スマホナビと何が違う? パイオニア カロッツェリア「楽ナビ」 車載カーナビならではの魅力を徹底解説
カーナビなら、スマートフォンの地図アプリを使えばいい。そう考える人もいると思うが、その選択は果たして“賢い選択”と言えるのだろうか? スマートフォンの地図アプリは、あなたの車を目的地まで“快適に”導いてくれるだろうか? 今回は、あらためて車載カーナビならではの魅力を徹底探求。多くのユーザーから支持されている車載カーナビの王道モデル、パイオニア カロッツェリアの「楽ナビ」を使いながら、「車載カーナビを選ぶべき理由」を解き明かしていきたい。
車載カーナビの魅力車載カーナビとスマホの地図アプリの違いは!?
「楽ナビ」はなぜ人気なの?
最近、カーナビをスマートフォンの地図アプリだけで済ませるという人が増えている。スマートフォンの地図アプリは無料で使えるものも多く、スマートフォンさえ持っていれば導入費用がかからないため、手軽なのは間違いない。いっぽうの車載カーナビは、一般的な一体型(2DIN)タイプで見ても、価格が10万円以上するものもあり、導入コストだけを見ればスマートフォンの地図アプリに軍配が上がるだろう。
だが、車載カーナビには専用機ならではの実力や数多くの魅力があるのもまた事実だ。たとえば、地図の“見やすさ”。画面サイズだけで比較してしまうと、当然小さいより大きい方が見やすいに決まっているが、車載カーナビはドライバー目線でパッと見でもわかりやすいように地図が入念に作り込まれているので、必要な情報が瞬時に視認しやすいうえ、ドライブ関連の情報量も豊富だ。スマートフォンは、手元で使う分には、拡大や縮小などの慣れている操作なので使いやすいのだが、いざ車の中ではちょっと神経を使う感覚がある。
さらに、スマートフォンの地図アプリは、時にすれ違いが難しい細い路地を案内されたりして、冷や汗をかいた人もいると思うが、車載カーナビは各メーカーそれぞれにルート計算のアルゴリズムがあり、道案内の精度の高さも利点としてあげられる。その道案内の精度の基本は、自車位置を正確に表示するかどうか。車載カーナビはGPSに加え、ジャイロセンサーを併用することで、位置、向き、傾きといった車の挙動を検知する。これによって、トンネルや高架下などでGPSからの電波を受信しづらい場所でも正確に自車位置を示してくれる。このように、目的地にたどり着くまでの安心感の高さは、車載カーナビに勝るものはない。
車載カーナビの王道モデルとして、長年高い人気を誇っているカロッツェリアの「楽ナビ」は、スマートフォンの地図アプリとはどのように違うのだろうか? 実走レビューを通じて、車載カーナビならではの魅力を確かめていきたい
また、車載カーナビは車の中で音楽や映像を楽しむためのオーディオ機器という側面もある。このように、多くの魅力を備えている車載カーナビだが、なかでも昔から高い人気を誇っており、今もなおユーザーから支持を集め続けている“定番”モデルがある。それが、パイオニア カロッツェリアの「楽ナビ」だ。1998年の初代モデルの登場以来、地図の見やすさやルート案内のわかりやすさ、自車位置精度の高さなど、同社のフラッグシップモデル「サイバーナビ」譲りの高性能なナビ機能がユーザーに高く評価されており、加えてリーズナブルな価格を実現していることから多くのユーザーに愛用されている。
そこで、ここでは最新の「楽ナビ」2022年モデル「AVIC-RQ912」を使いながら、「車載カーナビを選ぶべき理由」についてひとつひとつ検証していこう。
「楽ナビ」の魅力①ナビ機能の使いやすさ地図表示やルート案内など、
ナビ機能がとても見やすい&使いやすい
「楽ナビ」のユーザーの満足ポイントが地図の見やすさだという。ちなみに、地図は見た目は2Dであっても、実際の道路には起伏があったりするもの。平面上の地図だけで走るのと、実際起伏がある道路を走り続ければ、誤差がたまってくるわけだ。「楽ナビ」の地図には、そういった細かいデータまで埋め込まれていて、より正確な自車位置を表示させ、的確なルート案内を可能にしている。
今回は、「楽ナビ」とスマートフォンの地図アプリで同じ目的地を設定して、比較しながら走行してみたのだが、画面上の地図の見やすさがまるで違うことを体感した。カーナビの地図は、走行中にちらっと画面を見ただけで瞬時に情報を把握できるわかりやすさが求められる。今回使用した「AVIC-RQ912」は、9V型という大画面ではあるものの、「楽ナビ」地図の色味や地名などの文字がとにかく見やすいのだ。たとえば、「楽ナビ」では道路の1本1本までリアルな形状のグラフィックで描かれているので、一瞬見ただけで実際の道幅を想像することができる。これは、大きな幹線道路だけでなく、細街路にまで至っており、「この路地は、安心して通れそうだ」とか、「このあたりを曲がると、かなり細い道なのですれ違いは難しそうだ」といった判断が、地図を見るだけで瞬時にわかるのだ。
「楽ナビ」は、地図表示やルート案内がとてもわかりやすい。地図は、細街路の道路幅までもがリアルなグラフィックで描かれているうえ、駅名や地域名などは目立つように背景色が加えられているなど、細部にわたって見やすさにおける工夫が施されている。また、一方通行のマークなどもくっきりとした表示でわかりやすく、50mスケールや100mスケールに対応している。ほんの一瞬、画面を見ただけで一方通行まで把握できるのは、スマートフォンの地図アプリとの大きな違いと言えるだろう
また、スマートフォンの地図アプリでは一方通行の表示が小さくてわかりづらかったのだが、「楽ナビ」ではくっきりと見やすく表示されていたので、安心感が違った。さらに、細街路を走行している際に便利に感じたのが、「一時停止」の場所をアイコンと音で示してくれることだった。停止しなければならない場所がはっきりわかるため、住宅街など細い道でもいつもより安全に通行することができたように感じた。たまたま、今回の検証中に一時停止違反の取り締まりに遭遇。一時停止の標識がやや確認しづらい場所だったのだが、「楽ナビ」の的確な一時停止案内によって、その信頼性や安全性の高さが実感できた。
「楽ナビ」では、一時停止案内をアイコンと音で的確に知らせてくれる。さらに、わかりづらい高速道路の入口やジャンクションの分岐などでは、リアルなイラストとともに逆走を注意する案内も表示されるなど、「楽ナビ」には安全運転をサポートしてくれる機能が豊富に用意されている
また、「楽ナビ」は地域名や道路名称などの情報が豊富で、案内看板は右左折時だけでなく交差点を通過する際にも表示されるので、現在地や進行方向を常に把握しながら走行することができる。また、建物名やアイコン情報なども豊富に用意されているので、検証中には知らなかった飲食店やショッピングセンターなどを新たに発見するといったことも多くあった。便利なのが、コンビニなどのアイコンの下に表示される、「スマートロゴマーク」と呼ばれる機能だ。これは、店舗に駐車場がある場合にはアイコンの下に「P」マークが表示されるというもの。都内のコンビニなどは駐車場がない店舗も多いので、「地図に表示された近くのコンビニに行ってみたけれど、駐車場がなかった・・・・・・」と肩を落とす心配がなくなるのはうれしい。
「楽ナビ」とスマートフォンの地図アプリとの違いのひとつとして、交差点拡大表示もチェックしておきたい。交差点を曲がる際に、「楽ナビ」では通常の地図表示の隣に交差点案内図が拡大表示されるので、曲がるポイントがわかりやすい。これなら、複雑な交差点でも安心して曲がることができる
「楽ナビ」の地図表示は、道路や案内看板、建物やアイコン、文字に至るまで、さまざまな情報が瞬時に判別できるように、1ドット単位でチューニングが施されているという。実際に、「楽ナビ」のルート案内に従ってクルマを運転していると、地図で示された情報が視界の中に的確に現れるために、目の前の風景と「楽ナビ」の地図が頭の中でリンクしていくかのような感覚が得られるとともに、大きな安心感を覚えた。これは、スマートフォンの地図アプリを使っているときには感じられなかったものだ。
「楽ナビ」の地図は、文字や案内標識、道路の境目までもがくっきりと表示されており、必要な情報を瞬時に把握することができる。また、マップ左下の方位マークをタッチすると、「ヘディングアップビュー」「スカイビュー」「ノースアップビュー」など、地図の表示モードを簡単に切り替えることができる
ルート計算のアルゴリズムは各社独自のものがあると冒頭に説明したが、スマートフォンの地図アプリに限らず、多くのカーナビでは現在地から目的地までの「距離」で計算するものが多いのだが、「楽ナビ」は、目的地までの「時間」を優先したルート探索を行う。どの道がどのくらい混んでいるか、幅が広くて走りやすい道なのか。さまざまなデータを加味し、独自のアルゴリズムで「最も効率的な」ルートを提示するというところには、長きにわたって開発してきたノウハウが求められる。
実際、今回の検証でも、スマートフォンの地図アプリが提示したルートと、「楽ナビ」が提示した「推奨」ルートには違いが見られた。スマートフォンでは、幹線道路をそのまま直進するように案内していたが、「楽ナビ」は左折するように指示があった。実は、そのあたりはよく知っている場所だったのだが、幹線道路を直進すると混むことが多いので、距離は少し遠回りになるものの、到着時間を考えると左折するほうが確実という場所だった。このような違いを目の当たりにすると、さすが長年カーナビの進化をけん引してきた「楽ナビ」には、やはり一日の長があるのだなと感じる。
「楽ナビ」は、目的地を検索、設定すると、合計6つのルートが候補としてリストアップされ、 距離や所要時間、料金などをわかりやすく表示してくれる。なお、リストに表示された一番上の 「推奨(有料標準)」ルートは、5番目の「距離優先(有料標準)」ルートよりも走行距離が 約11.3km長いものの、所要時間は30分も短いなど、「6ルートリスト」ならではの さまざまな選択肢を提案してくれる
「楽ナビ」はスマートフォンのテザリングで通信機能を使えば、ユーザーの走行データを含む膨大なリアルタイムの交通情報を入手することができる。それによって渋滞回避能力が高まり、目的地までのスムーズな案内を可能にする。通信機能を使用しなくても、渋滞予測データがルート探索に反映される
「楽ナビ」の魅力②車室内を格上げするAV機能HDMI接続で広がる車内エンタメ
車の中での退屈しのぎのために、CDやDVDをたくさん持ち込んだりするのは、一昔前の話。今はスマートフォンがあれば、音楽や動画コンテンツなどどこでも楽しめる。では、それを車載カーナビにつなげて、どう使うのが今どきなのか?スマートフォンをBluetoothで接続して音楽を楽しむのもひとつ、さらに「楽ナビ」にはHDMI入力に対応しているため、スマートフォンやストリーミングメディアプレーヤーなどをケーブルでつなぎ、「YouTube」「Amazon Prime Video」「Netflix」などのさまざまな動画配信サービスを、カーナビの大画面で楽しむことができる。最近車の中でも大画面化のニーズが高まっているが、今回使用した「AVIC-RQ912」は9V型という大画面なので、その迫力もかなりのものだった。渋滞などで退屈のあまりぐずりだす子供がいるファミリーには魅力的なシステムアップが、リアモニターだ。「楽ナビ」で再生している映像を、リアモニターに出力すれば、後席に座る同乗者が、飛行機のプライベートモニターのように映像コンテンツを楽しめる。
「楽ナビ」とスマートフォンを、HDMIケーブルで接続するだけで準備完了。「YouTube」「Amazon Prime Video」「Netflix」といったさまざまな動画配信サービスを、カーナビの大画面に映し出して楽しむことができる(※楽ナビとスマートフォンのHDMI接続には別途、変換アダプタ―が必要)
ストリーミングメディアプレーヤーの接続も可能だ。今回の検証では、「Amazon Fire TV Stick」を接続してみた。複雑な設定は一切なく、HDMIケーブルをサクッと接続するだけで車内エンタメを楽しめるのが手軽でうれしい
「楽ナビ」に搭載されている液晶ディスプレイには、美しく高精細なHD(1280×720)パネルが採用されている。さらに、視野角の広いIPSパネルを採用するうえ、黒色の再現性にすぐれたNormally Black方式、高輝度LEDバックライトの採用などによって鮮明な高画質を実現しているので、外光に影響されやすい車内でも映像をクッキリと楽しめる。今回の検証では、クルマを駐車スペースに止めて、実際に映像コンテンツを視聴してみたのだが、「楽ナビ」のきれいな大画面で見る映像に、しばらく時間を忘れて見入ってしまったほどだ。
高精細なHDパネルを採用した「楽ナビ」は、鮮明かつ高コントラストな映像表示を実現しており、視認性も高い。地図表示はもちろんのこと、車内で地デジや動画コンテンツを楽しむ際にもHDパネルの恩恵を存分に感じられた。
また、車内でYoutube、動画や音楽ストリーミングを楽しむのに、スマートフォンのデータ容量が気になる人には、カロッツェリアの車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」(27,500円/別途通信プラン)がおすすめだ。LTEデータ通信が車の中で使い放題、5台まで接続できるので、家族やグループでのドライブに重宝するアイテムだ。
まとめだからこそ使いたい! カロッツェリア「楽ナビ」
たとえば、運転中にカーナビの画面を見ることができるのはほんの一瞬、1秒にも満たない時間だろう。その、コンマ何秒の間にドライバーがどれだけの情報を把握できるのか? これが、本来カーナビが追求してきたテーマだが、このことを考えた時に車載カーナビ、とりわけ「楽ナビ」は、格段に情報が見やすく、わかりやすかった。案内してくれるルートも実に自然であり、常に道路状況を把握しながら走行できるので、目的地までスムーズに、かつ安心してドライブを楽しめたのは言うまでもない。また、カーナビは道案内のツールだけでなく、車内をエンタメ空間にするAV機器ということも再認識。普段便利に使っているスマートフォンを接続して車の中で楽しむ環境があれば、車というプライベート空間が格上げするような感じがする。車内エンタメの充実という観点から見ても、「楽ナビ」などの車載カーナビを選ぶ価値は十二分にあると言えるだろう。
導入コストが安く済むのが、スマートフォンの地図アプリの最大のアドバンテージである。しかし、目的地まで安心してたどり着くこと、車内で過ごす時間をより楽しいものにすることなど、“クルマ”の役割や目的を考えたときに、車載カーナビを選ぶことは実に自然な選択であるように思えるのは、きっと筆者だけではないだろう。






