デジタルルームミラー型ドライブレコーダー“ミラレコ” ケンウッド「DRV-EM4700」登場!
ドライブレコーダーの普及率は日々高まっており、なかでも昨今は前方だけでなく、後方の映像も同時に録画できる2カメラドライブレコーダーが主流となりつつある。また最近では、クルマの後方に装備されたカメラの映像を液晶ディスプレイに映し出すデジタルルームミラー製品も増えてきているが、そんな注目度の高い2つのアイテムを融合したのが、ケンウッドのデジタルルームミラー型ドライブレコーダー、12型IPS液晶搭載「DRV-EM4700」だ。ここでは、本機のデジタルルームミラーとしての性能と、2カメラドライブレコーダーとしての性能を徹底レビュー。ケンウッドの“新提案”の出来栄えを確認していく。
なおケンウッドでは、デジタルルームミラー型ドライブレコーダーの新ラインアップとして、2021年10月に10型IPS液晶搭載の「DRV-EM3700」を発売。コンパクトカーにぴったりなモデルとなっているので、お乗りのクルマのボディサイズに合わせて最適なモデルを選んでほしい。
録画画質デジタルルームミラーと高性能ドライブレコーダーを
融合したケンウッドの新提案
テレビやネット上のニュースなどで繰り返し流された、危険なあおり運転の映像。こうした映像を目にして、「対岸の火事ではない」と危機感を抱いたドライバーは想像以上に多かったようで、ここ数年でドライブレコーダーの普及率は一気に向上。昨今は前方だけでなく、後方の映像も同時に録画できる2カメラドライブレコーダーが市場の主流となっている。また、安全性を確保するためのカーエレクトロニクス製品という視点で見ると、クルマの後方に装備されたカメラの映像を液晶ディスプレイに映し出すデジタルルームミラー製品が増えてきているのも市場の特徴のひとつと言えるだろう。
そんな注目度の高い2つのアイテムを融合したのが、ケンウッドのデジタルルームミラー型ドライブレコーダー「DRV-EM4700」だ。本機は、一般的なルームミラーに後付けできる12型(11.88インチ)IPS液晶のデジタルルームミラーを装備した、前後同時録画対応の2カメラドライブレコーダー。前方映像はデジタルルームミラーに搭載したフロントカメラで、後方映像はリヤウインドウ内側上部に設置したバックカメラで撮影を行い、その映像をリアルタイムにデジタルルームミラーに映し出すことができる、ケンウッドの“新提案”とも言える製品だ。

前後同時録画対応の2カメラドライブレコーダーと、クルマの後方に装備されたカメラの映像を液晶ディスプレイに映し出すデジタルルームミラー。普及が進むこれら2つのアイテムを融合したのが、ケンウッドのデジタルルームミラー型ドライブレコーダー「DRV-EM4700」だ
早速、「DRV-EM4700」を装着した試乗車を使ってレビューに出発。スタートしてすぐに感じたのは、後方確認がとても行いやすいということだった。リヤウインドウ内側の上部に設置したバックカメラで撮影した後方映像は、一般的なルームミラーとは異なり、後席の乗員や、ラゲッジルームの荷物、ピラーなどで視界が妨げられることがない。これなら後席に家族や友人を乗せていても、ラゲッジルームに大量の荷物を積んでいても広い後方視界が得られるので、安心してハンドルを握れる。もちろん走行中だけでなく、駐車時にも後方視界が悪く四苦八苦する心配はないだろう。
また、ドライブレコーダー機能は、市場でも高い人気を誇るケンウッド製品だけあって、納得の高性能。フロント/バックカメラはともにフルHD(1920×1080)解像度と高精細なうえ、高感度の裏面照射型CMOSセンサー「STARVIS」を採用しており、明るい環境下だけでなく、トンネル内や夜間走行時も鮮明な映像を記録できる。さまざまな状況下で、前方や後方のナンバープレートまで鮮明に確認できるため、あおり運転被害にあった時や、万が一の事故の際も、「しっかり録画しているから大丈夫」と、あわてることなく冷静に対処できるはずだ。
前後カメラともフルHD(1920×1080)解像度での録画に加え、夜間や暗所でも鮮明な映像が記録できる裏面照射型CMOSセンサー「STARVIS」を採用。このあたりの基本スペックの高さは、市場で高い人気を誇るケンウッド製品ならでは。前方や後方の車両のナンバープレートまで鮮明に確認することができた
こちらの映像を見てもらえれば、「STARVIS」センサーの威力がよくわかるだろう。夜間やトンネル内など、低照度下での走行時でも、前方・後方ともに車両、歩行者などを明るく鮮明に記録できる
操作性タッチ&音声コマンド対応で、運転中でも安全に
操作できる
続いて、「DRV-EM4700」の操作性をチェックしていこう。デジタルルームミラーの液晶部はタッチ操作が可能で、上下スライドで表示エリアを、左右スライドで画面の明るさを調整できるほか、タッチで前方映像/後方映像/前方・後方分割映像を切り替えられる。記録映像の解像度が1920×1080なのに対して、デジタルルームミラーの解像度は1440×320。縦方向に760ドット分余裕があるので、「もう少し上」「もう少し下」といった具合に上下スライドで表示エリアを調節できるというわけだ。カメラ本体の設置角度を調節することなく、後方確認しやすいベストな画角をデジタルルームミラーに映し出せるのはとても便利だった。
また、音声操作に対応しているのもドライバーとしてはありがたい。対応する音声コマンドは、緊急時などに手動録画を開始できる「イベント記録開始」のほか、静止画撮影ができる「写真を撮ります」、表示画面を切り替えられる「フロントカメラ」「バックカメラ」「すべてのカメラ」の5つ。実際に試してみたが、音声認識精度も申し分なく、運転中でもハンドルから手を離すことなく、安心して操作することができた。
タッチ | 前方映像/後方映像の切り替え |
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上下スライド | 表示エリアの調節 |
左右スライド | 画面の明るさの調節 |
イベント記録開始 | 手動録画を開始 |
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写真を撮ります | 静止画撮影 |
フロントカメラ | フロントカメラの映像を表示 |
バックカメラ | バックカメラの映像を表示 |
すべてのカメラ | フロント/バックカメラの映像を分割表示 |

デジタルルームミラーはタッチ操作が可能。タッチ操作に対するレスポンスも良好で、サクサクと軽快に操作できた。なお、デジタルルームミラーはハーフミラー仕様となっており、ミラー下部の電源ボタンを押して電源を切ると、通常のルームミラーとして利用できる
画面左側をタッチすると、前方映像/後方映像/前方・後方分割映像と表示を切り替えられ、画面右側を上下にスライドすると、表示エリアを切り替えられる。画面の明るさを調節する場合は、画面の中央を左右にスライドすればOKだ
筐体汎用性の高いバンド式装着を採用。純正ミラーに
干渉しない右側スライド式フロントカメラも便利
「DRV-EM4700」の取り付け方法もチェックしておこう。取り付けは、汎用性の高いバンド式で、純正ミラーにバンドでくくり付けるだけ。工具など使った複雑な工程はないので、誰でも手間なく取り付けられるうえ、国内外のほぼすべての車種に対応しているのもありがたい。
また、デジタルルームミラー背面に内蔵されたフロントカメラは、カメラを横方向にスライドできる「右側カメラ仕様スライド式フロントカメラ」を採用。右ハンドル車のドライバーと同じ目線で録画できるほか、大型の純正ミラーにもカメラが干渉しづらいのが特徴だ。

フロントカメラには、「右側カメラ仕様スライド式フロントカメラ」を採用。右ハンドル車のドライバーと同じ目線で録画できるのはもちろん、横方向に約5cmスライドできるので、大型の純正ミラーにもカメラが干渉しづらい。フロントカメラ自体がコンパクトなので、視界を妨げる心配もない
さらに、「DRV-EM4700」とオプションの車載電源ケーブル「CA-DR550」を組み合わせれば、最長24時間の駐車監視録画が可能なほか、地上デジタル放送への電波干渉を抑制する「地デジ干渉対策」がなされていたり、SDメモリーカードのエラーを防ぐケンウッド独自の記録システムを使った「SDカードメンテナンスフリー機能」に対応していたりと、ケンウッド製品らしい、細やかな配慮が随所に見て取れる。画質、操作性、使い勝手と、どこを取っても隙のない、完成度の高い仕上がりだ。
まとめケンウッドが提案する
“新たなドライブレコーダーのカタチ”
昨今のトレンドであるデジタルルームミラーとしても、前後同時録画が可能な2カメラドライブレコーダーとしても文句のない仕上がりとなっていた「DRV-EM4700」。一般的なルームミラーよりも死角が少ないことで高い安全性が確保できるうえ、前後カメラともにフルHD解像度での高画質録画が可能となっており、前後を走る車両のナンバープレートまではっきりと確認することができた。そしてありがたいのは、汎用性の高いバンド式の採用により、誰でも手軽に、また国内外のほぼすべての車種に装着できることだ。安全性を確保するカーエレクトロニクス製品として注目度の高いデジタルルームミラーと2カメラドライブレコーダー。これら2つのアイテムをひとつにし、ドライバーに大きな安心をもたらしてくれる「DRV-EM4700」は、“新たなドライブレコーダーのカタチ”を示す、エポックメイキングな製品と言えるのではないだろうか。