新機能コードなどの障害物を認識し回避する
「PrecisionVisionナビゲーション」を新搭載
ロボット掃除機の購入をためらう理由として多く聞こえてくるのが、「事前の片づけが面倒だから」というもの。ロボット掃除機にからまりやすい床の上のコードや、床に落ちた靴下、スリッパなどを事前に片づけるのは確かに手間だし、ペットのいる家庭では排泄物にも気を遣わなければならないなど、ロボット掃除機を日常的に動かすためには、ある程度の事前準備が必要だった。
そんな事前の片づけをせずとも、家全体をすみずみまで清掃完了してくれるように進化を遂げたのが、2022年2月に発売されたアイロボットの最新ロボット掃除機「ルンバ j7+/j7」(j7+は「クリーンベース」付属モデル)だ。最大の特徴は、本体前面のカメラで障害物を認識し、回避する「PrecisionVisionナビゲーション」を新搭載したこと。2022年2月の発売時点で障害物として認識すると公式発表されているのは、「靴(スリッパ)」「靴下」「コード」「ペットの排泄物*」に加え、「充電ステーション」の5種類だが、本機能による障害物の回避性能はどれほどなのか、まずはこの点から検証していこう。
* 犬または猫の固形の糞のみ(毛玉や吐しゃ物、液体は対象外になります)
* 回避する障害物は順次アップデートされます。11月1日時点で回避する障害物:コードやケーブル、ペットの排せつ物*、靴やスリッパ、靴下、ファブリック、衣服、リュックサック、ペットの食器、猫用トイレ、ペットのおもちゃ(ボールやロープなど)、クリスマスツリー
「ルンバ」の製品ラインアップに加わった「ルンバ j7+/j7」は、障害物をとらえるカメラを前面に搭載し、“賢さ”が大きく向上した最新モデル。今回の検証に使用したのは、「ルンバ」のダスト容器からゴミを収集する「クリーンベース」が付属した「ルンバ j7+」だ
障害物の回避性能を検証
「PrecisionVisionナビゲーション」の検証のために用意したのは、スリッパ(靴)、靴下、コード、ペットの排泄物*(模型)の4つ。これらを床に置き、「クリーンベース」が付属した「ルンバ j7+」を使って走行テストを行ってみた。なお、今後も認識する障害物はソフトウェアアップデートでどんどん増えていく予定だという。
【動画】障害物回避の様子をチェック
「ルンバ」が掃除する様子を定点カメラで観察していて印象的だったのが、床の上に置いた各種の障害物をしっかりと避けながら、規則正しい走行パターンでむだなく効率的に掃除していたこと。動画の「ルンバ」は、アプリで設定したマップによって、動画左側のエリアをリビングルーム、右側のエリアをダイニングルームとして認識しており、各部屋を順番にくまなく掃除していくこともわかる
走行中、真っ先に「ルンバ」が認識したのは、動画手前に見えるスリッパ。これを見つけると手前で立ち止まり、くるりと踵を返すように回避した。そして注目すべきは、スリッパを回避しつつも効率的な走行パターンを続けることだ。障害物を認識し、回避しつつも規則正しい走行を続けるので、掃除にむだがない。
その後、靴下、コード、ペットの排泄物を認識したが、スリッパと同様、きっちりと手前で回避。コードを巻き込んで立ち往生したり、ペットの排泄物を引きずったりといったトラブルは起こらなかった。これなら、「ルンバ」に掃除させる前に、床の上の物を片づけなくてもよさそうだ。思い立った時にいつでも気軽に掃除させられるのはありがたい。
本体前面にカメラを搭載したのが「ルンバ j7+/j7」の大きな特徴。このカメラでリアルタイムに前面の障害物を認識し、回避する。この後にチェックするが、前面カメラで物体を認識するようになったことで、家具や壁などへの接触がよりソフトになったのもうれしい進化ポイント
【動画】家具や壁への接触がよりソフトに
動画をチェックしていると、家具や壁などへの接触がよりソフトになっていることも確かめられた。家具や壁に近づくと、手前でグッと減速し、トンッとやさしくタッチ。そのうえで家具の際を掃除したり、壁でターンしたりする様子が動画にしっかりと収まっていた
iRobot Home アプリ使えば使うほど賢くなる。
1人ひとりのライフスタイルに合った掃除を実現
リビングルーム、ダイニングルームと順番に掃除を終え、「クリーンベース」へと帰還する「ルンバ j7+」。スマートフォンにインストールした「iRobot Home アプリ」で掃除の履歴を確認してみると、清掃中に発見した障害物の画像が表示され、「一時的な障害物として回避するか」「進入禁止エリアにするか」「そこに障害物はない」の3つの選択肢が提示された。なるほど、この回答に応じて、これらの障害物に今後どのように対処すべきかを学習させるというわけだ。掃除をするたびに見つけた障害物に対する動作を学習させていくことで、どんどん賢くなっていく。
iRobot Home アプリ
2022年2月の発売時点で「PrecisionVisionナビゲーション」が認識する障害物は、「靴(スリッパ)」「靴下」「コード」「ペットの排泄物*」「充電ステーション」の5種類であることは既に述べた通りだが、今後、認識できる障害物の種類が増え、認識精度が向上していくという。こうしたビッグデータの活用は、世界中で愛用されている「ルンバ」だからこそ成し得るものだ。今日より明日、明日より明後日と、「ルンバ j7+」はますます賢くなっていくのだ。
* 犬または猫の固形の糞のみ(毛玉や吐しゃ物、液体は対象外になります)
* 回避する障害物は順次アップデートされます。11月1日時点で回避する障害物:コードやケーブル、ペットの排せつ物*、靴やスリッパ、靴下、ファブリック、衣服、リュックサック、ペットの食器、猫用トイレ、ペットのおもちゃ(ボールやロープなど)、クリスマスツリー
なお、障害物の画像データは暗号化されており、プライバシーポリシーに同意した場合のみ、学習に活用される仕組み。データセキュリティに対する取り組みとしては、TUV認証も取得している。
よりスマートな使い方を可能にする「iRobot Home アプリ」
「アイロボットジーニアス」を搭載したスマートフォンアプリ「iRobot Home アプリ」との組み合わせでは、さらにスマートな使い方も可能になる。そのひとつが、部屋の環境を学習・記憶することによって実現される、エリアの指定清掃。これは、汚れが気になるエリアをユーザーが指定し、ピンポイントで掃除させるというもの。さらに、事前にスマートスピーカーと連携させておけば、「ルンバでダイニングテーブルの下を掃除して※」などと、音声で操作することも可能だ。
※Googleアシスタント、Amazon Alexaに対応。対応するスマートスピーカーによって、音声コマンドが異なります
実際に、エリアの指定清掃を行ってみて気づいたのは、「ルンバ j7+」は指定したエリアに到着するまで吸引を行わず、静かに移動するようになったこと。これにはスタッフ一同、「ホントに賢いね」と感心しきりだった。「ルンバ j7+」の賢さ、そして使えば使うほど賢くなる「アイロボットジーニアス」がもたらす利便性の高さを実感した瞬間だ。
部屋のマップを学習した「ルンバ」には、「iRobot Home アプリ」からキッチンカウンターやダイニングテーブルのあるエリアを設定したり、進入禁止エリアを設定したりできる。そのため、食事などで汚れやすいダイニングテーブルの下だけを掃除させるといったこともできるのだ
【動画】エリアの指定清掃
スマートスピーカーと連携させて、ダイニングテーブルの下を掃除するように指示してみたが、「ルンバ j7+」はリビングルームを横切り、最短経路でダイニングテーブルの下まで吸引を行うことなく静かに移動。ダイニングテーブルの下に来て初めて吸引を開始した。これなら運転音にわずらわされることなく、読書や映画鑑賞などに集中できる
デザイン&使い勝手本体はよりスタイリッシュに、
付属の「クリーンベース」はより設置しやすく
最後に、「ルンバ j7+」のボディをチェックしていこう。「ルンバ j7+」では、生活空間に違和感なく溶け込むよう、本体天面にメタル素材を用いたスタイリッシュなデザインが採用されている。さらに、掃除後にダスト容器内のゴミを自動で収集し、ゴミ捨ての手間を軽減してくれる付属の「クリーンベース」のデザインも一新。従来の「クリーンベース」に比べ、高さを約15cm抑えた横長の形状となり、机の下などのちょっとした空きスペースにも設置しやすくなった。
吸引メカニズムには、「ルンバ i7+/i7」などと同様の「AeroForce 3段階クリーニングシステム」を採用。2本のゴム製ブラシ「デュアルアクションブラシ」でゴミを浮き上がらせ、強力な「パワーリフト吸引」とモーターの気流で内部に真空状態を作る「真空エアフロー構造」で床の上からしっかりとゴミを取り除く仕組みだ
使用後のゴミ捨ての手間を削減する「クリーンベース」
「クリーンベース」に採用されている紙パックは、最大1年間分のゴミを収容できる大容量。面倒なゴミ捨ては1年に1回程度で済ませられる。日々の床掃除に加えて、使用後のダスト容器からのゴミ捨てまでを“おまかせ”できるので、ほとんど掃除のことを気にかける必要がない。
部屋の掃除を終えて戻ってきた「ルンバ」のダスト容器からゴミを吸引し、紙パックに収容する「クリーンベース」。紙パックには最大1年分のゴミを収められるため、ゴミ捨ての頻度を大幅に削減することができる※日本のクリーンベースユーザーの清掃結果より算出。すべての家庭環境において、期間を保証するものではありません。交換用ランプが点灯する前に誤作動や異臭に気づいた場合は、交換することをお勧めします。
「クリーンベース」内の紙パックは、引き上げて取り出すと吸い込み口のシャッターが自然と閉じ、ゴミが舞い上がらない設計。ちょっとした点だが、ユーザー目線に立った細やかな配慮が感じられる。また、「ルンバ j7+」の「クリーンベース」では、予備の紙パックを収納しておけるスペースができたのも進化ポイント
このほか、「ルンバ j7+」は、「ルンバ」が掃除を終えると、床拭きロボット「ブラーバ ジェット m6」(別売り)が自動で拭き掃除を始める「Imprint リンク」に対応するなど、先進の機能は枚挙にいとまがない。より賢く、よりスタイリッシュになった「ルンバ j7+」。本機を活用すれば、日々の掃除機がけから解放され、より多くの時間を家族や趣味のために割けるはずだ。
まとめ事前の片づけが不要。
掃除をまかせて、自由時間を満喫
本体前面にカメラを備え、障害物を認識して回避しながら掃除を行う「ルンバ j7+/j7」。「事前の片づけが面倒だから」とこれまでロボット掃除機の購入をためらってきた人も、「それなら」と購入を前向きに検討できるのではないだろうか? 実際に使用してみると、障害物を発見するたびに動作を学習する「アイロボットジーニアス」によって、掃除させれば掃除させるほど、より自分に合った清掃体験を手に入れることができることに感心した。これに加え、「ルンバ」のダスト容器から自動でゴミを収集する「クリーンベース」が付属する「ルンバ j7+」では、ゴミ捨ての頻度を減らせるのも大きな魅力である。
ロボット掃除機の開発によってアイロボットが目指しているのは、“人々がやりたいことに挑戦でき、自分らしい暮らしを送れるようにすること”だという。「ルンバ j7+/j7」はそんな理想を現実のものにしてくれる1台だと感じた。「ルンバ」を使うことで浮いた時間を家族や趣味に当てれば、より充実した暮らしができるに違いない。
なお、「ルンバ j7+/j7」の購入に迷っている人や購入価格が気になる人は、アイロボットの公式サービス「ロボットスマートプラン+」もチェックしてみてほしい。本プランには、月額料金でサブスク利用できる「あんしん継続コース」に加え、「おためし1ヶ月コース」が用意されているので、「ルンバ」のある生活を気軽に自宅で体験することが可能だ。