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最新世代のCPU&GPUや4K有機ELディスプレイを搭載!デスクトップ代わりに使える高性能ノートPC クリエイター必見! GIGABYTE「AERO 15 OLED」徹底レビュー
新型コロナウイルスの影響で、自宅やカフェなど、オフィス以外の場所で仕事をする働き方が普通のことになりつつある。ただ、クリエイターなど、職種によっては、オフィスにある高性能なデスクトップパソコンでなければ仕事にならないという人もいるだろう。「デスクトップパソコンを持ち運びたい」「デスクトップパソコン代わりに使えるノートパソコンがあれば」。そんなことを思いながら日々仕事をしているクリエイターに注目してほしいのがGIGABYTEの「AERO 15 OLED」である。最新世代のCPUとGPU、それに4K有機ELディスプレイを搭載した高性能なノートパソコンだ。その実力や使い勝手を価格.comが詳しくチェックする。
パフォーマンスクリエイターにはパワフルなマシンが似合う
「第11世代Intel® Core™ プロセッサー・ファミリー Hシリーズ」と「GeForce RTX 30シリーズ」搭載
高画素な写真や4K動画、グラフィックを多用したアプリやWebページなど、クリエイターが扱うデータは容量が多く、それらを高速に処理するためにパソコンには高いパフォーマンスが求められる。そのためクリエイターは、高性能なデスクトップパソコンを使って作業をしていることが多いはず。ただ、テレワークなど、オフィス以外の場所で作業する機会が増えているコロナ禍の今、決められた場所でしか使えないデスクトップパソコンでは作業がしにくいという声も聞こえてくる。
そんなクリエイターが求めているのは、デスクトップパソコン代わりに使える高性能なノートパソコンだろう。その点、ここで紹介するGIGABYTEの「AERO 15 OLED」は、インテルの「第11世代Intel® Core™ プロセッサー」とNVIDIAの「GeForce RTX 30シリーズ」という最新世代かつ高性能なCPUとGPUを搭載し、さらには15.6型の4K有機ELディスプレイを備えるなど、デスクトップパソコンにも劣らない高いパフォーマンスを実現している。
今回検証に利用した「XD-73JP644SP」は、全5モデルある「AERO 15 OLED」の中ではコストパフォーマンスにすぐれたモデルで、スペック的にはちょうど真ん中のモデルだ。「XD-73JP644SP」の主なスペックは以下の通り。
今回検証に利用した「XD-73JP644SP」の主なスペック
- OS:Windows 10 Pro
- CPU:第11世代Intel® Core™ i7-11800Hプロセッサー(2.30GHz〜最大4.60GHz)
- GPU:GeForce RTX 3070 Laptop GPU(GDDR6 8GB)
- メモリー:32GB DDR4 PC4-25600
- ストレージ:1TB SSD(PCI Express 4.0 x4接続)
パソコンの頭脳であるCPUには、インテルの最新CPUである「第11世代Intel® Core™ i7-11800Hプロセッサー」を搭載する。このCPUは、「第11世代Intel® Core™プロセッサー・ファミリー Hシリーズ」と呼ばれる、ゲーミングノートPCやクリエイター向けノートPC用の高性能なCPUで、8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高いのが特徴だ。画像処理や動画のエンコードなどグラフィック処理を担うGPUには、最新のアーキテクチャー「Ampere」を採用したNVIDIAの「GeForce RTX 3070 Laptop GPU」を搭載。8K動画の編集ができるほどパワフルなGPUで、40以上ものクリエイティブアプリに最適化されている。
そんな「XD-73JP644SP」の実際のパフォーマンスはどれくらいなのか、「AERO 15 OLED」の2019年モデルである「SA-7JP5020SH」と比べてみた。比較用の「SA-7JP5020SH」の主なスペックは、CPUが「第9世代Intel® Core™ i7-9750Hプロセッサー」(2.60GHz〜最大4.50GHz)、メモリーが8GB DDR4 PC4-21300、ストレージが256GB SSD、GPUがNVIDIAの「GeForce GTX 1660 Ti」(GDDR5 6GB)というもの。2年前のモデルとはいえ、現役でも問題なく使えるハイスペックなモデルだ。
テスト結果からお伝えしてしまうと、「XD-73JP644SP」の圧勝に終わった。CPUの性能を測定する定番ベンチマークプログラム「CINEBENCH R20」と、グラフィック性能を測定する定番ベンチマークプログラム「3DMark(TimeSpy)」の両方で2倍近いスコアをたたき出したのはまさに圧巻。CPUとGPUともに2世代ジャンプアップしているので、かなり差が出ると予想はしていたが、ほぼ2倍という結果には驚いた。
実際のクリエティブな作業を想定して行った、100枚のRAW形式の写真をJPEG形式に変換するテストでは、比較用の「SA-7JP5020SH」で6分09秒かかっていたものが、最新の「XD-73JP644SP」では2分22秒と1/3ほどの時間で変換が完了した。あまりにも早かったので、何かの間違いではないかと思い、同じテストを3回繰り返したが、結果はほとんど変わらなかった。CPUとGPUの性能アップはもちろん大きいが、PCI Express 4.0 x4接続の高速なSSDをストレージに採用しているのも、この結果に大きく影響していると考えられる。
CINEBENCH R20
CPUの性能を測定する定番ベンチマークプログラム「CINEBENCH R20」。CPU全体のパフォーマンスを示すマルチコアのスコアは「XD-73JP644SP」が「4469」、2019年モデルの「SA-7JP5020SH」が「2400」。動作周波数やターボブースト時の周波数はそれほど変わらないが、4コア8スレッドから8コア16スレッドへとコア数およびスレッド数が倍になった結果がそのままスコアに反映されている
3DMark(TimeSpy)
GPUの性能を測定する定番ベンチマークプログラム「3DMark」。DirectX 12対応のテストである「TimeSpy」の結果は、「XD-73JP644SP」が「9201」、2019年モデルの「SA-7JP5020SH」が「5053」と、かなりの差が開いた。「GeForce RTX 30シリーズ」の中ではミドルクラスの「GeForce RTX 3070 Laptop GPU」だが、前世代の最上位モデル「GeForce RTX 2080」に匹敵する性能を持っており、非常に高いグラフィック処理能力を発揮してくれる
Photoshopを使ったRAW現像
アドビの画像編集ソフト「Photoshop」(別売)を使って、RAW形式の写真100枚をJPEG形式に変換してみた。かかった時間は2分22秒。2019年モデルの「SA-7JP5020SH」は6分09秒かかったので、ほぼ1/3の時間で変換が完了した
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク
人気MMORPG「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」の結果は1920×1080の「最高品質」で「16635」。評価はもちろん「非常に快適」。「SA-7JP5020SH」と比べると65%もスコアがアップしている。ゲーミングPCではないが、これだけハイスペックな「XD-73JP644SP」なら最新ゲームも快適に楽しめるだろう
実際の作業ではどうなのだろうか。アドビの画像編集ソフト「Photoshop」で複数のレイヤーを重ねたり、同じくアドビの動画編集ソフト「Premiere Pro」で4K動画を編集したりしたが、動作は軽快そのものだった。さらに、「AERO 15 OLED」は多くのクリエイターが利用しているアドビの「Creative Cloud Suite」と互換性テストを実施しているので、動作が軽快なのはもちろん、アドビの各種クリエイティブアプリが安定して動作するのも強みと言えるだろう。
ボディサイズが限られるノートパソコンで高負荷な作業を長時間行う際に課題となるのが熱の処理。「AERO 15 OLED」は71枚のファンブレードを持つ2基の大型ファンと5本のヒートパイプから構成される、独自の「WINDFORCE Infinity冷却システム」を搭載(左写真)。これによって、高負荷時でも発熱を抑え、安定したパフォーマンスを発揮してくれる。右画像はRAW現像中の本体の温度を簡易的に測定してみたもの。2基の大型ファン部分(キーボードの左右部分)の温度が低く、最も温度が高いところでも35℃程度に抑えられていた
なお、「AERO 15 OLED」には、「第11世代Intel® Core™ i9-11980HKプロセッサー」や「GeForce RTX 3080 Laptop GPU」を搭載したさらに高性能なモデルもラインアップされている。今回検証に利用した「XD-73JP644SP」も非常にハイスペックなモデルだが、より高いパフォーマンスを求めるなら、上位モデルを検討してみるのもいいだろう。
ディスプレイ正確な色再現で「見る」と「作る」にピッタリ
4K有機ELディスプレイは見れば違いが一目瞭然!
コンテンツを生み出すクリエイターにとって、処理性能とともに重要なのがディスプレイだ。正しい色を再現できないディスプレイで作業すると、できあがったコンテンツも思った通りの出来栄えにはならないことがある。その点、「AERO 15 OLED」は4K有機ELディスプレイという、ノートパソコンとしてはトップクラスの高精細ディスプレイを搭載しているので、制作物の確認がしやすく、作業も効率的に行える。
細かいスペックを見ていくと、最大輝度400cdの「VESA Display HDR 400」に準拠するほか、色域はデジタルシネマ規格の「DCI-P3」の色域カバー率120%を実現。コントラスト比は10万:1、応答速度は1ms(G to G)と、超がつくほど高性能だ。ちなみに、「AERO 15 OLED」に搭載される有機ELパネルは、トップベンダーであるサムスン製のものを使っているという。
分光光度計を使って「AERO 15 OLED」の色域を計測してみたところ、パソコンで使用される標準の色空間であるsRGBの色域がすっぽり収まっていることがわかった(右図)。スペック的にはsRGBより25%多くの色を表現できるというが、スペック通りの性能だった
また、色に関しては、カラーキャリブレーターメーカーのX-Riteが定める「X-Rite Pantone認証」をクリアしているのに加え、出荷前にパネル1枚ずつを色校正する徹底ぶり。ディスプレイには個体差があって、運悪く色味が微妙に不正確なハズレを引くこともあるが、パネル1枚ずつを色校正している「AERO 15 OLED」なら、そんなハズレを引く心配はない。
そんなAERO 15 OLEDの4K有機ELディスプレイの画質のすごさは、使い始めてすぐにわかる。ビビッドな発色で写真や動画を鮮やかな画質で見られるほか、4Kの高精細な表示で文字もクリアで読みやすい。「Netflix」で4K HDRの映画を見てみたが、漆黒の黒とまばゆい光を同時に表現できており、映画館で映画を見ているような映像の美しさが味わえた。映画だけでなく、「YouTube」などのネット動画やゲームもハイクオリティな画質で楽しめるだろう。「AERO 15 OLED」の4K有機ELディスプレイは、クリエイターがコンテンツを「作る」のはもちろん、動画や写真を「見る」のにも適したディスプレイと言える。
ボディ・使い勝手見た目や使い勝手にも妥協なし
薄型・軽量ボディに豊富な外部インターフェイスを装備
最後に「AERO 15 OLED」のボディや使い勝手をチェックしていこう。アルミニウム合金を使ったボディは厚さ19.9mmとスリムで、重量も約2.0kgの軽さを実現している。15.6型のディスプレイを備えたノートパソコンとしては薄型・軽量ボディなので、自宅からオフィスへ、オフィスからクライアント先へ、いろいろな場所に気軽に持ち出せる。
スリムボディながら、転送速度が最大300MB/sのフルサイズのSDメモリーカードスロットや、転送速度が最大40GB/sのThunderbolt 4ポートを装備しているのも見逃せない。カメラから写真や動画のデータを短時間で取り込んだり、Thunderbolt 4対応のストレージと接続して、大事なデータを高速にバックアップしたりできる。扱うデータの容量が多いクリエイターにとってはうれしい装備だ。
外部インターフェイスは、本体右側面にUSB 3.2(Gen1)ポート×2、Thunderbolt 4ポート、SDメモリーカードスロットを、左側面にUSB 3.2 (Gen1)ポート、ミニDisplayPort 1.4ポート、HDMI 2.1出力ポート、ギガビットLANポート、ヘッドホン出力/マイク入力端子を装備。さまざまな外部機器を接続して作業することが多いクリエイターのために、豊富な外部インターフェイスを備えている
さらに、外部映像出力として、HDMI 2.1出力ポート、ミニDisplayPort 1.4(DP) 、前述のThunderbolt 4ポートの3系統が用意されており、マルチディスプレイ環境を構築しやすいのもクリエイターにとってはありがたいはず。このほか、Windows Helloに対応した指紋認証センサーを備えているので、セキュリティ面も安心。オンライン会議に必須のWebカメラや最新規格のWi-Fi 6など、機能面も充実しており、クリエイターのテレワークマシンとしても申し分なしだ。
まとめ「AERO 15 OLED」はクリエイターの要求に応える高性能ノートパソコン
GIGABYTEの「AERO 15 OLED」は、最新世代かつ高性能なCPUとGPUを搭載しており、デスクトップパソコンに劣らない高いパフォーマンスを発揮してくれる高性能なノートパソコンだ。色にこだわるフォトグラファーやビデオクリエイターにとって、表示品質が非常に高い4K有機ELディスプレイを搭載していることも魅力的で、クリエイターの厳しい要求にしっかりと応えてくれるはずだ。クリエイターだけでなく、デスクトップパソコン代わりに使える高性能なノートパソコンを探しているハイスペック志向のユーザーにもぜひチェックしてもらいたい。
AERO 15 OLEDのラインアップ

YD-93JP648SP
- OSWindows 10 Pro
- CPU第11世代Intel® Core™ i9-11980HKプロセッサー
- GPUGeForce RTX 3080 Laptop GPU(GDDR6 8GB)
- メモリー32GB DDR4 PC4-25600
- ストレージ512GB SSD+1TB SSD(PCI Express 4.0 x4接続)

YD-73JP624SP
- OSWindows 10 Pro
- CPU第11世代Intel® Core™ i7-11800Hプロセッサー
- GPUGeForce RTX 3080 Laptop GPU(GDDR6 8GB)
- メモリー16GB DDR4 PC4-25600
- ストレージ1TB SSD(PCI Express 4.0 x4接続)

XD-73JP644SP(今回検証に利用したモデル)
- OSWindows 10 Pro
- CPU 第11世代Intel® Core™ i7-11800Hプロセッサー
- GPUGeForce RTX 3070 Laptop GPU(GDDR6 8GB)
- メモリー32GB DDR4 PC4-25600
- ストレージ1TB SSD(PCI Express 4.0 x4接続)

XD-73JP624SP
- OSWindows 10 Pro
- CPU第11世代Intel® Core™ i7-11800Hプロセッサー
- GPUGeForce RTX 3070 Laptop GPU(GDDR6 8GB)
- メモリー16GB DDR4 PC4-25600
- ストレージ1TB SSD(PCI Express 4.0 x4接続)

KD-72JP623SP
- OSWindows 10 Pro
- CPU第11世代Intel® Core™ i7-11800Hプロセッサー
- GPUGeForce RTX 3060 Laptop GPU(GDDR6 6GB)
- メモリー16GB DDR4 PC4-25600
- ストレージ512GB SSD(PCI Express 4.0 x4接続)