新開発1.8Lターボエンジンや「アイサイトX」など最新技術を結集 スバルのこだわりが注ぎ込まれた 「レヴォーグ」の“感動性能”徹底チェック
2020年10月に発売されたスバル「レヴォーグ」は、新開発の1.8Lターボエンジンや、本格的な自動運転を予見させる「アイサイトX」の搭載により、スバル車を愛するスバリストはもちろん、多くの自動車ファンから高い注目を集めている。本特集では、すでに「レヴォーグ」オーナーとなった、価格.comユーザーのコメントをチェックするとともに、同車の走りや、「アイサイトX」が実現するハンズオフアシスト機能、さらに、ツーリングワゴンとしての使い勝手を徹底レビュー。スバルが注ぎ込んだ“こだわり”に迫っていく。
Index
- 走行性能スバルのフラッグシップモデルとして正常進化を遂げた上質な走り
- 走りに関するユーザーレビュー
- 試乗車のグレードとスペック
- 試乗インプレッション
- 安全性能ハンズオフを可能にした「アイサイトX」をはじめ多彩な先進安全装備を体感
- 先進安全装備に関するユーザーレビュー
- 近未来が味わえる新機能
- ハンズオフ走行を体感
- そのほかの運転支援機能
- カコミ:ファイブスター大賞を受賞
- デザインひと目でスバル車とわかるダイナミックさと繊細さをあわせ持ったデザイン
- デザインや使い勝手に関するユーザーレビュー
- 品のよさを感じさせるデザイン
- エクステリアデザイン
- インテリアデザイン
- ワゴンとしての使い勝手
- まとめ新たなカーライフをもたらしてくれる感動モノの注目モデル
01.走行性能スバルのフラッグシップモデルとして正常進化を遂げた上質な走り 走りに関するユーザーレビュー 試乗車のグレードとスペック 試乗インプレッション
「東京モーターショー2019」でプロトタイプが発表されて以降、スバリストはもちろん、多くの自動車ファンから、その登場が待ち望まれていたスバル「レヴォーグ」。その後、2020年8月に同年11月の発売がアナウンスされると、わずか3か月あまりの間に8,000台を超える先行予約が殺到したほか、発売後の12月には「2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を、さらに、2021年5月にはJNCAP「自動車安全性能2020ファイブスター大賞」を受賞するなど、一般消費者はもとより、業界や客観的な評価を下す第三者機関からも、高い注目と評価を受け続けている。
そんな「レヴォーグ」の注目ポイントはさまざまあるが、まずは新プラットフォーム「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」の採用をはじめ、新開発1.8Lターボの水平対向エンジンや、スバル車の伝統でもあるシンメトリカルAWDがもたらす同車の「走り」について、価格.comユーザーはどんな評価を下しているのか、チェックしてみよう。

とても滑らかで、気持ちよく、静かで安定していますし、ハンドリングは意図したように反応してくれます。ワインディングや高速道路で積極的に運転したくなります。

走り、乗り心地、ハンドリングなど、走行性能は文句の付けようがないくらいいいクルマです。購入したいという人には自信をもってオススメできます。

新型シャシーにデキのよい足回りで、走らせて楽しめるクルマに仕上がっています。
※ 2021年7月16日時点の、価格.com「レヴォーグ」(2020年モデル)製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。
試乗車のグレードとスペック
価格.comに寄せられた「レヴォーグ」の走りに関するコメントは、いずれも高評価。むしろ、ネガティブな意見を見つけようと思っても、見あたらないぐらいだ。なかでも目立つのは、滑らかさや静粛性の高さを評価する声で、新プラットフォーム採用の効果が早速出ているようである。ここからは、価格.comユーザーの声を意識しつつ、その評価の高さを確かめるべく、試乗車(GT-H EX)を使ってレビューを行っていく。
都市部の一般道から、高速道路、ワインディングまで、さまざまなシチュエーションで「レヴォーグ」を走らせてみた。その実力やいかに?
グレード | メーカー希望小売価格 (税込) | |
---|---|---|
GT | 3,102,000円 | |
GT EX | 3,487,000円 | |
GT-H | 3,322,000円 | |
試乗車 | GT-H EX | 3,707,000円 |
STI Sport | 3,707,000円 | |
STI Sport EX | 4,092,000円 |
全長×全幅×全高 | 4,755×1,795×1,500mm |
---|---|
エンジン | 1.8L DOHC 直噴ターボ“DIT” |
駆動方式 | AWD(常時全輪駆動) |
トランスミッション | リニアトロニック |
最高出力[ネット] | 130kW(177PS)/5200-5600rpm |
最大トルク[ネット] | 300N・m(30.6kgf・m)/1600-3600rpm |
燃費 | JC08モード:16.5km/L WLTCモード:13.6km/L |
試乗インプレッション
「レヴォーグ」を、さまざまなシチュエーションで走らせて、最初に感じたのはエンジンの扱いやすさだった。ある程度回転数を高めてからではなく、低回転域からターボの効果が十分に発揮されている印象で、ストップ&ゴーの多い都市部の一般道でも、アクセルワークに合わせて軽快に加速していく。また、ブレーキの感覚も良好で、踏み始めはグッとディスクをつかんで減速し、その先はペダル操作で体感に合わせたコントロールが可能。滑らかさにおいては、先代からの大幅な進化が感じられる。
高速道路では、177PSによる爽快な加速が存分に味わえるし、ワインディングでは、一新されたプラットフォームやサスペンション、シンメトリカルAWDが実現する安定感を背景に、滑らかな走りを堪能することができる。まさに“上質な走り”と呼ぶのにふさわしい完成度だ。
02.安全性能ハンズオフ走行を可能にした
「アイサイトX」をはじめ多彩な先進安全装備を体感
先進安全装備に関するユーザーレビュー
近未来が味わえる新機能
ハンズオフ走行を体感
そのほかの運転支援機能
カコミ:ファイブスター大賞を受賞
続いては、「レヴォーグ」最大のトピックとも言える、「アイサイトX」をはじめとした同車の先進安全装備について確認していく。まずは、価格.comユーザーの声をチェックしてみよう。

ハンドルが勝手に動くだけで未来が感じられ、驚きの連続です。高速ではハンドルに手を添えてスイッチ操作するだけで、アクセル、ブレーキ、ハンドル操作を自動でアシストしてくれます。

車線認識とハンドル保持が従来の「アイサイト」より明らかに向上しています。「アイサイトX」の車線変更は私より上手だと思っています。

世界一とも言える安全性能の「アイサイトX」と、この走行性能を持った「レヴォーグ」に、価格で勝負できるクルマは、国内はおろか世界にも存在しないでしょう。
※ 2021年7月16日時点の、価格.com「レヴォーグ」(2020年モデル)製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。
近未来が味わえる新機能
「レヴォーグ」に搭載された「アイサイトX」は、一定の条件を満たした高速道路や自動車専用道路において、搭載されたステレオカメラに加え、GPSや準天頂衛星「みちびき」などからの情報と、車線単位の道路情報を持つ3D高精度地図データを組み合わせることで、自車位置を正確に把握。運転支援機能を大幅に拡張してくれる。注目度の高い「ツーリングアシスト」や「全車速追従機能付クルーズコントロール」「渋滞時ハンズオフアシスト」「アクティブレーンチェンジアシスト」といった機能も、この「アイサイトX」の機能のひとつだ。そのため、ユーザーからのコメントも、これら機能に関するものが多く、「驚きの連続です」「『アイサイトX』の車線変更は私より上手だと思っています」などの声が多数寄せられている。
「レヴォーグ」最大のトピックと言える、「アイサイトX」の搭載。その使用感や実用度をじっくりと確認していこう
ハンズオフ走行を体感
そんな「アイサイトX」の実力を、実際に味わってみた。高速道路を走行中、ステアリング右に装備されたスイッチで「アイサイトX」を起動。車速と車間距離を設定すれば運転支援がスタートする。さらに、「アクティブレーンチェンジアシスト」は70〜120km/hの範囲で設定でき、車線変更する方向にウインカーレバーを下げると、ステアリングを保持しているだけで、システムのアシストに導かれて隣の車線へ。コーナーに進入する際の感覚もドライバーが運転するものに近く、違和感はない。
さらに、試乗の途中で渋滞個所を通過することになったので、「アイサイトX」の機能のひとつ、「渋滞時ハンズオフアシスト」も試してみた。メーター表示がグリーンからブルーに変わるとハンズオフが可能となり、加減速、ステアリング操作、停止からの再スタートもすべて自動で行ってくれる。正直に言えば、最初はステアリングから手を放すのに恐怖心を覚えたが、渋滞にハマって5分もしないうちに「もう、この機能がないと渋滞を乗り切れない!」と思うほど、その便利さと快適さを堪能してしまった。
巡行時はステアリングを握っておく必要があるが、渋滞時は条件(前走車検知+約50km/h以下)が揃えばハンズオフが可能になる。1度味わったら、「この機能なくして、高速道路は走れない」と思えるほど、感動的な機能だ
※3D高精度地図データが最新化されていない道路(新規開通道路、改修工事道路)では、機能が正しく動作しないことがあります。

「レヴォーグ」は、自動車の安全性能を比較・評価する自動車アセスメント(JNCAP)において、「自動車安全性能2020ファイブスター大賞」を受賞した。その内容は、190点満点中186.9点とい高得点で、衝突試験においての高評価に加え、テスト車両の中で最高の総合得点を記録。「フルインナーフレーム構造」による全方位の衝突安全性向上のほか、予防安全・運転支援システムでは、新型のステレオカメラと前後4つのレーダーを搭載し、360°全方位センシングを実現した新世代「アイサイト」の全車採用が評価された。トラブルの際に作動する自動通報機能を含むコネクティッドサービス「SUBARU STARLINK」など、安全性に対するスバルの先進的な取り組みが実を結んだ結果と言える。
03.デザインひと目でスバル車とわかる
ダイナミックさと繊細さをあわせ持ったデザイン
デザインや使い勝手に関するユーザーレビュー
品のよさを感じさせるデザイン
エクステリアデザイン
インテリアデザイン
ワゴンとしての使い勝手
最後は、「レヴォーグ」のエクステリア/インテリアデザインと、ツーリングワゴンとしての使い勝手を確認していきたい。ここでも、まずは価格.comユーザーの声に耳を傾けてみよう。

シャープな顔つきで、サイドからテールまで流れるようなラインが好印象です。リヤタイヤのブリスターフェンダーの盛り上がりも個人的には好み。全体的にツーリングワゴンとは思えない、シャープで美しいデザインではないでしょうか。

内装はシンプルですが質感が向上し、フル液晶メーター、大画面ナビ、液晶ミラーなどのデジタル化で一気に先進的になりました。

クルマの大きさの割に、室内も荷室も広く、非常に上手なパッケージングだと思います。
※ 2021年7月16日時点の、価格.com「レヴォーグ」(2020年モデル)製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。
品のよさを感じさせるデザイン
ツーリングワゴンと言うと、ラゲッジに多くの荷物を積み込んで、ロングバケーションに出かけるための、実用性重視でやや無骨なデザインのクルマ、あるいは、マリンスポーツやウインタースポーツをはじめとするレジャーに出かけるためのタフなクルマ、というイメージを持っている人も少なくないはず。
ところが、価格.comユーザーのコメントには「流れるようなライン」「シャープで美しいデザイン」「先進的」などの言葉が並び、上品さやスタイリッシュさを評価する声が多く寄せられている。実際のところはどうなのか? 試乗車を使って詳しく見ていこう。
エクステリアだけでなく、インテリアからも品のよさが感じられる「レヴォーグ」。この大人っぽい雰囲気も人気の理由のひとつと言えるだろう
エクステリアデザイン
エクステリアデザインは、スバルの新しいデザインコンセプト「BOLDER」を量産車として初めて取り入れたもので、エッジの効いた仕上がりとなっている。フロントとリヤはワイド&ローを意識し、大きく張り出した前後のフェンダーが精悍さを強化している。サイドビューは、フロントからリヤにかけてのキャラクターラインによって前傾気味のシルエットになっており、躍動感も十分だ。
インテリアデザイン
インテリアデザインに関しては、11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイやフル液晶メーターなど、先進的なデジタルコックピットが強く印象に残る。内装の素材にはカーボン調パネルとソフトパッドが組み合わされるほか、パネルの随所に美しい光沢のピアノブラックが、スイッチの一部にメッキが使われるなど、細部の作り込みにも余念がなく、高級感を演出していることに気づく。モデルチェンジによって、車格がひとつ上がったような上質感である。
11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイは、「アイサイトX」搭載グレードには標準装備となる。縦型画面のためカーナビの地図が見やすいうえ、多彩な操作メニューを集約しており、操作感はまさに「デジタルコックピット」だ
インテリア全体は黒を基調としているものの、ソフトパッドとカーボン調パネルなど素材を使い分けたり、ピアノブラックとメッキなどの異なる加飾を施したりするなど、複数の要素が取り入れられており、高級感が漂う。また、「GT-H/GT-H EX」専用のブルーステッチが室内随所にあしらわれスポーティーな雰囲気も感じられる
ワゴンとしての使い勝手
ラゲッジスペースの容量は5人乗車時で492Lと十分なもので、開口部とフロアの段差が少ないため荷物の収納がしやすい。リヤシートの可倒スイッチがシートの肩口だけでなく、リヤゲートを開けて手の届く距離に配置されたラゲッジ内の可倒スイッチが用意されているところに、ツーリングワゴン作りに長けたスバルらしさを感じた。パタンッと倒すだけの操作でフラットな空間が広がり、使い勝手は申し分なさそうだ。
04.まとめ新たなカーライフをもたらしてくれる感動モノの
注目モデル
2020年8月、「レヴォーグ」発売がアナウンスされると、発売までのわずか2か月間に8,000台を超える先行予約が殺到したことは冒頭でも触れた通り。当時は「実車を見ていないのに、試乗もしていないのに、なぜ?」と疑問に思う部分もあったが、「レヴォーグ」のスタイリングや、新開発1.8Lターボエンジンの搭載、「アイサイトX」の採用など、さまざまな注目ポイントを持ったクルマであることを考えると、「まあ、それもありか」と、少々強引に自分を納得させたものである。
しかし今回、そんな「レヴォーグ」を実走レビューしてみて、スバルのスゴさ、「レヴォーグ」のスゴさを実感することとなった。これまでスバル車だけでなく、数多くのクルマのレビューを行ってきたが、この「レヴォーグ」の走りや先進安全装備、スタイリングや使い勝手は、そのどれもがハイレベルで、とりわけ、11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイの見やすさ、使いやすさと、「アイサイトX」による「渋滞時ハンズオフアシスト」の滑らかな動きには感動すら覚えたほどだ。
すでに「レヴォーグ」オーナーとなった人に敬意を表しつつ、今まさに購入を検討している人に伝えたい。このクルマは、従来までの自動車の概念を覆し、新しいカーライフをもたらしてくれる、買って間違いのないクルマであることを。