細部へのこだわりはムーブメントのパーツにまで
宇宙にきらめく「星雲」をモチーフにしたオリエントスター70周年記念限定モデル登場!
1951年のブランド誕生以来、高精度のムーブメントや美しいデザインで多くの腕時計ファンを魅了し続けてきたオリエントスターから、この秋、70周年記念限定モデルが発売された。「宇宙」や「星雲」をテーマに、クラシックコレクションからは「スケルトン」「メカニカルムーンフェイズ」「クラシックセミスケルトン」が、コンテンポラリーコレクションからは「モダンスケルトン」が発売され、それぞれ異なる個性を放っている。本特集では、2021年に発見されたレオナード彗星をモチーフに、ムーブメントに長時間駆動と高い耐久性を実現するシリコン製がんぎ車を採用した「スケルトン」と、文字板に白蝶貝を使用した月齢時計「メカニカルムーンフェイズ」をピックアップ。その魅力をじっくりとひも解いていきたい。
レオナード彗星をモチーフに、宇宙へのロマンを凝縮した「スケルトン」
1951年に創業した国産機械式腕時計ブランド、オリエントスター。妥協を許さないモノ作りや、オーセンティックなデザイン、そして、そこに垣間見える職人の矜持は世界中の腕時計ファンを魅了してやまないが、70年におよぶ歴史の中でとりわけ注目すべきトピックは、何と言っても、1971年(昭和46年)の「46(ヨンロク)系」ムーブメントの誕生だろう。当時の一般的なムーブメントの多くは、その心臓部となるテンプの振動数が5振動であったのに対し、「46系」ムーブメントの初期モデル「Cal.46940」では6振動を採用。振動数を増やすことで、これまでにない時刻精度を実現させた。
長きにわたり研鑽を積み重ねてきた「46系」ムーブメントの特徴は、その精度や、耐久性がすぐれていることにある。それゆえ、時代に合った新しい機構を加えたり、新しいデザインを施したりすることが可能で、誕生から約50年経った今でも、「46系」をベースとしたムーブメントが作り続けられている。近年では、ムーブメントを構成する微細なパーツに、切削加工による波目・渦目模様が施され、スケルトン仕様の文字板からその美しい意匠が堪能できるモデルも増えてきた。今や、「46系」ムーブメントそのものが腕時計のデザインの顔となりつつあるのだ。
そんなオリエントスターから2021年10月、創業70周年を記念した数量限定モデルが発売された。「宇宙」や「星雲」をテーマに、クラシックコレクションからは「スケルトン」「メカニカルムーンムーンフェイズ」「クラシックセミスケルトン」が、コンテンポラリーコレクションからは「モダンスケルトン」が発売され、それぞれ異なる個性を放っている。ここでは、クラシックコレクションの70周年記念モデルの中から、機械式の醍醐味が堪能できる文字板のスケルトン仕様が特徴的な「スケルトン」をピックアップして、細部にわたるデザイン的な特徴をチェックしていきたい。

非周回性のレオナード彗星をモチーフにした70周年記念限定モデル「スケルトン」。本モデルは手巻き式腕時計だが、レオナード彗星との1度きりの出会いと、手で巻かないと止まってしまうはかなさはどこか通ずるところがある。国内200本限定発売で、裏ぶたにはシリアルナンバーが刻印される
「スケルトン」のデザインモチーフは、2021年に発見されたレオナード彗星。非周回性の彗星で、地球に接近するのは1度きり。そのはかなさやロマンを表現した文字板デザインは、美しく輝く星をイメージしたダイヤモンドを12時位置のインデックスにあしらっているほか、ムーブメントには、ミクロンレベルの高精度加工技術を要し、70時間の長時間駆動と高い耐久性を実現するシリコン製がんぎ車を採用。精密な半導体製造技術における温度管理技術を応用することで、がんぎ車を鮮やかな青色に仕上げるとともに、針や文字板パーツも青色で統一し、ムーブメントを含む文字板全体で「小宇宙」を表現している。

小宇宙に見立てた美しい文字板デザイン。本モデルの個性を物語るのは、9時位置のテンプ受け。その姿は尾を引いて天空を駆け抜ける彗星を思わせ、12時位置に配された2個のダイヤモンドも夜空の「輝ける星」として美しい輝きを放ち、小宇宙の深淵な雰囲気を見事に表現している

ムーブメントにはシリコン製のがんぎ車を採用。70時間の長時間駆動を実現するとともに、接着剤を使用しないことで、ケース内でのガス発生などがなく、耐久性が向上している。また、精密な半導体製造技術における温度管理技術を応用することで、がんぎ車を鮮やかな青色に仕上げているのも見どころ。ムーブメントの奥にあっても、スケルトン構造を通して鮮やかな青色が確認できるのだ
シリコン製がんぎ車は半導体加工技術を用いて作られ、ひとつひとつ、職人が手作業でムーブメントに組み込んでいく。オリエントスターがこだわる“マニファクチュール”が垣間見える、機械式腕時計ファンにはたまらないエッセンスと言えるだろう

シリコン製がんぎ車に合わせて、針や文字板パーツも青色で統一。宇宙の深いブルーを表現している。また、ムーブメントに合わせて、「ORIENT STAR」のロゴパーツ(OSマーク)はシルバーに。品がよく、まとまりのあるルックスだ

ムーブメントに施された型打ち・横筋目模様。オリエントスターのデザインへのこだわりはこうしたところからも感じられ、文字板全体に奥行き感を与えている。光が当たると精緻な模様が浮かび上がり、腕元を華やかに彩ってくれる
月の満ち欠けする様子が楽しめる月齢時計「メカニカルムーンフェイズ」
続いて注目したいのが、月齢時計「メカニカルムーンフェイズ」だ。深淵の宇宙に浮かび上がる雲のように見える星雲を、白蝶貝の模様とグラデーションで表現。白蝶貝文字板の円周外側に向かってグリーンからネイビーに変化するグラデーション加工が施されている。宇宙に輝く星をイメージし、針やOSマーク、ムーンフェイズ機構の月表示はゴールド色に。これが文字板デザインを引き締める差し色となっている。また、視認性にすぐれた両球面サファイアクリスタルや、ダイアルに合わせたネイビーのワニ革バンドを採用。ケース厚は13.8mmで、しっかりとした存在感がありつつ、装着感は非常に軽快だ。

「スケルトン」と同様、クラシックコレクションから登場した70周年記念限定モデル「メカニカルムーンフェイズ」。こちらも200本の数量限定発売となる

ケース径は縦49.0mm、横41.0mm、ケース厚は13.8mmと存在感があるが、装着感は軽やか。シャツの袖口にひっかかることもなく、快適に装着できた。また、風防には両球面サファイアクリスタルが採用されており、ご覧の通り、横から見ても視認性が高い

ドレッシーなルックスの「メカニカルムーンフェイズ」はジャケットスタイルにもカジュアルスタイルにも相性がいい。ジャケットスタイルではネクタイやチーフのカラーを時計の色味と合わせるなど、腕時計を中心としたコーディネートに仕上げるのもまた一興だ
もうひとつの「メカニカルムーンフェイズ」にも注目
上で紹介しているのはクラシックコレクションの「メカニカルムーンフェイズ」だが、オリエントスター70周年記念限定モデルとして、コンテンポラリーコレクションからも「メカニカルムーンフェイズ」が発売されている。グリーンの白蝶貝を文字板に採用している点はどちらも共通だが、こちらはバーインデックスタイプで、プッシュ三つ折式のステンレススチールバンドを採用。クラシックコレクションに比べると、現代的でスポーティーな印象に仕上がっている。

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70年の歴史が凝縮された特別な1本
オリエントスター70周年を記念して発売された、「スケルトン」と「メカニカルムーンフェイズ」。長きにわたり受け継がれてきた、妥協のないモノ作りは両モデルにもしっかりと踏襲されていた。半導体製造技術を応用した精緻なムーブメントを堪能できる「スケルトン」の文字板や、星雲を白蝶貝の模様とグラデーションで表現した「メカニカルムーンフェイズ」の美しい意匠を眺め、深淵なる宇宙に思いを馳せていると、精巧な機械式腕時計を持つよろこびがふつふつと湧き上がってくる。「ああ、やっぱり機械式腕時計はいいものだな」。そう素直に思わせてくれる、マニファクチュールの機械式腕時計だけに許された“ロマン”が確かにそこにあるのだ。両モデルはともに国内200本の数量限定での発売となる。早期の完売が予想されるので、ぜひ早めにチェックしてもらいたい。
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