近未来の仮想空間を手軽に体験 最新スマートフォン「HTC Desire 22 pro」とVRグラス「VIVE Flow」レビュー

2022年10月1日、スマートフォンの老舗メーカー・HTCが、国内では4年ぶりとなる新型スマートフォン「HTC Desire 22 pro」を発売開始した(チェリーブロッサムは10月中旬、サルサ・レッドは11月下旬発売予定)。防水・防塵ボディに加え、おサイフケータイやワイヤレス充電に対応する高機能のミドルレンジモデルだが、同社のVRグラス「VIVE Flow」と組み合わせることで、メタバースの世界を手軽に体験できるというユニークな特徴がある。「HTC Desire 22 pro」と「VIVE Flow」の組み合わせで実現するメタバースの世界を紹介するとともに、両製品のレビューをお届けしよう。

メタバースを体験「HTC Desire 22 pro」と「VIVE Flow」の
組み合わせはメタバースへの近道

「HTC Desire 22 pro」と「VIVE Flow」

インターネット上の3D仮想空間を使ってさまざまなコミュニケーションを行う「メタバース」が近ごろ話題だ。ただ、興味はあっても、「まだ先の話」とか、「高価なPCが必要なのでは?」と思っている人も少なくないのではないだろうか。

実際には、PCとヘッドマウントディスプレイの組み合わせでメタバースは利用できるが、接続設定などが少々複雑なため、エントリーユーザーにはハードルが高いのもまた事実。そんな中、スマートフォンやヘッドマウントディスプレイ「VIVE」シリーズを展開する世界的なメーカー・HTCが、スマートフォン「HTC Desire 22 pro」とVRグラス「VIVE Flow」の組み合わせによる、簡単かつ本格的なメタバース世界を提案した。

「HTC Desire 22 pro」は、日本では2022年9月1日に発表された最新スマートフォンで、「VIVE Flow」との接続が簡単に行えるようになっているのが特徴のひとつ。いっぽうの「VIVE Flow」は、2021年11月に登場した、サングラスをイメージしたデザインのエントリー向けVRグラスだ。両機の詳細は後述するが、まずは、「HTC Desire 22 pro」と「VIVE Flow」を使ったメタバースへの導入の様子を以下の動画で確認してみよう。

両デバイスを接続する基本的な流れは、「VIVE Flow」をUSB Type-Cケーブル経由で「HTC Desire 22 pro」もしくはモバイルバッテリーなどの電源とつなぎ、「HTC Desire 22 pro」にプリインストールされている設定アプリ「VIVE」の指示に従って接続するだけ。設定は5分ほどで終わった。この簡単さは、これまでのデバイスではあり得ないほどのもの。スマートフォンとヘッドマウントディスプレイの両方を手がけるHTCならではの簡単さと言えるだろう。

VIVE Flow

「VIVE Flow」を装着した様子。眼鏡のように耳にかけるだけで装着できる

「HTC Desire 22 pro」と「VIVE Flow」

「HTC Desire 22 pro」は、VRコントローラーとして使用。VR空間の操作を行う

セットアップが完了したら、いよいよメタバースの世界へ出発だ。「HTC Desire 22 pro」と「VIVE Flow」には、HTCが用意するWebブラウザーを使ったオープンメタバース「VIVERSE(ヴァイバース)」のリンクが用意されており、「VIVE Flow」に備わる独自のWebブラウザー「VIVE Browser」を使えば、視界360°のフルスクリーンによる本格的なメタバースが体験できる。なお、「VIVERSE」では、美術館での作品鑑賞やワールドの探索、アバターを介したコミュニケーション、「VIVERSE」内での通貨を使ったショッピングなどを楽しむことができるが、こうしたコンテンツは今後も続々と拡張が続けられる予定だ。

VIVERSE

「VIVE Flow」のWebブラウザー「VIVE Browser」を使って「VIVERSE」にアクセスすれば、視界360°の本格的なメタバース世界が体験できる

VIVERSE

「VIVERSE」では、アバターを通じたコミュニケーションなどが楽しめる

VIVERSE

「VIVERSE」上には、さまざまなコンテンツが用意されており今後も続々と増加される予定だ

「HTC Desire 22 pro」レビュー老舗メーカーHTCの新作!
「HTC Desire 22 pro」は高機能の
ミドルレンジスマホ

HTC Desire 22 pro

続いては、「HTC Desire 22 pro」のスマートフォンとしての実力を解説しよう。「HTC Desire 22 pro」は、約76.9(幅)×166.3(高さ)×9.4(厚さ)mm、重量約205.5g のボディに、約6.6インチの液晶ディスプレイを備えたミドルレンジスマートフォンだ。IP67の防水・防塵性能に対応しているほか、おサイフケータイで用いるFeliCaポートを備えているなど、日本市場で重視される機能にもしっかり対応している。さらに、ワイヤレス充電のQi(チー)と互換性があり、最大15Wの急速充電のほか、5Wのリバースワイヤレスチャージにも対応。ワイヤレスイヤホンなどへの充電も行える。

HTC Desire 22 pro

ボディはIP67の防水・防塵に対応。一時的な水没にも耐えることができる

HTC Desire 22 pro

FeliCaポートは、ボディ背面の上部に配置。背面には複雑なパターンが印刷されており、質感を高めている

HTC Desire 22 pro

Qiと互換性があり、最大入力15Wという有線接続レベルの急速充電に対応。また、リバースワイヤレス充電機能では5Wの出力が行える

HTC Desire 22 pro

「サルサ・レッド」「チェリーブロッサム」「ダークオーク」の3色のカラーバリエーションが用意される。なかでも、「サルサ・レッド」は、日本市場でも人気の高かったスマートフォン「HTC J butterfly」シリーズをイメージさせる日本専用カラーだ

基本スペックを見てみると、SoCには、性能と消費電力のバランスにすぐれたクアルコム社製の「Snapdragon 695 5G」を採用。これに、大容量の8GBメモリーと、128GBのストレージ、1TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。OSはAndroid 12だ。

実機の印象だが、処理性能の余裕があるうえに8GBというメモリーを搭載するため余裕を感じる。さらに、ディスプレイが120Hzの高速リフレッシュレートに対応しており、Webブラウザーやマップアプリのスクロールもなめらかで、体感速度をさらに高めている。

HTC Desire 22 pro

約6.6インチの液晶ディスプレイは液晶のネックであるコントラストが良好でクッキリとした表示が楽しめる

HTC Desire 22 pro

ディスプレイは120Hzのリフレッシュレートに対応。Webブラウザーやマップアプリなどでなめらかな操作感覚を味わえる

カメラの性能も高く、約6,400万画素の標準カメラ、約1,300万画素の広角カメラ、約500万画素の深度センサーという組み合わせのトリプルカメラを搭載。なお、フロントカメラは約3,200万画素という高画素で、セルフィー撮影にも強い。AIシーン認識機能を備えているので、カメラ任せで、簡単にキレイな写真が撮影できる。

HTC Desire 22 pro

約6,400万画素の標準カメラ、約1,300万画素の広角カメラ、約500万画素の深度センサーという組み合わせのトリプルカメラを搭載。背景をぼかした印象的な写真も撮ることができる

以下に、本機のカメラを使って撮影した静止画の作例を4点掲載する。断り書きのない限り、AIシーン認識を使った撮影を行っている。

HTC Desire 22 pro

約6,400万画素の標準カメラを使った作例。精細感も十分で、色の発色も肉眼で見たのに近い自然な印象だ

HTC Desire 22 pro

広角カメラを使い、ローアングルで撮影した作例。ややゆがみは出るが、広角らしい迫力のある写真を撮影できる

HTC Desire 22 pro

背景をぼかすモードに切り替えて、標準カメラを使用した作例。背景のボケが増えて立体感が増す。構図の意図をはっきりさせたい場合に効果的だ

HTC Desire 22 pro

標準カメラで夕暮れの街を撮影。AIシーン認識で自動的に夜景モードが選択され、ライトアップされた街の様子がしっかり撮れている

通信性能の高さも「HTC Desire 22 pro」の魅力だ。5Gと4Gの両方に対応し、2基のnanoSIMカードスロットを備えているため、2つの通信回線を使い分けることが可能。5Gと4Gの両方で、NTTドコモ(ahamo)、KDDI(UQ mobile)、ソフトバンク(ワイモバイル、LINEMO)、楽天モバイル(MNO)の4大キャリアのSIMカードが利用できる。もちろん、その他のMVNO各社のSIMカードも利用可能だ。

注目したいのは5Gの対応周波数帯だ。「HTC Desire 22 pro」は、国内4大キャリアが使用しているn77、n78、n79という3つの5G専用周波数帯(Sub6)すべてに対応。特にNTTドコモのみが使う主要周波数帯のn79は、SIMフリースマートフォンで対応しているものはかなり限られているが、「HTC Desire 22 pro」なら、NTTドコモが提供する5Gサービスもくまなく利用できるはずだ。

このように、「HTC Desire 22 pro」は、機能性が高く、基本性能も十分。日本国内の5G回線の状況にもきちんと対応しているなど、老舗のHTCらしいこだわりが現われた製品に仕上がっている。

「VIVE Flow」レビュー360°動画やリラクゼーションなどでも使える
VRグラス「VIVE Flow」

VIVE Flow

「VIVE Flow」は、2021年11月に登場したヘッドマウントディスプレイだが、「VRグラス」というコンセプトに基づいた、眼鏡のような小型・軽量の設計が特徴。ケーブルやカバーを含まない本体重量はわずか約189gで、PC接続型の一般的なヘッドマウントディスプレイと比べると重量は1/4〜1/3以下程度となる。このため、眼鏡と同じように“つる”を耳にかけるだけで装着できるし、長い時間装着した場合でも首や肩にかかる疲労はごく軽い。

こうした小型・軽量ボディながら、100°の視野角と75Hzのリフレッシュレートに対応した解像度1,600×1,600の液晶ディスプレイを左右に備え、前後・左右・上下それぞれの方向への移動と回転という6DoFに対応する本格派で、決してデザイン優先だけの製品ではない。

VIVE Flow

軽さと小ささに徹底的にこだわったボディ。約189gの重量はスマートフォンと同レベルで、片手で軽々と持つことができる

VIVE Flow

つるは折りたたむことができるため、収納場所もとらない

VIVE Flow

焦点距離の調整が左右別々に行える。眼鏡を付けずに装着できるのも「VIVE Flow」の魅力だ。

VIVE Flow

焦点距離の調整を行う際は、同梱されるノーズパッドを装着すると、レンズと目の距離が正確に保たれる

「VIVE Flow」の用途は、上述したメタバースだけにとどまらない。「YouTube」や「Netflix」などの動画配信サービスのコンテンツを、最大300インチ相当という迫力の映像で視聴できる。また、VR動画についても、有料・無料を含めた数々のコンテンツが用意されている360°動画専用配信プラットフォーム「360Channel(サンロクマルチャンネル)」などを利用することで、ライブ配信やスポーツ観戦、VTuberなどの360°VR動画を楽しめる。さらに本機は、バーチャルサラウンドに対応したステレオスピーカーを“つる”部分に備えるため、リラクゼーションやアクティビティのような体験型VRコンテンツとの相性も良好。バイノーラル音声を組み合わせたASMRコンテンツもより没入感が高まる。

VIVE Flow

「360Channel(サンロクマルチャンネル)」は、多数のオリジナルコンテンツやLIVE動画を提供するVR動画配信プラットフォーム。360度自由に視点を動かすことが可能で、あたかも動画内に自分がいるかのような臨場感あふれる視聴体験を楽しめる

昨今、360°カメラが普及したことでVRコンテンツは増加しており、コンテンツの不足は完全に過去の話だ。「VIVE Flow」で楽しめるコンテンツは一般に想像するよりもずっと多彩で、刺激的なものばかりでなく、心地よいものも増えている。

VIVE Flow

360°コンテンツの種類が広がったことで、ヨガやストレッチなど新しい使い方が続々と提案されている。今まで縁遠かった人でもVRグラスを楽しめる環境が整ってきている。

まとめメタバースという新体験を身近にする
「HTC Desire 22 pro」と「VIVE Flow」

「HTC Desire 22 pro」と「VIVE Flow」の組み合わせは、話題のメタバースを手軽に体験したい人にとって、格好の組み合わせだ。没入感のある本格的なメタバースの世界へとスムーズに誘ってくれるだろう。

「HTC Desire 22 pro」は、120Hz駆動のディスプレイや、8GBのメモリーという余裕のある基本スペックに加え、Qiと互換性のあるワイヤレス充電機能や防水・防塵ボディ、FeliCaポートなど、機能性も豊富かつ、4G・5Gの通信性能も高い。いっぽうの「VIVE Flow」は、前後・左右・上下の動きに対応する6DoF対応かつ、100°の視野角と、75Hzのリフレッシュレートに対応した本格的なVRグラスながら、手軽に装着できる小型・軽量ボディが魅力。メタバースでの利用以外にも、360°動画や、パーソナルシネマ、スマートフォンのコンテンツを大迫力で楽しむこともできる本格的な製品だ。

それぞれが魅力的な製品であるうえに、組み合わせて使えば、話題のメタバースの世界も手軽に楽しめる。また、「HTC Desire 22 pro」と「VIVE Flow」の割安なセットパッケージも用意されている。「メタバースに興味はあるけれど、体験するにはちょっとハードルが高そう」と考えていた人こそ、ぜひ両機を一緒に手にしていただきたい。