正統進化を遂げたキヤノン「PIXUS XK60」実力診断!

キヤノンの家庭用インクジェットプリンター「PIXUS」シリーズのプレミアムハイスペックモデルに位置づけられる「PIXUS XK80」。本モデルは、高画質なプリント品質や、低インクコスト、高品位なボディデザイン、スマートフォンとの連携機能の充実など、プレミアムハイスペックモデルならではの先進のスペックや機能で写真愛好家やガジェット好きからも高く支持されてきたが、2019年9月、そんな「PIXUS XK80」の後継機「PIXUS XK60」が発売された。本特集では、先代からの進化点に着目しながら、「PIXUS XK60」の“プレミアム”な実力を探っていこう。

高品質プリント
何気ない1枚を“作品”にできる高画質プリントと低インクコストを実現

キヤノンの家庭用インクジェットプリンター「PIXUS」シリーズのハイスペックモデル、「PIXUS TS」シリーズのさらに上を行くプレミアムハイスペックモデルに位置づけられる「PIXUS XK」シリーズ。そんな「PIXUS XK」シリーズの最新作「PIXUS XK60」(以下、XK60)は、プレミアムハイスペックモデルにふさわしく、基本スペック、プリント品質、スマートフォンとの連携機能、使い勝手などにおいて「TS」シリーズよりもワンランク上の実力を備えているというが、ここではまず、従来モデル「PIXUS XK80」でも評価の高かったプリント品質からチェックしていこう。

キャノン PIXUS XK60

「PIXUS」シリーズの最上位に位置づけられる、「PIXUS XK」シリーズ。その最新モデルが2019年9月に発売された「XK60」だ。ボディカラーは、高級感漂う「メタリックシルバー」の1色展開となる

「PIXUS」シリーズを購入するなら、ラインアップの頂点に君臨する「XK60」を選びたい。そう考える理由のひとつに、すぐれたプリント品質をあげる人は多いことだろう。デジタルカメラや高性能スマートフォンで撮影した写真をキレイにプリントしたい写真愛好家や、とことんこだわって作品作りを楽しみたいハイアマチュアにとって、「PIXUS」シリーズのプレミアムモデルは外せない選択肢となっているのだ。

「XK60」の高いプリント品質を実現するのは、染料系のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、フォトブルー(PB)、ブラック(BK)と、顔料系のブラック(PGBK)で構成される「プレミアム6色ハイブリッドインク」。赤の色域が広く、発色や色再現性にすぐれているとともに、染料系のインクにフォトブルー(PB)を採用するため、光沢紙における青色〜白色領域での粒状感が少ないのが特徴だ。

キャノン PIXUS XK60

「プレミアム6色ハイブリッドインク」は、顔料系と染料系の2種類のブラックインクをプリント原稿に合わせて使い分けるため、写真は色鮮やかに、文書はくっきりシャープにプリントできる

早速、デジタル一眼レフカメラで撮影した写真をL判の写真用紙「光沢プロ プラチナグレード」に印刷してみたが、暗部でも高い彩度が保たれている。黒くツブれる寸前のディープシャドウに発生しやすい粒状感もほとんど見られず、実にクリアな印象だ。また、染料系のフォトブルーを採用しているためだろう、一般的なインクジェットプリンターが苦手とする、青色から緑色の領域でも色がくすんでいない。陽光に照らされた南国のビーチの、青色のグラデーションが繊細に描き出されていた。

キャノン PIXUS XK60

はじめにプリントしてみたのが、デジタル一眼レフカメラで撮影した、群生するチューリップが暗闇に浮かび上がるこちらの写真。暗部の発色のよさはひと目で確認でき、光の当たっていない部分でも彩度の急激な低下が抑えられている。暗闇の中でもチューリップが群生する様子が伝わってきて、写真全体に奥行き感が生まれているのも印象的だ

キャノン PIXUS XK60

南国の美しいビーチを収めたこちらの写真では、粒状感の少なさが際立った。微細な砂粒の集合である砂浜にインクの粒状感が加わるとひどくノイジーになってしまうことがあるが、そうした破綻は見られない。粒状感が出やすい、白飛びしそうな雲のエッジ部分も同様で、何気ない1枚を“作品”にできる、素晴らしいプリント品質だ

写真愛好家でも納得がいくワンランク上のプリント品質を確保しながら、インクコストをあまり気にすることなくプリントできる、抑えめのランニングコストを実現している点も高く評価したい。「XK60」には標準容量インクと大容量インクが用意されており、L判・カラープリント1枚あたりの印刷コストは標準容量インクで約14.8円、大容量インクだと約12.5円とリーズナブル。「インク代が高いから……」と、ためらうことなく、高画質な写真プリントを安心して楽しめるのがうれしい。

キャノン PIXUS XK60

ハイスペックモデル「TS」シリーズの最新モデルとインクコストを比較してみると、1日1枚プリントした場合のインクコストの差額は5年間で約12,592円にもなる。塵も積もれば山となる、とはよく言ったもの。写真愛好家をはじめ、プリント枚数が多い人ほどその恩恵を強く実感できるだろう

キャノン PIXUS XK60

「XK60」は基本性能も“プレミアム”。そのひとつがプリント速度で、L判フチなし約14秒/枚の高速プリントを実現している。実際に、「L判」「フチなし」「標準画質」の設定で1枚当たりのプリント速度をチェックしてみたが、ほぼカタログスペック通りの15.2秒という結果となった

ボディデザイン
美しくたたずむ、コンパクトで使いやすいスクエアデザイン

ひと目見ただけで、「ほかとは違う」とわかる上質なボディデザイン。これもプレミアムハイスペックモデルに求められる重要な資質だが、メタリックシルバーをまとう「XK60」のボディは高級感にあふれ、直線基調のシャープなシルエットからは品格が感じられる。さらに、前面パネルのヘアライン処理や、フロアを映し込み、ボディをコンパクト見せる前面下部のミラー処理など、細部におよぶ緻密な作り込みが見た目の美しさをより一層際立たせているのだ。

ボディサイズは、約373(幅)×319(奥行)×141(高さ)mmとコンパクト。このサイズなら置き場所に困らないし、視認性が高く操作しやすい4.3型ワイドタッチパネルや、前面に加え背面からも給紙できる「2way給紙」、さらに、新搭載された「自動用紙サイズ検知機能」など、機能性にも弱点は見当たらない。見た目の美しさだけでなく、使いやすさも徹底的に追求された、「究極の機能美」と形容するにふさわしいボディデザインだ。

キャノン PIXUS XK60
キャノン PIXUS XK60
キャノン PIXUS XK60

前面パネルには美しく輝くヘアライン処理が、前面下部にはフロアを映し込み、ボディをコンパクトに見せるミラー処理が施されている。凹凸のないフラットな天面もソリッドなたたずまいを演出するポイントだ

キャノン PIXUS XK60

ボディがコンパクトなので、デスクの上や棚の空きスペース、サイドボードの上などにすっきりと設置できる。そして印象的なのが、「XK60」を置くだけで、設置空間全体がスタイリッシュな雰囲気になること。置くだけで「絵になる」プリンターというのもそうそうないだろう

キャノン PIXUS XK60

4.3型の液晶モニターはタッチ操作が可能で、スマートフォンライクなフリック操作にも対応。操作レスポンスも良好で、指先の動きにしっかりと画面が追従してくれた

キャノン PIXUS XK60
キャノン PIXUS XK60

フロントパネルは0〜90°まで無段階で角度調節できる。設置場所の高さに応じて角度調節することで、スムーズに操作できるのがうれしい

キャノン PIXUS XK60
キャノン PIXUS XK60

前面給紙カセットに加えて、背面給紙もサポートした「2way給紙」を採用。A4用紙とB5用紙、普通紙と写真用紙、といった具合にサイズや種類の異なる用紙をセットしておけば、使うたびにトレイを開けて用紙を入れ替える手間がない

キャノン PIXUS XK60
キャノン PIXUS XK60

用紙をカセットに収納し、本体にセット。その瞬間に自動で用紙サイズを検知してくれるので、用紙を入れ替えるたびにいちいち設定を変えなくて済む。かゆいところに手が届く、あると便利な新機能だ

スマホ連携
多彩な機能を手軽に使いこなせる、充実のスマホ連携

年々その重要性が高まっているスマートフォンとの連携機能。パソコンを介さず、いかに手軽に、楽しく、便利にプリントできるかでプリンターの評価が大きく左右されると言っても過言ではないが、“プレミアム”の名を冠しているだけあって、「XK60」はこの点も盤石だ。

ユーザーインターフェイスが刷新され、より見やすく、操作しやすくなったスマートフォン向けの無料アプリ「Canon PRINT Inkjet/SELPHY」で手軽にモバイルプリントが楽しめるのはもちろん、同じく無料の「Easy-PhotoPrint Editor」を使えば、コラージュやカード、ディスクレーベル、カレンダー、名刺、証明写真など多彩なコンテンツをプリントすることができる。また、ペーパークラフトやカレンダー、年賀状などの印刷素材を無料でダウンロードできるWebサイト「Creative Park」が2019年11月にアプリ化されるほか、LINE上で「PIXUS」と「友だち」になり、トーク画面に画像を送信すると簡単に写真がプリントできる「PIXUS トークプリント」がアップデートされ、最大5台までのプリンター登録や、プリンターのステータス確認が行えるようになったり、Messengerも同様に「PIXUS トークプリント」に対応したりと、従来モデルからの進化点も目白押し。さらに、スマートスピーカー「Amazon Echo」「Google Home」「LINE Clova」による音声操作にも対応。従来モデルに比べて、プリンターの操作や設定など、音声操作によるアクションの種類が大幅に増える点も見逃せないポイントだ。
※2019年12月対応予定。

キャノン PIXUS XK60
キャノン PIXUS XK60
キャノン PIXUS XK60

スマートフォンからプリント、スキャン、コピーなどが行える無料アプリ「Canon PRINT Inkjet/SELPHY」のユーザーインターフェイスを刷新。用途ごとにタイルが並び、これまで以上に操作しやすくなった。写真プリントの手順は、ホーム画面で「写真印刷」をタップし、プリントしたい写真を選び、プリントを実行するだけの3ステップ。もちろん、用紙の種類やプリント品質の変更など、詳細な設定もアプリ上で簡単に行える

キャノン PIXUS XK60
キャノン PIXUS XK60
キャノン PIXUS XK60

「Easy-PhotoPrint Editor」も簡単に使いこなせる。コラージュやポスター、カレンダー、スクラップブックなど、コンテンツごとにテンプレートが用意されているので、いちから手作りする必要はない。プリントしたいコンテンツを選び、画像選択やテキスト入力を行ったら、あとはプリント設定を確認して、「印刷」ボタンをタップするだけでOKだ

キャノン PIXUS XK60
キャノン PIXUS XK60

2019年11月にアプリ化される予定の「Creative Park」。アプリ化されることで、ペーパークラフトやカレンダー、グリーティングカード、ステッカーといった多彩な印刷素材がより手軽に活用できるようになる

キャノン PIXUS XK60
キャノン PIXUS XK60
キャノン PIXUS XK60

使い慣れたLINEからプリントできる「PIXUS トークプリント」は、スマートフォンからの写真プリントをさらに身近なものにしてくれる。本体前面の液晶パネルに表示されるQRコードを読み取って「PIXUS」と「友だち」になり、トーク画面上にプリントしたい画像を送信すれば、あっという間にプリント完了。「これだけ?」と拍子抜けしてしまうほどの手軽さだった

キャノン PIXUS XK60

2019年8月のアップデートにより、Messengerも「PIXUS トークプリント」に対応した。Messengerをひんぱんに利用しているユーザーにとってはとりわけ朗報だろう

キャノン PIXUS XK60

これまで、AlexaやGoogleアシスタントに対応したスマートスピーカーとの連携機能は、ぬりえやレポート用紙のプリントが主だったが、プリンターの操作や設定など、音声操作できるアクションの種類が大幅に増えた

キャノン PIXUS XK60
キャノン PIXUS XK60

このほか、Tシャツや布製のバッグに写真・デザインを貼り付けられるアイロンプリントシート(2019年11月上旬から発売予定)や、ネイルシール、プリントシール、マグネットシート、スクエア用紙など、特殊用紙へのプリントにも対応。プリントの楽しみ方の幅が一段と広がるうれしい提案だ

まとめ
写真好きもガジェット好きも満足できる、プレミアムな実力

「XK60」をレビューして強く実感したことがある。それは、使っていてとにかくストレスを感じないということだ。コンパクトなスクエアボディは置き場所に困らないし、プリント品質、インクコスト、プリント速度にも不満がない。スマートフォンとの連携機能や使い勝手についても然りで、「ん?」と首を傾げたくなる場面がないのである。そして、はたと気がついた。「プレミアムモデル」とはすなわち、誰もが、どんな用途でも快適に使える製品なのだと。スペック、性能、機能、デザイン、使い勝手。それらすべてが1級品であり、先進のガジェットとして所有欲も満たしてくれる「XK60」の、“プレミアム”な実力を余すことなく体感できたレビューだった。