大画面で差が出る、圧倒的な映像と音!ブラビア「A9G」シリーズ徹底レビュー

ソニーの4K有機ELテレビの最新フラッグシップモデル、ブラビア「A9G」シリーズが2019年6月に発売された。
本機は、ブラビアとして初めてBS/CS 4Kチューナーを内蔵したほか、新4K衛星放送に最適化された次世代高画質プロセッサー「X1 Ultimate」や、画面を振るわせて音を出す独自の音響技術「アコースティック サーフェス オーディオプラス」を搭載。さらに、日本の住環境に合ったセンタースタンド型となったことで、設置性が高まっている。
ここでは、「A9G」シリーズの魅力を徹底レビューしていく。

01高画質新4K衛星放送にも最適化された
圧倒的高画質

“クリエイターの制作意図を完全に再現する”というソニーが掲げる究極の目的を追求し、厳しい独自の評価基準を最高値でクリアしたテレビだけに与えられる「MASTER Series」の称号。2019年6月に発売された4K有機ELテレビ、ブラビア「A9G」シリーズもこの称号が与えられた、ブラビア最高峰の高画質モデルとなる。

ブラビア「A9G」

待望のBS/CS 4Kチューナーを内蔵して登場した、ソニーの4K有機ELテレビの最新フラッグシップモデル、ブラビア「A9G」シリーズ。新4K衛星放送をよりキレイに表示する次世代高画質プロセッサー「X1 Ultimate」に加え、画面を振るわせて音を響かす独自の音響技術「アコースティック サーフェス オーディオプラス」を搭載するなど、高度な高画質・高音質技術が詰め込まれた注目のモデルだ

そんなソニーが誇る「A9G」シリーズの映像は、ひと目で目を奪われるほどに美しい。まずは、夜空が記録された4K HDR映像を再生してみたが、夜空の闇とそこで輝く星が作り出す幻想的な世界にグッと引き込まれた。画素ひとつひとつの発光を制御できる有機ELテレビらしく、夜空の闇が漆黒と呼べるほどに深いのはもちろんだが、星の輝きによる高輝度表現も力強い。ソニー独自の有機ELパネル制御技術「ピクセル コントラスト ブースター」を搭載しているため、有機ELパネルが得意とする黒の締まりだけでなく、画面の一部がきらめくようなシーンも忠実に描き出すことができ、映像のリアルさがさらに増している。

ブラビア「A9G」

夜空を記録した4K HDR映像を映し出してみたところ、夜空の闇とそこで輝く星が作り出す世界に思わず息を飲んだ。夜空はもちろんだが、通常なら真っ黒にツブれそうな手前の木々のディテールもしっかりと見て取ることができ、ダイナミックレンジの広さもよく感じられる

ピクセル コントラスト ブースター

ブラビア「A9G」

画素ひとつひとつが発光する有機ELテレビは一般に、液晶テレビに比べて黒の締まりがよいのが特徴。独自の有機ELパネル制御技術「ピクセル コントラスト ブースター」を搭載した「A9G」シリーズでは、暗部だけでなく、高輝度部の色調も細かくコントロールできるので、よりコントラストの高い鮮やかな表現が可能になる

また、「A9G」シリーズの映像の美しさは、コントラスト表現にすぐれた有機ELパネルによってもたらされるだけでなく、次世代高画質プロセッサー「X1 Ultimate(エックスワン アルティメット)」によるところも大きい。

「X1 Ultimate」は、従来の4K高画質プロセッサー「X1 Extreme(エックスワン エクストリーム)」に比べて約2倍のリアルタイム処理能力を備えおり、映像の被写体を細かく認識して高精細化処理を行う「オブジェクト型超解像」や、細部まで施されるノイズ低減とデータベース型の超解像処理を組み合わせた「デュアルデータベース分析」といった処理がより高度に行える。また、通常のSDR映像をHDR相当まで高コントラスト化する「HDRリマスター」も、より細部にまで施せるようになり、画質が向上しているのだ。

新たに搭載したBS/CS 4Kチューナーに合わせてアルゴリズム変更も加えられ、新4K衛星放送がよりキレイに楽しめるのも大きなメリットと言えるだろう。市場には新4K衛星放送が見られるテレビが増えているが、「X1 Ultimate」を搭載した「A9G」シリーズなら、高画質な放送の魅力を余すところなく堪能することが可能。もちろん、地上デジタル放送やネット配信動画などの2Kないしはそれ以下のSDR映像も4K HDR相当にアップして高画質に楽しむこともできる。

次世代高画質プロセッサー「X1 Ultimate」

ブラビア「A9G」

「X1 Ultimate」は、従来の4K高画質プロセッサー「X1 Extreme」に比べて約2倍のリアルタイム処理能力を持つ次世代高画質プロセッサー。「A9G」シリーズでは、新4K衛星放送向けにアルゴリズムの最適化が図られている

ブラビア「A9G」 ブラビア「A9G」

高性能な「X1 Ultimate」を搭載した「A9G」シリーズは、被写体の細部まで見分けて細かく高精細化。上記はフルHD映像だが、アジサイは花びらの筋までクッキリとしているし、果物は色や質感の異なる果皮がリアルに表現されている。花や果物といったレベルでなく、花びら1枚1枚、果物の細部ひとつひとつまで認識し、個別に処理を行っているからこそ実現できる精細さと言える

このほか、4K未満の映像を4K相当にアップコンバートする「4K X-Reality PRO」や、入力映像の色再現領域を拡大して微妙な色彩の違いを表現する「トリルミナスディスプレイ」、HDRをはじめとした10bit映像を14bit相当のよりなめらかな映像にする「Super Bit Mapping 4K HDR」などの技術は引き続き搭載。ソニーが誇る高画質化技術を組み合わせることで、ブラビア最高峰の画質を実現しているのだ。

02高音質映像と一体化した高音質サウンド
「アコースティック サーフェス オーディオプラス」搭載

「A9G」シリーズでは、ブラビア最高峰の画質だけでなく、画面を振るわせて音を響かす独自の音響技術「アコースティック サーフェス オーディオプラス」にも注目したい。この技術は、有機ELパネルの背後に設置したアクチュエーターで画面を振動させて音を出すというユニークなもので、バックライトを必要としない有機ELテレビだからこそ実現できたと言える。

その最大の利点は、音の定位感のよさにある。通常、薄型テレビのスピーカーは本体下側、下向きに設置されているため、画面に映る映像からは若干、音がずれて聴こえがち。しかし、画面そのものを振るわせて音を出す「A9G」シリーズでは、まさしく人の正面にある画面そのものから音が響くため、映像と音の一体感がすごい。

なお、「アコースティック サーフェス オーディオプラス」は従来モデル(「A9F」シリーズ)にも搭載されていたが、「A9G」シリーズではアクチュエーターやサブウーハーを改良。ユニット数やサブウーハーの厚みを減らしながらも音の明瞭感や広がりをアップさせている。このほか、今後のソフトウェアアップデートによって、上方向からも音が降り注ぐ立体サラウンドフォーマット「Dolby Atmos」にも対応する予定だ。

アコースティック サーフェス オーディオプラス

ブラビア「A9G」

アクチュエーターで画面を振動させて音を出す「アコースティック サーフェス オーディオプラス」。「A9G」シリーズでは、左右に低域から高域を担うアクチュエーターを2基、重低音を補完するサブウーハーを2基搭載した、計2.2ch(60W、実用最大出力/JEITA)仕様のシステムとなっている

アクチュエーター

ブラビア「A9G」

従来モデルでは2つの振動ユニット(13W+13W)で構成されていたアクチュエーターが、「A9G」シリーズではひとつの大型振動ユニット(20W)で構成される形に。これによって、音の混濁が減り、よりクリアで広がりのあるサウンドが実現されるという

サブウーハー

ブラビア「A9G」

サブウーハーは従来モデルに比べて薄型化されたのがポイント。バスレフポートを長くし、形状を最適化したことで、低域の量感や力強さを維持したままユニットケースの厚さは、従来モデル(約6cm)の約半分の約3cmに収まっている

センタースピーカーモード

ブラビア「A9G」 ブラビア「A9G」

「アコースティック サーフェス オーディオプラス」は、「センタースピーカーモード」にも対応。センタースピーカー用のスピーカーターミナル経由でAVアンプと接続して、マルチチャンネル・サラウンドシステムの一部として動作させることもできるのだ

ブラビア「A9G」

画面を振動させて音を出す「アコースティック サーフェス オーディオプラス」。本当に画面から音が出ているのか確かめてみようと、画面に触れてみると確かに振動している。画面が振動するということは「映像への影響があるのでは?」と思ったが、それは杞憂。一切と言っていいほど影響が感じられなかった

価格.comスタッフが「A9G」シリーズを視聴レビュー。
映像と音の一体感がスゴイ!

ブラビア「A9G」

ここからは、65V型モデル「KJ-65A9G」の映像と音を詳しくチェックしていこう。自宅では地デジ化に合わせて約9年前に購入した42V型のフルHDを使用している筆者だが、結論から言うと、65V型モデルの迫力ある大画面映像に驚くこととなった。

まず視聴したのは、4K HDRコンテンツのアクション映画だが、「ピクセル コントラスト ブースター」や「X1 Ultimate」の恩恵によって、明るいシーンから暗いシーンまで4K HDRが持つ高精細かつ高コントラストな映像を堪能できるだけでなく、目の前に広がる65V型の大画面の迫力と相まって、カーチェイスや爆発などのアクションシーンでの興奮が高い。気がつくと、グッと手を握りしめたまま、画面にクギ付けになっていた。

これは、映像の美しさや迫力だけでなく、画面から音が響く「アコースティック サーフェス オーディオプラス」の効果による点も大きいだろう。ドラマのセリフは俳優の口からクリアに発せられ、爆発シーンは本当に目の前で起っているかのよう。映像と音が一体となって感じられ、その世界に引き込まれるのだ。アクション映画のほかにも、音楽ライブやドラマなどのコンテンツを視聴してみたが、65V型の大画面ならではの迫力とリアリティあふれる映像、没入感を高めるサウンドが一体となって押し寄せてくる感じだった。

今持っているテレビの大きさで十分満足、4K HDRほどの高画質は必要ない。そう思っている読者も少なからずいるかもしれないが、「KJ-65A9G」の映像を1度体験すると、もはや普段のテレビでは物足りなく感じてしまう。テレビにおいて大画面・高画質・高音質であるということは、それだけ大きな価値があるということを実感した。

ブラビア「A9G」

一般に4Kテレビの最適視聴距離は、画面の高さの約1.5倍。65V型「KJ-65A9G」の高さは83.8cmなので、最適視聴距離は約125cmとなり、思っている以上に部屋の広さを必要としないのだ。「狭い部屋だから大画面テレビはムリ!」と思い込んでいた人こそ、ワンサイズ上の大画面を検討してほしい

03スリムボディさらにボディが薄型に!
壁かけスタイルもスタイリッシュ

最後に、「A9G」シリーズの設置性についてチェックしていこう。有機ELテレビの特徴のひとつに、バックライトを必要としないため、ボディを薄型化しやすいというものがあるが、「A9G」シリーズでは、前述のようにサブウーハーの厚みを半分にしたことで、従来モデル(「A9F」シリーズ)に比べてさらなるボディの薄型化に成功。また、本体を支えるスタンドも従来モデルのキックスタンドからセンタースタンドに一新したことで、設置性が向上している。

ブラビア「A9G」 ブラビア「A9G」

ヘアライン加工が施されたセンタースタンドは、見た目を損ねない最小なもの。とはいえ、今回レビューに活用した65V型「KJ-65A9G」の大画面をしっかりと支えており、安定感は高い

ブラビア「A9G」 ブラビア「A9G」

オプションの壁かけ金具「SU-WL850」を使用すると、壁に貼り付けたかのような、出っ張り約5.1cm(55/65V型)というスリムな壁かけスタイルが実現できる。壁かけ金具はスイーベル(首振り)にも対応しており、視聴位置に適した角度調節が可能だ

ケーブルカバーなし

ブラビア「A9G」

ケーブルカバーあり

ブラビア「A9G」

背面はブロック調のデザイン。これは、接続ケーブルや端子を隠すためのカバーを取り付けても違和感がないようにするための工夫だという。普段見えない背面にまで機能的なデザインを施しているのは、ソニーのこだわりだ

04使い勝手「Android TV」やリモコンの
使いやすさもアップ

「A9G」シリーズを使用して特に感心したのが、操作レスポンスのよさである。Googleのスマートテレビ向けOS「Android TV」を搭載したテレビは、ネットサービスとの親和性は高いが、そのいっぽうで高機能なためか、アプリの起動などにおいて動作の緩慢さを感じることも多かった。その点「A9G」シリーズは、アプリの起動が高速なうえ、ボタンを押したときの反応がいい。また、入力切換メニューや番組表も改良され、テレビ番組からネット動画配信サービスまで、好みのコンテンツにシームレスに素早くアクセスできるようになっている。見たいコンテンツが簡単に見つけられ、素早く再生できるのが便利だ。

ブラビア「A9G」 ブラビア「A9G」

「A9G」シリーズは、アプリの起動やコンテンツの選択が非常にスムーズ。Googleの音声アシスタント「Google アシスタント」にも対応しており、ハンズフリー操作が可能。「OK Google」と話しかければ、電源オン/オフや音量調節などの音声操作が、テレビ番組やYouTube動画などの音声検索が行える

ブラビア「A9G」 ブラビア「A9G」

付属リモコンは、「入力切換」や「番組表」など使用頻度の高いボタンが中央に集約され、ネット動画サービスにダイレクトにアクセスできるボタンも搭載。テレビ放送に限らず、見たいコンテンツがすぐに見られる。また、電源を除く、テレビの操作はBluetooth経由で行われるので、テレビにリモコンを向ける必要もなくて使いやすい

ブラビア「A9G」

入力切換メニューは、再生映像を遮らないよう画面下側に表示される。HDMIなどの入力系統の切り替えだけではなく、よく見るネット動画配信サービスなどもメニューに登録することができる

ブラビア「A9G」 ブラビア「A9G」

番組表では、地上デジタルやBSデジタル、110°CSデジタルなどの放送種別を上部に設けられたタブで選べるほか、放送種別ごとに、表示させるチャンネルを選ぶことも可能。自分だけのオリジナル番組表を作れるのだ

ブラビア「A9G」 ブラビア「A9G」

背面に搭載されたポートは、HDMI入力×4、ビデオ入力、ヘッドホン出力、光デジタル音声出力、USB×3、LAN。チューナーは、地上/BS/110°CSの3波チューナー×2に加え、ブラビアとしては初めてとなるBS/CS 4Kチューナー×2を内蔵した。USBポートに外付けHDDを接続すれば、新4K衛星放送の裏番組録画も可能だ

05まとめ圧巻のフラッグシップモデル。
映画館のような、映像と音の一体感に脱帽

以上、ソニーの4K有機ELテレビ、ブラビア「A9G」シリーズをレビューしてきたが、究極に迫るほどの高画質を実現したテレビのみに与えられる「MASTER Series」の称号が冠された本機の映像の美しさには脱帽した。

明るく鮮やかな映像を実現する「ピクセル コントラスト ブースター」と、次世代高画質プロセッサー「X1 Ultimate」が生み出す映像は高コントラストかつ高精細だし、「アコースティック サーフェス オーディオプラス」のサウンドと一体になることで、従来の薄型テレビを超えるリアリティの高い映像体験が味わえるのだ。

こうした体験は大画面であればあるほど、満足度が高まるもの。その点、日本の住環境に合ったセンタースタンドを採用した「A9G」シリーズは、従来モデル以上に大画面が設置しやすくなっている。今考えられる最高レベルの視聴体験をぜひ大画面で味わってほしい。

06製品紹介フラッグシップ4K有機ELテレビブラビア「A9G」
シリーズ