炊く「水」によってもおいしさは変わっていた!水に合わせておいしく炊き分ける東芝の最高級炊飯器「炎匠炊き RC-10ZWT」実食レポート
2022年4月に発売された東芝の真空圧力IHジャー炊飯器「炎匠炊き」シリーズの最高級モデル「RC-10ZWT」。その最大のトピックは、炊飯に使用する「水の硬度」をあらかじめ設定しておくことで、炊き方を調節し、五ツ星お米マイスターがそのおいしさを認める硬度30mg/L前後の水で炊いたような、かたさと粘りのバランスが取れた、おいしいごはんに炊き上げてくれることだ。水の違いにまで着目して開発された東芝の最高級炊飯器の実力を、とくとご覧あれ。
水へのこだわり水の硬度に合わせて炊き分け。
いつもの水で理想のおいしさに
火力によって、ごはんの炊き上がりが変わることはご存じだと思うが、炊飯に使用する「水の硬度」によっておいしさが変わることはあまり知られていない。実は、炊飯によく利用される水道水の平均硬度は東京が約65.1mg/L※1なのに対し、米どころ、新潟では約33.0mg/L※1と低めだという。実際、“お米のプロ”と言える五ツ星お米マイスターも、硬度30mg/L前後の水で炊いたごはんは甘みがちょうどよく、もちもち感とやわらかさのバランスがいいと推奨しているという。普段食べているごはんよりも、米どころで食べるごはんがおいしいと感じるのは、「水の質(硬度)が違うから」という理由もあったのだ。
そんな、ごはんを炊く「水」にまで着目して開発されたのが、2022年4月に発売された、東芝の真空圧力IHジャー炊飯器「炎匠炊き」シリーズの最高級モデル「RC-10ZWT」だ。本機の最大の特徴は、炊飯に使用する水の硬度をあらかじめ設定しておくことで、理想とされる硬度30mg/L前後の水で炊いた時のような、おいしいごはんに炊き上げてくれること。たとえば、平均硬度が約65.1mg/L※1東京の水道水を使用しても、硬度30mg/L前後の水で炊いた時のような甘みを引き出し、かたさと粘りのバランスを取ってくれる。つまり、いつもの水でも“米どころで炊いたごはん”のようなおいしさが味わえるというわけだ。
東芝の真空圧力IHジャー炊飯器
「炎匠炊き RC-10ZWT」日本初の自動式電気釜を発売した東芝の炊飯技術が結集されているのはもちろんだが、炊飯に利用する「水(の硬度)」にも注目した点が新しい。住まいの地域をあらかじめ設定しておけば、水道水を使って五ツ星お米マイスターが推奨する硬度30mg/L前後の水で炊いたようなおいしいごはんを炊くことができる

米どころである新潟や秋田などの水道水の平均硬度が30mg/L前後※1なのに対し、東京の水道水の平均硬度は約65.1mg/L※1と高め。同じ水道水でも、地域によってこれほど硬度に差がある。これが、炊いたごはんのおいしさに影響してくるのだ
いつもの水でおいしく炊けるは本当? 水による炊き分け機能を検証
内釜の素材や火力にこだわった炊飯器は数あれど、水の硬度にまで着目し、炊き方を調節してくれる炊飯器というのは聞いたことがない。早速ごはんを炊いてみたいところだが、はやる気持ちを抑え、まずは、水の硬度が違うと、なぜごはんの炊き上がりに差が出るのか、その基本原理を確認しておこう。
水の硬度が炊き上がりに影響する理由は、水に含まれるカルシウムがお米の吸水を阻害するから。硬度が高い水ほどカルシウムが多い傾向にあるため、お米の吸水を阻害しやすく、かたく、粘りの少ないごはんになりやすい。ということは、硬度の高い水で炊く場合、「RC-10ZWT」は炊飯前の吸水時間を長くしているのではないかと思えるが、物事は素人が考えるほど、単純ではないようだ。東芝の担当者に問い合わせてみたところ、詳細は企業秘密とのことだが、炊飯工程全体を通して炊き上がりを調節する必要があるとのことだった。

硬度が高い水はカルシウムを多く含んでいる。このカルシウムがお米の吸水を阻害するため、硬度が高い水で炊くほど、かたく、粘りの少ないごはんになりやすい。硬度70mg/L前後の水で炊いた場合、硬度30mg/L前後の水で炊いた場合に比べ、粘りが約23%落ちるという
では、前置きはこのくらいにして、実際に「RC-10ZWT」でごはんを炊いてみよう。用意したのは、理想とされる硬度30mg/L前後に近い硬度38mg/L(カルシウム含有量9.5mg/L)の水と、硬度80mg/L(カルシウム含有量27mg/L)の水。お米には、炊き上がりの違いを確かめやすそうな、しゃっきり・さっぱり系の「千葉県産ふさこがね」をチョイスした。
この水とお米を使い、水の炊き分け機能を搭載していない同社製の旧モデルと炊き比べてみたところ、なるほど確かに、「RC-10ZWT」で炊いたごはんは、硬度38mg/Lの水の場合も、硬度80mg/Lの水の場合もかたさと粘りのバランスがよく、水の硬度による炊き上がりの違いがほとんど感じられない。水の硬度に関わらず、噛めば噛むほどお米本来の甘みが口の中に広がる炊き上がりはかけ値なしにおいしい。加えて、「RC-10ZWT」で炊いたごはんは、旧モデルで炊いたごはんより甘みがよりしっかり感じられた。自分が住んでいる地域の水道水で、よりおいしいごはんが炊けるのなら、こんなにうれしい話はない。
なお、旧モデルで炊いたごはんも非常においしいのだが、「RC-10ZWT」で炊いたごはんと比べると、甘みと粘りがやや弱く感じられた。それが硬度80mg/Lになると顕著になる印象で、甘みだけでなく、旨みなどの味わいも淡泊になるところがある。これこそが、水の硬度が与える影響なのだろう。
こだわりの炊き技大火力と回転方向を切り替える熱対流で、ムラを抑えたふっくらとした炊き上がりに
「RC-10ZWT」は水の硬度による炊き分けだけでなく、炊飯技術にもとことんこだわっている。特に注目したいのは、内釜内の熱対流の回転方向を、外回り、内回りと切り替えながらムラを抑えて炊き上げること。業界トップクラス※3の大火力1420WのIHコイルを釜底の内側と外側の二重に配置し、これらのオン/オフを切り替えることで、熱対流の回転方向を変え、内釜全体を高温で均一に加熱して、ごはんをふっくらと炊き上げるのだ。
また、大きな熱対流を起こす内釜の丸底形状や、対流を促進する底部中央の膨らみ、また、底から噴き上げる気泡を増やし、熱を伝わりやすくする「WAVE加工」など、おいしく炊き上げるための技術は内釜にも及んでいる。

内側と外側の二重に配置したIHコイルがオン/オフを切り替えることで、熱対流が外回り、内回りと交互に起きる。これにより、内釜内の中心部までムラなく均一に加熱することが可能になった
熱対流の回転方向が途中で切り替わる「RC-10ZWT」の加熱の様子は、この動画でチェックしてほしい。「RC-10ZWT」では熱対流の回転方向が途中で切り替わり、内釜に入れたそうめんの回転方向が変わるのが見て取れる(*試験モードで加熱しており、通常の使用とは異なります。)
日本全国66銘柄のお米をおいしく食べられる銘柄炊き分け機能
もちろん、お米の銘柄炊き分け機能も搭載されており、特Aランクの銘柄をはじめ、近年の注目銘柄や、各都道府県の作付け割合の高い銘柄を中心に、66銘柄の選択が可能。各銘柄の特徴に基づき、最適な炊飯プログラムでおいしさを引き出してくれるので、日本各地のさまざまなお米の個性を存分に味わうことができる。最近は、全国各地からお米を取り寄せられたり、お店でもさまざまな銘柄が取り扱われていたりと、銘柄の違いを楽しめる機会が増えている。銘柄炊き分け機能を使って、それぞれの銘柄の個性・おいしさを存分に堪能してほしい。
スタイリッシュデザインキッチンをスタイリッシュに彩る、カラータッチ液晶搭載の美しいボディ
「RC-10ZWT」は、「炎匠炊き」シリーズの最高級モデルらしく、デザインにも品がある。フラットな天面には、
業界初※4のカラータッチ液晶を搭載。直感的に操作できる使いやすさと、キッチンの雰囲気に溶け込みやすいシンプルさを両立したボディを実現している。
カラーバリエーションは「グランブラック」と「グランホワイト」。どちらも上品なたたずまいで、さまざまなキッチンに違和感なく溶け込んでくれる。いい意味で生活感を出さない、洗練されたデザインにひと目惚れして購入を決断する人もいるのではないだろうか
毎日使う家電として、お手入れもしやすい
「RC-10ZWT」はお手入れのしやすさにもこだわっている。凹凸が少ないフラットなボディは汚れが拭き取りやすいうえ、お手入れが必要なパーツは3点と少ない。また、炊き込みごはんを炊いた後に残りがちなニオイなどをしっかりと取り除ける「煮沸クリーニング」機能も搭載。普段のメンテナンスでは落としにくい汚れやニオイを蒸気で浮かせ、しっかりとキレイにできるのもうれしい。
まとめ水、火、お米。
すべてにこだわり実現した、納得のおいしさ
お米の銘柄や火力だけでなく、炊飯に使用する「水(の硬度)」によってもおいしさが変わるというのは、コロンブスの卵のような、新発見。確かに、「水」は、「火」「お米」とともに炊飯の3大要素のひとつで、ごはんのおいしさを決定づける重要な要素のはずだが、そこに着目した炊飯器はなぜこれまで存在しなかったのだろう。
実際にさまざまな硬度の水でごはんを炊いてみると、従来の炊飯器では予想以上に使った水の影響を受けていたのに対し、「RC-10ZWT」で炊いたごはんは炊き上がりのバラつきが感じられず、甘みや旨みがしっかりと引き出され、かたさと粘りのバランスがよかったのだ。自分が住んでいる地域の水道水で、理想的な硬度の水で炊いたようなごはんが味わえるというのはなんともうれしい限りだ。また、熱対流の回転方向を切り替える新技術を搭載したおかげだろうか、ごはんに炊きムラがなく、お米一粒一粒がふっくらとしていたのも印象的だった。
それだけでなく、「RC-10ZWT」は東芝の真空圧力IHジャー炊飯器「炎匠炊き」シリーズの頂点に位置する最高級モデルとして、デザインやお手入れのしやすさが追求されているのもうれしいポイント。おいしいごはんが食べられ、高い満足感が得られる炊飯器を求めている人はぜひ本機に注目してほしい。
炎匠炊き「RC-10ZWT」をプロの実演士が紹介!

- ※1 平均硬度の値は公益社団法人日本水道協会の水道水質データベース「給水栓水の水質H30(2018年度)」をもとに、東芝ライフスタイル計算により算出しました。
- ※2 東芝2020年モデルRC-10ZWPかまど名人「おすすめ」コースで比較。硬度30mg/L前後の水で炊いたごはん:1.64KJ/m3、硬度70mg/L前後の水で炊いたごはん:1.26KJ/m3。令和3年度産コシヒカリを使用。クリープメータによる一粒法によりごはん全体の付着性を測定。
- ※3 2022年6月1日現在、国内家庭用100Vジャー炊飯器の最大炊飯容量0.99L以上1.44L未満(省エネ法の区分による)において。
- ※4 国内家庭用100Vジャー炊飯器において(2022年4月20日発売)。