスと、堅調に推移しています。実際、鑑定の現場でもその勢いは肌で感じますね。鑑定を依頼されるクルマの数は増えているし、回転も速い。中古車業界全体が活気づいている印象を受けています。また、「日本の中古車は質が高い」という認識が定着しているため、オークションでは海外のバイヤーの姿も目立ちます。

小沢氏今、中古車市場が盛況だとよく聞きますが、実際そうなのですね。日本の新車信仰は今も根強いですが、中古車に対する意識も変わってきているのだと思います。

吉良氏中古車の価格はオークションの相場で決まります。欲しい人が多い、つまり人気のあるクルマほど高値で取り引きされるわけですが、市場が決める価格ですので、需要が反映された適正価格と言えると思います。小沢さんがおっしゃるように、日本は新車信仰が強いと感じますが、ようやく中古車の価値が正しく認識されるようになってきたのだと思います。

小沢氏市場価値が高い、つまりリセールバリューの高いクルマを購入すれば、次回の買い替えの際の選択肢が間違いなく広がります。購入時には、リセールバリューの高さは見落とされがちですが、実はとても重要なポイントのひとつなんですよね。ところで、現在の中古車市場のトレンドはどうでしょうか。カテゴリー別の傾向などはあるのでしょうか?

吉良氏新車市場と連動している部分が多く、最近はSUVが人気ですね。国産車、輸入車問わずSUVの流通量は増えていますし、以前は大きなサイズのSUVが主流でしたが、最近はコンパクトなSUVもたくさんあります。人気があるため相場も安定して高値をキープしていますね。それにしても本当にSUV人気はすごいですよ。

小沢氏私見ですが、消費者マインドには大きく2つの流れがあり、ひとつはクルマを移動手段として突き詰める見方。コモディティ化が進み、その究極のカタチが自動運転になると思います。もうひとつは、クルマに楽しさやステイタスを求める見方。市場がコモディティ化していく中で、個性やライフスタイルを投影しやすいのがSUVなのではないかと。そこに都市生活にも違和感なくなじむ「クロスオーバーSUV」がはまった、そう考えると人気を集めているのも納得です。

トヨタ「ハリアー」

「新車市場や中古車市場における近年のSUV人気は、単なる一過性のブームではなく、自動車市場のひとつの核として定着してきたのではないでしょうか」と、SUVの人気を語る吉良氏

吉良氏そうですね。今、SUVの鑑定依頼はどんどん増えていますが、おっしゃるように「クロスオーバーSUV」が目立ちます。なかでも、鑑定士として人気・価格ともに驚かされることも多いのがトヨタの「ハリアー」ですね。現行モデルは発売から5年半ほどが経過していますが、5年落ちでも180万円を下回ることはほとんどありませんから。ここまで値崩れしないクルマは特別な存在だと思います。

対談:2
大人の色気が感じられるデザインは
飽きることがありません

価格.com国内外のメーカーからSUVが次々に登場している中で、「ハリアー」はなぜ支持され続けているのか、お2人はどうお考えでしょうか?

小沢氏「クロスオーバーSUV」というジャンルを築いたモデルとして認識されている点が大きいと思います。また、トヨタの方にお話をうかがうと、初代モデルを知らない若い世代からも支持されているとのこと。実際、「ハリアー」の中古車を購入するのは、どの世代が多いのでしょうか?

吉良氏20代、30代が最も多い印象で、ファミリーのお客様も多いですね。ラインアップ別で言いますと、若い独身の方はガソリン車、ファミリー層はハイブリッド車を選ぶケースが目立ちますね。ボディカラーは黒が人気で、白がそれに続きます。中古車選びは予算を決めて、予算内で買える車種を検討していくという方が多いのですが、「ハリアー」の場合は珍しく、ほとんどが指名買いです。つまり「ハリアーを探している」という方がほとんどで、ここにも驚かされますよ。

トヨタ「ハリアー」

「カッコよくもあり、ちょっと尖ったところもあり、いろいろな意味でバランスのとれたデザイン。それこそが、『ハリアー』が若い世代からも支持されている理由でしょうね」と語る小沢氏

小沢氏デザイン面は、真面目なだけじゃなく、かと言って完全にワルでもない。高級感と、ちょっと崩したカジュアル感がミックスされたデザインこそ「ハリアー」が幅広く支持される理由でしょう。どことなく、グラマラスなところもいいですよね。一般的に、エクステリアデザインを目立たせようとすると、フロントグリルやヘッドランプまわりに加飾を施して“デザインしすぎる”クルマが多いのですが、「ハリアー」は水平基調ですっきりまとめられながら、鷹をモチーフとしたエンブレムですぐにそれとわかる。またフロントもリヤも面の処理がふくよかで、高級感、安定感がある。どこを見ても隙がなく、とても考え抜かれたデザインだと思います。

トヨタ「ハリアー」 トヨタ「ハリアー」

SUVの中ではミドルサイズに分類される「ハリアー」。洗練された都会的なシーンがよく似合うデザインだ。ボディサイズは、4,725(全長)×1,835(全幅)×1,690(全高)mmで、運転がそれほど得意な人でなくても、十分に取り回せるサイズ感となっている

トヨタ「ハリアー」

小沢氏が気に入っているのは「ハリアー」のフロントグリル。「高級感と、ちょっと崩したカジュアル感がミックスされたデザインがいいですよね」と語る。「デザインに惚れ込んで指名買いする方が多いのもうなずけますね」と、吉良氏も納得の様子

吉良氏「ハリアー」を選ぶ理由として多いのは、やはりエクステリアや、インテリアのデザインです。理屈やスペックじゃなく、「カッコいいから」選ぶという方が多いですね。そして、実際に乗ってみて、細かいところまで突き詰めて考えられたデザインであることに気づくと言います。「ハリアー」を鑑定していて思うのは、先ほど小沢さんがおっしゃった、高級感とカジュアル感をうまく取り入れていること。インテリアを見ても、シートやインパネの質感をはじめ、各部に施されたステッチや、メッキパーツとピアノブラックパーツの採用など、若い世代に響く作り込みがうまいなと感じます。

トヨタ「ハリアー」

黒を基調にまとめられた「ハリアー」のインパネデザイン。ダッシュボードには質感の高いソフトパッドと合成皮革が採用されている

トヨタ「ハリアー」 トヨタ「ハリアー」

インテリアの随所に施されたステッチを指差して、「細部まで本当にキレイに作り込まれていますよね」と、吉良氏も「ハリアー」の内装に感心しきり

小沢氏「ハリアー」はファミリー層からも選ばれているということでしたが、ラゲージルームが広く、多彩なアレンジも可能なため、実用性の高さを評価されている方も多いのではないでしょうか? 子どもが2人の4人家族なら、家族みんなが快適に乗車しながら、荷物をたっぷり積んで出かけることもできますし。

吉良氏確かに、ファミリー層はミニバンを第1候補としている方が多いですが、そのいっぽうで「SUVという選択肢もあったんだ」と、納得する方も多いですね。また、ミニバンを選ぶ場合は奥さんに決定権があり、「ハリアー」などのSUVを選ぶ場合は旦那さんに決定権があるような気もします。

小沢氏あ、そうかも。家族のために快適なスペースを用意しながら、運転席に座る自分は運転を楽しみたい。「ハリアー」は、そんなパパにはぴったりなクルマかもしれませんね。

トヨタ「ハリアー」

リヤシートは6:4の分割可倒式。リヤシート使用状態では456L、リヤシートを倒すと992Lものスペースが出現するため、荷物が多くなりがちなファミリー層にとっても十分な広さだろう

対談:3
パワフルかつスムーズな走りこそ
「ハリアー」の真骨頂

価格.com現行モデルは当初、2.0Lガソリン車、2.5L+モーターのハイブリッド車の2ラインアップ展開でしたが、2017年6月に2.0Lターボ車が加わりました。パワートレイン別で人気、価格の違いはありますか?

吉良氏人気という面では、最も流通量の多いのが2.0Lガソリン車で、次が2.5L+モーターのハイブリッド車ですね。価格差があるため、2.0Lガソリン車は若い独身男性に、2.5L+ハイブリッド車は30代以上の男性や、燃費重視のファミリー層に選ばれるケースが多いと思います。2.0Lターボ車は、まだ中古車市場で流通している量が少ないのですが、スポーティーな走りを意識したモデルなので、ほかとは少し異なる方に選ばれるかもしれません。

小沢氏3つのパワートレインすべてに試乗した経験がありますが、共通しているのは、すぐれたシャーシによるどっしりとした安定感、そして静粛性の高い乗り心地、さらにSUVならではの見晴らしのよさですね。どのモデルも力強さがありながら、セダンのような上質さも感じられます。

吉良氏パッと見はボディが大きく感じるけれど、走らせてみるととても運転しやすい、という方も大勢います。

小沢氏それもあるでしょうね。たとえば新型「RAV4」と比較すると、全幅はハリアーのほうがコンパクト※で、街中でも取り回しやすいし、駐車もラクでしょう。そこも家族みんなで乗車する機会の多いファミリー層にはうれしいポイントですよね。※全幅:「RAV4」1,855mm、「ハリアー」1,835mm

トヨタ「ハリアー」

「何度も試乗していますが、パワフルながらも安定感のある走りはさすが『ハリアー』といったところですね。見晴らしもよく、取り回しもいいので、小柄な女性でも運転しやすいのではないでしょうか」と、小沢氏

吉良氏家族でクルマ選びをする際、以前よりはるかに大きな比重が置かれているのは先進安全機能だと思います。中古車市場でも、衝突回避支援システムなどの先進安全機能が装備されているクルマと、そうでないクルマでは、前者のほうが高く評価されるようになってきています。

小沢氏安心・安全はファミリー層に限らず、クルマ選びの重要なポイントですが、「ハリアー」は「Toyota Safety Sense」を搭載するため、安全面でも抜かりはないと思います。買い物や、子どもの送り迎え、遠出などで活躍するファミリー層のクルマとして、安心感は高いですね。

トヨタ「ハリアー」

「ハリアー」は、トヨタの衝突回避支援システム「Toyota Safety Sense」を全グレードに標準装備。フロントウインドウ上部に取り付けられた単眼カメラと、フロントグリル中央のロゴ部分に内蔵されたミリ波レーダーを併用し、前方のクルマや人を認識し、衝突回避支援を行ってくれる

吉良氏「ハリアー」のリセールバリューの高さ、それはそのまま、「クロスオーバーSUV」としての完成度の高さを証明していると言えるのではないでしょうか。ライフステージや家族構成によって最適なクルマは変わりますが、次のクルマ選びでも納得できる選択をするために、「ハリアー」のようにリセールバリューの高いクルマに乗るのは、ひとつの正解だと思います。

小沢氏ファミリー層のクルマ選びではミニバンが最初に思い浮かぶでしょうが、「ハリアー」をそこに加えるのも十分ありですね。家族が快適に乗車でき、荷物は余裕で積み込めて、さらには運転も楽しめる。さらに、リセールバリューの高さは、家計をあずかるママにもきっちり響くでしょう。家族みんなが納得、そして満足する1台になるはずですから、販売店で実際に体感してみてほしいですね。

トヨタ「ハリアー」

今回の対談を通して、「ハリアー」が支持される理由を再認識した2人。快適性、使い勝手、走り、安全性、そしてリセールバリューまでがアピールポイントとなるのだから、クルマ選びにおいて「ハリアー」は貴重な選択肢になるはずだ

まとめ
乗っているときも売るときも
満足できるSUV

中古車鑑定士とモータージャーナリストというそれぞれの立場から、「ハリアー」の魅力について語ってもらったが、話題の尽きない2人を見ていると、「ハリアー」が「クロスオーバーSUV」としての価値が集約されたクルマであることが改めて伝わってくる。デザイン、使い勝手、走り、安全性、そしてリセールバリューの高さまで備えているとなると、SUV検討層はもちろん、ミニバンを中心に家族のクルマを検討しているファミリー層にとっても、「ハリアー」を選択するメリットは大きそうだ。そう考えると、ここまで満足度の高いクルマは、今後もなかなか出ないのではないだろうか、と思えてくる。