ゴミ捨てが手間、手元が重い……掃除の“面倒”を軽減 ダストボックスを切り離した新スタイルで掃除をもっとラクに! パナソニック セパレート コードレス掃除機「MC-NS10K」
吸引力が向上し、便利な機能が搭載されても、掃除機がけは“面倒”な家事である。「サッと使える」手軽さが支持されているコードレススティック掃除機であっても、掃除機がけを面倒に感じることは多い。そんな掃除に対する概念を根本的に変える、セパレート型のコードレススティック掃除機「MC-NS10K」がパナソニックから誕生した。掃除機本体に搭載されているダストボックスを切り離すことで、多くの“面倒ごと”が軽減されるのだという。本機で、掃除はどれほどラクになるのか、早速チェックしていこう。
操作性新発想の「セパレート型」。ダストボックスを分離すると、掃除はこんなに手軽になる
近年、ライフスタイルや居住環境の変化にともない、使用時に収納場所から取り出したり、電源コードを差したりする手間のないコードレススティック掃除機の需要が大きく伸長している。しかし、コードレススティック掃除機はモーターやバッテリー、ダストボックスなどを搭載した本体を常に手に持って動かすことになるため、その重さが負担になることも。また、ダストボックスに溜まったゴミを捨てる作業も手間となる。このようなことから、いかにコードレススティック掃除機であっても「掃除機がけは面倒」と感じている人は多いようだ。
こうした“面倒”を解消するために開発されたのが、パナソニックの最新コードレススティック掃除機「MC-NS10K」に採用された“セパレート型”という新スタイル。掃除機本体からダストボックスを切り離し、充電台にダストボックスと自動収集機能を搭載したのだ。詳しくは後述するが、掃除機で集じんしたゴミを収集する機能を備えた充電台は「クリーンドック」と名付けられ、掃除機を「クリーンドック」に戻すと、掃除機内のゴミが「クリーンドック」内のダストボックス(紙パック)に自動で移送される仕組みとなっている。
ダストボックスを分離したことで、掃除機本体は重量約1.5kgという軽さとスリムなボディを実現し、さらに、バッテリーを本体下部に搭載した低重心設計とすることにより、手元重量※1は0.45kgと掃除中の負担も軽減。これに加え、ヘッドが自走式ということもあり、驚くほど軽い力で掃除機がけが行える。
※1 手元重量の測定方法はIEC60312-1による(パナソニック調べ)
コードレススティック掃除機の場合、自走式ヘッドであっても手首や腕にそれなりの負荷がかかってくるが、ボディが軽い「MC-NS10K」は、その負荷が圧倒的に少ない。自走式ヘッドがほどよくストロークをサポートしてくれ、動かしたい方向にスルスルと掃除機がけが行える。その軽い操作感はカーペットでも変わらない
ダストボックスがじゃまをしないため、掃除機を水平に近い角度にすることも可能。ダストボックスが搭載されていても水平にできる掃除機はあるが、この状態で前後左右に動かすのは、通常の姿勢で掃除機がけするよりも腕に負荷がかかりやすい。軽量でスリムな「MC-NS10K」は、こうしたシーンでも負担を軽減してくれる
また、掃除を始める際の起動性の高さも特筆すべきもの。部屋に出しっ放しにしておくことの多いコードレススティック掃除機は、サッと掃除を始められるのは当たり前だと思われるかもしれないが、充電台の仕様によってはいったん掃除機を持ち上げなければならなかったり、電源コードを掃除機に直接差し込むタイプの場合は、抜き取る手間が発生したりする。その点、「MC-NS10K」は、充電台から掃除機本体を取り出す際にそうしたひと手間がない。掃除機を手前に引くだけで「クリーンドック」から掃除機を引き出すことができ、電源スイッチをオンにするだけで、すぐに掃除が始められる。
掃除機のハンドルを持って手前に倒し、そのまま掃除機を滑らせるように後ろ側に引くだけで掃除機をかける準備は完了。ハンドルを握り、親指を伸ばしたところに電源スイッチが配置されているので、掃除機を引き出すところから電源スイッチをオンして掃除を始めるまでの動作がシームレスで、とても使い勝手がいい
使用中のストレスが少なく、掃除機を取り出す際のちょっとした手間すらも排除されている「MC-NS10K」は、「さて、掃除機がけするか」といった気構えは必要なく、サッとホウキで履くような感覚で掃除が始められる。この使用感は、初めての体験だった。
ゴミ捨て&お手入れゴミ捨てはひと月に1回でOK! 「からまないブラシ」でメンテナンスも楽々
掃除機がけを面倒だと感じさせる要素は、掃除中だけでなく、定期的に行わなければならないゴミ捨てにもある。近年、コードレススティック掃除機では軽量タイプのサイクロン式が人気だが、ダストボックスの容量が小さいため、ゴミ捨ての頻度が高くなりがち。ダストボックスを掃除機本体から取り外し、ゴミ箱まで移動して中のゴミを捨てる作業が手間なうえ、ダストボックスの設計によってはゴミが手に触れたり、取り外しや取り付けがしにくかったり、ゴミ捨ての際にホコリが舞い散ったりなど、つい後回しにしたくなるようなことが多い。
こうした課題も、セパレート型の「MC-NS10K」なら解消される。掃除機で吸い込んだゴミは掃除機本体に装備された「フィルターケース」に仮置きされ、掃除を終えて充電台の「クリーンドック」に戻すと、フィルターケース内のゴミが「クリーンドック」に移送される仕組みとなっているのだ。「クリーンドック」には大容量紙パック(容積0.8L)が装着されているので、都度、ゴミ捨てを行う必要はない。約1か月に1回※2、紙パックを交換するだけでOKだ。
※2 お部屋の広さやゴミの量によって異なります。試験方法:家庭じんあい1g(細塵3:綿ゴミ4の割合。家庭ゴミ1日分の平均量=1g。日本電気工業会の調査において)をスティック本体からクリーンドックに移動させる。この操作をクリーンドックの紙パック交換ランプが点滅するまで繰り返す。50g未満で紙パック交換ランプが点滅しないこと
掃除機で吸い込んだゴミは掃除機本体のフィルターケースに溜まる仕組みだが、これはあくまでも“仮置き”。掃除機を「クリーンドック」に戻すと、フィルターケース内のゴミは「クリーンドック」に移送される。なお、フィルターケースの容積は0.05Lとそれほど大きくないが、一般的なご家庭での1回の掃除機がけで集じんされるくらいのゴミは溜めておけるという
掃除を終えて「クリーンドック」に掃除機を戻す時の動作も、非常にシームレス。掃除機がけと同じように滑らせながら「クリーンドック」に載せ、ハンドルを押し込めばセット完了。フィルターケースのカバーが開き、“仮置き”のゴミがクリーンドック内の紙パックへと移送される(下の動画参照)
フィルターケース内のゴミを「クリーンドック」に移送する際、吸引は2回行われる。これは、緩急をつけて吸引することで、フィルターケース内のゴミの取り残しを防ぐ工夫。なお、「クリーンドック」にはキャニスター型掃除機にも搭載されている高性能なモーターが装備されているので、吸引力はパワフルだ
ただ、「クリーンドック」内に1か月近くゴミを溜めておくとなると、気になるのがニオイの発生。だが、この点についても対策は万全だ。「クリーンドック」内にはナノサイズの清潔イオン「ナノイーX」を生成する装置が搭載されており、紙パックに溜まったゴミは「ナノイーX」によって除菌・脱臭される。「クリーンドック」からゴミのニオイが漂ってきたり、紙パックを交換する際に不快臭がする心配はほとんどない。
また、ゴミ捨てとともにわずらわしい作業のひとつである、回転ブラシのお手入れも「MC-NS10K」ならラクに済ませられる。一般的な掃除機に装備されている回転ブラシは1本の円柱形なため、構造上、髪の毛やペットの毛がからみやすく、からんだ毛はハサミなどでカットしなければキレイに取り除くのは難しい。それに対し、「MC-NS10K」に搭載されているのは、中央に向けて径が細くなる円すい形のブラシを2つ装備した「からまないブラシ」。巻き込まれた髪の毛などは中央に向かって移送され、中央の隙間(吸込口)から吸引されるので、毛がらみが起こりにくい。
長めの糸を30本ほどランダムに散らして「MC-NS10K」で吸い込んでみると、1本たりとも糸はからんでいない。正直、「多少はからむのでは?」と半信半疑だっただけに、この結果には素直に驚かされた
この「からまないブラシ」は、2020年に発売された「パワーコードレス MC-SBU840K」で初めて採用されたもの。その後、複数のモデルに搭載されており、価格.comのユーザーレビューでも、実際に毛がらみの不満が解消されたと高い評価を受けている。「MC-NS10K」には小型化した「からまないブラシ」が採用されているが、従来モデル同様の性能が期待できそうだ。
清掃力軽い取り回しとシンプルな操作性ながら申し分のないゴミ取れ性能!
使い勝手を重視した軽量モデルながら、「MC-NS10K」は清掃力も申し分ない。一般的に掃除機をスリム化・軽量化すると、その分パワーが低下してしまうものだが、「MC-NS10K」は部品を極限まで小型化し、むだなスペースができないように配置することで、十分な吸引力を保持しているという。また、約20μmの微細なゴミを検知してランプの色で知らせてくれる「クリーンセンサー」が搭載されているので、ゴミの取り逃しも防げる。
カラーサンドをフローリングに撒き、ゴミ取れ性能を確かめてみた。運転モードは「HIGH」(連続運転時間は約6分)と「AUTO」(連続運転時間は約10〜15分)の2種類用意されているが、今回は、ゴミの量に応じて吸引力が自動でコントロールされる「AUTO」モードでトライ。結果は、1往復でフローリングの目地に詰まったカラーサンドまで、しっかり除去できた
「からまないブラシ」を装備したヘッドには、パナソニックの従来モデルに採用されていた、壁際にヘッドが当たるとヘッドの前面が開く「ガバとり構造」は備えられていないが、「からまないブラシ」は前側に寄せた配置となっているため、「ガバとり構造」採用モデルと同レベルの壁際の掃除性能を確保しているという。実際、壁際を掃除してみたが、壁際にもブラシが届いているようで、壁の際の際までしっかりとゴミが取れた
このほか、アタッチメントの「すき間用ノズル」を使えば、家具の隙間などにもアプローチ可能。付属ノズルはひとつだけだが、このノズルを使えば、床上だけでなく、家の中のいろいろなところを掃除できるので便利だ。
まとめ掃除機がけの作業だけでなく、掃除に対する気持ちもラクにしてくれる掃除機
コードレススティック掃除機の本体からダストボックスを分離することで掃除機を軽量・スリム化し、ごみ捨ての回数も低減する。そんな「セパレート型」というスタイルは非常に合理的な発想であり、実際に使ってみても、そのメリットを実感できた。だが、セパレート型にすることによって解消されたのは、そうした物理的な面倒ごとだけではない。掃除機をかける時以外に発生する手間も大幅に軽減されることで、掃除という家事に対する気持ちもラクになったのだ。
普段は掃除機を使って戻すだけと手軽なうえ、掃除機は軽い力で取り回せるので、掃除中のストレスも少ない。今回、「MC-NS10K」を使って最も驚いたのが、使えば使うほど「掃除機がけは面倒」と思う心理的ハードルが取り除かれ、自然と掃除機に手が伸びるようになっていたことだった。これほど“ラク”に、そして“気楽”に使える掃除機というのはなかなかないだろう。
近ごろは、家に居る時間が多くなったこともあり、週末にまとめてしっかり掃除をするのではなく、気付いた時に掃除をする人が増えている。そんな掃除スタイルに「MC-NS10K」は最適。掃除機がけを手間だと感じている人はもちろんだが、こまめに掃除機がけしたい人にも使ってほしいモデルだ。