e-文書法対応 効率的な書類のデジタル化に!

PCレスでのスキャンを実現した

エプソンのドキュメントスキャナー「DS-790WN」の実力をチェック!

職場のペーパーレス化が注目される昨今。税務関係の書類を電子データで保存することを認めた「電子帳簿保存法」が2022年1月に改正され、スキャナーでのデータ保存に一層取り組みやすくなった。このことから、ドキュメントスキャナーに対するニーズはこれまで以上に高まっているのだ。そこで注目したいのが、エプソンのA4ドキュメントスキャナー「DS-790WN」だ。PCレスでのスキャンや無線LANへの対応など、従来モデルからさらに進化した魅力的なモデルに仕上がっている。その実力を、詳しくひも解いていこう。

PCレスでスキャンPC不要でお手軽にスキャンが可能。
4.3型の大画面で操作もスムーズ

近年、政府がDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを強化する方針を打ち出し、行政機関のデジタル化が本格的に進みつつある。実際、2022年1月から施行される改正電子帳簿保存法は、経理関連書類のペーパーレス化を後押しする大きなターニングポイントになるだろう。

こうした動きを受け、これまで大量の紙文書を扱ってきた会計や法律、コンサルティング関連の事務所などでは、紙の書類を電子化する動きやニーズが高まっている。また、大企業に限らずSOHOや個人であっても、さまざまな紙の書類をペーパーレス化して整理すれば、必要な書類を素早く見つけて確認できたり、書類の保管スペースを削減できたり、さまざまなメリットが得られる。作業の効率化や仕事環境の改善を進める意味でも、ペーパーレス化に取り組む価値は十分にあると言える。

そんなペーパーレス化を進めるにあたって、スキャン作業の強い味方になってくれるのが、両面同時スキャン機能やADF(自動給紙装置)などを搭載した“シートフィード型のドキュメントスキャナー”だ。なかでも、2021年12月に発売されたエプソンの「DS-790WN」は、2017年に発売された従来モデル「DS-780N」のすぐれた性能を継承しつつ、さらに利便性が高められたモデルとして注目に値する。

エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」

エプソンの「DS-790WN」は、A4に対応したシートフィード型のドキュメントスキャナー。ネットワーク機能によって、スキャンデータを簡単にネットワーク共有できる。さらに、大画面のタッチパネルを搭載し、わかりやすく直感的に操作できるのも魅力だ

エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」

ADF(自動給紙装置)を搭載し、両面スキャンにも対応。本体上部の給紙トレイには、最大100枚(用紙の厚さが80g/uの場合)までの用紙をセットできる

本機最大の進化点と言えるのが、PCレスでのスキャンとデータの保存が可能な「PCレス機能」を、エプソンのドキュメントスキャナーとして初めて搭載したことだ。PCを接続していない状態でも書類をスキャンし、ネットワークを介して指定した場所へダイレクトにデータを送信・保存することができる。

データの保存場所には、本体に挿したUSBメモリーやネットワーク上のフォルダーが選べるほか、エプソンのクラウドサービス「Epson Connect」経由でオンラインストレージサービスに転送することも可能。「box」、「Evernote®」、「Dropbox」、「Google Drive™」、「OneDrive®」など、幅広いサービスを選べるのがうれしいポイントだ。さらに、所定のメールアドレスへの送信にも対応するなど、PCレスでもスムーズかつ柔軟なデータ共有を実現している。

エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」

「PCレス機能」を含む本体での操作は、正面に設置されたカラー液晶タッチパネルで行う。従来モデルでは2.7型だった画面サイズが4.3型へと拡大しており、より画面が見やすく、操作がしやすくなったのも進化ポイントのひとつだ

エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」 エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」

USBメモリーにスキャンデータを保存する場合は、まず背面のUSBポートにUSBメモリーを接続。あとはタッチパネルから「USBドライブ」のアイコンを選んでスキャンすれば、PCがなくても書類をスキャンしてUSBメモリーにデータとして保存できる

エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」

スキャンデータをオンラインストレージサービスに転送したい場合は、タッチパネルで「クラウド」アイコンを選択。「Epson Connect」での初期登録が済んでいれば、「クラウド」アイコンをタップし、宛先を選択(ここでは「Google Drive」を設定)した後に、開始ボタンをタップすればスキャンしたデータがオンラインストレージサービス上に保存される

エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」 エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」

タッチパネルのホーム画面は、さまざまにカスタマイズ可能。たとえば、初期設定では1列のアイコン表示(写真左)を、2列表示(写真右)に変更したり、使いやすいようにアイコンの並びを変更したり、アイコンを追加・削除して整理することができる。作業内容や好みに応じてレイアウトを変更することで、操作を簡素化し、効率的にスキャン操作ができるのだ

ホーム画面

ホーム画面のカスタマイズ手順の一例を動画で紹介しよう。まず「設定」アイコンをタップして「ホーム画面編集」を選択。「アイコンの移動」であれば、移動したいアイコンと入れ替えたいアイコンを選択すると(今回は1ページ目の「メール」と2ページ目の「USBドライブ」を選択)、それぞれの場所が入れ替わる。また「アイコンの消去」では、選んだアイコンが削除され、その場所が空白になる

有線/無線ネットワーク機能有線+無線両対応で
幅広いデバイスからのスキャンに対応

「DS-790WN」のもうひとつの重要な進化ポイントが「ネットワーク機能」だ。

そもそも、従来モデルの「DS-780N」も有線LANに対応し、ネットワークを介して複数のPCで共有して使用することが可能だったが、「DS-790WN」では有線LANに加えて無線LAN(5GHz)にも対応し、LANケーブルに制限されることない、自由度の高い設置が可能になった

エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」

オフィスや事務所に無線LAN環境があれば、「DS-790WN」とノートPCとの組み合わせで、場所を選ばずにスキャン作業ができるようになる

エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」 エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」

PCから操作する場合は、専用アプリケーション「Document Capture Pro」を使用する。「シンプルスキャン」(左)は、初期設定のままワンクリックですぐにスキャンできるモード。いっぽう「ジョブスキャン」(右)は、スキャンの設定から保存先までを登録した「ジョブ」を使ってスキャンするモードだ

複数のPCで「DS-790WN」をネットワーク共有している場合、PCで作成したジョブは「DS-790WN」のタッチパネルからも選択可能になる。タッチパネルの「コンピューター」アイコンで自分のPCを選択すると、自分が作成したジョブだけを表示できるため、迷わずに操作できて使い勝手がよい

もちろん、PCだけでなくスマートフォンやタブレット端末からのスキャン操作にも対応する。しかも、無線LANルーターを経由することなく「DS-790WN」とスマートフォンやタブレット端末をWi-Fiでダイレクトに接続して利用することも可能だ。無線LAN環境がなくてもワイヤレスでスキャンできるのはありがたい。

エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」

スマートフォンやタブレット端末では専用アプリ「Epson Smart Panel」を使用

エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」

スキャンの操作や設定変更に対応するほか、スキャンデータをスマートフォンやタブレット端末に保存することができる

スマホでスキャン操作

「Epson Smart Panel」を使ったスマホでのスキャン手順を確認していこう。設定を変える必要がなければ、そのまま中央の「スタート」ボタンをタップするとスキャンがスタート。あとはスキャン内容を確認し、問題なければデータをスマートフォンに保存して作業は終了。とても簡単かつスピーディーだ

そのほか、Windows PCで「DS-790WN」を利用する場合は、基本的に専用PCアプリケーション「Document Capture Pro」やスキャナードライバーをインストールする必要があるが、MacやAndroid端末、Chromebookではそれらをインストールしなくても、標準搭載されている機能でスキャンが可能になっているのもユニークな点だ。これらのデバイスは、近年、小中高校などで多く使用されており、資料や課題プリントをスキャンするケースも増えている。そういった背景を踏まえると、アプリやスキャナードライバー不要で手間なくすぐにスキャンできるのは、多くの人にとってメリットとなるはずだ。

スキャン性能や給紙機能さまざまな原稿をスピーディーにスキャン。
作業効率を上げる便利機能も

新たな機能で大きな進化を遂げた「DS-790WN」だが、ドキュメントスキャナーとして基本となる“スキャン性能”も高い。スキャン解像度は最大600dpiで、スキャン速度は毎分45枚/90面(A4カラー/300dpi)となっており、業務用としても十分な性能を有している。さらに、サイズの異なる原稿をまとめてスキャンできるほか、名刺やプラスチックカードのスキャンも可能。これに加えて、A3/B4といったA4以上のサイズの原稿にも、二つ折りにしてキャリアシート(別売)に入れ、両面スキャンすることで対応できる。このように、多種多様な種類の原稿を簡単にスキャンできるのも本機のメリットだ。

スキャン速度をチェック

A4原稿を45枚用意し、USB接続したPCを使って「DS-790WN」のスキャン速度をチェックしてみた。PC用アプリケーション「Document Capture Pro」を利用し、「両面、カラー/モノクロ自動、200dpi、PDF保存」の設定でスキャンしたところ、スキャン時間は約1分1秒となり、ほぼカタログスペック通りのスキャン速度を確認できた

エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」 エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」

仕事関連の資料やはがき、輸送伝票など、サイズや厚さの異なる書類を一緒にセットし、一度でまとめてスキャンすることが可能。事前に分類しておく必要がないので、作業の手間を大きく削減できる。しかも、原稿サイズを自動で認識し、傾き補正なども行ってくれるので、スキャン後の修正などの手間も少ない

これ以外にも、ホチキスを留めたままの用紙を読み込むとスキャンが停止する「原稿保護機能」や、読み取りセンサーに付着したガラス汚れを検知して通知する機能なども搭載する。スキャン作業で起こりがちな失敗やエラーを自動的に防いでくれるわけだ。

エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」

ホチキスで留めたままの原稿を読み込んでしまうと、原稿が破けたりシワだらけになったりしてしまう恐れがある。それを防ぐのが「原稿保護機能」。スキャン時にセンサーで異常を感知すると自動で読み込みを停止し、紙詰まりによる原稿の破損を防いでくれる

エプソン「ドキュメントスキャナー DS-790WN」

読み取りセンサーのガラスに汚れが付着すると、スキャンデータに汚れの筋が写り込んでしまう可能性がある。ガラス汚れの通知が表示された場合は、専用のクリーニングキットやクリーニングクロスなどでガラスを清掃し、キレイにしよう

まとめ紙文書類のデータ化ペーパーレス化
強力にサポートしてくれる「DS-790WN」

ここまで見てきたように、「DS-790WN」はドキュメントスキャナーとしてすぐれた性能を備えるとともに、PCレスでのスキャンや無線LANに対応したことで、ワンランク上の利便性を兼ね備えた製品である。さまざまな種類の原稿をまとめてスキャンできる快適さや、無線LAN接続によって場所を選ばず設置できる自由度の高さ、さらに、幅広いデバイスで利用できる使い勝手のよさは、どれを取っても本当に魅力的。紙の書類をデータ化し、社内のペーパーレス化を推し進めたい人にとって、強力なサポートツールとなってくれることだろう。

また、改正電子帳簿保存法への対応についても、「DS-790WN」はe-文書法および電子帳簿保存法の要件を満たした設定でスキャンできる「e-文書モード」を搭載しているのでバッチリ。このモードを選んで書類をスキャンすれば、手間をかけることなく安心して税務関係書類の電子データを保存できるのだ。

そういった専門的な業務利用に限らず、個人的な書類整理などにおいても、高いスキャン性能や「原稿保護機能」「ガラス汚れ検知機能」などを備えた本機が作業効率を高め、大いに役立つことは間違いない。簡単かつ手間をかけることなくペーパーレス化に取り組みたい人に、「DS-790WN」は有力な選択肢となり得るはずだ。

この記事は2025年7月1日の情報を基にしております。