前評判は嘘じゃない!?こだわり派ほどわかるコスパの高さ使って実感したデノンサウンドバー「DHT-S216」の魅力

デノンのサウンドバー「DHT-S216」は、同社が長年追求してきた高音質技術を、サブウーハーユニットレスのコンパクトなワンボディに詰め込んだ1台。2019年12月の発売時点から各メディアが高く評価していたため、気になっている人も多いことだろう。本特集では、この「DHT-S216」の実力を価格.comスタッフが検証。普段の生活環境でリアルに使ってわかった魅力をレポートする。

「DHT-S216」とは音質一点注力型のシンプルサウンドバー!
デノンの本気をワンボディに集約

映画や音楽など家庭で楽しむエンターテインメントは、アナログからデジタルへの変遷期を経て、今や“配信”が一大トレンドだ。テレビの内蔵アプリで「Netflix」や「Spotify」などのサービスが楽しめるようになった近年、手軽にテレビの音質を向上できるサウンドバーの人気が爆発的に高まっているのは皆さんもご存じの通り。そんな中で、デノンが「DHT-S216」の開発に込めた思いとは何か。

デノンといえば、ピュアオーディオ全盛時代から歴史に残る名機を生み出してきた総合オーディオ&ビジュアルブランド。同社が「日本電氣音響」(電音/デンオン)と名乗っていたころからの往年のファンも多い。この、デノンを支持する音質こだわり派が満足できるように、コンパクトなサウンドバーながら“Hi-Fi感覚”で音質を磨き上げたのが「DHT-S216」なのだ。

デノンサウンドバー「DHT-S216」

「DHT-S216」のチューニングを担当したのは、デノンのサウンドマネージャー・山内慎一氏。「SX-1 LIMITED」シリーズ(写真右)などのハイエンド製品を手がけている山内氏がDHT-S216の音決めに携わっているという事実も、デノンの本気度の証

「DHT-S216」のサウンドバーとしてのスペックはかなりシンプルだ。HDMI端子は入出力が1系統ずつで、そのほかに光デジタル入力とAUX入力を装備。ワイヤレスではBluetooth経由での音声入力に対応し、スマートフォン内の音楽などを楽しむBluetoothスピーカーとしても使える。仕様だけを見ると必要最低限の印象だが、本機にはデノンの音質に対する本気が詰まっている。

デノンサウンドバー「DHT-S216」

「DHT-S216」の本体サイズは890(幅)×66(高さ)×120(奥行)mmで、重量は3.5kg。サブウーハーを内蔵するワンボディ型で、フロント側にファブリック素材を配置した温かみのある質感もポイント

デノンサウンドバー「DHT-S216」

内部スピーカーユニットの構成は、25mmのツイーター、45×90mmの楕円形ミッドレンジ、75mmのサブウーハーがそれぞれ2基ずつ。3ウェイ・6スピーカーによる2.2ch設計だ

デノンサウンドバー「DHT-S216」

本体背面のインターフェイス部はかなりシンプル。ARC対応のHDMI端子を備えており、テレビとはHDMIケーブル1本で接続可能。サブウーハープリアウト端子も備えているため、別途、外部サブウーハーを接続することもできる

デノンサウンドバー「DHT-S216」

「DHT-S216」を55型の液晶テレビと組み合わせたところ。近年主流の40〜50型前後のテレビにマッチするサイズ感だ

デノンサウンドバー「DHT-S216」

「DHT-S216」は、付属リモコンで入力切替やボリューム調整などの操作を行う。リモコンのボタンには、シンプルなアイコンが記載されていてわかりやすい。近年よくあるスマホアプリからの操作には非対応という割り切った仕様だ

「DHT-S216」の象徴的なサウンド設定「Pure」モード

「DHT-S216」の機能で特徴的なのは、サウンドモードだ。一般的なサウンドバーでよくある「Movie」「Music」といった標準的なモードのほかに、「Pure」モードを搭載している。

これは、「DHT-S216」に入力された音声信号を、内部でデコード後にクラスDアンプへダイレクト伝送するモード。つまりDSP内にあるバーチャル音声処理等の回路をバイパスすることで、音の純度を高めるのである。オーディオメーカーのデノンが、これまでHi-FiコンポーネントやAVアンプで目指してきた音作りを、サウンドバーでも追求したことがわかる象徴的な機能と言えよう。

デノンサウンドバー「DHT-S216」

「Pure」モードの伝送イメージ。山内氏がAVアンプやHi-Fiコンポーネントと同様の音質評価&サウンドチューニングを行った「Pure」モードが、「DHT-S216」の基本の音となるよう仕上げられている

デノンサウンドバー「DHT-S216」

本体をひっくり返してみると、底面の左右には下向きに配置された75mmサブウーハーの開口部が。底面とサイド面の両方にポートを設け、低域の量感を最適化しヌケのよい低音を実現するのもHi-Fiオーディオライクな設計だ

試聴レビューホームシアターファンもオーディオマニアも。
こだわり派ほどわかるコスパの高さ

ここからは、「DHT-S216」をリビングルームに設置して、実生活の中で使ってみた。まず結論から言うと、上述の「Pure」モードで映画や音楽を再生して実感したのは、「DHT-S216」はれっきとしたデノンのステレオスピーカーとして開発されており、ホームシアターファンもオーディオマニアもしっかり音楽を楽しめるレベルにあるということだ。

「Pure」モードでは、「DHT-S216」が持っているオーディオ機器としての“素地”がわかりやすい。一般的にサウンドバーといえば、サウンドの迫力を出すために音をDSP処理で必要以上に増強しがちで、音にこだわる人ほどそこに違和感を覚えることが多かったと思う。しかし「DHT-S216」には、そういう不自然さがない。形はワンボディ型サウンドバーだが、そこから出てくるのは2チャンネルのステレオスピーカーに通じるナチュラルなサウンド。オーディオファンがよく言う「素性のいい音」というやつだ。この素性のよさに価値を感じる人にとって、本機の2万円台(税込。価格.com最安価格。2020年3月6日時点)という価格はかなりコスパの高いものとなるだろう。

デノンサウンドバー「DHT-S216」 デノンサウンドバー「DHT-S216」

リモコンの「PURE」ボタンをワンプッシュするだけで、「Pure」モードがONになる

それでは具体的にレビューしていこう。まずは、「Pure」モードで映像を鑑賞してみる。テレビ内蔵の「Amazonプライム・ビデオ」アプリから、2019年のヒット映画「ジョーカー」(配信音声はDolby Digital Plus)を再生した。ご存じ「バットマン」シリーズの人気悪役“ジョーカー”が誕生するまでを描いた本作だが、見どころのひとつが、各シーンで1930〜1970年代のさまざまな名曲が効果的に挿入されることだ。ジョーカーの人生とシンクロするBGM楽曲の聴こえ方が、映画の視聴感を左右する。

「Pure」モードでは、低域がしっかり出ていながら不必要に量感をブーストすることがないので、各シーンで流れる名曲を違和感なくしっかり聴ける。中域を中心とした表現力が高いこともあって、作品への没入感も高まった。映画らしい重低音バリバリのドンパチシーンもいいが、こういった音楽での演出が印象的な作品に「DHT-S216」はぴったりであろう。

また、テレビ放送でもその魅力は実感できる。「DHT-S216」は人の声の帯域が聞き取りやすいので、スポーツ中継やニュース番組などジャンルを問わずに楽しめるが、特にドキュメンタリー番組では「Pure」モードの実力が映える。ナレーションや、映像に収録された環境音がナチュラルに表現され、非常に臨場感が高い。

続いて、Bluetoothスピーカーとして音楽を鳴らしてみるとどうか。2020年のグラミー賞主要4部門獲得で話題の女性シンガー、ビリー・アイリッシュの楽曲「bad guy」(元の音源は96kHz/24bit FLAC)をスマートフォンから再生した。本曲は、ドラムとローエンドにインパクトがありつつもボーカルが際立つミックスが絶妙な1曲だが、「Pure」モードではこの特徴がしっかりと感じられるのがよい。必要以上に低域が増強されないので、元々存在感の強い低音が過度にボウボウと鳴らないし、ウィスパーボイスのボーカルとのバランスを崩していない。

デノンサウンドバー「DHT-S216」

台詞の聞き取りに関しては、リモコンの「ダイアログエンハンサー」ボタンも便利。人の声の帯域をコントロールできる機能で、台詞のメリハリを3段階で調整できる

「Pure」モードによる「DHT-S216」の素性のよさは、ホームシアターやオーディオにこだわった経験がある人ほど実感できるはずだ。実際、「DHT-S216」は発売から3か月ほどが経過した2020年3月時点で、価格.comのユーザーレビューでもかなりの高評価を獲得している。その一部をご紹介しよう。

価格.comのユーザーレビュー抜粋
  • この価格にしてこのサウンドクオリティの高さにはびっくり。低域の重量感、中域の心地よさ、高域のきれいな伸びやかさなど、バランスのよさに感動しました。
  • コスパが最高です。「Pure」モードが秀逸で、音声の品質が一段上がり、リアル感が向上したように感じられました。老舗メーカーであるデノンならではのチューニングでしょうか。
  • 「Pure」モードにしたときも音やせは目立ちません。手ごろなブックシェルフスピーカーを鳴らしているような感覚です。
  • スピーカーのユニットサイズから想像するよりもドシっとした低音が鳴って、正直驚きました。コスパが非常に高いです。「Pure」モードはテレビの音を全体的に底上げしてくれます。デノンのオーディオシステムを使用していたこともありますが、そんなユーザーの信頼を裏切らないクオリティが素晴らしい。
  • ※2020年3月6日時点。価格.com「DHT-S216」製品ページに投稿されたユーザーレビューの一部を抜粋し、価格.com側で編集しています
インシュレーターを使って低音調整も試す価値アリ

なお実際に使ってみてわかったのだが、サブウーハーが本体底面に下向き配置されている「DHT-S216」は、インシュレーターなどを挿入して本体下部を浮かせて設置すると、低音の響きがかなり変化する。個人の好みはもちろん、組み合わせるテレビラックや室内環境とのバランスに合わせて、インシュレーション効果を試してみる価値はある。

デノンサウンドバー「DHT-S216」

普段オーディオやホームシアターなどのシステムで使っている手持ちのインシュレーターを活用できるのがうれしい

デノンサウンドバー「DHT-S216」

テレビ画面を隠さない高さをキープしつつ、ちょうどよいバランスのインシュレーターを探る楽しみも

デノンサウンドバー「DHT-S216」

さらに、リモコンの「BASS」ボタンで低音の量感を調整することもできる。再生するコンテンツに合わせて好みの低音量に調整したい

機能チェック映画も音楽もテレビ放送も!
好みで選べる3つのサウンドモード

ここまでは、「DHT-S216」ならではの「Pure」モードを中心にその魅力をひも解いてきたが、もちろん本機はこだわり派のためだけのサウンドバーではない。「DHT-S216」は、一般的なサウンドバーによくある「Movie」や「Music」といったわかりやすいサウンドモードも備えており、家族みんなの好みに合わせて音質を調整できる。

これは、テレビの前に置くサウンドバーにこそ強く求められる点だろう。マニアが自分の個室で楽しむのではなく、リビングルームにいる家族みんなが楽しめるサウンド機器であること。「DHT-S216」は、そんなサウンドバーとしてのポイントをしっかり押さえた1台になっている。

「Movie」+「DTS Virtual:X」で映画をより大迫力に

リビングルームで映画を観るなら、やはり本機の「Movie」モードで盛り上がりたい。爆発シーンや戦闘シーンのあるアクションやSF映画で「Movie」モードを選択すると、低域の迫力が増して音の広がりも高まる。さらにDTSのバーチャル3Dサウンド技術である「DTS Virtual:X」をかけ合わせると、広がり感もプラスされる。

デノンサウンドバー「DHT-S216」 デノンサウンドバー「DHT-S216」

休日のリビングルームでテレビシアターを楽しむなら、「Movie」+「DTS Virtual:X」で重低音と迫力をアップ

音楽をライブで楽しむなら、躍動感のある「Music」モードで

家族みんなで音楽を楽しむなら、低域の躍動感がより増す「Music」モードもよい。スマホの中に保存してある音楽をBluetooth再生するときや、テレビでのライブコンテンツを「Music」モードで楽しむのもアリだろう。なお、「Music」モードに「DTS Virtual:X」をかけ合わせることも可能。これはライブ音源や、「ボヘミアン・ラプソディ」のようなステージシーンが見どころの映画などに特に効果的で、音の立体感が増してライブ会場にいるかのような臨場感が出てくる。

デノンサウンドバー「DHT-S216」 デノンサウンドバー「DHT-S216」

「DHT-S216」は音楽再生で重要な中域の表現力が高いこともあって、Bluetoothスピーカーとしてもハイレベル。「Music」モードで躍動感をプラスすることも可能だ

夜にテレビを見るときは「Night」モードが便利

もうひとつ、効果の高さを感じたのが「Night」モード。ボリュームを下げたときに帯域バランスを最適化してくれるモードである。これで映画やスポーツ中継などを観ると、人の声がマスキングされず明瞭なままボリュームがしぼられるので、小音量でもきちんと内容が理解できる。大きな音を出せない夜半に活躍する機能だ。

デノンサウンドバー「DHT-S216」 デノンサウンドバー「DHT-S216」

週末の映画鑑賞や、外国のスポーツ中継番組など、夜間に映像コンテンツを楽しみたいときにぴったりな「Night」モード

まとめ音にこだわってきた人にこそ使ってほしい高コスパな1台

音にこだわってきた人にこそ
使ってほしい高コスパな1台
「DHT-S216」のスペックだけを見ると、機能を必要最低限とすることで、低価格を実現したサウンドバーだと思う人も多いかもしれない。しかし本機は、「2万円台のサウンドバーなんてたかが知れている」という先入観を、「サウンドの素性のよさ」という本質的な魅力で見事に打ち砕いてくれるモデルだった。価格.comのユーザーレビューでも多くの人が語っているが、音にこだわりがある人ほど「コスパの高さ」を実感できる1台である。

デノンサウンドバー「DHT-S216」
「Pure」モード搭載の
AV&Hi-Fiファン向けサウンドバー
デノンDHT-S216
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主要スペック
ドライバーユニット 25mm ツイーター×2、45mm×90mm 楕円形ミッドレンジ×2、75mm サブウーハー×2
バーチャルサラウンド機能 〇(DTS Virtual:X)
サウンドモード Movie、Music、Night、Pure
ダイアログエンハンサー 〇(3 モード)
対応音声フォーマット Dolby Digital、DTS、AAC、リニア PCM
対応 Bluetooth コーデック SBC
HDMI(入力/出力) 1/1(ARC、CEC対応)
光デジタル入力 1
アナログ AUX 入力 1(3.5mm ステレオミニジャック)
サブウーハープリアウト 1
外形寸法 890(幅)×66(高さ)×120(奥行)mm
重量 3.5 kg