AV&ITジャーナリスト 本田雅一氏はどう評価した? 先代から全方位で進化を遂げた完全ワイヤレスイヤホンの決定版 ソニー「WF-1000XM4」実力診断!

2019年7月の発売から今日にいたるまで、価格.com「イヤホン・ヘッドホン」カテゴリーの人気売れ筋ランキングで常に上位に入り、支持され続けてきた、ソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000X」シリーズの「WF-1000XM3」。そんな人気モデルのさらに上位に位置づけられる最新モデル「WF-1000XM4」が2021年6月に発売される。ノイズキャンセリング性能、音質、使い勝手と、全方位で進化を遂げた本機の実力を、AV&ITジャーナリストの本田雅一氏にじっくりと評価してもらった。

ノイキャン&音質ノイキャン性能と音質が大幅に進化した完全ワイヤレスの決定版

ソニー「WF-1000XM4」

AV&ITジャーナリスト本田雅一 AV機器をはじめ、パソコンやネット社会などのトレンドを分析し、記事やコラムを執筆。鋭い製品批評はもちろんのこと、製品の後ろ側にある基礎理論や生産技術、業界トレンドなど、多角的な視点で製品やサービスをとらえる語り部としての能力にも定評がある

世の中にはさまざまな家電製品があるが、その中には、特別な使命を持って発売される、メーカーの威信をかけた製品というものがある。たとえば、ソニーの完全ワイヤレスイヤホンの最上位に位置づけられる「WF-1000X」シリーズの最新モデル、「WF-1000XM4」がそれだ。2019年の7月の発売から今日にいたるまで、価格.com「イヤホン・ヘッドホン」カテゴリーの人気売れ筋ランキングで常に上位に入り、支持され続けてきた、大人気の完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」の上位モデルとなる本機に課された使命は、“業界最高クラス”のノイズキャンセリング性能とサウンドを実現すること

特別な、そして困難なミッションをクリアするべく、本機にはソニーが誇る先進の技術が余すことなく採用されている。本機は、「WF-1000XM3」よりも処理能力の向上した「統合プロセッサー V1」や、専用設計6mmドライバーユニットの採用により、ノイズキャンセリング性能が従来の「WF-1000XM3」から飛躍的に向上。高音域の遮音性が向上した独自開発の「ノイズアイソレーションイヤーピース」の効果も相まって、音楽に没入できる圧倒的なノイズキャンセリング性能を実現している。さらに、完全ワイヤレスイヤホンとしてはソニー初となる高音質コーデック「LDAC」※1に対応したほか、AI技術を用いてリアルタイムで音楽を解析し、圧縮音源をハイレゾ相当の高音質にアップスケーリングする「DSEE Extreme」※2にも対応しているのだ。

まずは論より証拠ということで、早速、AV&ITジャーナリストの本田雅一さんに試聴してもらい、そのインプレッションを忌憚なく語ってもらうことにしよう。

ソニー「WF-1000XM4」

業界最高クラスのノイズキャンセリング性能を実現するとともに、完全ワイヤレスイヤホンとしてはソニー初となる高音質コーデック「LDAC」※1に対応したほか、MP3などの圧縮音源をハイレゾ相当(最大96kHz/24bit)にアップスケーリングしてくれる独自技術「DSEE Extreme」※2を搭載した「WF-1000XM4」。カラーバリエーションは、「ブラック」と「プラチナシルバー」の2色が用意され、カジュアルからフォーマルまで、さまざまなファッションに違和感なくなじんでくれる

ソニー「WF-1000XM4」 ソニー「WF-1000XM4」

「WF-1000XM3」が搭載するプロセッサーから、さらに処理速度を高めた「統合プロセッサー V1」を搭載するうえ、高感度性能が向上した6mmドライバーを採用したことで、ノイズキャンセリング性能が従来モデルから大幅に向上しているという

「イヤホン型とは思えないレベルに進化しましたね」と、本田さんは「WF-1000XM4」のノイズキャンセリング性能を高く評価する。「まず感じるのはイヤーピースの遮音性の向上です。従来モデルよりもさらに高い周波数の音まできっちり遮音できるようになっていることに加え、適度な硬さと密度のフォームウレタンが効果的に高い周波数の音を和らげていますます。また、ノイズをデジタル的に打ち消すアクティブノイズキャンセリングの性能も向上していて、特に『統合プロセッサー V1』によって高音域のノイズが、6mmドライバーユニットによって低音域のノイズがしっかりと打ち消されていますね。結果として、騒音が抑えられ、静寂とも言える感覚を得られます」。

*「WF-1000XM3」

ソニー「WF-1000XM4」 ソニー「WF-1000XM4」

ノイズキャンセリング機能を駅前やカフェ、電車の中などで試してもらったが、「周囲のざわめきや環境音を抑え、自分だけの空間で音楽を楽しめるような感覚が心地よい」と本田さん。Bluetoothの接続安定性も問題なく、雑踏の中でも音が途切れたり、遅延が発生したりといった場面は1度もなかったという

ソニー「WF-1000XM4」

音源の再生には、ソニー製スマートフォン「Xperia」をはじめ、それ以外のスマートフォンも使ってもらったが、すぐれたノイズキャンセリング性能や音質、接続安定性に変化はなく、静寂の中で音楽を堪能できたという

本田さんは肝心の音質についても、「聴き始めてすぐに、システム全体の品位が大きく高められていることを実感しました」と納得の様子。「無理に低域の量感を演出しておらず、自然に再生帯域が伸びている印象です。演出が過多ではないため、立ち上がりのスピードも速く質が高い。『WF-1000XM3』では中低域の量感が特徴的でしたが、『WF-1000XM4』はよりナチュラル。正確な低音を聴かせてくれる印象です」。

「ビリー・アイリッシュの『bury a friend』では硬質なゴムを想起させる深みのあるシンセベースや、ザ・ウィークエンドの『Blinding Light』では冒頭にあるシンセストリングスや脳髄を直撃するようなベースの音色など、近年はベース音源の表現にこだわったヒット曲が多いと感じていますが、『WF-1000XM4』にはアーティストのこだわりを描き分ける実力があります。単に低音が出ているということではなく、質感表現にすぐれていて、きちんと下の帯域を伸ばしているところがいいですね。それゆえ、ジェニファー・ウォーンズの『Way Down Deep』で使われているようなアコースティックな超低音の打楽器なども自然に再現できています。

加えて、より高い帯域までシステム全体のS/N比が向上しており、演出的に音を聴かせるのではなく、音源本来の情報量を素直に出してくれるので、音の抜けがいい。ボーカルの細かなニュアンスや楽器音など、繊細な表現がストレートに出てきますね。システム全体の品位を上げなければ、“質を調整”しても厚化粧になるだけで微細な表現力はむしろ落ちてしまいます。薄化粧でもバランスのよい音になるよう基礎体力を高めたことが音質を改善させているのだと思います。

『LDAC』※1や『DSEE Extreme』※2への対応で増えた音楽の情報量も、システム自体に表現力がなければ意味がありませんから、こうしたオーディオ機器としての本質部分を引き上げることが必要だったのでしょう。テイラー・スウィフトの『willow』はカントリー曲に使われるさまざまなアコースティック楽器を多重録音し、それぞれの楽器が実に表情豊かに録音されています。もちろん、『WF-1000XM3』でも楽しく聴けますが、『WF-1000XM4』だとまるで大自然の中で心地よい音を浴びているかのような気分になれます」(本田さん)。

ソニー「WF-1000XM4」

繊細な表現力を持つとともに、ノイズキャンセリングをオンにしても情報量が減らないところも本田さんは高く評価していた。小さな筐体に無線や信号処理チップ、デジタル回路、アナログ回路を一体化しながら、ここまでオーディオ機器としての水準を上げたのは「見事」というよりほかないだろう

コンパクトボディボディはコンパクト。それでいて連続再生時間は本体だけで約8時間に

ソニー「WF-1000XM4」

本体やケースの小型化に加え、連続再生時間の伸長も実現した「WF-1000XM4」の、筐体の特徴を本田さんにチェックしてもらった

続いて、「WF-1000XM4」の筐体の特徴をチェックしていこう。イヤホン本体は従来モデルよりも約10%、ケースは約40%小型化されながらも、単体での連続再生時間は6時間から8時間※3に伸長。さらにIPX4※4相当の防滴性能をサポートするため、雨の日やランニング中でも安心して装着することができる。「WF-1000XM3」ではケースや筐体の大きさを指摘する声も少なくなかったが、「さすがはソニー、『WF-1000XM4』ではそうした不満点をきっちりつぶしてきましたね。ケースを持ち運びやすいのはもちろん、このくらい小型で耳への収まりがいいと、激しい動きでも落ちにくいでしょう。在宅で仕事をしている時にノイズキャンセリング機能を使いたいという人も多いと思いますが、連続再生時間が8時間あればそうした使い方もしやすいですしね」と本田さんは言う。

*「WF-1000XM3」

ソニー「WF-1000XM4」

「WF-1000XM4」(写真左)と「WF-1000XM3」(写真右)のケースを並べてみると、かなり小さくなったことがわかる

ソニー「WF-1000XM4」

イヤホン本体も10%小型化されたが、連続再生時間は6時間から8時間※3に伸長している。イヤホン本体のバッテリーを2回分フル充電できる専用ケースを使用することで、最大約24時間(本体約8時間、専用ケース充電で約16時間)※3の長時間再生が可能だ

ソニー「WF-1000XM4」

パッケージの体積も従来から34%小型化されるとともに、環境に配慮し、オリジナルブレンドの再生紙を利用した新開発のパッケージが採用されている

ソニー「WF-1000XM4」

「WF-1000XM4」はIPX4※4相当の防滴性能をサポート。これもユーザーからの要望が多かった点で、「ランニングをはじめ、ワークアウト中も安心して装着できるのがうれしいですよね」と、本田さんの評価も高い

また、点ではなく面で支える「エルゴノミック・サーフェース・デザイン」も装着安定性の向上を高めているほか、「ノイズアイソレーションイヤーピース」も耳穴にしっかりとフィットする。「先述の通り、イヤーピースは遮音性が高いうえ、柔らかい素材なので装着感も申し分ありません。適切なイヤーピースをガイドしてくれるアプリの機能が用意されていて、自分の耳穴に合ったイヤーピースをチョイスできるのも便利ですよね」(本田さん)。

ソニー「WF-1000XM4」

「ノイズアイソレーションイヤーピース」がS/M/Lの3サイズ付属し、自分の耳に合ったイヤーピースが選べる。イヤホン本体も軽量で重量バランスがよいので、フィット感が高く、ズレたり落ちたりしにくい。カナル型の完全ワイヤレスイヤホンの難点として落下や紛失を気にする人は多いが、「WF-1000XM4」ならその心配も少ない

ソニー「WF-1000XM4」

「装着感は申し分なく、耳にジャストフィットします。従来モデルと比べて耳からの出っ張りも少なくなり、見た目にもよりすっきりとした印象ですね。高い遮音性が得られるのはもちろん、音漏れも少ないので、静かな場所でも安心して使えますよ」(本田さん)

ソニー「WF-1000XM4」 ソニー「WF-1000XM4」

スマートフォン専用アプリ「Sony | Headphones Connect」(Android/iOS対応)には、適切なイヤーピースサイズをガイドしてくれるガイダンス機能が用意されている。「密閉されているかどうか」だけでなく、適切なイヤーピースサイズまでガイドしてくれるのは「Sony | Headphones Connect」ならでは。「WF-1000XM4」を購入したら、まずはこの機能を利用したい

使い勝手クリアな通話品質や「スピーク・トゥ・チャット」機能など、使い勝手がさらに向上

ソニー「WF-1000XM4」

「外音取り込みモード」や「スピーク・トゥ・チャット」など、便利な機能が搭載された「WF-1000XM4」。その使い勝手を本田さんに体感してもらった

「WF-1000XM4」の使い勝手はどうだろう? 在宅勤務中にノイズキャンセリング機能付きのイヤホンを使用して仕事に集中したい人や、Web会議にイヤホンを使用する人も多いはずなので、通話品質は忘れずにチェックしておきたい。その点、「WF-1000XM4」は、指向性の高いマイクを用いて話し手の口元からの音を拾いやすくする「ビームフォーミング技術」と、発した声を骨振動によって収集する「骨伝導センサー」を組み合わせた「高精度ボイスピックアップテクノロジー」を採用しており、よりクリアな音で通話できる。

ほかにも、装着者の声に反応して音楽を一時停止する「スピーク・トゥ・チャット」が新たに採用されたほか、イヤホン本体に触れることなく、声だけで音声アシスタント「Amazon Alexa」や「Googleアシスタント」を起動できるようになったのも見逃せない進化ポイントだ。

高精度ボイスピックアップテクノロジー
ソニー「WF-1000XM4」 ソニー「WF-1000XM4」

「ビームフォーミング技術」と「骨伝導センサー」を組み合わせた、「高精度ボイスピックアップテクノロジー」。周囲の騒音はカットし、自分の声だけを集中的にピックアップしてくれるので、通話中の相手にクリアな声を届けられる

ソニー「WF-1000XM4」

「こんにちは」「すみません」など、装着者の声に反応して音楽再生を止める「スピーク・トゥ・チャット」を採用。本田氏にも試してもらったが、「人に話しかけたり、カフェで店員を呼んだりする時に、いちいち音量を調整しなくていい。これはかなり便利ですよ」とのこと。声だけで音声アシスタント「Amazon Alexa」や「Googleアシスタント」を起動できることにも感心していた

ソニー「WF-1000XM4」 ソニー「WF-1000XM4」

本体左側のハウジングのタッチセンサーをタップすると、音楽を再生しながら周囲の音を取り込む「外音取り込みモード」が起動。本体右側のタッチセンサーでは、曲の再生/一時停止や、曲送り/曲戻しなどが行える。なお、これらの機能のタッチセンサーへの割り当ては、スマートフォン専用アプリ「Sony | Headphones Connect」上でカスタマイズが可能だ

ソニー「WF-1000XM4」

パソコンとのペアリングも簡単。「Swift Pair」を備えており、ペアリングモード中のイヤホンを、Windows10を搭載したパソコンに近づけると、接続ガイダンスがポップアップで出現する

まとめさらなる進化が実感できる完全ワイヤレスイヤホンの大本命

「言うは易し、行うは難し」とはよく言ったもので、ノイズキャンセリング性能と音質をともに“業界トップレベル”へと引き上げるのは容易なことではなかっただろう。しかし、そこは日本のオーディメーカーの雄、ソニーである。「WF-1000XM4」は、従来モデル「WF-1000XM3」を大きく上回るノイズキャンセリング性能と、自然で伸びやかなサウンドを実現するとともに、イヤホン本体やケースの小型化、アプリの使い勝手の向上など、従来モデルに寄せられていた「こうだったらもっといいのに」という声にひとつひとつ、愚直なまでに応えた1台となっていた。完全ワイヤレスイヤホンのトップランナーとしての貫禄をさらに磨き上げた「WF-1000XM4」を手に取り、圧倒的な静寂の中で、心ゆくまで音楽を堪能してほしい。

*「WF-1000XM3」

この記事は2021年06月10日の情報を基にしております。

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