コスパ抜群の高性能スマートウォッチ「HUAWEI WATCH FIT 2」を試す
今や、運動のサポートや健康管理のための必需品となりつつある「スマートウォッチ」。それだけに数多くのメーカーからさまざまなモデルが発売されているが、今回注目したのは、スマートフォンメーカーとしても名高いファーウェイから、2022年6月に発売されたスタンダードモデル「HUAWEI WATCH FIT 2」だ。本特集では、アクティブモデルが20,680円、クラシックモデルが23,980円(どちらも税込、2022年6月2日時点の価格.com最安価格)とリーズナブルな価格でありながら、従来モデルよりも進化したGPS機能や心拍モニタリング技術を搭載し、日々の運動記録や健康管理が高い精度で行える本機の実力を詳しくレポートしてみた。
使い勝手シーンを選ばないデザインや、
視認性にすぐれた1.74型ディスプレイが魅力
手首に装着するだけで、日々の運動記録や健康管理が行えるスマートウォッチ。在宅ワークの増加といった、ライフスタイルの変化による運動不足解消や、免疫力向上を目指した健康志向の高まりにともなって、以前にも増して関心が高まっている。それだけに、数多くのメーカーからさまざまなモデルが発売されているが、アナログ時計ライクな高級感を演出したハイエンドモデルから購入しやすいエントリーモデルまで幅広いモデルを揃え、多くのユーザーから高い評価を得ているのがファーウェイのスマートウォッチだ。
同社製スマートウォッチの中でもとりわけ注目したいのが、アクティブモデルは20,680円、クラシックモデルは23,980円(どちらも税込、2022年6月2日時点の価格.com最安価格)という手ごろな価格でありながら、従来モデル「HUAWEI WATCH FIT new」から進化を遂げたGPS機能やセンサーを採用することで、より精度の高い運動記録と健康管理が行えるようになった、最新のスタンダードモデル「HUAWEI WATCH FIT 2」である。

ファーウェイの最新スマートウォッチとして2022年5月に登場した「HUAWEI WATCH FIT 2」。ラインアップとして、シリコンバンドを採用した「アクティブモデル」と、レザーバンドを採用した「クラシックモデル」が用意される。今回のレビューでは、ブラックカラーのシリコンバンドを備えた「アクティブモデル」を使用した。なお、専用アプリが対応するOSはiOS 9.0以降、Android 6.0以降となる
まずは、そのデザインや使い勝手から確認していこう。常に身に着けておくスマートウォッチは機能性だけでなく、デザイン性も大切だが、「HUAWEI WATCH FIT 2」はカジュアルなスクエアスタイルの本体デザインを採用しながら、シーンを選ばず、さまざまなコーディネートに違和感なく溶け込む洗練さを持ち合わせている。しかも、バンドは簡単に取り外せる構造になっているので、好みに合わせて別売りの交換バンドに付け替えれば常にフレッシュな気分で装着できるのだ。
使い勝手に直結するディスプレイには、従来モデル「HUAWEI WATCH FIT new」よりも画面の表示面積が18.6%大型化した、解像度480×336の高精細な1.74型AMOLEDディスプレイを搭載。さらに、ホーム画面にはアイコンが碁盤の目のように並ぶランチャーデザインを新たに採用するなど、視認性や操作性が大きくアップしており、激しく動くスポーツの最中でも扱いやすい。
本体の重さは実測で40g(バンド含む)と軽いうえ、適度に伸縮性のあるシリコンバンドは想像以上に快適で、スポーツ時はもちろん、眠る時に着けていても違和感はなかった。なお、スマートウォッチ本体は5気圧防水に対応しているので水泳などのエクササイズでも使用できる

バンドは文字盤背面にあるボタンをワンプッシュするだけで、簡単に取り外すことが可能。「HUAWEI EasyFit」と呼ばれる交換用バンドは、2022年6月2日時点で「クラシックモデル」用のバンド4種類が発売中だが、今後「アクティブモデル」用のバンドも続々と発売されるという
スマートフォン開発で培ってきたファーウェイ独自の超狭額ベゼルのノウハウが存分に活用され、従来モデルよりも画面の表示面積が18.6%大きくなった、解像度480×336、1.74型AMOLEDディスプレイを搭載。OSにはユーザーインターフェイスを一新した「Harmony 2.1」を採用し、ホーム画面はアプリのアイコンが整然と並ぶランチャーデザインとなった
「HUAWEI WATCH FIT 2」はBluetooth連携機能が強化されており、スマートフォンとBluetooth接続すれば、スマートフォンを取り出すことなく本機のみで通話が行える。また、スマートウォッチ内蔵ストレージに保存した音楽をBluetoothイヤホンで再生できるので、スマートフォンを携帯しなくてもスポーツ中に音楽が楽しめるのもうれしい
ワークアウト腕元にプライベートトレーナーがいるかのような
音声付きストレッチ動画を内蔵
多彩なモデルが揃っているファーウェイのスマートウォッチだが、「HUAWEI WATCH FIT 2」ならではのワークアウト機能として注目したいのが、画面に映し出された動画や音声を確認しながら本格的なウォームアップが行えることだ。
使い方は簡単で、ホーム画面から屋外ランニングやサイクリング、縄跳びなど一部メニューを選択すると、対応したコースには「ウォームアップ」というボタンが表示されるので、それを押すだけ。後は、画面に流れる映像と音声に従いながらウォームアップのためのストレッチなどを行えば、最適な状態でワークアウトを始められるようになる。各種ストレッチの具体的な動きをアニメーションで示してくれるので、姿勢や腕を曲げる角度などがわかりやすく、まるで「HUAWEI WATCH FIT 2」がプライベートトレーナーとなって、腕元から教えてくれているかのような感覚だ。
音声付きのアニメーション動画(音声は英語)を画面に表示することで、まるでプライベートトレーナーのようにウォームアップの手助けをしてくれる機能が搭載されている。なお、デスクワークなどで長い間座っていると「しばらく動いていません」というアラートとともにストレッチ動画を掲示してくれる機能もあり、それに従って適度に運動すればいいリフレッシュになる
これまで、ランニング前は軽くアキレス腱を伸ばす程度で、ウォームアップについてはあまり気にしていなかったのだが、本機から指示を受けた「ダイナミックグルートストレッチ」や「ジャンピングジャック」などのストレッチを行ってみたところ、走った後の疲労感はもちろん、次の日の筋肉痛も少なくて済んだ(※個人の感想です)
効果的なワークアウトを実現するためには、運動の記録を正確に取ることが欠かせない。その点、「HUAWEI WATCH FIT 2」は、従来モデルよりも対応衛星が2つ増え、「GPS」「GLONASS」「Galileo」「BeiDou」「QZSS」という5種類の衛星の電波から位置情報を割り出すため、ランニングやウォーキングなどの屋外アクティビティでは、より正確なルートを記録可能だ。
また、加速度センサーやジャイロセンサー、心拍センサーなどの高性能なセンサーが、リアルタイムで各種データを取得・分析してくれるので、97種類もの多彩なワークアウトをしっかりとサポートしてくれる。なかでも屋外ランニングでは、装着者に最適な専用のプランを作ってくれる「スマートランニングプラン」が新設され、これまで以上に効率的なトレーニングが行えるようになった。
「HUAWEI WATCH FIT 2」を腕に装着し「屋外ランニング」を実施してみた。1kmほど走ってみたが、心拍数やペースなどを腕元でチェックできるだけでなく、スマートフォンアプリ「HUAWEI Health」(iOS/Android対応)では平均ケイデンスや最大酸素摂取量(VO2Max)などの詳細も確認できる。また、5種類もの衛星の電波を使って位置情報を割り出すためだろう、木々の多いランニングコースを走ったにも関わらず、走行ルートをかなり正確にトレースしてくれた
ファーウェイが培ってきたランニング力向上システム「AIランニングコーチ」に基づき、簡単な質問に答えるだけで、ビギナーからフルマラソンを目指す上級者まで、最適な専用ランニングプランを提案してくれるのが、「スマートランニングプラン」だ。走行データを分析し、翌週のランニングスケジュールなどを自動的に調整してくれるので、段階的な成長が期待できる
オールを漕ぐようにウェイトを引くことで、全身を鍛えられる「ローイング」にも対応。心拍数はもちろん、ストローク数や平均ストローク率などもアプリ上で確認可能なため、次回のトレーニングに生かすことができる
ヘルスモニタリング日々の健康管理の手助けになる
豊富なヘルスケア機能を搭載
続いては、「HUAWEI WATCH FIT 2」のヘルスケア機能についてチェックしていこう。まず大きなトピックとなるのが、ワークアウトはもちろん、ヘルスケアでも活用されるファーウェイ独自の心拍モニタリング技術「TruSeen」が、従来モデルに比べて大幅に強化されたことだ。従来モデルに搭載されていた「TruSeen 4.0」でも問題なく心拍数を測定できていたのだが、本機で搭載された最新の「TruSeen 5.0」では、受光部であるフォトダイオードの数を増やし、AIアルゴリズムを改良したことで、心拍数をリアルタイムにモニタリングする精度がさらに高まっているという。
加えて、血中酸素レベルをリアルタイムに計測する「血中酸素モニタリング」や、科学的に睡眠を分析する「睡眠モニタリング(TruSleep 2.0)」、ストレスの状態を可視化してくれる「ストレスモニタリング(TruRelax)」なども採用。日々の生活における健康管理に役立つデータをしっかり測定してくれる。心身の不調はひとつの要因で起こるとは限らない。健康に関するさまざまな情報を細かく記録してくれる「HUAWEI WATCH FIT 2」を活用すれば、ちょっとした体調の変化にも気づきやすくなり、日々の健康管理の手助けとなってくれるはずだ。
ケース裏側には、ファーウェイ独自の心拍モニタリング技術「TruSeen 5.0」を装備。血管に緑色の光を当て、その反射量から心拍数を測定するシステムとなっているが、その受光感度にかかわるフォトダイオードの数が従来モデルに比べて増加したうえ、AIアルゴリズムを改良したことで、腕を大きく振るような、スマートウォッチにとっては不安定な状況でも、精度の高い心拍モニタリングが可能になっている。実際、腕を大きく振るようなワークアウト中でも細かくデータを取得できているのが見て取れた
ユーザーの関心が高い「血中酸素レベル」を安静時に測定してくれる「血中酸素モニタリング」機能には、事前に設定した数値よりも血中酸素レベルが下がると、振動でアラートを送ってくれる機能も備わっている。なお、アプリからは週別や月別の推移がひと目で確認できるので、自身の健康状態も把握しやすい
「睡眠モニタリング(TruSleep 2.0)」では、総睡眠時間はもちろん、深い睡眠や浅い睡眠、レム睡眠の割合、目が覚めた回数などを記録・解析し、睡眠の質をスコア化してくれる。また、自身の睡眠に対して200以上のアドバイスを受け取ることができるので、それを元に睡眠環境を改善すれば、よりよい朝が迎えられるようになるだろう
また、スマートフォンアプリ「HUAWEI Health」に新搭載された「Healthy Living」機能にも注目したい。これは、起床や就寝時間、歩数、アクティビティなどはもちろん、飲む水の量や、薬やサプリメントを飲む時間などをタスク化し、その進捗状況を常に腕元で確認できるようにすることで、バランスの取れたライフスタイルの実現をサポートしてくれる機能だ。仕事や趣味に集中しすぎると睡眠時間が短くなったり、水分補給を二の次にしてしまったりしがちだが、「Healthy Living」を利用すれば定期的にリマインドしてくれるので、健康的な生活習慣が自然と身に付くようになる。
このほか、日々の健康管理には、自分の体の状態を常時モニタリングすることが重要になるが、スマートウォッチのバッテリーがあまり持たず、充電をひんぱんに行う必要があっては、実用性に欠けてしまう。しかし、「HUAWEI WATCH FIT 2」なら、ファーウェイ独自の消費電力アルゴリズムを活用することで、コンパクトな筐体ながら約10日間※1の長時間駆動を実現しており、こまめな充電も必要ない。
健康的な習慣を得るために、1日でやるべきことを明確化してくれる「Healthy Living」。スマートフォンアプリ「HUAWEI Health」から、自身の目標に合わせて選択肢をひとつ選ぶだけで最適な「ヘルスケアプラン」を選定してくれるので、プラン作りに悩む心配がない。あとは、腕元のリマインドに従い生活すれば、自然と健康的な生活が送れるようになるだろう
「HUAWEI WATCH FIT 2」の充電方法は、マグネット式の専用USBケーブルを使い、ケース裏側の充電端子と接続するだけ。約10日間※1使用できるロングバッテリーを搭載しているほか、約5分の充電で1日使用できる急速充電機能※2も備えている
- ※1 24時間心拍数モニタリングON、睡眠モニタリングON(HUAWEI TruSleepはOFF)、1日に200回画面表示、毎週30分のワークアウト(GPS有効)、Bluetooth通話、音楽再生と、メッセージ通知ON(1日平均50メッセージ、電話6回、アラーム3回)をした場合。
- ※2 ファーウェイラボのテスト結果によります。
まとめカジュアルな見た目とは裏腹に、
多彩な機能を備えた本格的なスマートウォッチ
今回、レビューのために10日間ほど「HUAWEI WATCH FIT 2」を腕に装着して生活してみたが、流行りのスクエアデザインを採用したカジュアルな見た目とは裏腹に、多彩な機能を備えた本格的なスマートウォッチであることが強く印象に残った。
なかでもワークアウト機能では、ウォームアップ用のアニメーション動画を搭載することで、誰でも簡単に運動前の適切なストレッチが行えるうえ、97種類もの多彩なワークアウトに対応しているので、まるでプライベートトレーナーからレクチャーを受けているような感覚でさまざまなワークアウトを効率的に行うことができた。また、高性能なセンサーと約10日間駆動するロングバッテリーを備え、体調を高精度かつ継続的にモニタリングできるようになっており、自分では認識することが難しい睡眠の質などを確認できたのは非常に興味深い体験であった。
そして、これだけ高性能でありながら、アクティブモデルは20,680円、クラシックモデルは23,980円(どちらも税込、2022年6月2日時点の価格.com最安価格)というリーズナブルな価格で購入できるのだから、コストパフォーマンスにすぐれた製品を選びたい人はもちろん、「興味はあるけど、購入にまでは至らなかった」というスマー人にも最適なモデルだと感じた。