クリエイターに機動力を!約985gの軽量ボディに確かな処理性能を備えたマウスの14型ノートPC「DAIV 4P」シリーズ・レビュー
「クリエイターによる、クリエイターのためのPC」というコンセプトのもと、幅広いモデルを展開しているマウスのクリエイター向けPCブランド「DAIV(ダイブ)」。その最新モデル「DAIV 4P」シリーズは、14型液晶搭載のノートPCでありながら、約985gという軽量ボディを実現。そしてCPUには、高性能GPU「インテル Iris Xe グラフィックス」を内蔵した「第11世代インテル Core i7-1165G7 プロセッサー」を採用し、クリエイティブ作業を十分にこなせる高い処理性能を備えている。ここでは、16GBメモリー、NVMe接続の512GB SSDを搭載した価格.com限定モデル「DAIV 4P-M16-KK」を取り上げ、その実力を探っていく。
ボディ
機動力を高める約985gの軽量ボディ。
自宅ではUSBケーブル1本でマルチディスプレイ環境へ移行
写真や動画の編集、Webデザイン、イラスト制作などを行うクリエイター向けのパソコンには、高い処理性能が求められる。そのため、クリエイター向けのパソコンはボディが大きく、重くなりがちだった。これまでのように仕事場で腰を据えて使うのであれば問題ないが、オフィスや自宅はもちろん、カフェなど場所を問わずに作業を行うことが当たり前になった今では、デスクトップPCは言わずもがな、大きくて重いノートPCも使い勝手が悪くなってきている。そう、処理性能が重視されるクリエイター向けのパソコンにも、機動力が求められてきているのだ。
そこで注目したいのが、マウスのクリエイター向けPCブランド「DAIV(Dynamic Approach Imagery of Visual)」から発売された、14型ノートPC「DAIV 4P」シリーズだ。本機は、約985gというブランド最軽量ボディに、高性能GPU「インテル Iris Xe グラフィックス」を内蔵した最新CPU「第11世代インテル Core i7-1165G7 プロセッサー」を搭載。高い機動力と処理性能を両立させているのが魅力だ。これから先、場所を問わずに作業する機会が増えるクリエイターにとって見逃せないモデルとなるはずだ。

2021年6月発売の「DAIV 4P」シリーズ。14型液晶ディスプレイを搭載しながら1kgを切る軽さは大きな魅力だ。もちろん、クリエイティブ作業に求められる処理性能もしっかりと備えているというのだからありがたい。ここでは、16GBメモリーと、NVMe接続の512GB SSDを搭載した価格.com限定モデル「DAIV 4P-M16-KK」を使って、その魅力に迫っていく
約985gの軽量ボディ
早速、「DAIV 4P-M16-KK」を使い、その機動力の高さを確認していこう。自宅や会社に据え置いて使うだけでなく、外出先に持ち運んで使うことも考えると重要になってくるのが、本体の「軽さ」だ。その点、ボディにマグネシウム合金を採用した本機は、約985gと非常に軽量。さらに、左右だけではなく、上下のベゼルも狭くした「4辺ナローベゼルデザイン」を採用することで、14型液晶ディスプレイ搭載モデルでありながら、一般的な13.3型ノートPCとほぼ同等のフットプリント(設置面積)を実現している。これなら、持ち運びに負担を感じることはないだろう。
「DAIV 4P-M16-KK」の重さを量ってみたところ、ほぼカタログスペック通りの984gだった(カタログスペックは約985g)。この数値は、クリエイター向けに限らず一般的なモバイルノートとしても非常に軽い。サンドブラスト加工が施された天板は手触りがよく、金属ボディならではの質感の高さが感じられる
ディスプレイ左右のベゼル幅は約3mm、上は約8.5mm、下は約6mm(それぞれ実測)。14型液晶ディスプレイを搭載しながら、本体サイズは308.8(幅)×213(奥行)×16.4(厚さ)mm(突起部含まず)とコンパクトだ。A4サイズの小さめなバッグにもすっきりと収納できた
約985gのボディは予想以上に軽く、外に持ち出しても負担を感じない。フットプリントが小さいため、コンパクトなカフェのテーブルの上でも無理なく広げられる。また、最大約12.0時間(JEITA2.0)のバッテリー駆動が可能なので、日中ACアダプターを持ち歩く必要もない
自宅やオフィスで大活躍のThunderbolt 4対応USB Type-Cポート
その軽量・コンパクトなボディを生かし、サッと手軽に持ち出せる「DAIV 4P-M16-KK」だが、自宅やオフィスなどでクリエイティブ作業を行う場合は、大画面のディスプレイに映像を映し出し、じっくりと腰を据えて作業を行いたいもの。そんな時に便利なのが、最大40Gbpsの高速なデータ転送が可能なThunderbolt 4対応のUSB Type-Cポートだ。USB Type-Cポートに対応した液晶ディスプレイと組み合わせれば、USBケーブル1本で、ディスプレイに映像出力が行えるうえ、製品によってはパソコン本体の充電が行えたり、有線LANなどが利用できる※。接続するケーブルの本数が少なくて済むので、PCデスク周りがスッキリするのもうれしいポイントだ。 ※接続するディスプレイによって利用できる機能は異なります。
「DAIV 4P-M16-KK」は、左側面にUSB3.1 Type-Cポート、SDメモリーカードスロット(UHS-I対応)、USB3.0 Type-Aポート、ヘッドホン出力/ヘッドセットポートを、右側面にThunderbolt 4対応USB Type-Cポート、USB3.0 Type-Aポート、HDMI出力ポートを装備。薄型ボディながら豊富な外部インターフェイスを備えている
パフォーマンス
「インテル Iris Xe グラフィックス」内蔵の最新CPUを搭載。
処理性能に不足なし!
クリエイター向けを名乗るからには、クリエイティブソフトがサクサクと動かせる高い処理性能は必須。その点、「DAIV 4P-M16-KK」は、ハイエンドノートPC向けの最新CPU「第11世代インテル Core i7-1165G7 プロセッサー」(4コア/8スレッド、最大4.70GHz)を搭載しているので処理性能に不足はない。また、グラフィック機能には処理性能が前世代より最大2倍に向上した高性能GPU「インテル Iris Xe グラフィックス」が内蔵されており、負荷の大きなクリエイティブ作業も快適に行えるだろう。
このほか、16GBメモリー(DDR-3200)や、高速なNVMe接続の512GB SSDを採用するなど、CPU以外の基本スペックも高いので、多くの高解像度写真を同時に展開したり、大容量の動画ファイルをコピーしたりしても、動作の遅さにイライラすることはないはずだ。
AI機能対応のクリエイティブソフトがより快適に動作
また、「第11世代インテル Core i7-1165G7 プロセッサー」は、前世代に比べてAI処理性能が最大5倍に強化されており、Adobeの「Photoshop」や「Premiere Pro」などAI機能に対応したクリエイティブソフトであれば、より一層の作業効率化が見込める。
そこで、前世代「第10世代インテル Core i7-10510U プロセッサー」を搭載した従来モデル「DAIV 4N」(GPU:NVIDIA GeForce MX250、メモリー:16GB)を用意して、「Photoshop 2021」(別売)のAI機能を活用した「被写体の選択」と「ニューラルフィルターのカラー化」処理にかかる時間を比較してみた。
「被写体の選択」はAIの被写体認識アルゴリズムを使い、被写体の範囲選択を自動で行ってくれる機能で、「ニューラルフィルターのカラー化」はモノクロ写真をカラー化してくれる便利な機能。「DAIV 4P-M16-KK」では、従来モデルに比べて処理時間がなんと半分近くに短縮された。これから先、AIを用いた機能やソフトはもっと増えてくるはず。そうなれば「DAIV 4P-M16-KK」の優位性はさらに高まってくるだろう
約2430万画素のRAWデータ67枚(約3.08GB)の現像(標準プリセット、JPEG最高画質)を行ってみたが、従来モデルでは1分54秒かかったところ、「DAIV 4P-M16-KK」では約54%短い53秒で作業が完了した。外付けGPUを搭載していないにもかかわらず、これだけ高速な処理が行えるのは、高性能な「インテル Iris Xe グラフィックス」を内蔵し、マルチコア性能が高められた「第11世代インテル Core i7-1165G7 プロセッサー」のおかげだろう
使い勝手
色再現性の高い14型WUXGA液晶が、クリエイティブ作業を支援する
続いては、「DAIV 4P-M16-KK」の使い勝手を確認していこう。本機は、アスペクト比16:10の14型WUXGA(1920×1200)液晶ディスプレイを搭載。一般的なノートPCに搭載されているアスペクト比16:9のフルHD(1920×1080)液晶ディスプレイよりも縦の解像度に余裕があるため、画面上にWindowsのタスクバーを表示したままフルHD動画をドットバイドットで表示できるイメージだ。また、搭載する液晶ディスプレイはsRGB比100%の色域を実現。クリエイティブ作業にも適している。
画面占有率約92%を実現した「4辺ナローベゼルデザイン」のディスプレイは、表示した映像への没入感が高い。パネルは映り込みの少ない非光沢のノングレア仕様なので、外光の入るカフェの席でも作業しやすかった
分光光度計を使って、ディスプレイの色域を計測してみた。右のガモット図の*印の三角形が本機の色域で、○印の三角形がsRGBの色域。2つの三角形はほとんど重なっており、カタログスペック通りsRGB比100%を実現しているようだ。これなら、写真のレタッチやCGの色塗りなども正確に行えるだろう
コンパクトながら、フルサイズのキーボードを搭載
また、「DAIV 4P-M16-KK」は13.3型モバイルノート並みのコンパクトサイズでありながら、フルサイズとなるキーピッチ約19mmを確保したアイソレーションキーボードを採用。キーストロークは約1.2mmと浅めだが、ボディに剛性の高いマグネシウム合金を採用しているため、キー入力時のたわみが少なく、快適な入力作業が行えた。明るさを2段階に調節できるバックライトを内蔵しているので、暗い場所での作業も可能だ。
クリックボタン一体型のタッチパッドは、実測約130(幅)×80(奥行)mm。一般的な15.6型ノートPCよりも面積が大きいので、細かな作業も行いやすかった。また、タッチパッド機能のオン/オフボタンを左上に搭載。マウスを使う際などはオフにしておけば、意図せず触れてしまった際の誤動作を防止できる
まとめ
高い機動力と処理性能を兼ね備えた、これからの時代にぴったりなクリエイター向けノートPC
これまでのクリエイターと言えば、外付けGPUを搭載した高性能なデスクトップPCや大型ノートPCを使い、決められた場所で作業を行うというのが一般的だった。しかし、働き方改革やテレワークの導入が進んだことで、クリエイターにもその時々に応じて場所を変えながら仕事をすることが求められてきている。
今回レビューしてきた「DAIV 4P-M16-KK」は、まさにそんな時代のニーズにぴったりと合致した製品と言えるだろう。軽くて剛性の高いマグネシウム合金を採用したボディは約985gと軽く、さまざまな場所に持ち運べるうえ、高性能GPU「インテル Iris Xe グラフィックス」を内蔵した最新CPU「第11世代インテル Core i7-1165G7 プロセッサー」によって、高い処理性能が求められるクリエイティブソフトも快適に動作する。さらに、アスペクト比16:10になったsRGB比100%の14型WUXGA液晶ディスプレイや大型タッチパッドを搭載するので、外出先でも作業がしやすいのだ。「DAIV 4P-M16-KK」は、これからの時代のクリエイターにぜひ注目してほしいノートPCと言えよう。
なお、「DAIV 4P」シリーズの価格.com限定モデルには、メモリーが32GBに、ストレージがNVMe 接続の1TB SSDになった上位モデル「DAIV 4P-M32-KK」もラインアップされている。よりハイスペックを必要とする人はこちらのモデルもチェックしてほしい。
製品名 |
検証機DAIV 4P-M16-KK
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DAIV 4P-M32-KK
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OS | Windows 11 Home 64ビット | |
CPU | 第11世代インテル Core i7-1165G7 プロセッサー(4コア/8スレッド、最大4.70GHz) | |
ディスプレイ | 14型WUXGA(1920×1200)、非光沢 | |
グラフィック | インテル Iris Xe グラフィックス | |
メモリー | 16GB(8GB×2、DDR4-3200) | 32GB(16GB×2、DDR4-3200) |
ストレージ | 512GB NVMe SSD | 1TB NVMe SSD |
外部インターフェイス | Thunderbolt 4対応USB Type-Cポート×1、USB3.1 Type-Cポート×1、USB3.0 Type-Aポート×2、HDMI出力ポート×1、ヘッドホン出力/ヘッドセットポート×1、 SDメモリーカードリーダー(UHS-I対応)×1 |
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無線機能 | Wi-Fi 6(最大2.4Gbps/IEEE802.11 ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.0 | |
バッテリー駆動時間 | 約12.0時間(JEITA2.0) | |
本体サイズ | 308.8(幅)×213(奥行)×16.4(厚さ)mm(突起物含まず) | |
重量 | 約985g |