3万円台でAIトリプルカメラ搭載の「HUAWEI P30 lite」

2018年6月の発売からロングヒットを続けるファーウェイのSIMフリースマートフォン「HUAWEI P20 lite」に、待望の後継モデル「HUAWEI P30 lite」が登場した。3万円台という低価格ながら、新たに超広角レンズを加えたAI対応のトリプルカメラを搭載するほか、画面占有率約84.1%で約6.15インチの大画面ディスプレイを備えるなど、大幅なスペックアップを果たしている。では、その実力のほどはどうだろうか。価格.comスタッフが使い倒して検証した。

※価格.com最安価格32,980円(税込。2019年6月5日時点)

メインカメラ超広角レンズ搭載のAI対応トリプルカメラが、
撮影の幅を広げる

ファーウェイの「P」シリーズは、洗練されたデザインと高性能カメラを売りにするファーウェイの高性能スマホが属するシリーズだ。なかでも、「HUAWEI P20 lite」のように、末尾に「lite」が付くモデルは、低価格でコストパフォーマンスにすぐれているのが特徴で、2015年7月に発売された「HUAWEI P8 lite」以来、毎年後継モデルがリリースされ、いずれもヒットを記録。2018年6月に発売された「HUAWEI P20 lite」も息の長いヒットを続けている。「HUAWEI P30 lite」は、そんなSIMフリースマートフォンの定番シリーズとも言える“P lite”の最新モデルだ。価格.com最安価格は32,980円(税込。2019年6月5日時点)と、今回も手ごろな価格を実現しているだけに、幅広い消費者から注目を集めそうだ。

HUAWEI P30 lite

2019年5月24日に発売された「HUAWEI P30 lite」。今もなおヒットを続ける「HUAWEI P20 lite」の後継モデルで、前モデルのデュアルカメラがトリプルカメラに変更され、液晶ディスプレイのサイズが約5.84インチから約6.15インチに大型化するなど、大幅にスペックが向上している

「HUAWEI P30 lite」の最大の特徴は、「P liteシリーズ」モデルとして初めてトリプルカメラを搭載したこと。3つのカメラの構成は、広角(約2400万画素)+超広角(約800万画素)+被写界深度測定用(約200万画素)というもの。広角カメラでも十分に広い画角で撮影できるが、超広角カメラに切り替えると、約120°のワイドな画角で撮影可能。広大な景色をフレーム内に収めたいときはもちろん、被写体との距離が取りづらいときや、遠近感を強調した構図で撮りたいときなどに便利だ。写真の表現の幅を大きく広げてくれる進化と言えるだろう。

HUAWEI P30 lite

トリプルカメラの3つのレンズは、左から広角レンズ(約2400万画素/F1.8)、超広角レンズ(約800万画素/F2.4)、被写界深度レンズ(約200万画素/F2.4)となる。レンズユニットの左には、LEDフラッシュも備えている

広角で撮影

HUAWEI P30 lite

超広角で撮影

HUAWEI P30 lite

超広角カメラで撮影することで、フレーム内に収められる範囲が広がるのはもちろん、遠近感を生かした迫力のある構図で撮影できるので、写真の表現の幅を広げることができる

広角で撮影

HUAWEI P30 lite

超広角で撮影

HUAWEI P30 lite

グループ写真を撮る場合にも、超広角カメラが活躍する。「HUAWEI P30 lite」の場合、標準のカメラが広角カメラなのでグループ写真は撮りやすいが、超広角カメラに切り変えると、周囲の景色も広々と写し込める。10人を超えるような大人数を撮影するときなど、その恩恵をより実感できることだろう

また、AI(人工知能)による22種類の被写体・シーン認識に対応したのも大きな進化点。カメラのインターフェイス画面上で「AI」のアイコンをタップしてオンにするだけなので、難しい知識や設定は一切不要。カメラが被写体を「花」と認識すると、花の鮮やかな色が強調され、「フード」と認識すると、料理がおいしく見えるよう明るさや色調が調整される。難しい設定をしなくても、AIまかせであとはシャッターチャンスを待つだけ。実際に撮影した作例を見ていたければ、AIの効果は一目瞭然だろう。

アウトカメラによる被写体・シーン認識(22種類)

HUAWEI P30 lite

アウトカメラが認識する被写体・シーンは22種類。犬や猫、滝、紅葉なども認識し、最適な設定が行われる

HUAWEI P30 lite

カメラを起動し、画面右上の「AI」のアイコンをタップするだけで、AIによる被写体・シーン認識が有効になる。AIによる認識結果はすぐに表示され、プレビュー画面に適切な画像処理が反映される

AIオフ

HUAWEI P30 lite

AIオン

HUAWEI P30 lite

AIによって「花」と認識された場合、花の色がより鮮やかに再現された

AIオフ

HUAWEI P30 lite

AIオン

HUAWEI P30 lite

自然光が入らないレストランでAIのオン・オフを切り替えて、料理を撮影してみた。AIをオンにすると被写体を「フード」と認識し、暖かみのあるできたての料理のような色調になった

「夜景」モード

HUAWEI P30 lite

AIを使用せずに、任意の撮影モードを選んで撮ることもできる。「夜景」モードに設定して手持ちで撮影してみたが、実際に見えるよりも明るく写り、建物の細部や手前にある芝生まで、黒くつぶれることなく写すことができた。手ブレやノイズも気にならず、これなら「作品」として残せるレベルにあると感じた

「ポートレート」モード

HUAWEI P30 lite

ハート

HUAWEI P30 lite

HUAWEI P30 lite

うろこ

HUAWEI P30 lite

「ポートレート」モードに設定すると、被写界深度測定用のカメラの効果により、背景をぼかして人物が際立つ写真を撮影できる。なお、ボケは一般的な「円」のほか、「ハート」「渦」「うろこ」の計4パターンから選択できる

そのほかにも、長時間露光で光の軌跡を収められる「ライトペインティング」モードや、ボケの度合いをコントロールできる「アパーチャ」モードなど、多彩な撮影モードを備えている。また、気軽に楽しめそうなのが動画撮影機能の「スローモーション」だ。「16×(480fps)」または「4×(120fps)」でのキメ細かい撮影が可能で、その動画を30fpsで再生できるため、普通の動画撮影では味わえない新たな楽しみ方ができる。

動画

コーヒーを入れる瞬間を「16×(480fps)」で撮影し、30fpsで再生した動画。液体の流動的な動きをとらえることができた。なにげない日常の中にも、ドラマチックな瞬間があることを再発見できるはずだ

インカメラAI対応のインカメラが、
1人ひとりの顔を最適に補正

ディスプレイ上部のノッチ内に搭載された約2400万画素のインカメラも高性能だ。こちらもAIに対応しているので、AIまかせでセルフィーをより高画質で楽しめるようになった。また、「ポートレート」モードに設定すると、10段階の「ビューティレベル」が調整可能になるが、カメラがとらえた顔をAIが立体認識し、顔色や目・鼻の大きさ、輪郭などを自動で補正してくれるのは便利だ。しかも、性別や年齢も考慮されるとのことで、ごく自然な補正がかかり、実用性は極めて高いと感じた。

HUAWEI P30 lite

ディスプレイ上部のノッチに搭載された約2400万画素(F2.0)のインカメラも、AIに対応する

ビューティ
レベル0

HUAWEI P30 lite

ビューティ
レベル5

HUAWEI P30 lite

ビューティ
レベル10

HUAWEI P30 lite

ビューティレベルを「0」「5」「10」に設定して撮影した。最大の「10」にしても、“やりすぎ感”のない自然な印象だ。なお、写真のように女性の肌色は明るく補正され、男性は本来の顔色を生かしつつ、肌のキメが整えられるという。

さらに、AIが8種類の背景を認識して、人物とともに背景もキレイに撮影できるようになった点にも注目したい。観光地で記念写真を撮影する場合など、美しい景色もキレイに写し込みたくなるものだが、こうした場合に重宝する。なお、インカメラはシングルレンズ仕様で、被写界深度測定用のカメラは使用できないものの、「ポートレート」モード設定時は背景をボカすことが可能。さらに、照明の効果を加えられる「3Dライティング」という機能も備わっている。

インカメラによる被写体・シーン認識(8種類)

HUAWEI P30 lite

インカメラが認識するシーンは8種類。自動的に最適な設定が行われる

AIオフ

HUAWEI P30 lite

AIオン

HUAWEI P30 lite

公園の緑を背景にインカメラで撮影した作例。AIをオンにすると、背景が「植物」と認識され、芝生がより鮮やかな色で再現された

大型
ディスプレイ
しずく型ノッチ採用の約6.15インチ
フルビューディスプレイが見やすい

Webページやメール、SNSはもちろん、写真や動画も存分に楽しめる大型ディスプレイを搭載したのも、「HUAWEI P30 lite」の魅力だ。約6.15インチ液晶ディスプレイの解像度はフルHD+(2312×1080)で、ディスプレイ上部のノッチを限りなく小さい「しずく型」にし、ベゼルを極限まで細くすることで、約84.1%という高い画面占有率を実現。これにより、画面への没入感と精細感を高めている。

HUAWEI P30 lite
HUAWEI P30 lite

ボディ前面に占める画面占有率は約84.1%で、ほぼ全面が画面のように見える。ディスプレイ左右のベゼル幅は、それぞれ約1.85mmで、ディスプレイ下のベゼル幅も約4.9mmという細さだ

狭額縁設計により、約6.15インチという大画面ながら、ボディ幅は約72.7mmと、比較的コンパクトだ。これは、女性の手でも無理なくつかめるサイズ感で、電話に応答したり、受信したメッセージをチェックしたりといった操作なら、片手でもラクにこなせるだろう。

HUAWEI P30 lite
HUAWEI P30 lite

狭額縁設計により、ボディ幅は約72.7mmに抑えられており、手の小さな女性スタッフでも無理なくしっかりとつかむことができた。なお、電源ボタンと音量ボタンがボディ右側面にあるオーソドックな配置のため、操作がしやすい

3万円台のモデルとは思えないデザイン性の高さも見逃せない。ボディの背面にはガラスパネルが採用され、上質な雰囲気だ。また、左右のエッジ部分には3D湾曲加工が施され、美しいフォルムを演出している。エッジ部分がラウンドしているので、手にフィットしやすいのもメリットだ。

HUAWEI P30 lite
HUAWEI P30 lite

ボディ背面にはガラスパネルを用いており、「ピーコックブルー」のモデルでは、光の当たり方によりS字のグラデーションが浮かび上がる。エッジ部分には3D湾曲加工が施されるなど、薄さにこだわった形状であるにもかかわらず、ボディ底面にはUSB Type-Cポートとイヤホンジャックをしっかりと装備している

HUAWEI P30 lite

ボディ上(側)にはデュアルSIMカードスロットを装備。nanoSIMカードを2枚挿して、2回線で同時に待ち受けられるDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応している。なお2枚目のSIMカードスロットは、microSDメモリーカード(最大512GB)との排他利用も行え、ストレージの拡張にも使える

ピーコック
ブルー

HUAWEI P30 lite

パール
ホワイト

HUAWEI P30 lite

ミッドナイト
ブラック

HUAWEI P30 lite

カラーバリエーションは、「ピーコックブルー」「パールホワイト」「ミッドナイトブラック」の3色。「ピーコックブルー」は光の当たり方によって色合いが変わる美しいグラデーションが目を引く。「パールホワイト」は、その名の通りパールのような輝きを放つ上品な色。「ミッドナイトブラック」はピアノのような上質な光沢感を備えている

HUAWEI P30 lite

付属品として、AC充電アダプターやUSBケーブルのほかに、ステレオイヤホンやクリアーのスマホケースも同梱。購入してすぐに使い始められる手軽さもうれしい

スペック高性能CPUや急速充電バッテリーなど、
スペックも価格以上

3万円台という価格でカメラ性能やデザインにここまでこだわると、スペックにしわ寄せがくるのでは?と考える人もいるかもしれない。しかし、その心配は無用。スマートフォンの処理性能を左右するCPUには、2.2GHz×4コア + 1.7GHz×4コアのオクタコアCPU「HUAWEI Kirin 710」を搭載。ファーウェイではエントリー向けのチップセットにあたるものの、処理性能は十分なもので、同じCPUを搭載した「HUAWEI Mate 20 lite」や「HUAWEI nova lite 3」でも、その動作の速さや安定感の高さはユーザーから高く評価されている。

そこで、処理性能を評価するベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」で、「HUAWEI P30 lite」のパフォーマンスをチェックしてみたところ、「130138」とミドルクラススマホ以上のスコアを記録。実際に使ってみても、アプリの起動がもたついたり、タッチの反応が遅くなったりといったストレスを感じることはなかった。こうした軽快な動作レスポンスは、4GBのメモリー(RAM)によるところも大きい。ストレージ(ROM)も64GBとたっぷりと確保されているので安心だ。

HUAWEI P30 lite

ベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」で確認してみた結果、エントリーモデルとしてはトップクラスの「130138」というスコアを記録。他メーカーのミドルクラスモデルにも引けを取らない処理速度が期待できる

また、このクラスでは大きめの3340mAhの大容量バッテリーを搭載しているのも見逃せない。価格.comスタッフが1週間ほど使い込んでみたが、満充電から1日で電池がなくなることは1度もなかった。写真や動画撮影、動画鑑賞などを長時間行い、バッテリーを消費しやすい動作を連日にわたって試してみたが、深夜の時点で常に20〜30%程度のバッテリー残量があった。さらに、「HUAWEI P30 lite」のバッテリーは急速充電に対応しており、約30分で41%、約100分で100%の充電ができる。就寝時に充電し忘れても、起床して出勤前の準備をしている間に充電しておけば、その日に必要なバッテリーは確保できそうだ。

※ファーウェイ調べ。試験条件による。

HUAWEI P30 lite

付属の充電器を用いることで、9V/2Aの急速充電が可能。約30分で41%の充電ができるので、十分に速いと言っていいだろう

また、今やエントリーモデルでも欠かせなくなった生体認証機能だが、「HUAWEI P30 lite」では、指紋認証と顔認証の両方に対応。指紋認証なら、スリープ状態からほぼ瞬時にロックが解除できる。また、顔認証は画面がオンになっているときに起動する仕組みで、電源ボタンを押して画面を点灯させ、インカメラに顔を向けるとロックが解除される。端末を持ち上げるだけで画面が点灯する設定にしておけば、本体を持ち上げるのとほぼ同時にロックが解除されるので便利だ。もちろん、指紋認証と顔認証を両方ともオンにした状態で、いずれかの方法でロック解除することもできる。

HUAWEI P30 lite

指紋センサーは背面に搭載。素早いロック解除が行える。なお、指紋センサーは、カメラのシャッターとして使ったり、なぞって通知パネルを表示したりするなど、多機能に使用できる

HUAWEI P30 lite

インカメラによって行われる顔認証も、ロック解除が速くて実用的。顔認証をメインに使う場合は、本体を持ち上げるだけで画面が点灯するように設定しておくと、より快適に使用できる

本機は、ファーウェイ独自の便利な機能を豊富に搭載しているのもポイント。特に、「HUAWEI P30 lite」を購入してすぐにその利便性を実感できそうなのが、「Phone Clone」という機能だ。これは、それまでに使っていたスマートフォンに保存したデータを「HUAWEI P30 lite」にWi-Fiネットワークを介して移行できるというもの。AndroidスマートフォンだけでなくiPhoneにも対応しており、連絡先やアルバムに保存された写真・動画、カレンダーを、手軽かつ安全に移行できる。ファーウェイの端末同士で画像などのデータをワイヤレスで共有できる「HUAWEI Share」も便利だ。

HUAWEI P30 lite

プリインストールアプリの「Phone Clone」を起動し、画面の案内に従って2つの機器を同一のWi-Fiネットワークに接続することで、連絡先や画像などのデータを移行できる

HUAWEI P30 lite

「HUAWEI Share」で「ギャラリー」にある画像を他のファーウェイ端末に送信する場合は、まず画像を選択した後に共有メニューを開いて転送する端末側の「HUAWEI Share」をオン(クイック設定パネルでもオンにできる)に。そのうえで、受信する端末側も「HUAWEI Share」をオンにすると、表示された端末名をタップするだけで転送できる

HUAWEI P30 lite

イヤホンで音楽を聴く際に、擬似的なサラウンド効果を楽しめる「HUAWEI Histen」もファーウェイならではの機能。「3Dオーディオ」を選択して3Dサウンド効果のパターンを選べば、有線イヤホンで臨場感豊かなサウンドが楽しめる

まとめコスパを重視しつつ、カメラ性能に
妥協したくない人に最適

最近のSIMフリースマートフォンの市場を見渡すと、3万円台の価格帯のモデルが売れ筋となる傾向にある。そんな中にあって、今回検証した「HUAWEI P30 lite」は、この価格帯の製品の中でも、高機能なカメラをはじめ、高精細ディスプレイや高性能CPU、急速充電対応の大容量バッテリーなど、いずれを取っても死角がなく、頭ひとつ抜き出た機能と性能を備えている。特に、超広角レンズを備えたAI対応トリプルカメラは、一般的なスマートフォンのカメラでは撮影できないような構図にもトライでき、セルフィーも高画質で楽しめる点で貴重だ。スマホ端末の価格を抑えたいけれど、カメラ性能に妥協したくないという人にはとって、待望のモデルが登場したと言えるだろう。ぜひ手に取って、その魅力を確かめていただきたい。

HUAWEI P30 lite
HUAWEI P30 lite
ディスプレイ 約6.15インチ 液晶ディスプレイ(2312×1080)
CPU HUAWEI Kirin 710(2.2GHz×4+1.7GHz×4、オクタコア)
メモリー 4GB
ストレージ 64GB
OS/UI Android 9/EMUI 9.0.1
SIMスロット nanoSIM×2(うち1基はmicroSDメモリーカードと共用)
メインカメラ 約2400万画素+約800万画素+約200万画素
インカメラ 約2400万画素
バッテリー 約3340mAh
通信方式 GSM:850/900/1800/1900MHz
W-CDMA:B1/2/5/6/8/19
FDD-LTE:B1/3/5/7/8/18/19/26/28
TDD-LTE:B41
無線通信 IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2 with BLE
外部インターフェイス USB Type-C(USB 2.0)、イヤホンジャック
サイズ 約72.7(幅)×約152.9(高さ)×約7.4(厚さ)mm
重量 約159g
付属品 AC充電アダプター、USBケーブル、ステレオイヤホン、スマホケースなど
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