
ノートPCでも動画編集やCG制作が思いのまま!

「ノートPCでクリエイティブ作業を本格的にこなしたい」――そんなニーズに応えるべく、ASUSからクリエイティブ作業に適した15.6型ノート「ASUS Vivobook Pro 15 OLED」シリーズが登場した。本機の魅力は、スリムなボディに、パワフルなCPUとディスクリートGPUを搭載し、動画編集やCG制作などがスマートにこなせること。また、120Hz駆動の高品位な2.8K(2880×1620)有機ELディスプレイを備えるので、緻密なグラフィックを扱うのにも適している。今回は、クリエイティブシーンで本機がどのように活躍するのか、徹底チェックした。
処理性能「Ryzen™ 7 5800H」&「GeForce RTX™ 3050 Ti」搭載で、
動画編集も3DCG制作もサクサク
写真や動画、CGなどのコンテンツを扱う人にとって、グラフィック処理性能にすぐれたディスクリートGPUを搭載したパソコンは必要不可欠。しかし、そうしたハイスペックなマシンをノートPCで探すとなると、その多くがいわゆるゲーミングノートになってしまう。こうしたゲーミングノートは派手な装飾が施されたモデルが多いうえ、搭載する機能や装備がゲームプレイに最適化されているので、クリエイティブ用途では取り入れにくいところがある。
そこで注目したいのが、ASUSから新登場した15.6型ノート「ASUS Vivobook Pro 15 OLED」シリーズだ。

「ASUS Vivobook Pro 15 OLED」シリーズは、15.6型有機ELディスプレイを搭載したノートPC。ディスクリートGPUを搭載しながら、本体サイズは359.8(幅)×234.3(奥行)×18.9〜19.95(高さ)mm、重量は約1.8kgと比較的コンパクトで軽量だ
本機は、最薄部18.9mm、重量約1.8kgという薄型・軽量のスタイリッシュなボディに、高性能なCPUとディスクリートGPUを搭載。ノートPCでありながら、負荷のかかるグラフィック処理を軽快にこなしてくれる。さらに、搭載するディスプレイは120Hz駆動に対応した2.8K(2880×1620)解像度の高品位な有機EL。その高画質、広色域が幅広いクリエイティブ作業で役立つ。そのうえ、豊富な外部インターフェイスも備えており、まさにクリエイター向けと言えるようなモデルに仕上がっている。
ベンチマークプログラムから明らかになった、高いクリエイティブ性能
まずは、本機の処理性能からチェックしていこう。「ASUS Vivobook Pro 15 OLED」シリーズには、搭載するCPUやGPUなどが異なる3機種がラインアップされているが、ここでは、「AMD Ryzen™ 7 5800H プロセッサー」と「NVIDIA® GeForce RTX™ 3050 Ti Laptop GPU」を搭載した最上位モデル「M6500QE-MA017W」(メモリー:16GB、ストレージ:1TB SSD)を使用した。


本機が搭載する「AMD Ryzen™ 7 5800H プロセッサー」は、8コア/16スレッド、TDP 45Wで動作するハイパフォーマンスCPU。グラフィック機能を司るGPUは、2560基の統合シェーダを積んだ、ディスクリートタイプの「NVIDIA® GeForce RTX™ 3050 Ti Laptop GPU」だ。デスクトップPC並みのハイパフォーマンスが期待できそうだ

スリムボディに高性能なCPUとGPUを搭載している本機だが、これらのパーツは、熱伝導率の高い銅製デュアルヒートパイプと、各86枚の羽根を備えたデュアル冷却ファンでしっかりと冷やされ、廃熱処理はバッチリ。負荷がかかる処理を連続的に行っても高性能をキープできる
では、具体的な処理性能をチェックしていく。最初に各種の定番ベンチマークプログラムを実行してみたが、その結果、スリムボディからは想像できないようなハイスコアが記録された。詳細は以下を参照してほしいが、「さすが」とうなるしかないような結果だ。
動画エンコードやCGレンダリングも
高速に処理
続いて、実際のクリエイティブシーンでの動作を確認してみた。まず動画編集ソフト「Shotcut」(別売)で4K動画の編集を行ってみたところ、重さを感じることなく操作できたうえ、約1.1GBある4K画質のファイルのエンコードを3分29秒と短時間でこなせた。そこで、CG制作ソフト「Blender」を(別売)使用して3DCGアニメーションを作成してみたが、込み入ったポリゴンで作られたモデルをなめらかに動かせたし、フルHD画質で250フレームをレンダリングするのにかかった時間も1分40秒と短かった。
これほどのパフォーマンスなら、大抵のクリエイティブ作業は快適にこなせるだろう。
ディスプレイDCI-P3を100%カバーする、色再現性にすぐれた
2.8K有機ELディスプレイ
クリエイティブ用途においては、処理性能に加え、ディスプレイのクオリティも重要になる。その点、「ASUS Vivobook Pro 15 OLED」シリーズは、大きく見やすい15.6型の2.8K(2880×1620)有機ELディスプレイを採用している。
解像度は、一般的なノートPCで採用されるフルHD(1920×1080)の2倍以上となる2.8K(2880×1620)で、高解像度な画像や映像も細部まで緻密に再現してくれる。もちろん、作業エリアとなるデスクトップ領域が広いので、多くのパレットを開いて写真や動画を編集する際も作業がしやすかった。
また、液晶ではなく、画素が自発光する有機ELパネルを採用しているので、黒の締まりがよく、コントラスト比が100万:1と高いのもメリット。色再現性も高く、Web標準のsRGBよりも広大な色域を持つ、デジタルシネマ規格のDCI-P3を100%カバーしている。約10億7000万色を再現できる10bitカラーにも対応し、正確な色再現が行えることを示す「PANTONE認証」も取得。シビアな色合わせが求められる写真編集やデザイン用途にも十分に対応できるだろう。

黒をバックに撮った花束の写真を表示すると、ディスプレイの性能が際立った。背景の黒がグッと沈み込んでいるうえ、表面が光沢のあるグレアパネルであることも手伝って色彩が豊かだ。光に照らされた花びらは生き生きと見え、全体に奥行きが感じられる


分光光度計を使用して色域をチェックしてみた。点線で示されている三角形がDCI-P3の色域で、実線で示されている三角形が本機の色域だが、本機の色域はDCI-P3をカバーするだけにとどまらず、青や緑の方面に向かってさらに広いことがわかった


有機ELディスプレイは視野角にすぐれており、ほぼ真横からでもディスプレイを視認可能。ディスプレイは180°開くので、対面の人と画面を共有しながら、クリエイティブの方向性をディスカッションするといった使い方も可能だ
ゲーム用途でも快適さを発揮する
高リフレッシュレート
本機のディスプレイは、駆動性能も秀逸だ。一般的なディスプレイのリフレッシュレートは1秒間に60回画面を書き換える60Hzだが、本機はその2倍となる120Hz。応答速度も0.2msと速いので、ゲーミングモニター並みの高速性能を備えていると言える。動画編集でも頼りになるし、1台のノートPCでゲームまで楽しみたいという人にとっても、またとないモデルとなるだろう。
使い勝手クリエイティブ作業を支援してくれる、
拡張性の高い外部インターフェイス
使い勝手においては、まず豊富な外部インターフェイスに注目したい。最薄部18.9mmというスリムなボディながら、小型のUSB3.2 Gen2 Type-Cポートに加え、大型のUSB3.2 Gen1 Type-AポートやフルサイズのHDMI出力ポートなどを装備。外部ディスプレイに映像を出力して大きな画面で作業できるだけでなく、カメラやオーディオなど、さまざまなデバイスと接続して、プロ並みの映像配信環境やサウンド編集環境も構築できる。
また、最近のノートPCでは省略されがちなmicroSDメモリーカードリーダーが設けられているのも便利に感じたポイント。microSD/microSDHC規格はもちろん、大容量のmicroSDXC規格にも対応しているので、カメラから写真や動画のデータが取り込みやすかった。


左側面にはUSB2.0 Type-Aポート×2を、右側面にはUSB3.2 Gen1 Type-Aポート、HDMI出力ポート、USB3.2 Gen2 Type-Cポート(映像出力/給電対応)、microSDメモリーカードリーダー、マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャックを装備する

外部ディスプレイやキーボード、マウスなどに加えて、マイクを接続すれば、ちょっとしたライブ配信環境が出来上がり。USBポートは左右側面に2基ずつ搭載されているので、パソコンの両脇にバランスよく周辺機器を設置できる
指先にフィットする上質なキーボードで、
作業効率がアップ
ノートPCの操作性を左右するキーボードの使い勝手も上々だ。キーピッチ約19mm、キーストローク約1.4mmという十分なゆとりが設けられたキーボードを採用し、リラックスしてタイピングできる。特徴的なのは、キートップの中心が約0.2mm凹んだシリンドリカル形状になっていること。指先がキーにフィットしやいため、ミスタイプが起こりにくい。
また、数字が入力しやすいテンキーが付属しているのもポイント。動画編集やCG制作では、パラメーターや時間など、数値を入力する場面も多いため、テンキーがあると作業がはかどる。


テンキー付きのフルサイズキーボード(日本語102キー)。よく使用する「Enter」キーの一部に、ストライプ模様があしらわれているのがオシャレだ。指先がキートップの凹みに自然と収まるため、ミスタイプが少なく、打鍵しやすかった
まとめクリエイターのニーズにジャストフィットする、
高い処理性能と使い勝手
クリエイティブ作業に向いたノートPCというのは、実はそれほど多くはない。ゲーミングノートはゲームプレイに最適化されているところがあるし、見た目が派手なものも多い。その点、今回チェックした「ASUS Vivobook Pro 15 OLED」シリーズは、処理性能はもちろん、筐体の見た目から、ディスプレイ、使い勝手にいたるまでクリエイティブ作業に適した仕様になっており、クリエイターの「欲しい!」が詰まった1台に仕上がっていた。
なかでも、今回レビューした「M6500QE-MA017W」は、CPUにハイパフォーマンスな「AMD Ryzen™ 7 5800H プロセッサー」を、グラフィックにミドルハイクラスの「NVIDIA® GeForce RTX™ 3050 Ti Laptop GPU」を搭載。薄型のノートPCでありながら、負荷の大きな4K動画のエンコードや、込み入った3DCGアニメーションのレンダリングなどを軽快に処理する様は圧巻だった。
また、搭載するディスプレイは、120Hz駆動に対応した2.8K(2880×1620)有機ELで、DCI-P3を100%カバーするほど色域が広い。ノートPCだけで、写真や印刷物などのシビアな色調整が行えるのは大きな魅力だ。また、豊富な外部インターフェイスや入力しやすいキーボードなども使い勝手がよかった。
カメラマン、CGクリエイター、デザイナー、ライブ配信者など、本格的なクリエイティブ作業を行う人にこそ、ぜひチェックしてほしい1台だ。
シリーズの主なスペック
型番 |
レビュー機
![]() M6500QE-MA017W
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![]() M6500QC-MA056W
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![]() M6500QC-MA060W
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OS | Windows 11 Home 64bit | |||
CPU | AMD Ryzen™ 7 5800H 8コア/ 16スレッド モバイル・プロセッサー+ Radeon™ グラフィックス (3.2GHz-最大4.4GHz) |
AMD Ryzen™ 5 5600H 6コア/ 12スレッド モバイル・プロセッサー + Radeon™ グラフィックス (3.3GHz-最大4.2GHz) |
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グラフィック | NVIDIA® GeForce RTX™ 3050 Ti Laptop GPU |
NVIDIA® GeForce RTX™ 3050 Laptop GPU | ||
メモリー | 16GB DDR4-3200 | |||
ストレージ | 1TB SSD (PCI Express 3.0 x4) |
512GB SSD(PCI Express 3.0 x4) | ||
光学ドライブ | なし | |||
ディスプレイ | 15.6型2.8K(2880×1620)有機EL(120Hz) | |||
有線LAN | なし | |||
無線通信 | 無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth v5.1 | |||
外部インター フェイス |
USB3.2 Gen2 Type-Cポート(映像出力/給電対応)、USB3.2 Gen1 Type-Aポート、USB2.0 Type-Aポート×2、 HDMI出力ポート、microSDメモリーカードリーダー(microSD/microSDHC/microSDXC対応)、 マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック |
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サイズ (突起部除く) |
359.8(幅)×234.3(奥行)×18.9〜19.95(高さ)mm | |||
重量 | 約1.8kg | |||
カラー | クワイエットブルー | |||
Officeソフト | WPS Office 2 Standard Edition(3製品共通ライセンス付) |