
クリエイター向けハイスペックモデル GIGABYTEの16型ノートPC「AERO 16」誕生!

クリエイター向けPCにとって欠かすことのできない「すぐれたパフォーマンス」と「高性能で大画面・高解像度なディスプレイ」という2つの要素。これらをノートPCの中にギュッと詰め込んだのが、GIGABYTEの最新16型ノートPC「AERO 16」だ。新たなアーキテクチャーが採用された最新CPU「第12世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」と高性能GPU「NVIDIA GeForce RTX 30シリーズ」を搭載。さらに、4K+(3840×2400)の高解像度を誇るアスペクト比16:10の16型有機ELディスプレイを採用するなど、クリエイター向けPCに欠かせない要素をしっかりと満たしたハイスペックモデルとなっている。本特集では、そんな「AERO 16」の実力を詳しくチェックした。
処理性能さまざまなクリエイティブ作業が快適に行える
圧倒的なスペックを搭載
“パソコンを使ったクリエイティブ作業”というと、どんなものを思い浮かべるだろうか? 写真や動画の編集、イラストの作成、Webや印刷物のグラフィックデザインはもちろんだが、3DCGやCADのモデリング、音楽を作り出すDTMなど、その範囲は多岐にわたる。これらにおいて必要なスキルや経験は大きく異なるが、どのような作業を行うにしても必須と言える要素が2つある。それは、道具となるパソコンには負荷の大きな処理をスムーズに行える「すぐれたパフォーマンス」と、作業が行いやすい「高性能で大画面・高解像度なディスプレイ」が求められるということだ。
クリエイターの現場では、この2つの要素を満たすため、これまでは高性能なデスクトップPCに大画面・高解像度なディスプレイを組み合わせるのが一般的であった。しかし昨今は、オフィスだけでなく、自宅や外出先などでも仕事をするテレワークが当たり前になり、クリエイターであってもパソコンを持ち歩く機会が増加。「すぐれたパフォーマンス」と「高性能で大画面・高解像度なディスプレイ」という2つの要素を高次元で満たしたノートPCの登場が待ち望まれていたのである。そんなニーズにしっかりと応えてくれるモデルとして2022年3月に発売されたのが、GIGABYTEのクリエイター向けハイスペック16型ノートPC「AERO 16」だ。

クリエイターに必要な要素をノートPCにギュッと詰め込んだ、GIGABYTEの最新16型ノートPC「AERO 16」。今回は、「第12世代インテル® Core™ i7-12700H プロセッサー」と「NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU」に加え、16GBメモリー、1TB SSDを搭載した、ハイスペックモデル「XE4-73JP914HH」をレビューした
早速、クリエイター向けPCに欠かせない第1の要素である「すぐれたパフォーマンス」をチェックしていこう。今回レビューに使用したハイスペックモデル「XE4-73JP914HH」は、2022年1月に発表されたばかりの最新CPU「第12世代インテル® Core™ i7-12700H プロセッサー」(最大4.70GHz)を採用しているが、これは高性能な「Pコア」と、電力効率の高い「Eコア」を搭載するハイブリッド・アーキテクチャーを採用することで、高いパフォーマンスと省電力を両立した高性能CPUとなっている。なお、本CPUはPコアを6個、Eコアを8個搭載した14コア仕様。さらにPコアの各コアは2つの命令を同時に並列処理するハイパースレッディングに対応しているため、合計で20スレッドという驚愕のマルチスレッド処理を可能にしている。
また、グラフィック処理の中心となるGPUには、ハイクラスのディスクリート型「NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU」(8GB)を採用しているうえ、NVIDIAの厳しいテストをクリアし、クリエイター向けの製作ツールがハイパフォーマンスかつ安定的に動作することが確認できたモデルのみに与えられる「RTX Studio」認証も取得。世界的なGPUメーカーであるNVIDIAからも、“クリエイティブ作業が快適に行えるノートPC”というお墨付きをもらっているわけだ。
さらに、ストレージには超高速なPCI Express 4.0 x4接続の1TB SSDを、メモリーにはDDR4-3200の16GBを搭載したほか、ワイヤレスネットワークは従来の2.4GHz/5GHz帯に加え、6GHz帯も使用できる最新の無線LAN規格「Wi-Fi 6E」に対応するなど、超ハイスペックな仕様。さまざまなクリエイティブ作業が、ストレスを感じることなく快適に行えるはずだ。
CPU情報を確認する「CPU-Z」で「第12世代インテル® Core™ i7-12700H プロセッサー」をチェックしたところ、デスクトップ向けCPU並みのTDP45Wで動作する高性能CPUであることが確認できた。また、GPU情報を確認する「GPU-Z」では、最新のアーキテクチャー「Ampere」を採用した「NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU」を搭載していることが確かめられた

最新CPU「第12世代インテル® Core™ i7-12700H プロセッサー」の実力を確かめるため、CGレンダリングの速度からCPUの処理性能をチェックするベンチマークプログラム「CINEBENCH R23」を実行したところ、シングルコアが1739、マルチコアが16411となった。特にマルチコア性能はひと世代前のデスクトップPC向けのハイクラスCPU「インテル® Core™ i9 プロセッサー」を上回るようなスコアで、複数の処理を並列で行うことの多いクリエイター向けPCにとって重要な、マルチスレッド性能が極めて高い

パソコン全体の処理性能が確認できるベンチマークプログラム「PCMark 10」では、総合スコアが7266と、ノートPCではあまりお目にかかったことがないほどの高い数値をたたき出した。クリエイティブ作業の快適さを示す「Digital Content Creation」のスコアも11057と目をみはるほど高く、4K動画のエンコードや3DCGのレンダリング作業も快適に行えることがわかる
グラフィック性能を計測するベンチマークプログラム「3DMark」を実施したところ、DirectX 12対応の「Time Spy」テストで9580を記録。これは、大人気バトルロイヤルゲーム「Apex Legends」(2560×1440解像度/最高画質)が105fps以上で動作するほどの高スコアだ。また、定番の3DCGソフト「Blender」のエンジンを用いてレンダリング性能を計測できるベンチマークプログラム「Blender Benchmark」を実行したところ、3000を大きく上回り、ノートPCとしては非常にすぐれたパフォーマンスを備えていることが確かめられた

ストレージのデータ転送速度を計測するベンチマークプログラム「CrystalDiskMark 8.0.4」を使い、PCI Express 4.0 x4接続の1TB SSDのデータ転送速度を計測すると、シーケンシャルリード(Q8T1)が7021MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)が4988MB/sと爆速であった。クリエイティブ作業では、動画や画像、音声など、大容量ファイルを扱うことが多いが、コピーや圧縮/解凍などの時間を大幅に短縮できるのは間違いない


画像編集ソフト「Adobe Lightroom」(別売)で約2430万画素のRAWデータ67枚(約3.08GB)を現像(標準プリセット、JPEG最高画質)してみたが、かかった時間は38秒。なんと、写真1枚あたり0.5秒ほどで処理が完了した。また、動画編集ソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 7」(別売)を使い、H.264/MPEG-4 AVC形式の4K動画(4分30秒、約1.47GB)を、圧縮率の高いH.265/HEVC形式に変換したところ、こちらも1分38秒と驚くほどのスピードで完了。その素晴らしいパフォーマンスで、クリエイティブ作業の生産性を高めてくれることがしっかりと確認できた
使い勝手息を呑むほど美しい、
アスペクト比16:10の4K+ 16型有機ELディスプレイ
続いては、クリエイター向けPCに欠かせない第2の要素である「高性能で大画面・高解像度なディスプレイ」についてチェックしていこう。「AERO 16」は、液晶ディスプレイと比べて高画質で視野角が広く、消費電力が少ない「有機ELディスプレイ」を採用している。そのスペックは、最大輝度500nitの「VESA Display HDR 500」に準拠しているほか、1,000,000:1の高コントラストや、1ms(G to G)の応答速度、DCI-P3を100%カバーする広色域を備え、アスペクト比16:10の4K+(3840×2400)解像度に対応するなど、まさに圧倒的だ。
しかも、世界的に有名なカラーマネジメント企業「X-Rite™」に認証された技術で、出荷前に1台ずつハードウェアキャリブレーションが実施されているうえ、色の正確性を担保してくれる「Pantone® Validated認証」も取得する唯一※のノートPCとなっている。また、色の正確性を示す「Δ(デルタ)E」は低いほど高精度と言われるが、本機は「ΔE<1」で業界最高峰※とのこと。これなら、“正しい色”が求められるプロのフォトグラファーやグラフィックデザイナーでも、十分に仕事に活用できることだろう。 ※GIGABYTE調べ


高性能な16型有機ELディスプレイを搭載した「AERO 16」。アスペクト比16:10の4K+(3840×2400)という、4Kよりも広大な表示領域を確保しており、メニューなどを表示したまま4K写真や4K映像をドットバイドットで表示できる。また、有機ELディスプレイは視野角が広いため、同寮などと一緒に製作現場で画面を確認しやすいのもうれしいポイントだ


「X-Rite™」の分光光度計を使用して、Web標準であるsRGBの色域を計測してみたのが右のガモット図となる。DCI-P3はsRGBに比べて30%ほど色域が広いと言われるが、本機はDCI-P3を100%カバーしているだけあって、再現できる色の範囲は確かに3割ほど広くなっていた


その実力を実感するため、色とりどりの果物や野菜が並ぶ写真を表示してみたが、トマトの赤やリンゴの赤、そして唐辛子の赤など、細かな色の違いを緻密に描き分けており、非常に色再現性が高いことがわかる。さらに、星空の写真では、「漆黒」が表現できる有機ELディスプレイならではの黒さと、最大輝度500nitの明るさで星のきらびやかさを同時に表現できており、まるでその場で夜空を眺めているかのようなリアルさに息を呑んだ
プロのクリエイターが仕事で使うなら拡張性の高さも求めたいところだ。その点、本機は、最大2つの4K画面が出力できる最新のThunderbolt 4対応USB Type-Cポートを2基、USB3.2 Gen2 Type-Cポートを1基装備しているうえ、HDMI出力ポートやMini DisplayPort、有線LANポートなどが搭載されたインターフェイス拡張ハブ「AERO」が標準で付属しており、さまざまな用途で活躍してくれる。また、「Windows Hello」の顔認証に対応したWebカメラも搭載しており、外出先の現場などでも簡単かつセキュアにOSにサインインすることが可能だ。


外部インターフェイスは、左側面にUSB3.2 Gen2 Type-Cポート、ヘッドホン出力/ヘッドセットポートを、右側面にThunderbolt 4対応USB Type-Cポート×2を搭載。ディスプレイの上部には「Windows Hello」の顔認証に対応したWebカメラを装備しており、オンラインミーティングにももちろん対応できる


USB-Type Cポートに接続して使用する、インターフェイス拡張ハブ「AERO」が付属。拡張ハブが搭載しているポートは有線LANポート、USB3.1 Gen1 Type-Aポート、Mini DisplayPort、HDMI出力ポートの4つで、デスクワークなどでは、さまざまな機器と接続できて便利。なお、ハブの持ち運びに便利な専用ケースとUSB Type-C対応の延長ケーブルも付属する
ボディアルミニウム合金をCNC加工して作り出された
洗練のデザイン
圧倒的なパフォーマンスや機能を備えた「AERO 16」だが、そのボディもハイエンドと呼ぶのにふさわしい出来だ。光の反射が美しい「ムーンシルバー」のカラーをまとったボディは、アルミニウム合金をCNC加工(コンピューター数値制御)して作り出されたユニボディとなっており、金属ならではの高い質感を持ちつつ、エッジの立ったデザインがシャープな印象を与えてくれる洗練されたもの。さらに、上下左右のベゼルをすべて細くした4辺狭額縁デザインを採用したことで、16型という比較的大型のディスプレイを搭載しながら、コンパクトなサイズを実現。しかも、高性能パーツを搭載しながらも、その重さは2.3kgに抑えられており、外出先の現場などに持ち出す際もさほど負担を感じることはない。


アルミニウム合金からCNC加工で作り出されたスタイリッシュなボディは、金属素材ならではのラグジュアリー感のある仕上がり。サンドブラスト加工が施された天面に配されたロゴは、起動すると淡く光り、デザイン上のアクセントになる。さらに、キートップやタッチパッドをブラックカラーにすることでモノトーン感を演出するなど、細部にまでこだわった意匠となっている


上下左右のベゼルを極限まで細くした4辺狭額縁デザインを採用したことで、映像への没入感が高まるだけでなく、本体サイズも356(幅)×248.5(奥行)×22.4(高さ)mmと、一般的な15.6型ノートPCと同等のコンパクトなサイズを実現。トートバッグに収まるサイズ感だ

高性能なパーツを多数搭載しながらも、その重量は2.3kgと、16型ノートPCとしては比較的軽量。クリエイターでもパソコンを持ち運んで仕事をすることが多い時代に突入したが、これなら自宅からオフィス、そして外出先の現場へと気軽に持ち出せるだろう
まとめクリエイターが求めるスペックがギュッと詰まった
超高性能ノートPC
クリエイターにとって大切な商売道具である「パソコン」。その性能や機能によって、1時間で「100」できる作業が、「70」になったり、「150」になったりすることもある。そうなると、できるだけ高性能なモデルを購入すべきであることは確かだ。そして、クリエイターでもパソコンを持ち運ぶ機会が増えた近ごろのワークスタイルを考慮すれば、携帯するのにも無理がないボディサイズが望まれる。
そんなニーズにぴったりとハマるのが、今回レビューしてきたGIGABYTEの16型ノートPC「AERO 16 XE4-73JP914HH」だ。CPUに14コア/20スレッドの「第12世代インテル® Core™ i7-12700H プロセッサー」を採用したうえ、高性能GPU「NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU」と、DDR4-3200の16GB メモリー、PCI Express 4.0 x4接続の1TB SSDを搭載し、さまざまなクリエイティブ作業が快適に行える圧倒的パフォーマンスを備えている。
さらに、4K+解像度を持つアスペクト比16:10の16型有機ELディスプレイは、高い作業効率を実現するだけでなく、プロユースにも応えられる色の正確性が担保されているし、アルミニウム合金をCNC加工して作り出されスタイリッシュなボディは、16型ノートながら無理なく持ち運べるサイズ感となっていた。クリエイティブな作業を行うことが多い人で、新しいパソコンの購入を考えているのであれば、クリエイターが求めるスペックがギュッと詰まった、超ハイスペックノート「AERO 16 XE4-73JP914HH」は絶対に見逃せないモデルと言えそうだ。
なお、今回レビューで使用した「AERO 16 XE4-73JP914HH」よりも、手ごろな価格を実現した「AERO 16 KE4-72JP914HP」というモデルも用意されているので、予算に限りがある人は、こちらもチェックしてみてほしい。レビューで使用したモデルとの違いは、OSが「Windows 11 Pro」に、GPUが「NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU」になっている点のみ。こちらもクリエイター要注目のモデルだ。
型番 | ![]() |
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レビュー使用モデル![]() |
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OS | Windows 11 Pro | Windows 11 Home | Windows 11 Pro | ||
CPU | 第12世代インテル® Core™ i9-12900HK プロセッサー(14コア/20スレッド、最大5.00GHz) | 第12世代インテル® Core™ i7-12700H プロセッサー(14コア/20スレッド、最大4.70GHz) | |||
ディスプレイ | 16型4K+(3840×2400)、有機ELパネル、X-Rite™+Pantone® Validated認証 | ||||
グラフィック | NVIDIA GeForce RTX 3080Ti Laptop GPU(GDDR6 16GB) | NVIDIA GeForce RTX 3070Ti Laptop GPU(GDDR6 8GB) | NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU(GDDR6 6GB) | ||
メモリー | 32GB(16GB×2、DDR5-4800) | 16GB(8GB×2、DDR5-4800) | 16GB(8GB×2、DDR4-3200) | ||
ストレージ | PCI Express 4.0 x4接続1TB+1TB SSD | PCI Express 4.0 x4接続1TB SSD(空きスロット×1) | |||
外部インター フェイス |
Thunderbolt 4対応USB Type-Cポート×2、USB3.2 Gen2 Type-Cポート×1、ヘッドホン出力/ヘッドセットポート×1 | ||||
拡張ハブ「AERO」 | 有線LANポート×1、USB3.1 Gen1 Type-Aポート×1、HDMI出力ポート×1、Mini DisplayPort×1 | ||||
無線機能 | Wi-Fi 6E(IEEE802.11 ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.2 | ||||
バッテリー 駆動時間 |
7.0時間(消費は使用環境によって異なります) | ||||
本体サイズ | 356(幅)×248.5(奥行)×22.4(厚さ)mm | ||||
重量 | 2.3kg |