最新世代CPU&DDR5メモリー搭載 最新仕様にパワーアップした高コスパ・ゲーミングノート 「Dell G15 Ryzen™ Edition」レビュー

本格ゲーミング仕様の高コスパモデルとして人気が高い、デル・テクノロジーズの15.6型ゲーミングノート「Dell G15 Ryzen™ Edition」シリーズが、スペックを強化してリニューアル。12万円台※1からという求めやすい価格ながら、CPUに最新世代のAPU「AMD Ryzen™ 6000 シリーズ・プロセッサー」を、メモリーに次世代規格のDDR5を採用し、処理性能がこれまで以上にアップした。もちろん、ゲーミングノートで重要な高性能ディスクリートGPUや、強力な冷却システム、高速駆動の液晶ディスプレイなどもしっかりと装備している。ここでは、新しい「Dell G15 Ryzen™ Edition」の実力に迫った。 ※1 最小構成価格(税込)。2022年6月24日時点

処理性能人気ゲームタイトルがサクサク遊べる、高い処理性能

高い処理性能を備えた本格ゲーミングノートというと、価格のボリュームゾーンは20万円前後。一般的なノートPCに比べるとかなり値が張るのが普通だが、そんな常識を打ち破るようなリーズナブルな価格を実現して支持されているのが、デル・テクノロジーズの15.6型ゲーミングノート「Dell G15 Ryzen™ Edition」シリーズだ。

とりわけ2021年5月に発売された前モデルは、同社のプレミアムゲーミングブランド「Alienware(エイリアンウェア)」の設計思想を受け継いだ本格仕様でありながら、11万円台からという一般的なノートPC並みの価格を実現し、ゲーマーの心をわしづかみ。特に、ミドルクラスの「Dell G15 Ryzen™ Edition (5515)プラチナ(RTX 3060搭載)」は、発売から約1年が経っても価格.com「ゲーミングノートPC」カテゴリーの人気売れ筋ランキングにおいて第1位にランクイン(2022年5月27日時点)するなど、価格.comユーザーからも高く支持されたモデルだった。

今回取り上げるのは、そんな「Dell G15 Ryzen™ Edition」シリーズの、2022年4月に発売された最新モデルである。今回のリニューアルで特に強化されたのは、パソコンの頭脳となるCPU。CPUメーカー、AMDからリリースされた最新世代APU「AMD Ryzen™ 6000 シリーズ・プロセッサー」をいち早く搭載したのだ。さらに、メモリーは従来規格のDDR4から、より高速な次世代規格のDDR5へアップグレード。それでも価格が12万円台※1からに抑えられているのだから、コストパフォーマンスはすこぶる高い。

Dell G15 Ryzen Edition

今回の検証に用いた「Dell G15 Ryzen™ Edition【価格.com限定】プラチナ(RTX3060搭載)」。ボディカラーは「ファントムグレー」で、天面やパームレスト面全体に粒子状のアクセントが施された風合いが特徴的だ

今回は、価格.com限定モデルとなる15万円台※2の「Dell G15 Ryzen™ Edition【価格.com限定】プラチナ(RTX3060搭載)」を使用して、その処理性能をチェックしてみた。CPUに採用されているのは、8コア/16スレッドの「AMD Ryzen™ 7 6800H プロセッサー」(3.2GHz-最大4.7GHz)。メモリーには16GBのDDR5を、ストレージには512GBのPCIe接続SSDを搭載。さらに、パワフルなディスクリートGPU「NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU」を備えており、同価格帯のゲーミングノートの中ではスペックの高さが際立っている。 ※2 ファントムグレーの場合。税込。価格.com掲載価格(20%OFFクーポン適用時)。2022年6月24日時点

Dell G15 Ryzen Edition Dell G15 Ryzen Edition

パソコン情報表示ソフト「CPU-Z」でCPU情報を見ると、搭載する「AMD Ryzen™ 7 6800H プロセッサー」は6nmのプロセスルール(配線の細さ)を採用したCPUであることがわかる。前世代の7nmよりも微細化が進んでおり、処理性能の向上が期待される。また、メモリー情報からはDDR5-4800を搭載していることが確認できた。前モデルに採用されていたDDR4-3200より、帯域幅(データ転送速度)が理論値で1.5倍にもなる高速メモリーだ

ベンチマークテストで示された、ミドルハイクラスのパフォーマンス

その性能を確かめるべく、冷却ファンの出力を最大に設定したうえで、各種ベンチマークプログラムを実行してみた。CPUとメモリーの世代以外は同スペックだった前モデル「Dell G15 Ryzen™ Edition (5515)プラチナ(RTX 3060搭載)」のスコアと比較してみると、最新モデルで行われたCPUとメモリーのアップグレードが確実に効いており、各種ベンチマークプログラムで軒並み前モデルを大きく上回る結果が得られた。高性能が特徴のゲーミングノートの中でも、本機はミドルハイに位置付けられるパフォーマンスを備えていると言えるだろう。

CPUの処理性能をチェックするベンチマークプログラム「CINEBENCH R23」では、マルチコアが13152、シングルコアが1513という結果に。前モデルよりもマルチコアで約3割、シングルコアで約1割、スコアがアップしている。また、パソコンの総合処理性能を測るベンチマークプログラム「PCMark 10」では、前モデルが6389であったのに対し、最新モデルではその約1割増しとなる6938をマークした

3DMark Time Spy(ディスクリートGPU使用時)
Dell G15 Ryzen Edition

グラフィック処理性能を測るベンチマークプログラム「3DMark」の「Time Spy」テストでは、前モデルの8796を100ポイント以上上回る8932をマーク。グラフィック処理においても確かな性能向上が確認できた

3DMark Time Spy(インテグレーテッドGPU使用時)
Dell G15 Ryzen Edition

CPU内蔵のGPU「AMD Radeon™ 680M」に切り替えてテストしたところ、スコアは2572を記録。インテグレーテッドGPUでも、カジュアルにゲームを楽しむうえで必要十分なグラフィック性能を備えていた。ACアダプターを接続していない場合など、電力消費を抑えて気軽にゲームをプレイしたい場合は、インテグレーテッドGPUを使用するのも手だ

重量級のAAAタイトルまで十分にプレイ可能

論より証拠ということで、まずは中程度の負荷の人気バトルロイヤルゲーム「PlayerUnknown‘s Battlegrounds」(PUBG)をプレイしてみたところ、フルHD/最高画質設定で130〜140fps程度の高フレームレートで軽々と動作した。まだまだ余力があると見て、重量級のAAAタイトルとなるFPS「Battlefield 2042」をフルHD/最高画質設定でプレイしてみると、「PUBG」ほどのヌルヌル感はないにせよ、プレイするうえでまったく支障がない90fps前後をキープ。これだけの処理性能があれば、幅広い人気ゲームを快適にプレイできるはずだ。

Dell G15 Ryzen Edition Dell G15 Ryzen Edition

「PUBG」では、敵と激しく衝突するグラフィック負荷がかかる場面でも120fps以上の高フレームレートをキープ。指先の動きと画面の動きが直結するような感覚で戦えた。AAAタイトルと言える高負荷な「Battlefield 2042」でも、最高画質設定で90fps前後、高画質設定で100fps前後のフレームレートが出ており、趣味でプレイする分には十分快適だ

ボディ快適なゲーミング環境を実現するボディ設計

「Dell G15 Ryzen™ Edition」の高いゲーミングパフォーマンスを支えているのは、基本スペックの高さだけではない。とりわけ注目したいは、搭載するハイスペックを生かし切れる強力な冷却システムを採用している点だ。

CPUやGPUは高性能・高負荷になるほど発熱しやすくなるが、あまりに高温になると熱暴走を抑制するため、リミッターが発動して処理性能が一定限度に抑えられてしまう。そのため、どれほどハイスペックなモデルであっても、冷却性能が不十分ではそのポテンシャルを最大限に引き出すのは難しい。そこで、「Dell G15 Ryzen™ Edition」は、ヒンジの後部を大きく突出させることで、「Alienware」ゆずりの強力な冷却システムを搭載。大型ヒートパイプと強力なデュアルファンの組み合わせによって、効率的な冷却を可能にしているのだ。

Dell G15 Ryzen Edition Dell G15 Ryzen Edition

キーボード面上部と底面の吸気口から外気を取り込み、ヒンジ後部と両サイドの排気口から熱気を放つエアフローを採用。一般的なゲーミングノートに比べて吸排気口の開口部が大きく、ボディの見た目からも冷却効率が重視されていることがわかる

Dell G15 Ryzen Edition Dell G15 Ryzen Edition

CPUとGPUには熱伝導率の高い銅製ヒートパイプが取り付けられ、大型デュアルファンで強力に冷ます構造だ。冷却ファンの出力を最大に設定したうえで、GPUに100%の負荷をかけてみたが、GPUの温度は安全圏の70℃台にとどまり、動作クロックは高いままを維持できることが確認できた

突出させたヒンジの後部に、主な外部インターフェイスが集約されているのもポイントだ。映像出力端子となるHDMI出力ポートと2基のUSBポート、電源ポートが設けられているので、外部ディスプレイやマウスなどといった主要な外部周辺機器は背面側にケーブリングすることが可能。ボディの左右が配線でふさがらないので、マウスなどを自由に動かすことができ、のびのびとプレイできる。

Dell G15 Ryzen Edition Dell G15 Ryzen Edition

背面の外部インターフェイスは、USB3.2 Gen 1 Type-Cポート(映像出力対応)、USB3.2 Gen1 Type-Aポート、HDMI出力ポート、電源ポート。左側面には2.5Gbps対応の有線LANポート、ヘッドホン/マイク端子を、右側面にはUSB3.2 Gen1 Type-Aポート×2を装備する

120/165Hz駆動のディスプレイが素早い動きに対応

手ごろな価格帯のゲーミングノートは、リフレッシュレートが60Hzの一般的なディスプレイを採用したものが多いが、「Dell G15 Ryzen™ Edition」はディスプレイについてもしっかりとゲーミング仕様。本機は120Hz駆動および165Hz駆動の15.6型フルHD(1920×1080)液晶ディスプレイを採用している。

今回検証に使用した「Dell G15 Ryzen™ Edition【価格.com限定】プラチナ(RTX3060搭載)」が搭載するディスプレイは120Hz駆動となるが、バトルロイヤルゲームやFPS、レーシングゲームなど、動きの素早いゲームを、残像感の少ないなめらかな表示で楽しめた。また、画面への映り込みが少ない非光沢パネルを採用しているのも、ゲームに集中しやすいポイントだ。

Dell G15 Ryzen Edition Dell G15 Ryzen Edition

「Dell G15 Ryzen™ Edition【価格.com限定】プラチナ(RTX3060搭載)」のディスプレイに、レーシングゲームのハイライト映像を表示してみた。クルマが高速に走行するシーンでも、カーボディのツヤやかな光沢やボディに映り込む景色などが緻密かつなめらかに再現され、ゲーミングディスプレイならではの描画性能の高さが確認できた。視野角も十分で、斜め約80°から画面を覗き込んでも明るさや色の変化が少ない

好みの色と柄をチョイスできる3種類のカラーバリエーション

カラーバリエーションが増えたことも、新しい「Dell G15 Ryzen™ Edition」の注目ポイントだ。本特集で検証に使用してきた「ファントムグレー」に加え、新色の「スペクターグリーン」と「ダークグレー」が用意されている。また、ボディカラーによって柄が異なるのも特徴で、「ファントムグレー」にはボディ全体に粒子状のアクセントが、「スペクターグリーン」にはパームレストに迷彩模様が施されている(「ダークグレー」は無地)。カラーバリエーションが用意されたゲーミングノートは少ないので、本機のように好みに合わせてカラーを選べるのはうれしい。

標準カラーの「ファントムグレー」は、ボディ全体に粒子状のアクセントが施された独特の風合い。迷彩柄がパームレスト一面に広がる「スペクターグリーン」は、特に戦闘ゲームでテンションを上げてくれそう。シックで普遍性の高い色味の「ダークグレー」は、さまざまなシーンにマッチしそうだ

使い勝手最適なゲーム環境を作り出す
「Alienware Command Center」が便利

本格的にゲームを楽しむうえでは、環境を自分好みに設定できるかどうかも大切な要素。その点、「Dell G15 Ryzen™ Edition」では、「Alienware」にプリインストールされているものと同じ、ゲーミング専用ユーティリティソフト「Alienware Command Center」が利用できるのがメリットだ。このソフトによって、CPU/GPUの温度監視はもちろん、冷却ファンや電源プランの設定などをタイトルごとに行える。たとえばパフォーマンス第一のFPSはハイパフォーマンスで、長時間プレイするRPGは低発熱の静音環境で楽しむなど、柔軟な楽しみ方が可能だ。

また、「Alienware Command Center」は、「AlienFX」のRGBライティングに対応した「Alienware」純正アクセサリーのカラー設定にも対応。マウスやキーボードを「Alienware」ブランドで取り揃え、ゲームの雰囲気に似合ったカラーで光らせれば、ゲームへの没入感をさらに高められる。

Alienware Command Center
Dell G15 Ryzen Edition Dell G15 Ryzen Edition

「Alienware Command Center」で冷却ファンや電源プランなどをタイトルごとに設定しておけば、ゲームプレイのたびにいちいち環境を調整する必要がない。また、Shift+F9キーを押すと、冷却ファンの出力を最大化する「Gモード」をオンにできるので、高負荷時は素早くパフォーマンスを引き出せる

Dolby Access
Dell G15 Ryzen Edition

ゲームプレイにおいて、サウンドも重要な要素。本機は、高品位サウンドソフト「Dolby Access」を搭載しており、イコライザーを使って好みの音質に調整できる。立体音響技術「Dolby Atmos」対応のヘッドセットなどを使用すれば、音の位置や動き、サイズやフォーカスを立体化でき、臨場感がさらに高まる

反発力にすぐれたキーボードが素早い操作を可能に

搭載するキーボードも、ゲームプレイに適した確かな作りだ。ゆとりのあるフルサイズキーボードであるのはもちろんのこと、押下時の反発スピードが速いうえ、ガタつきが少なく、指に吸い付くような感覚で素早く操作できた。また、白色バックライトを搭載しているので、暗がりでゲームの世界に浸りながらプレイするのにも適している。

このほか、ゲーミング向けの高品位な無線LANチップ「MediaTek Wi-Fi 6 MT7921(2x2)」を搭載しているのも魅力。高速で安定した無線LAN接続によって、コンマ1秒を争うネットワーク対戦もワイヤレスで安心して行える。

Dell G15 Ryzen Edition Dell G15 Ryzen Edition

ゲームでひんぱんに使用するShiftキーやfnキーなど、外周のキーに崩れが少ないのも本機の特徴。バックライトの発光カラーは白色のみだが、2段階の明るさ調整が可能で、暗がりでの視認性も上々だ

Dell G15 Ryzen Edition Dell G15 Ryzen Edition

主要キーのキーピッチは実測約19mmのフルサイズ、キーストロークは実測約1.3mm。強めに押し込んでもたわみにくい作りで、操作が少々ハードになっても安心

Dell G15 Ryzen Edition

FPSを1時間ほどプレイしてみたが、キーボード面にゆるやかな傾斜が付いていることもあり、素早い操作も的確に行えた。無線LAN接続も有線LAN接続と遜色ないほど安定しており、操作感は総じて良好だった

まとめ手ごろな価格ながら、
重量級のAAAタイトルまで楽しめる本格仕様に脱帽

12万円台※1からという価格を見て、「Dell G15 Ryzen™ Edition」を入門者向けのゲーミングノートと判断してはいけない。最新世代の高性能APU「AMD Ryzen™ 6000 シリーズ・プロセッサー」と、次世代規格のDDR5メモリーを採用することでパワーアップした本機は、本格ゲーミングノートと称したくなるほどに高い処理性能を発揮してくれるのだ。

実際、今回レビュー機に使用した「Dell G15 Ryzen™ Edition【価格.com限定】プラチナ(RTX3060搭載)」は、パワフルなディスクリートGPU「NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU」を搭載することもあり、高負荷なゲームを高フレームレートでプレイすることができた。これだけの性能なら、たいていの人気タイトルは快適にプレイできるだろう。

また、プレミアムゲーミングブランド「Alienware」ゆずりのコアなゲーミング仕様も、本機の魅力のひとつ。銅製ヒートパイプとデュアルファンで構成された強力な冷却システムによって、高負荷時でも高いパフォーマンスを引き出し続ける様は圧巻だし、ゲーミング専用ユーティリティソフト「Alienware Command Center」によって、ゲームタイトルごとに冷却ファンや電源プランの設定が行えるのもありがたい。このほか、高速駆動の液晶ディスプレイや、使い勝手にこだわったキーボード、高速で安定した無線LANチップセットを搭載するなど、総合的に見て高いゲーミング性能を備えていると言える。

ゲーミング性能にも、コストパフォーマンスにも妥協したくないという人は、本機をぜひチェックしてほしい。

Dell G15 Ryzen Edition
AMD Ryzen™ 7 6800H プロセッサー /
16GBメモリー / 512GB SSD / GeForce RTX 3060
Dell G15 Ryzen™ Edition価格.com限定
プラチナ(RTX3060搭載)
Dell G15 Ryzen Edition
主なスペック
CPU AMD Ryzen™ 7 6800H プロセッサー(3.2GHz-最大4.7GHz)
グラフィック NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU
OS Windows 11 Home 64bit
メモリー 16GB DDR5
ストレージ 512GB SSD(PCIe接続)
光学ドライブ なし
ディスプレイ 15.6型フルHD(1920×1080)液晶ディスプレイ(120Hz駆動)
有線LAN 10/100/1000/2500Mbps
無線通信 IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth v5.2
外部インターフェイス USB3.2 Gen1 Type-Cポート(映像出力対応)、USB3.2 Gen1 Type-Aポート×3、HDMI出力ポート、2.5Gbps対応有線LANポート、ヘッドホン/マイク端子
サイズ 約357.26(幅)×272.11(奥行)×26.9(厚さ)mm
重量 約2.52kg
カラー ファントムグレー/ダークグレー/スペクターグリーン
Office なし
この記事は2022年06月24日の情報を基にしております。