オリエントスターのスポーツコレクション「アウトドア」に注目!

アウトドア RK-AU0201E

高精度のムーブメントや美しく温かみのあるデザインで、多くの機械式時計ファンから支持されているオリエントスター。同ブランドはこれまで、オーセンティックな雰囲気のクラシックコレクションと、現代的なデザインのコンテンポラリーコレクションという2つのラインで構成されてきたが、2019年3月、ブランドに新風を吹き込む、スポーツコレクションが加わった。今回は、そんなスポーツコレクションのファーストモデル、「アウトドア」に注目。その魅力をじっくりとひも解いていく。また、同じく2019年3月に登場したコンテンポラリーコレクションの新作、「レトログラード」をはじめ、注目の限定モデルも合わせてチェックしていく。

01.アウトドア RK-AU0201E機械式時計のロマンが詰まった、
スタイリッシュなフィールドウオッチ

アウトドア RK-AU0201E

オリエントスターの新コレクションとなる、スポーツコレクション。そのファーストモデル「アウトドア」に用意された5色のカラーバリエーションの中から、緑文字板×焦げ茶の皮革バンドの組み合わせとなる「RK-AU0201E」をピックアップ。そのデザインや機能をチェックしていく

オーセンティックなクラシックコレクションと、現代的なコンテンポラリーコレクションという2つのラインで構成されてきたオリエントスターにこの春、新コレクションとなるスポーツコレクションが仲間入りした。腕時計にせよアパレル製品にせよ、新コレクションが持つコンセプトや、表現したい世界観はそのファーストモデルが端的に物語るもので、それはもちろん、スポーツコレクションでも例外ではない。したがって、ファーストモデル「アウトドア」の魅力をひも解いていけば、おのずとスポーツコレクションの全体像も見えてくるに違いない。そんなことを考えながら、「アウトドア」のレビューを開始した。

ミリタリーウオッチをベースに、現代的なアレンジを加え、力強さを感じさせるフィールドウオッチに仕立てられた「アウトドア」をひと目見た瞬間、これまでのオリエントスターのイメージを覆すデザインに驚きを感じた。どちらかと言えばドレッシーなイメージが強い従来のオリエントスターとは明らかに異なり、いい意味でカジュアルな印象なのだ。たとえば、極太の時分針や、3、6、9、12時位置にアラビア数字を配した大ぶりのインデックス、そして、手袋をしたままでも操作できる大型のねじ込み式りゅうず。これらの意匠のルーツが、高い視認性や操作性が求められるミリタリーウオッチにあることは言うまでもないが、美しく端正なルックスの機械式時計を作り続けてきたオリエントスターの歩みからすると、こうしたフィールドウオッチの王道とも言えるデザインでさえ、非常に新鮮なものに映るのである。

「アウトドア」の内部で正確な時を刻む「46系F6」ムーブメント

「アウトドア」に搭載されるのは、オリエントスターファンにはおなじみの「46(ヨンロク)系F6」ムーブメント。この名称は、昭和46年(1971年)に生み出されたことに由来しており、以来、約48年もの長きにわたって、 “機械式時計の雄” オリエントスターの屋台骨を支えてきた、高い精度と耐久性を誇るムーブメントである。

アウトドア RK-AU0201E

オリエントスターが誇る「46系」ムーブメント。
「アウトドア」には、このムーブメントにパワーリザーブ機構やカレンダー機構が装備されバージョンアップした「46系F6」ムーブメントが搭載される

そんな「46系F6」ムーブメントの動きは、本モデルのスケルトン仕様の裏ぶたから堪能することができる。細部にわたって美しい意匠が施された機械式ムーブメントが、静かに、そして懸命に時を刻み続ける姿はいつまで眺めていても飽きることがないのだ。

確かに、多機能で安価なクオーツやデジタルのフィールドウオッチも市場には数多く並んでいるが、「アウトドア」からは機械式時計ならではの深い味わいやロマンが感じ取れる。オフタイムのアウトドアで使う時計には、そんなゆとりや遊び心があってもいいのではないだろうか。

アウトドア RK-AU0201E

シンプルな緑文字板に、太く、存在感のある時分針をあしらうとともに、3、6、9、12時のインデックスにアラビア数字を採用した「RK-AU0201E」の文字板デザイン。無反射コーティングが施されたサファイアクリスタルの風防と合わせて、高い視認性が確保されている

アウトドア RK-AU0201E

時分針には、一般的な蓄光塗料よりも輝度が高いルミナスライト(高輝度蓄光)を採用。こうして照明を落としてみると、確かにインデックスよりもいち段と明るいことがわかる

アウトドア RK-AU0201E

菊型形状のりゅうずが大きく突起しているため、アウトドア用の手袋をつけたままでもスムーズに操作できた。なお、「アウトドア」は全モデル共通で10気圧防水を確保しており、りゅうずにねじ込み式が採用されている

アウトドア RK-AU0201E

ブラックケースから伸びる流麗なラグ。天面と側面はヘアライン加工を、中面のみポリッシュ仕上げが施されており、見る角度によって表情を変える手の込んだデザインとなっている

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文字板の深い緑になじむよう、焦げ茶の皮革バンドはハーフマット調だ。ここに太いアイボリーステッチを合わせることで、フィールドウオッチらしい、力強くてカジュアルな雰囲気を演出している。なお、バックルはスピーディーな着脱が可能なプッシュ3つ折れ式を採用

アウトドア RK-AU0201E

スケルトン仕様の裏ぶたから、「46系F6」ムーブメントの動きや造形美を堪能できる。華やかさを演出するゴールド色のテン輪や赤いルビーはもちろん、回転錘と受けとで異なる目付け模様が施され、そこに走る光が繊細に変化するのも奥深い

02.レトログラード RK-DE0301L瞬時に逆行する針の動きに、胸が高鳴る

アウトドア RK-AU0201E

続いて注目するのは、コンテンポラリーコレクションの新作「レトログラード」。ここでは、4色のカラーバリエーションの中から、青文字板×ステンレスバンドの「RK-DE0301L」をピックアップした

「アウトドア」と同じく、2019年3月に登場したのがコンテンポラリーコレクションの新作「レトログラード」だ。本モデルの最大の特徴は、その名のとおり、レトログラード機構を搭載していること。機械式時計ファンならご存じと思うが、はじめに、レトログラード機構の概要を改めて確認しておきたい。

レトログラード機構とは、針が扇状に運針して、一定の地点に達すると瞬時にスタート地点に帰針し、再び動き出して反復運動を行う機構のこと。日付や曜日などを表示するカレンダーに用いられることが多く、本モデルでも曜日表示にレトログラード機構が採用されている。月曜日を始点とし、火曜日、水曜日と1日ずつ針が移動していき、日曜日で終点に達するわけだが、日曜日から月曜日に切り替わるタイミングで針を始点にジャンプさせるのである。

歯車による円運動の集合体である機械式時計にあって、針を進行方向とは逆にジャンプさせるそのギミックは時計に遊び心を加えるとともに、動きがダイナミックで見栄えもよい。何かに役立てるというよりは、機械式時計のデザインにおける表現力を高め、装着者の目を楽しませる機構と言っていいだろう。

「レトログラード」の特徴をチェック

「レトログラード」の特徴をまとめたのが、こちらの動画。レトログラード機構により、日曜日(SU)から月曜日(MO)へと針が瞬時にジャンプする様子を確認してみてほしい

さらに、文字板上に配された6時位置のレトログラード機構、12時位置のパワーリザーブ表示、9時位置の日付表示の3つを、文字板ベースよりも深いネイビー色にし、レイヤー構造を取り入れるとともに、扇型のレトログラード機構とパワーリザーブ表示を、あえてアシンメトリーに配置。これにより、文字板に奥行き感や躍動感が加えられている。また、ステンレスケースから伸びる逆アールのラグ形状も興味深い。ラグを天面、中面、側面の3面構成とし、各面でサテン仕上げとポリッシュ仕上げを使い分けている点は「アウトドア」と同様だが、中面の中心を深くえぐり、逆アール形状とすることで、シャープさとやわらかさを表現しているのだ。

オリエントスターに新風を吹き込むアクティブなルックスの「アウトドア」に対して、「レトログラード」はオリエントスターらしい、美しく品のよいデザインに仕上がっている。どちらの個性を選ぶかは、あなた次第だ。

アウトドア RK-AU0201E

異なるカラーのダイヤルを重ね合わせるレイヤー構造を取り入れた、奥行き感のあるアシンメトリーの文字板デザイン。ムーブメントは「アウトドア」と同様、「46系」ベースのムーブメントで、12時位置に40時間のパワーリザーブ表示を、9時位置に日付表示を備える

アウトドア RK-AU0201E

6時位置のレトログラード機構にはアーチ型の別体パーツがあしらわれ、文字板に立体感を与えるとともに、本モデルのアイコンであるレトログラード機構の存在感を強調している

アウトドア RK-AU0201E

ラグのデザインにもこだわり、3面構成の中面を逆アール形状に。シャープさとやわらかさを同居させた美しいプロポーションに、オリエントスターに息づく精巧なクラフトマンシップを垣間見ることができる

アウトドア RK-AU0201E

気品と力強さを醸し出すステンレススチールのバンド。左右列のエッジに光沢のあるポリッシュ仕上げを、そのほかにヘアライン加工仕上げを施すことで、同じシルバーながらコンビネーションバンドのような趣に仕上がっている

アウトドア RK-AU0201E

繊細かつ華やかにデザインされたムーブメントがスケルトン仕様の裏ぶたからのぞく。文字板上のレトログラード機構や、パワーリザーブ表示、そして精緻に動き続けるムーブメントから、機械式腕時計の楽しさを感じられる

03.限定モデル① メカニカルムーンフェイズ RK-AM0008B黒文字板にピンクゴールドの針を配した、
気品あふれる逸品

メカニカルムーンフェイズ 限定モデル RK-AM0008B

クラシックコレクションの人気モデル「メカニカルムーンフェイズ」から今春登場した、国内300本限定の新作「メカニカルムーンフェイズ RK-AM0008B」もチェックしておきたい。「メカニカルムーンフェイズ」のキャラクターを端的に物語るのは、何と言っても文字板上6時位置に配置された月齢機能にほかならない。29.5日周期で新月から上弦、満月、下弦、そして新月へと変化していく様子が楽しめるのはもちろん、数量限定モデル「RK-AM0008B」では、黒文字板に映える美しいピンクゴールドの針にも目を奪われる。バンドはステンレスバンドに加え、ツヤ出しのグレージング加工が施された本ワニ皮革バンドを同梱。クラシカルな雰囲気の中にモダンなエッセンスが加えられたデザインは、ビジネスファッションはもとより、カジュアルファッションに合わせてもセンスのよいアクセントとなりそうだ。

メカニカルムーンフェイズ 限定モデル RK-AM0008B

同梱される本ワニ皮革バンドは、クラシカルかつモダンな印象に仕上げられている。気分やファッションに合わせて、バンドの交換も楽しみたい

メカニカルムーンフェイズ 限定モデル
RK-AM0008B

04.限定モデル② ヘリテージゴシック RK-AW0005L特別カラー「ムービング ブルー」の
青文字板に浮かぶ、印象深いチャビーフォント

ヘリテージゴシック RK-AW0005L

同じくクラシックコレクションから今春登場した、世界1000本限定(国内300本、海外700本)の新作「ヘリテージゴシック RK-AW0005L」。世界をつなぐ空と海をイメージしたという、オリエントスターの新たなデザインコンセプト「ムービング ブルー」を採用した美しい青文字板にあしらわれるのは、どこか愛らしい、ややぽっちゃりとした印象的なフォント。これは、1951年に誕生した初代オリエントスターに採用されていたゴシック体チャビーフォントを現代風にアレンジしたもので、フォントカラーをピンクゴールドにすることにより、青い空に輝く星を表現したという。空と海でつながるこの世界を小さな文字板上に凝縮した、想像力をかき立てられる1本だ。

ヘリテージゴシック 限定モデル
RK-AW0005L

05.まとめオリエントスターの新作が刻む、特別な時間

フィールドウオッチに必須の高い視認性と機能性を確保しながら、オンタイム/オフタイムを問わず使いやすいデザインに仕上げられていた「アウトドア」。そこから読み取れるスポーツコレクションのテーマは、「機械式時計の魅力をカジュアルシーンでも楽しめる」ではないだろうか。機械式腕時計の楽しさ、奥深さを感じられる50時間のパワーリザーブ表示機能や、ムーブメントがのぞくスケルトン仕様の裏ぶたを備えながら、「アウトドア」のキャラクターはあくまでも、カジュアル。だからこそ機械式時計ファンだけでなく、これまで機械式時計を所有したことのない人でも肩肘張らずに身に着けられる1本に仕上がっている。

機械式腕時計の魅力を堪能できるのは「レトログラード」も同様で、円運動に逆行し、終点から始点へとジャンプするダイナミックな針の動きは何度見ても目に楽しかった。そして、しみじみ思うのだ。「ああ、やっぱり機械式時計は面白い」と。

時刻を確認する必要がなくても、袖口に視線を落として、ひとり、どこからか湧いてくる高揚感にニヤリと相好を崩してしまう。「アウトドア」や「レトログラード」をはじめ、機械式時計の魅力が詰まったオリエントスターの新作が刻むのは、そんな、特別な時間なのだと思う。