スリムなボディに高いパフォーマンスを凝縮!16型大画面のゲーミングノートPC レノボ「Legion Slim 770i」徹底レビュー
ゲーミングノートPCと言うと、どちらかというとゴツくて男らしい、“いかにも”なデザインの製品が多い印象がある。その点、レノボのゲーミングブランド「Legion(レギオン)」から新たに登場した「Legion Slim 770i」は、CNC削り出しアルミニウムを採用した薄さ16.9〜21mmの薄型ボディで、性別や年齢を問わずに選びやすいスタイリッシュなデザインが特徴だ。そのうえ、アスペクト比が16:10になった比較的大画面の16型ディスプレイを採用。最新CPU「第12世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」や、ディスクリート型GPU「NVIDIA GeForce RTX30 シリーズ」など高いスペックを持ち、従来モデルの「Legion Slim 750i」より性能も使い勝手も大きくパワーアップしている。本企画では、そんな「Legion Slim 770i」の実力を徹底チェックしていこう。
ディスプレイ&ボディ16型大画面ディスプレイ搭載ながら薄型でスタイリッシュなデザイン
まずは「Legion Slim 770i」のディスプレイとボディをチェックしていこう。ディスプレイは、新たに16型のWQXGA(2560×1600)液晶を搭載。画面のアスペクト比は16:10で、アスペクト比が16:9の15.6型だった従来モデルと比べると、より大画面でゲームへの高い没入感を得られるようになった。また、縦に広い表示領域は、Webページの閲覧やOfficeアプリでの作業といった日常使いでも使い勝手がよく、作業効率を高められる。
そのうえ、ディスプレイは最大165Hzの高リフレッシュレートで駆動。GPUからの出力フレームレートに合わせて画面のリフレッシュレートを動的に変化させる「NVIDIA G-SYNC」機能にも対応する。実際、バトルロイヤルゲームやFPS(ファーストパーソン・シューティング)ゲーム/TPS(サードパーソン・シューティング)ゲームといった数フレームを争うようなゲームも、残像感の少ないなめらかな表示で楽しめた。
レノボのゲーミングブランド「Legion」の最新モデル「Legion Slim 770i」。今回のレビューでは、CPUに「第12世代インテル® Core™ i7-12700H プロセッサー」を、GPUにディスクリート型の「NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU」を搭載したモデルを使用した
一般的なノートPCのディスプレイのリフレッシュレートは60Hzだが、「Legion Slim 770i」のディスプレイはその2倍以上となる最大165Hzという高速で画面の書き換えを行うため、表示がなめらか。リフレッシュレート測定サイト「Blur Busters UFO Motion Tests」でもチェックしてみたところ、165Hzで駆動することが確認できた
リフレッシュレートの違いで実際にどれだけ反応速度は変わるのか、反応速度測定サイト「反射神経テスト」でもチェックしてみた。その結果、5回の平均速度が60Hz駆動では0.353秒、165Hz駆動では0.251秒となった。アクションやシューティングといったコンマ1秒を争うゲームで確実な効果が期待できる
また、ボディの構造にも注目したい。「Legion Slim 770i」はヒンジの後ろにボディ側がせり出した構造を採用している(下写真)。この構造は内部のスペースを広く確保するのに役立っており、従来モデルよりも29%大型の冷却システムを搭載し、冷却ファンの羽根の枚数は31%も増えているという。その結果、高い冷却性能を持ち、ハイスペックながら厚さ16.9〜21mmの薄型ボディを実現しているというわけだ。
ゲーミングノートPCというと、華美な装飾を備え、ボディもどちらかというとゴツくて男らしい製品が多いが、「Legion Slim 770i」は一見ゲーミングノートPCとは思えないほど、シンプルでスタイリッシュなデザイン。用途や使う環境を選ばないのも大きな魅力と言える。
パフォーマンス高画質でPCゲームを快適にプレイ! ゲーミングに特化したサポートも用意
ここからは「Legion Slim 770i」のパフォーマンスを検証していこう。最新のPCゲームを高解像度で快適にプレイするには、すぐれたグラフィック性能はもちろん、高速な処理を行うのに十分な性能を持ったCPUと大容量のメモリー、さらにゲームのファイルを高速に読み出すストレージが不可欠だ。その点、「Legion Slim 770i」はCPUに14コア/20スレッドの「第12世代インテル® Core™ i7-12700H プロセッサー」を、GPU(グラフィックチップ)にNVIDIAの「GeForce RTX 3060 Laptop GPU」を、メモリーに高速なDDR5-4800の16GBメモリーを搭載。さらに、ストレージには、高速&大容量のNVMe接続の1TB SSDを搭載しており、高いパフォーマンスが期待できる。
上述の通り、「Legion Slim 770i」の液晶ディスプレイは最大165Hzの高いリフレッシュレートに対応しており、一般的な60Hz駆動の液晶ディスプレイに比べて、映像をなめらかに表示できる。実際にエレクトロニック・アーツの人気ゲームタイトル「Apex Legends(エーペックスレジェンズ)」をWQXGA解像度の最高画質設定でプレイしてみたが、フレームレートは100fps前後を維持し、快適に遊べた。「第12世代インテル® Core™ i7-12700H プロセッサー」と「GeForce RTX 3060 Laptop GPU」の性能をいかんなく発揮できていることがうかがえる。
より高いフレームレートを求めるなら、解像度をフルHD(1920×1080)に下げるなど、ゲームタイトルごとに設定を変えて楽しむのもいいだろう。
クリエイティブ作業での実力はどうか。Adobeの動画編集ソフト「Premiere Pro」(別売)を使って、スマートフォンで撮影したH.264/mp4のフルHD動画(約1分、約88MB)をエンコードしてみた。CPUパワーのみでは約18秒かかったが、GPU支援を有効にしたところ、約5秒にまで時間が短縮。「GeForce RTX 3060 Laptop GPU」の処理能力の高さを実感できた。
さらに、「Legion Slim 770i」はメモリーの増設にも対応している。標準で16GB(うちオンボード8GB)を搭載しているので、交換すれば最大72GB(64GB+オンボード8GB)も実現可能。なお、ゲームに精通したスタッフが対応してくれる電話サポート「Legion Ultimate Support」(オプション)に加入しておけば、万が一、メモリー増設がうまくいかない場合もサポートを受けられるので安心だ。ゲーミングノートPCを初めて購入するという人も、同サポートに加入すれば、ゲームに関する疑問や不安を払しょくできるだろう。
使い勝手こだわりキーボードと大容量バッテリー搭載! 普段使いに便利な機能も充実
最後に、「Legion Slim 770i」の使い勝手をチェックしていこう。キーボードは、ゲーミングノートPCらしくRGBバックライトを搭載。個々のキーが独立したアイソレーションタイプで、意図せず複数キーを同時押ししたように判断されることを防ぐ100%アンチゴースト機能にも対応しており、正確なキー入力ができる。
84キーの日本語アイソレーションキーボード。方向キーは、サイズが大きく位置も周囲のキーから少し下にずれているので、押し間違いが起きにくい。キーボード右側にはテンキーも備わっており、PCゲームだけでなく、表計算ソフトへの数値入力など普段の作業も快適にこなせるだろう
各キーにバックライトを搭載。「Fn」+「Space」キーで発光パターンを6パターンから切り替えられる。なお、「Fn」キーを押すと組み合わせられるキーだけが発光する機能も搭載。とてもわかりやすく便利だと感じた
薄型ボディで重量を約2.23kgに抑えているにも関わらず、99.99Whrの大容量バッテリーを搭載し、約9時間の長時間駆動を実現しているのも「Legion Slim 770i」の魅力。ちなみに、99.99Whrは飛行機の機内へ持ち込み可能なギリギリの容量だ。ゲームをプレイすると、さすがに約9時間は持たないが、急速充電に対応しているので、短い充電時間で、バッテリーを回復させられる。
このほか、外部インターフェイスには4-in-1メディアカードリーダー(SD、SDHC、SDXC、MMC)を搭載。フルサイズのSDメモリーカードを直接接続できるので、カメラから撮影データを取り込むときにも便利だ。
Webカメラ(1080p)はディスプレイ上部に装備。本体右側面にはWebカメラのカバーを開閉できるスライド式のスイッチも搭載している。ゲーム実況やビデオ会議でWebカメラを使う時以外は、このスイッチを操作してカバーを閉じておくことで、Webカメラから不用意に映像が流出することを防げるのだ。ソフトウエア的にWebカメラのオン/オフもできるが、やはり物理的にスイッチでオン/オフを切り替えられるのは心理的な安心感がある
左側面にはThunderbolt 4対応USB Type-CポートとUSB3.2 Gen2 Type-Cポートを、右側面にはマイク入力/ヘッドホン出力ポートと4-in-1メディアカードリーダー(SD、SDHC、SDXC、MMC)を搭載。カメラで撮影した大容量の画像や動画を取り込む場合など、フルサイズのSDメモリーカードがそのまま使えるのはやはり便利だ
まとめスタイリッシュで高性能なゲーミングノートPC。クリエイティブな作業や日常使いも快適
ここまで、レノボの最新ゲーミングノートPC「Legion Slim 770i」をチェックしてきた。14コア/20スレッドの最新CPU「第12世代インテル® Core™ i7-12700H プロセッサー」や、ディスクリート型GPU「NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU」など、ハイクラスのパーツの性能を存分に生かし、最新の3Dゲームを高解像度・高フレームレートで遊べることを確認できた。薄型ボディながら、ハイクラスのパーツの性能をしっかりと引き出せる、すぐれた冷却性能も本モデルのポイント。しかもデザインはスタイリッシュで、いい意味でゲーミングノートPCっぽさが控えめなのも魅力と言える。
また、ゲーム以外の機能が二の次となりがちなゲーミングノートPCも珍しくないが、「Legion Slim 770i」は通常のノートPCとして十分に活用できるよう、細かな使い勝手にまでこだわっているのも見逃せない。WebページやOfficeアプリが閲覧しやすいアスペクト比16:10の16型ディスプレイや、高画質でプライバシーにも配慮したWebカメラなど日常的にも使いやすいノートPCだと感じた。「Legion Slim 770i」はゲームを本格的に遊びたいという人はもちろん、クリエイティブな用途や日常使いなどゲーム以外の用途でも快適に使える1台だ。さまざまな用途にパソコンを駆使しているような方すべてに注目してほしい製品と言える。

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| OS | Windows 10 Pro 64ビット |
|---|---|
| CPU | 第12世代 インテル® Core™ i7-12700H プロセッサー(14 コア/20スレッド、最大4.70GHz) |
| ディスプレイ | 16型WQXGA(2560×1600)、IPSパネル、165Hz駆動 |
| メモリー | 16GB DDR5-4800 |
| グラフィック | NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU(GDDR6 6GB) |
| ストレージ | 1TB SSD(NVMe PCIe接続) |
| 外部インターフェイス | HDMI 2.1出力ポート、USB3.2 Gen2 Type-Aポート、USB3.2 Gen1 Type-Aポート×2、Thunderbolt 4対応USB Type-Cポート、USB3.2 Gen2 Type-Cポート、マイク入力/ヘッドホン出力ポート、4-in-1メディアカードリーダー |
| 無線機能 | Wi-Fi 6(IEEE802.11 ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.1 |
| バッテリー駆動時間 | 約9時間(JEITA2.0) |
| 本体サイズ | 約357.5(幅)×260(奥行)×16.9〜21(厚さ)mm |
| 質量 | 約2.23kg |

































