渋く輝く新色「デュラテクトMRKゴールド」をまとった 売り切れ必至の限定モデル シチズン「アテッサ ムーンゴールド」に魅せられて

チタニウム素材の腕時計と聞いてイメージするのはグレーのケースやバンドかもしれないが、シチズン「アテッサ」の新作「ムーンゴールド」の限定モデルがまとうのは、渋く輝く金色のチタニウム。金メッキでもなければ合金でもない、独特の色合いが目に新しく、袖口に収めれば、“大人の男”が持つべき品格や個性をさりげなく主張してくれる。この独特の色合いを生み出したシチズン独自のチタニウム加工技術に注目しながら、「ムーンゴールド」限定モデルの特徴や魅力に迫っていこう。

金色のチタニウムをまとう「アテッサ ムーンゴールド」限定モデル

新作登場金色のチタニウムをまとう新作「ムーンゴールド」限定モデル

1987年の初代モデル誕生から、シチズン「アテッサ」のケースやバンドに採用され続けてきた素材、チタニウム。約32年という長い歳月の間に、素材であるチタニウムにはシチズン独自のさまざまな加工が施され、今日では、表面硬化技術「デュラテクト」が施された「スーパーチタニウム™」へと進化を遂げている。

軽くて、肌にやさしく、錆びにくいというチタニウムの特性はそのままに、ステンレスを大きく上回る表面硬度を実現させた「デュラテクト」には、すり傷に強い「デュラテクトTIC」をはじめ、さらに表面硬度が高いブラック色の「デュラテクトDLC」、ガス硬化技術により、チタニウムの素材自体を硬化させるシルバー色の「デュラテクトMRK」などの種類があるが、この春、そんな「デュラテクト」に新色が誕生した。それが、チタニウムそのものが金色に輝く「デュラテクトMRKゴールド」だ。

スーパーチタニウム™

シチズン「アテッサ ムーンゴールド」

ステンレス

シチズン「アテッサ ムーンゴールド」

「デュラテクトMRK」とは、ガス硬化技術により素材自体の表面を硬くする加工のこと。その硬さを確かめるため、「デュラテクトMRK」が施された「スーパーチタニウム™」のチップと、ステンレスのチップを金槌でそれぞれ叩いてみた。結果はご覧の通りで、「スーパーチタニウム™」には傷もヘコミも見られなかったが、ステンレスには傷とともに大きなヘコミがついてしまった

シチズンに取材したところ、チタニウムの表面にガスを浸透させ、素材自体を硬化させる「デュラテクトMRK」のガス硬化技術を応用して生まれたのが「デュラテクトMRKゴールド」だという。具体的にどのような成分のガスを、どのくらい浸透させることでチタニウムが金色に変化するのかは公表されていないが、新色誕生までの過程には膨大なトライ&エラーがあったはずである。

こうして生み出された「デュラテクトMRKゴールド」の色合いは、ツヤを抑えた落ち着きのある金色。金メッキや合金などとは異なり、ピンクゴールドやイエローゴールドとも違った独特の色合いだ。今回注目したのは、そんな「デュラテクトMRKゴールド」の印象的な色合いをデザインに生かした「アテッサ」の新作、「ムーンゴールド」限定2モデル「エコ・ドライブGPS衛星電波時計F950(CC4004-66E)/(CC4004-66P)」である。

シチズン「アテッサ ムーンゴールド」

新色「デュラテクトMRKゴールド」が施された「スーパーチタニウム™」をまとう、「アテッサ」の新作「ムーンゴールド」。ブラック文字板×ブラックバンドの「CC4004-66E」(写真右)と、ゴールド文字板×ゴールドバンドの「CC4004-66P」(写真左)の2モデルが用意され、「CC4004-66E」は世界限定1,000本、「CC4004-66P」は限定700本での展開となる

落ち着きのある金色とはいえ、ゴールドはゴールド。ひと昔前ならいざ知らず、シルバーやブラックの腕時計がスタンダードとされる現代において、ゴールドの腕時計は少々派手すぎではないだろうか、スーツに違和感なくコーディネートできるだろうかと不安を覚える人は少なくないだろう。ちょっと勇気のいる色。ゴールドに対してそんなイメージを抱いていたのは筆者も同様である。

しかし、そんな不安はまったくの取り越し苦労だった。ネイビーのスーツに「CC4004-66E」を、グレーのスーツに「CC4004-66P」をそれぞれコーディネートしてみたが、マットな質感のゴールドはいい意味で主張しすぎず、驚くほどに相性がいい。キンピカの派手なゴールドではなく、さりげなく大人の個性が主張できる品のいいゴールドなのだ。

シチズン「アテッサ ムーンゴールド」

ネイビーのスーツに「CC4004-66E」を合わせてみた。ダークグレーに近いブラックを基調とし、「デュラテクトMRK ゴールド」の金色をアクセント的に使うことで、時計が悪目立ちすることもなければ、過度にエレガントになってしまうこともない。想像以上にコーディネートを選ばない印象だ

シチズン「アテッサ ムーンゴールド」

「CC4004-66E」よりもコーディネートの難易度が高そうな「CC4004-66P」だが、オーセンティックなチャコールグレースーツにゴールドの腕時計が品よく収まった。シルバーやブラックの腕時計とはひと味違う、さりげなく個性を主張したい大人のための腕時計と言えるだろう

デザイン月の陰影を表現した、ゴールドとブラックの美しいコントラスト

個性的で、それでいて目立ちすぎない「デュラテクトMRKゴールド」のファッション性の高さがよくわかったところで、ここからは、ブラック文字板×ブラックバンドの「CC4004-66E」をピックアップして、「ムーンゴールド」のデザイン面の特徴をチェックしていこう。

淡いゴールドとブラックを組み合わせたカラーリングは、GPS衛星電波時計の世界観からインスパイアされた、月の陰影をイメージしたもの。光を受けた月面と、その反対にある影になった月面のコントラストを、金色の「デュラテクトMRKゴールド」と、黒色の「デュラテクトMRK+DLC」で巧みに表現している。さらに、ブラックの文字板には平滑ではなく微細な凹凸のあるマット仕上げが施されており、そこにゴールドに輝く別体のメタルリングや立体感のあるバーインデックスを配置。まるで漆黒の闇と、まばゆい光が近接する月の表面のようだ。

また、新鮮なカラーリングを取り入れながらも、ひと目見ただけでこの腕時計が「アテッサ」だとわかるのは、面構成を多用したケースやバンドによるところが大きい。各面のエッジが力強い稜線を描き出し、それによって、「アテッサ」特有の流麗かつソリッドな造形が形成されているのだ。だからと言ってハード過ぎる印象にはなっておらず、しなやかな雰囲気を作り出すデュアル球面サファイアガラスの風防や、ラウンド形状のプッシュボタンでデザイン的なバランスが取られている。なお、裏ぶたには、影になった月の裏側をイメージして黒色の「デュラテクトDLC」が施されているという。「アテッサ」らしいソリッドな印象を保ちながらも、文字板からケース、そして裏ぶたまで、随所に月の陰影をモチーフにした、「ムーンゴールド」の名にふさわしいデザインが取り入れられているのだ。

シチズン「アテッサ ムーンゴールド」

凹凸のある月の表面を表現したという、「CC4004-66E」のブラック文字板。3時、6時、9時位置のサブダイヤル外周に配されたメタルリングに加え、時針、分針、秒針のエッジにもゴールドがあしらわれ、ブラックとゴールドが美しいコントラストを描き出している

シチズン「アテッサ ムーンゴールド」

月の表面に見立てた文字板を広く、スマートに見せるよう、ベゼルは極細に。このシャープなベゼルによって、フェイス全体がすっきりとした印象になっている

シチズン「アテッサ ムーンゴールド」

複数の面を組み合わせたケースサイド。ラグやりゅうずガード、バンドの各面にヘアライン仕上げを施すことで、エッジが際立ち、「アテッサ」らしい塊感や力強さを強調。ここに、デュアル球面サファイアガラスの風防と、ラウンド形状のりゅうず・プッシュボタンを組み合わせることで、強さとやさしさを絶妙なバランスで融合させている

シチズン「アテッサ ムーンゴールド」

ケース径は44mm、ケース厚は15.1mmと、袖口でしっかりとした存在感を発揮してくれるサイズ感。にもかかわらず、軽やかな装着感が得られるのは、ケースやバンドに軽量の「スーパーチタニウム™」を採用しているためだろう。シャツの袖口に引っかかることもほとんどなかった

シチズン「アテッサ ムーンゴールド」

バンドにも複数の面構成を採用。中列にはマット加工を、外列にはヘアライン加工を、そして、1コマ目のエッジにはポリッシュ加工を施すことで、同じブラック色ながら、コンビネーションバンドのような抑揚のあるデザインに仕上がっている

シチズン「アテッサ ムーンゴールド」

裏ぶたには、影になった月の裏側をイメージして黒色の「デュラテクトDLC」を採用している

シチズン「アテッサ ムーンゴールド」

「CC4004-66P」の文字板はホワイトに近いゴールド。月の陰影をモチーフとしている点は「CC4004-66E」と共通だが、こちらはどことなく、明け方の空に白く浮かぶ暁月(ぎょうげつ)のような趣がある

機能「アテッサ」の魅力を堪能できる、数々の先進機能を搭載

常に時代の先端を行く、卓越した機能性もまた「アテッサ」の魅力であり、「ムーンゴールド」限定モデルにもその哲学は貫かれている。「ムーンゴールド」に搭載されるムーブメントは、シチズンの最上位ムーブメント「F950」。定期的な電池交換が不要なシチズン独自の光発電技術「エコ・ドライブ」を装備するのはもちろん、全世界をカバーする39のタイムゾーンに対応し、時刻情報だけなら最短3秒で受信できる衛星電波受信機能や、サブダイヤルにローカルタイムを同時表示できるデュアルタイム機能「ダブルダイレクトフライト」、さらに、1/20秒・24時間計測のクロノグラフ、パーペチュアルカレンダーなど、「アテッサ」が誇る先進機能が余すことなく搭載されている。

なお、GPS衛星から発せられる位置・時刻情報を乗せた電波を受信し、時刻・カレンダーを自動修正する際の時分針の回転速度は驚くほど速く、正回転、逆回転ともに、1時間分(分針1周)の運針をわずか1秒足らずで完了させてしまう。わずかのストレスも感じさせないこの圧倒的なスピードを含めた機能面においても、「ムーンゴールド」は「アテッサ」の魅力を存分に堪能できる製品に仕上がっているのだ。

※光発電GPS衛星電波時計として。2019年4月時点、シチズン時計調べ

シチズン「アテッサ ムーンゴールド」

シチズン独自の光発電技術「エコ・ドライブ」を搭載。日の光はもちろんだが、部屋の蛍光灯やデスクライトのような、日常のわずかな光でも駆動できるよう設計されている。定期的な電池交換を必要としないので大変便利だ

GPS衛星からの時刻情報の受信時間は最短3秒で、位置情報まで取得しても最短30秒というスピードを誇る。さらに、専用のモーターを活用して時刻修正を行うため、針の正回転と逆回転がほぼ同じスピードで行われ、わずか1秒足らずで分針が文字板を1周。これにより、地球上のほぼすべての場所で、正確な時刻を瞬時に表示できるのだ

シチズン「アテッサ ムーンゴールド」

メインダイヤルにホームタイムを、6時位置のサブダイヤルにローカルタイムを同時表示できるデュアルタイム機能「ダブルダイレクトフライト」を搭載。りゅうずとプッシュボタンのシンプルな操作で時刻設定が行えるほか、ホームタイムとローカルタイムの入れ替え操作も、2時位置と4時位置のプッシュボタンを同時に押すだけと簡単だ

まとめ「アテッサ」の新たな一面が楽しめる、「ムーンゴールド」という希有な存在

シチズン「アテッサ」ではこれまで、グレー色の純チタニウムにシチズン独自の表面硬化技術「デュラテクト」を施すことで、シルバーやブラックなど、さまざまな色調をまとう堅牢な「スーパーチタニウム™」を生み出し、その色合いをデザインに落とし込んできた。今回レビューした新作「ムーンゴールド」限定モデルもその流れをくんでいるわけだが、新色となる「デュラテクトMRKゴールド」の渋く、上品な色合いには本当に驚かされた。ともすれば派手過ぎる印象になりがちなゴールドの腕時計にあって、そのたたずまいはあくまでもシック。スーツスタイルにも品よく溶け込み、ビジネスシーンの腕元にさりげなく華を添えてくれるのだ。このほか、月の陰影をモチーフにした独特のカラーリングや、細部にまでこだわり抜いたデザイン、そして「アテッサ」ならではの先進の機能性と、アピールポイントは枚挙にいとまがない。今回のレビューで得られたのは、ひと目見た瞬間の驚きがまもなく感心に変わり、その感心が深い納得へと変化していく、「ムーンゴールド」に魅せられた濃密な時間だった。