特大容量「ギガタンク」搭載の低コストモデル 使いやすさに磨きをかけたインクジェットプリンター キヤノン「G3370」

低いランニングコスト、容易なメンテナンス、高品位なデザイン、簡単に扱える操作性。本特集で取り上げる、キヤノン「G3370」は、こうした魅力的な特徴を持つ、注目度の高い最新インクジェットプリンターだ。特大容量タンク「ギガタンク」を搭載する「Gシリーズ」の新製品で、「4色ハイブリッドインク」の高い印刷品質を継承しつつ、使いやすさが大幅に向上。本特集では、そんな「G3370」の実力を徹底的にレビューしよう。

大量印刷&低コストランニングコスト重視派も納得の特大容量「ギガタンク」を搭載

キヤノン「G3370」

家庭用としてもビジネス用としても幅広く活用できる「G3370」。ランニングコストの低さに加えて、デザインや操作性の向上にも注目したいインクジェットプリンターだ

キヤノン「G3370」は、特大容量タンク「ギガタンク」を搭載するインクジェットプリンター「Gシリーズ」の新しいエントリーモデル。エントリーモデルながら、低ランニングコストで運用できる「Gシリーズ」のよさが詰まった魅力的な製品だ。

まずは、「Gシリーズ」ならではの特徴として、「ギガタンク」による大量印刷を紹介しよう。「G3370」は、3色の染料インク(シアン/マゼンタ/イエロー)と顔料インク(ブラック)を組み合わせた「4色ハイブリッドインク」を採用している。4色それぞれのインクタンクが独立した構成で、インクボトル各色1本での印刷可能枚数(A4普通紙文書)は、標準モードでブラック約6,000枚※1、カラー約7,700枚※1。一般的な使い方であれば、ひと月にA4文書を600枚印刷したとしても、計算上カラーは、約1年以上にわたってインクを補充することなく使用を続けられる※2

さらに、「G3370」は、従来モデル「G3360」では対応していなかったカラーのエコノミーモードにも対応し、より多くの枚数を印刷できるようになった。エコノミーモードはブラック約7,600枚※1、カラー約8,100枚※1にまで印刷可能枚数が増加する。

キヤノン「G3370」

特大容量タンク「ギガタンク」によって大量印刷を実現。インクシステムは、シアン、マゼンタ、イエローの染料インク3色に、顔料ブラックを組み合わせた「4色ハイブリッドインク」だ

キヤノン「G3370」 キヤノン「G3370」

本体左側にブラックのインクタンクを、右側にシアン、マゼンタ、イエローのインクタンクを装備。インク残量は半透明の窓からも確認できる

独立したインクタンクを採用するため、各インクをムダなく経済的に使えるのも「G3370」で押さえておきたい点だ。A4普通紙1枚当たりの印刷コストは、モノクロが約0.4円で、カラーが約1.0円(いずれも標準モード、税込)。それほど多くの印刷物をプリントしない人でも、これだけの低コストで運用できるのは魅力的である。

キヤノン「G3370」
キヤノン「G3370」

「G3370」は、インク充填のメンテナンス性も向上。インクタンクのキャップにバネを追加することで、軽く押し上げるだけでキャップが開くようになった。さらに、本体側のキャップ先端が指でつかみやすい形状になり、充填時にインクが指に付着しにくくなったのもポイント。従来機同様、正しい色のタンクにしかインクを差し込めないように、注ぎ口の形状を各色で変えているほか、インク補充時の注ぎすぎを自動でストップする機能も備わっている

デザイン&操作性インテリアになじみやすい新デザインと快適な操作性

キヤノン「G3370」

「G3370」の筐体サイズは約416(幅)×177(高さ)×337(奥行)mmとコンパクト。机の上など、スペースがあまりない場所にも設置しやすい

「G3370」は、従来モデル「G3360」からデザインと操作性が刷新されており、幅広い場所に設置しやすく、かつ使いやすいプリンターに進化している。

デザイン面では、全体的に丸みを帯びたやわらかい印象のフォルムを新たに採用したのがトピック。筐体の上部と下部が滑らかにつながるカラーリングも新しい要素で、リビングルームや書斎などのインテリアになじみやすい、落ち着いた雰囲気の外観に仕上がっている。書斎にはシックな印象の「ブラック」、リビングルームには明るいイメージの「ホワイト」といったように、設置場所の雰囲気に合わせて、2色のカラーバリエーションを選べるのも見逃せない特徴だ。

キヤノン「G3370」

デザインを刷新し、丸みを帯びたやわらかい印象のフォルムを採用。本体上部と下部で明るさの異なるカラーリングになっており、設置場所のインテリアのイメージを損ねない、上質なデザインに仕上がっている

キヤノン「G3370」 キヤノン「G3370」

「ブラック」と「ホワイト」のカラーバリエーションが用意されているのもうれしい。「ブラック」はよりシックなイメージで、「ホワイト」は明るく軽やかなイメージだ

操作性では、プリンター中央に大きく配置された前面操作パネルに、各種情報を表示する1.35型液晶モニターを搭載するのがトピック。「Gシリーズ」として初めて、各種機能を集約してわかりやすく表示するホーム画面を採用しており、液晶モニターを見ながら、コピーやスキャン、メンテナンスなど、よく使う機能に素早くアクセスできるようになった。バックライトを搭載するため、文字などもくっきりと表示され、とても見やすい。

加えて、操作ボタンのデザインも工夫されており、視認性の高い大型ボタンを採用。液晶モニターの左側に「ホームボタン」と「戻るボタン」を上下に並べ、右側に「十字キー」と「OKボタン」を配置するといったように、関連するボタンをグルーピングすることで、直感的に操作しやすくなっている。

G3370 1.35型液晶
キヤノン「G3370」
G3360 2行モノクロ液晶
キヤノン「G3370」

ホーム画面を備えた1.35型の液晶モニターを新たに搭載。従来モデル「G3360」の2行モノクロ液晶モニターと比べると、画面の視認性が大幅に向上している

キヤノン「G3370」 キヤノン「G3370」

各ボタンは押しやすいように中央が凹んだ形状を採用。スキャンカバーと後トレイカバーは、持ち手部分にリブや凹みを加えることで、開閉しやすくなった

キヤノン「G3370」

普通紙を最大100枚セットできる後トレイを採用。はがきや名刺などの印刷にも対応している

印刷品質写真も文字もキレイに見やすく印刷できる。
アプリを使った多彩な印刷にも対応

「G3370」は、前述のとおり3色の染料インク(シアン/マゼンタ/イエロー)と顔料インク(ブラック)を組み合わせた「4色ハイブリッドインク」を採用しており、印刷品質が高いのも魅力だ。

写真と文書の両方に強いのが特徴で、写真は色鮮やかに、文字はくっきりはっきりと見やすく印刷してくれる。写真や図版が用いられたビジネス文書や子どもの学習教材なども見やすくキレイに表現できる。

キヤノン「G3370」 キヤノン「G3370」

染料インク(シアン/マゼンタ/イエロー)と顔料インク(ブラック)を組み合わせた「4色ハイブリッドインク」によって、写真も文書もキレイな印刷が可能。小さな文字も、くっきりと見やすく出力できる

さらに、キヤノンのインクジェットプリンターの魅力として押さえておきたいのが、無料で提供されているアプリを使うことで、多彩な印刷を楽しめること。たとえば、はがき印刷用のスマートフォンアプリ「PIXUSはがきクリエイター」を使えば、豊富に用意されたテンプレートを活用した年賀状印刷などが行える。PCでは、直感的な操作でオリジナルのポスターやチラシを作成・印刷できる「ウェブ版 PosterArtist」が便利だ。もちろん、こうしたアプリを使用した場合の印刷品質も非常に高い。

スマホから年賀状を手軽に印刷できるアプリ
「PIXUSはがきクリエイター」

「PIXUSはがきクリエイター」は、デザイン面の作成や宛名書きなど、何かと手間のかかるはがき印刷をスマートフォンだけで行える定番のアプリ。オンラインマーケットプレイス「Creema(クリーマ)」で活躍するクリエイターが制作したデザインを含め、年賀状デザインテンプレートが350点以上も掲載されている。テンプレートに写真やテキストを追加してオリジナル年賀状を制作することもできる。もちろんデザイン面だけでなく、最大1,000件まで作成可能な住所録から宛名面の印刷も一括で可能だ。

キヤノン「G3370」 キヤノン「G3370」
キヤノン「G3370」 キヤノン「G3370」

年賀状など豊富なデザインテンプレートを活用できる「PIXUSはがきクリエイター」。デザイン面に写真を追加したり、文字を入力したりすることも可能だ。宛名の作成・印刷も簡単に行える

ポスターやチラシを制作・印刷できるWebアプリ「ウェブ版 PosterArtist」

「ウェブ版 PosterArtist」は、店舗やオフィスなどに使用するデザイン性の高いポスターやチラシなどの制作・印刷ツールとして用意されているWebアプリ。「ポスター」「のぼり」「チラシ」「メニュー」といった制作物の種類のほか、「小売・流通」「ビジネス」「セール」「飲食」といった業種・使用シーンでもテンプレートを検索できる。

キヤノン「G3370」 キヤノン「G3370」

「ウェブ版 PosterArtist」の操作画面。制作物の種類や、使用する業種・使用シーンに合わせ選べる豊富なデザインテンプレートをベースに、文字や画像を変更・追加したオリジナルデザインを簡単に作成できる

キヤノン「G3370」 キヤノン「G3370」

「G3370」は、普通紙だけでなく、光沢紙の印刷品質も高い。光沢紙を使った年賀状やポスターなども高画質にプリントできる

アプリと合わせて、キヤノンが用意する無料のPC用ソフト「Canon Inkjet Smart Connect」の使いやすさも紹介しておこう。このソフトは、プリンター初心者でも、直感的な操作で接続設定や印刷、スキャンが行えるというもの。新バージョンでは、スマートフォン用アプリ「Canon PRINT Inkjet/SELPHY」と画面を共通化し、スマートフォンからでもPCからでも同じような操作でプリンターを扱えるようになった。また、Windows版だけでなくMac版が追加されたのもトピックで、より幅広いデバイスから利用できるように進化している。

キヤノン「G3370」 キヤノン「G3370」

「Canon Inkjet Smart Connect」の操作画面。「写真印刷」「文書印刷」「スキャン」といった大きなアイコンが並ぶ、シンプルなユーザーインターフェイスなので、使い始めから操作に迷うことはないはずだ

まとめ家庭やSOHOなどシーンを選ばずに使える
オールマイティーなモデル

以上、特大容量タンク「ギガタンク」を搭載するインクジェットプリンター「G3370」の実力をチェックした。

「G3370」の最大の魅力は、やはり、特大容量タンク「ギガタンク」による大量印刷が可能な点だ。インクボトル各色1本でブラック約6,000枚※1、カラー約7,700枚(標準モード)※1の大量出力が可能なので、インクカートリッジタイプのプリンターと比べて、インク充填の回数が少なく、メンテナンスの手間が少ないのがポイント。A4普通紙1枚当たりの印刷代は、モノクロが約0.4円、カラーが約1.0円(いずれも標準モード、税込)と低く、インク代をさほど気にせずに使えるのも魅力的だ。

さらに、丸みを帯びたやわらかい印象のデザインに変貌を遂げ、幅広い場所に設置しやすくなった点も見逃せない。リビングルームに設置しても周りの雰囲気に溶け込むデザインに仕上がっている。1.35型の液晶モニターや大きなボタンの搭載によって、使いやすさにも磨きがかかった。

このような特徴を持つ「G3370」は、特大容量タンク「ギガタンク」を搭載するプリンターの中でも、特に、家庭やSOHOなどシーンを選ばずに使える、オールマイティーなモデルと言えそうだ。普段、プリンターのメンテナンスや管理が面倒だと感じている人にこそ、ぜひ選んでほしい製品である。

  • ※1 初めてプリンターをご使用になる際に充填したインクボトルではなく、2回目以降に充填するインクボトルを使用して算出しています。印字可能枚数は、A4カラー文書ISO/IEC 24712を使用し、キヤノン独自の測定方法で算出したものです。
  • ※2 最適な印刷品位を得るためには、年に1回程度はインクタンクの上限ラインまでインクを補充することをおすすめします。