換気ができるルームエアコン ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」の換気性能を徹底検証!

今年、多くの人の間で一躍大きな関心事となった室内の空気環境。その中でも特に注目を集めているのが、「換気」の問題だろう。もしウイルスなどの有害物質が室内に持ち込まれたとしても、こまめな換気を行って部屋の空気を入れ換えることが感染予防には効果的とされているためだ。しかし、冬も深まり、より寒くなってくると、こまめな換気を行うためのハードルは正直グンと上がる。せっかく暖房などで温めた室温をあまり下げずに、換気できるような方法はないものか? そう思っている人にこそ注目してほしいのが、ダイキンのルームエアコン「うるるとさらら」(「うるさらX」「うるさらmini」)である。「換気ができる」ルームエアコンである「うるるとさらら」なら、暖房しながら換気も行えるのだ。ここでは価格.comがそのメカニズムを解説するとともに、実際の換気性能を独自に徹底検証した!

解説加湿機能から生まれた、ダイキン「うるるとさらら」の換気メカニズム

ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」

「うるるとさらら」の給気換気運転は、外から取り込んだ外気を暖めてから室内に送風する方式のため、24時間換気システム(第3種換気)の給気口での換気にともなう室温の低下も起こりづらい。換気しながら、室内を快適な温度に保つことができる

まずは、なぜ、ダイキンの「うるるとさらら」が、ルームエアコンでありながら換気運転を行えるのか? という素朴な疑問について、解説したい。

実は、意外に多くの人が勘違いしていそうだが、一般的にエアコンというものは、室外機と室内機の間で空気自体をやり取りしているわけではない。下の図1は、一般的なエアコンの構造を示したものだが、室外機と室内機の間でやり取りされているのは「冷媒」と呼ばれるガスの一種で、これが熱交換器を通ることで温められたり冷やされたりすることで、室内に温風や冷風を届けられるという仕組みなのだ。であるから、基本的に、エアコンを稼働させていても、室内の空気は室内で循環するだけで換気までは行えていないのである。

ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」

(図1)基本的なエアコンの仕組み(暖房運転時)。室外機と室内機は冷媒というガスが入ったパイプでつながれており、室外機の熱交換器で取り込まれた熱が冷媒を通じて室内機に送られ、室内機側の熱交換器で熱として取り出されて温風となる。このため、外気を直接取り込む機能は、一般的なエアコンには搭載されていない

ではなぜ、ダイキン「うるるとさらら」では、換気が行えるのか? その秘密は「うるるとさらら」が代々搭載してきた「加湿機能」(無給水加湿)にある。「うるるとさらら」は、そのネーミングからもわかるように、ルームエアコンでありながらも湿度コントロールが行える点が大きな特徴。冷房運転時の「除湿」についてはどのエアコンでも行えるが、暖房運転時の「加湿」については、「うるるとさらら」のみが唯一実現している機能なのである。

この「無給水加湿」は、室外機に搭載された加湿ユニットが屋外の空気を取り込み、その中に含まれる水分を抽出して、室内機側に送り込むという仕組みで動いている(図2参照)。これを実現するために、「うるるとさらら」では、室外機と室内機の間に冷媒をやり取りするパイプのほかに、水分を含んだ外気を室内機側に取り込むためのホースが初めから設置されているのだ。この元々加湿用に用意されていた機構を応用することによって、「うるるとさらら」では外気を取り込んで給気換気が行えるようになっているのである。

ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」

(図2)ダイキンの「うるるとさらら」の場合、室外機に装備された加湿ユニットで抽出された水分を、搬送ホースを使って室内機に送って加湿を行うという構造がもともと備わっている。この構造を応用することで、外気を取り込み換気が行える。これが「うるるとさらら」だけが持つ給気換気機能のメカニズムだ

しかも、単に換気を行うだけではなく、取り込んだ外気はしっかり暖めてから室内に送風するので、24時間換気システムのように室内の温度が低下することもない。もちろん、加湿暖房運転を行いながらの換気も行えるので、乾燥した外気を取り込んでも湿度の低下は抑えられる。簡単に言えば、室内の温度や湿度も快適にそのまま、しかも換気までしっかり行える。それが、「うるるとさらら」だけが持つ、大きなアドバンテージというわけなのだ。

ちなみに、この給気換気運転機能は、最新の「うるるとさらら」だけが実装している機能ではない。2000年発売以降の「うるるとさらら」には、この給気換気運転がそもそも備わっており、これらのモデルであれば、最新モデル同様の給気換気運転を利用できる。それが今シーズンは、フラッグシップモデルの「うるさらX」はもちろんのこと、小型モデルの「うるさらmini」にも広がり、さらには給気換気機能搭載のスタンダードモデル「Vシリーズ」も2021年3月に登場予定と、給気換気運転可能なラインアップが大幅に拡大されたのだ。この給気換気機能対応モデルの拡大は、多くのユーザーにとって、まさに朗報と言えるだろう。

換気ができるルームエアコン
ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」

検証とことんやります! ダイキン「うるるとさらら」の換気性能を徹底検証!

ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」

ダイキン「うるるとさらら」の換気性能を検証するため、「価格.comくらしラボ」のベッドルームを使い、スタッフが実際に寝泊まりしながら、CO2濃度や温度・湿度の変化の推移を調べるという実証実験を2日間にわたって行った。一般的に、寝室は24時間換気の排気ファン(脱衣所にあるケースが多い)から離れていることが多く、閉め切って長時間過ごす傾向にあるといった特性から、住宅においてCO2濃度が高まりやすいと言われている

ダイキンの「うるるとさらら」が、なぜ換気が行えるのかの理由はおわかりいただけたことと思うが、きっと多くの皆さんはこう思っているのではないだろうか。その換気機能ってどれくらいの性能があるの? そんな皆さんの疑問にお答えすべく、価格.comでは、リアルな住環境を再現する「価格.comくらしラボ」において、最新の「うるるとさらら」を実際に設置し、その換気性能がどの程度のものであるのかを試す実証実験を行った。

運転実験前の準備

ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」

ダイキンのルームエアコンの周辺機器として用意されているIAQセンサー「Beside(ビサイド)」。温度・湿度はもちろん、CO2濃度をセンサーで検知し、CO2が上昇すると自動的に換気運転を開始するなど、「うるるとさらら」をさらに便利にする周辺機器だ。なお、計測した情報はスマホアプリ上でグラフとしてわかりやすく視認できる

ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」

「うるさらmini」のリモコン。下部2段目中央に「換気」ボタンがあるが、これを押すことで、給気換気運転のオン/オフが切り替えられる。給気換気運転がオンになると、上部のディスプレイ右側に換気運転を示すアイコンが表示される

具体的には、「価格.comくらしラボ」があるマンションのベッドルーム(約6.3畳)に、給気換気運転機能を備えた小型機「うるさらmini(AN22YMS-W)」を設置。なお、「うるさらmini」は小型モデルではあるが、換気機能自体はフラッグシップモデルの「うるさらX」と同等となる。この「うるさらmini」で夜間に暖房運転を行いながら、室内の空気をセンサーで計測できるIAQセンサー「Beside(ビサイド)」をベッドサイドのナイトテーブルに設置し、室内のCO2濃度の変化、および室温と湿度の変化を計測した。なお、実際の利用状況に近づけるため、価格.comスタッフがこの部屋で2日にわたって夜を過ごし、ほぼ同等の温度/湿度の条件下において、以下の設定での運転実験を行っている。

2日間の運転実験の設定

ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」

ちなみに、いずれの場合も、24時間換気システムをオンにした状態で、夜の23時から明け方の8時まで9時間程度にわたって暖房運転を行いつつ就寝した。いずれも寝室に人が入ってから2時間ほど通常の暖房運転を行い、その後、換気や換気+加湿などの機能をオンにした状態で就寝。そのままの状態で9時間ほど運転を続けた結果となる。なお、テスト当日の外気温はおよそ5℃程度で、室内温度は11〜18℃くらい。暖房の設定温度は22℃とした。

では、テストの結果を見てみよう。

ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」

まず、1日目の「給気換気運転オフでの暖房運転」の結果から見てみよう。23時に寝室に入りエアコンの暖房運転を開始すると、室内のCO2濃度が1時間後には1000ppmを超える値を示した。一般に、CO2濃度は換気状態の指標となり、1000ppmを超えると換気が必要と言われているが、人間の呼気などの影響で一気にCO2濃度が上がった形だ。その後も特に給気換気運転などは行わず、暖房運転のみで稼働させながら就寝したが、結果としてCO2濃度は1200ppmを超えていた。

続いて2日目の「給気換気運転オンでの加湿暖房運転」の結果を見てみよう。この日も寝室に入ってからまずは暖房運転のみを2時間行ったところ、室内のCO2濃度は1000ppmを超えた。その後、23時から「換気+加湿」をオンにしたところ、すぐにCO2濃度は1000ppmを下回り、その後は900ppm前後で安定して推移した。なお、加湿機能をオンにしたおかげで、それまで40%前後だった室内湿度は上昇、気温が低くなる明け方には最大60%に達し、この夜はかなり快適に就寝することができた。

この2日間のテストを通じて、「うるるとさらら」の換気性能はおよそ検証できた。換気機能のないエアコンで暖房運転を行うと、部屋のCO2濃度は一気に1000ppmを超える。これに対して、「うるるとさらら」で換気運転を行うと、1〜2時間程度でCO2濃度はかなり下がり、推奨レベルの1000ppmを下回ることが実証できた。なお、暖房時の換気運転によって室内の温度や湿度はほぼ影響を受けないことも確認できた。「うるるとさらら」を設置している部屋であれば、室内の空気をしっかり入れ換えながら(さらに加湿もしながら)、快適に過ごせることだろう。

換気ができるルームエアコン
ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」

まとめ加湿・暖房しながら、換気性能を実現するルームエアコン

上記の実証実験の結果からもわかるように、ダイキンの「うるるとさらら」は、加湿・暖房しながらも、十分な換気性能を実現できることがわかった。特にこれから寒さが厳しくなる冬の季節には、室温や湿度が下がらず、換気もしっかり行えるこの給気換気運転機能は、非常にありがたいものに感じるはずだ。さらに、フラッグシップモデルの「うるさらX」には、人体に直接当てにくい「垂直気流」といった機能も備わっており、より上質な暖房体験を味わえる。

家族がつどうリビングルームなら、フラッグシップモデルの「うるさらX」がよいだろうし、寝室や子供部屋などに設置するのであれば、小型モデルの「うるさらmini」でも、換気+加湿暖房をしっかり利用できる。加湿機能はいらないが給気換気運転は欲しいという人なら、よりリーズナブルに購入できるシンプルモデルの「Vシリーズ」という選択肢も用意される(2021年3月発売予定)。室内の空気の環境が注目されている今、これらの換気が行えるダイキンのルームエアコンを導入することの意味は、決して小さくないはずだ。

換気ができるルームエアコン
ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」
ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」
ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」
換気も加湿もできる、垂直気流対応のフラッグシップモデル

うるさらX

ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」
ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」
換気も加湿もできる、寝室や個室にぴったりの小型モデル

うるさらmini

ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」
換気ができるルームエアコン
ダイキン「うるさらX」「うるさらmini」
公式サイト
この記事は2021年01月29日の情報を基にしております。