写真も文書もキレイに印刷、スマホ連携機能も充実

“おうちプリンター”選びに迷ったら キヤノン「PIXUS TS8530」で間違いなし!

キヤノンのインクジェットプリンター「PIXUS」シリーズの最新モデルとして、2021年10月に発表された「PIXUS TS8530」。本機は、「6色ハイブリッドインク」による高い印刷品質や、強化されたスマートフォン連携機能、インテリアとの調和を目指したスタイリッシュなボディなど、在宅時間をより充実させてくれる、“おうちプリンター”の決定版とも言えるハイスペックモデルだ。ここでは、そんな「PIXUS TS8530」の魅力を詳しくチェックしていこう。

印刷品質「6色ハイブリッドインク」搭載だから
写真も文書も美しく印刷できる

印刷品質の高さとユーザビリティのよさから、家庭用インクジェットプリンターのアイコン的存在として人気を集めてきた、キヤノン「PIXUS」シリーズ。その評価は価格.com上でも高く、「プリンタ」カテゴリーの人気売れ筋ランキングの5位以内に3機種がランクイン(2021年9月29日時点)するなど、多くの人から愛されているブランドだ。そんな「PIXUS」シリーズのハイスペックモデル「PIXUS TS8430」の後継モデルとして、2021年10月に発表されたのが「PIXUS TS8530」である。

PIXUS TS7530

キヤノンのインクジェットプリンター「PIXUS」の最新ハイスペックモデルとして登場した「PIXUS TS8530」。「6色ハイブリッドインク」により写真も文書も美しく印刷できるうえ、強化されたスマートフォンとの連携機能や、一新されたスタイリッシュかつ使いやすいボディなど、在宅時間を充実させてくれる“おうちプリンター”となっている

早速、プリンターにとって最も重要なプリント品質を確認していこう。昨今、おうち時間が増えたことで、従来の主要用途だった写真や年賀状の印刷だけでなく、在宅ワーク用の資料やオンライン学習で出された課題など、普通紙にモノクロ文書を印刷する機会が増えたという家庭も多いのではないだろうか。

そんな印刷物をハイクオリティーに仕上げてくれるのが、「PIXUS TS8530」に採用された、染料系のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、グレー(GY)、ブラック(BK)と、顔料系のブラック(PGBK)を用いた「6色ハイブリッドインク」。染料系と顔料系のブラックを印刷するものに合わせて使い分けるうえ、「FINE」と名付けられた高密度プリントヘッド技術を採用したことで、写真は階調豊かに美しく表現してくれるし、にじみに強い顔料系ブラックインクが、ビジネス文書や学習課題の細かな文字や罫線もくっきりと読みやすく印刷してくれる。

PIXUS TS7530

染料系のブラック(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、グレー(GY)と、顔料系のブラック(PGBK)で構成される「6色ハイブリッドインク」を採用した「PIXUS TS8530」。写真印刷には発色にすぐれた染料系インクを、文書印刷には文字がにじみにくい顔料系インクを使い分けることで、写真は色鮮やかに、文書はシャープに印刷することができる

写真の印刷品質チェック

PIXUS TS7530

まずは写真印刷のレベルの高さを確かめるため、「光沢プロ プラチナグレード」のL判用紙に風景写真を印刷してみたが、細やかな芝桜も粒状感なく表現できているうえ、青空や雲のグラデーションもなめらかで美しくプリントされていた。ほかにもさまざまな写真を印刷してみたが、グレーインクを採用しているためか、夕焼けなどの写真も色かぶりが少なく、雰囲気よく仕上がっていた

ビジネス文書の印刷品質チェック

PIXUS TS7530

続いては、ビジネス文書を普通紙に印刷してみた。顔料系ブラックインクを使っているおかげで、画数の多い小さな文字もにじみが少なく、トメハネまでくっきりと印刷され読みやすい。グラフも色鮮やかで、プレゼン用の資料として配布しても強く印象に残ってくれそうだ

また、「PIXUS TS8530」は自動両面プリントに対応している点も見逃せない。用紙の表と裏をいちいち入れ替える手間がないため作業時間を短縮できるし、印刷枚数の多い仕事用の資料や子どもの学習ドリルなどを両面印刷することで、用紙コストも大幅に削減できる。さらに、A4普通紙・モノクロで約15面/分(ipm)、A4普通紙・カラーで約10面/分(ipm)、L判・カラー(フチなし/標準画質)で約16秒/枚と印刷速度も十分速く、1度に大量の印刷を行う場合でも、長い時間待たされてイライラすることはないだろう。
※ipm=image per minute 1分あたりにプリントできる枚数

PIXUS TS7530

A4用紙とレター用紙の自動両面プリントに対応。Webサイトや社内用資料、子ども用の学習ドリルなどを両面印刷すれば、用紙コストを大きく減らすことができる

PIXUS TS7530
PIXUS TS7530

L判やA4だけでなく、さまざまな用紙に印刷できるのも「PIXUS TS8530」の強み。スクエア用紙なら中央の被写体をさらに引き立てられるし、マットフォトペーパーなら質感をより立たせ、印象的な1枚に仕上げられる。さまざまな用紙に印刷したそれらの写真を使い、組み合わせを楽しみながら思い出のアルバムを作るのもいいだろう

PIXUS TS7530
PIXUS TS7530

液晶モニターから「プリント」を選べば、学校の課題などで使うことの多いレポート用紙や原稿用紙、漢字練習帳などの「定形フォーム」を印刷できる。また、「パターンペーパー」では、カラフルなパターン用紙が複数用意されているので、スクラップブックの台紙やブックカバーとして活用できる

スマホ連携充実のスマートフォン連携機能で
自宅プリントがもっと便利に楽しく!

近年、プリンターの機能の中でも特に重視されているのが、スマートフォンとの連携機能だ。写真を撮るのはもちろん、仕事の書類や学校の課題を確認するのも、家計簿や日記をつけるのもスマートフォンでという人は多く、スマートフォンとの連携機能は家族みんなが使う“おうちプリンター”には欠かせない重要機能と言える。

だが、実際にスマートフォンとプリンターを接続するとなると、プリンターの液晶モニターからWi-FiのSSIDを確認してパスワードを入れて……、と、案外手間がかかり、機械に詳しくない人だと、最初からつまずきかねない。そこで「PIXUS TS8530」では、本体の液晶モニターに表示されたQRコードをスマートフォンで読み取るだけで接続が行える「QRコードダイレクト接続」を搭載。誰でも迷わずにスマートフォン連携機能が使えるようになっている。しかも、従来モデルではiOS端末のみの対応だったが、本機からはAndroid端末との接続にも対応したため、より幅広いモバイル端末と素早く接続できるようになった。

PIXUS TS7530
PIXUS TS7530

液晶モニターに表示されたQRコードをスマートフォンのカメラで読み取るだけでプリンターと接続できる「QRコードダイレクト接続」を採用。お父さんはもちろん、お母さんや子どもが持つそれぞれのモバイル端末とも簡単に接続できる

「PIXUS TS8530」では、さまざまなスマートフォンアプリに対応していることも注目ポイントだ。メインとなる「Canon PRINT Inkjet/SELPHY」では、スマートフォンに保存した写真やクラウド上の資料、Webページなども簡単にワイヤレス印刷することが可能。また、多彩なデザインが500種類以上収録されている「PIXUSはがきクリエイター」を使えば、年賀状や寒中見舞いなどが手軽に作成できるし、「Easy-PhotoPrint Editor」なら、写真とテンプレートを選ぶだけでオリジナルのカレンダーやポスターなどの作品作りが楽しめる。長くなったおうち時間を利用し、作品作りに精を出したり、直接会えない家族や友人にはがきを送ったりしてみるのもいいだろう。

PIXUS TS7530
PIXUS TS7530

スマートフォン用アプリ「Canon PRINT Inkjet/SELPHY」を使えば、スマートフォンに保存した写真や文書などはもちろん、対応したクラウド上にある写真や文書も簡単にワイヤレス印刷できる。「スマホ写真補正機能」も用意されており、右のように影になった暗い個所も、適切な露出へと自動的に補正したうえで印刷してくれる

PIXUS TS7530

はがきのデザインが行える「PIXUSはがきクリエイター」も使い勝手がいい。年賀状だけでなく、寒中見舞いやバースデーカード、引っ越し案内など数多くのテンプレートが用意されているうえ、テキスト入力や手書き文字の追加も簡単。スマートフォン内の住所録データから宛名面も一括して印刷できるので、パソコンを使わずスマートフォンだけでこれらの作業が完結可能だ

LINEを使ったコンテンツの共有と印刷

コンテンツの共有

PIXUS TS7530

コンテンツの印刷

PIXUS TS7530

従来モデルでも、LINEのトーク画面に投稿した写真をワイヤレスプリントできる「PIXUS トークプリント」に対応していたが、「PIXUS TS8530」では、「PIXUS」ユーザー間でのコンテンツ共有も可能になった。共有方法もシンプルで、LINEのタイムライン上から「登録」を選択し、共有したいファイルを選べば専用のサーバーへとアップロードされ、「プリント番号」が発行される。このプリント番号をLINEの「プリントする」に入力すれば、誰でもそのプリントコンテンツが印刷可能となる。つまり、プリント番号をSNSなどでシェアすれば、「PIXUS」ユーザー間でプリントコンテンツが共有できるようになるのだ

ボディ&使い勝手美しいデザインとインテリアになじむ
3色のカラーバリエーション。
使う人に応じて切り替えられるホーム画面も便利

従来モデルからボディデザインが一新されていることも「PIXUS TS8530」の大きなトピックだ。本機は、“厚み”を感じさせる重厚感のあるデザインを採用しながらも、本体天面に左右非対称のテクスチャーを施したうえ、丸みを帯びた造形がやわらかな印象を与えてくれるため、どのようなインテリアとも美しく調和してくれる。また、従来モデルでは、A4用紙を入れた前面給紙カセットが本体から少し飛び出る格好だったのだが、本機では前面給紙カセットが本体にしっかりと収納され、スッキリと使用できるのも、細かいながらもうれしい改善点となっている。

PIXUS TS7530
PIXUS TS7530

光の当たり方によって陰影が変化する表面仕上が施されており、ハイスペックモデルらしい高級感を備えているが、全体的に丸みを帯びたデザインや、天面の左右非対称なテクスチャーが親しみも感じさせてくれる

PIXUS TS7530

本体サイズは約372(幅)×345(奥行)×142(高さ)mmとコンパクト。ちょっとした棚の上にも設置できるし、光沢感のあるスタイリッシュなボディは部屋のインテリアにもうまく溶け込んでくれた

PIXUS TS7530
PIXUS TS7530
PIXUS TS7530

今回のレビューで使用したシックな「ブラック」のほか、インパクトのある「レッド」、スッキリとした印象の「ホワイト」の3色が揃っており、部屋のインテリアや雰囲気に合わせて選ぶことができる

「PIXUS TS8530」は使い勝手の面でも、「PIXUS」シリーズらしい完成度を誇っている。なかでも、特に便利だと感じたのが、従来通りの「標準」モードと、細かい設定をすることなく、基本的な機能がより手軽に利用できる「かんたん」モードの、2つのホーム画面が用意されていること。この2つのホーム画面を、用途や使用する人のレベルに応じて切り替えれば、家族みんなが簡単に本機を使いこなせるようになるだろう。

ホーム画面

「標準」モード

PIXUS TS7530

「かんたん」モード

PIXUS TS7530

「かんたん」モードの「コピー」

PIXUS TS7530

「PIXUS TS8530」には、「スキャン」や「プリント」など定番の機能が並ぶ「標準」モードと、一部設定項目を狭めることで、機械に詳しくない人でも簡単に利用できる「かんたん」モードの、2つのホーム画面が用意されており、用途やユーザーに合わせて選択が可能となっている。たとえば、「かんたん」モードの「コピー」では、枚数/濃度/倍率のみを設定可にすることで、誰でも迷わずにコピーできるようになっているのだ

PIXUS TS7530
PIXUS TS7530

A4普通紙を100枚セットできる前面給紙カセットに加え、背面トレイからも給紙できる「2way給紙」を採用。背面トレイはストレートに紙を搬送するので、封筒やはがきなど折り曲げたくない用紙への印刷にも便利だ

PIXUS TS7530

前面給紙カセットを覆うカバーは半透明になっており、用紙の有無をパッと見でチェックすることができる

PIXUS TS7530

アクセスしやすいように本体前面左に設置されたSDメモリーカードスロット。ここにSDメモリーカードを差し込めば、印刷したい写真を液晶モニターで確認しながらセレクトし、そのまま印刷することができる

まとめ仕事にも趣味にも勉強にも大活躍してくれる、
“おうちプリンター”の決定版

「PIXUS」シリーズの新しいテーマは、「仕事も!趣味も!勉強も! おうち時間はキヤノンにおまかせ!」。今回レビューをしてきたキヤノン「PIXUS」シリーズの最新ハイスペックモデル「PIXUS TS8530」は、まさにこのテーマを体現した、“おうちプリンター”の決定版とも言える高い完成度を誇っていた。

たとえば、特性の異なる染料系・顔料系の2種類のブラックインクを使い分ける「6色ハイブリッドインク」は、写真はもちろん、仕事で使うビジネス文書も、オンライン学習用の課題もキレイに印刷してくれるし、iOS端末だけでなくAndroid端末でも利用できるようになった「QRコードダイレクト接続」と、専用アプリを組み合わせれば、手軽に作品作りも行える。もちろん、ボディデザインや使い勝手も従来モデルから大きく進化しており、家族みんなが便利に楽しく使えるようになっていた。もし、自宅用プリンターの購入に迷ったら、すぐれた印刷性能や充実した機能を持つ「PIXUS TS8530」を選べば、間違いはなさそうだ。

この記事は2021年10月29日の情報を基にしております。