「ニコン最高性能」を更新し続けるフラッグシップモデル ファームウェアVer.3.00でさらなる進化を遂げたニコン「Z 9」は今が買い時!
ニコンの新しいフラッグシップモデルとして2021年12月にベールを脱いだ「Z 9」。世界最多※19種類の被写体検出AFや、ニコン初となる120回/秒の高速AF演算、長時間8K動画記録※2といった、圧倒的なスペックを持つフルサイズミラーレスカメラとして、プロやハイアマチュアから高い支持を得ている。そんな「Z 9」の特徴として見逃せないのが、定期的なファームウェアアップデートによって性能・機能が進化し続けていること。2022年10月にリリースされた最新のファームウェアVer.3.00を適用することで、発売開始当初と比べて「新モデル」と言っても過言ではないくらいのカメラに変貌を遂げるのだ。本特集では、ファームウェアVer.3.00の詳細とともに、「Z 9」の魅力を掘り下げてお伝えしよう。
革新性メカシャッターレス構造によって圧倒的な高性能を実現
「Z 9」は、2021年12月に、ニコンの新しいフラッグシップモデルとして登場したフルサイズミラーレスカメラ。新たに開発した有効画素数4571万画素の積層型CMOSセンサーと、最新の画像処理エンジン「EXPEED 7」という最先端デバイスを組み合わせることで、“ニコン史上最強”の高性能を実現した超ハイスペックモデルだ。
「Z 9」の主要なスペックを紹介すると、AFシステムは、ディープラーニング技術を用いて開発したアルゴリズムを搭載し、世界最多※19種類の被写体検出を実現したのが大きなトピック。ニコンの一眼レフカメラが搭載していた高度な被写体追尾機能「3D-トラッキング」も装備している。さらに、動体撮影で重要な連写性能も高く、最高約120コマ/秒の超高速連写に対応。高性能AFと超高速連写によって、素早く動く被写体を撮る場合でも、“狙った瞬間”をより確実に記録できる。
操作性の面では、フラッグシップモデルらしい縦位置グリップ一体型の高信頼ボディに、被写体の動きを常に表示・更新する※3「Real-Live Viewfinder」対応の電子ビューファインダー(EVF)を搭載。動画撮影にも強く、8K動画(8K UHD/30p)を連続して最長125分記録できる。2022年11月7日時点で、コンシューマー向けのミラーレスカメラとして8K動画をここまで長時間にわたって撮れるものはほかにない。
では、なぜ「Z 9」は、AF、連写、操作性、動画といった全方位で、ここまでの高性能を実現できたのだろうか? それは、メカシャッターレス構造(メカシャッターを用いない完全電子シャッター仕様)という、次世代の仕組みをいち早く採用したことが大きい。
メカシャッターレス構造の最大のメリットは、シャッター幕などメカ駆動の制限がないため、撮像素子と画像処理エンジンが持つポテンシャルをフルに発揮できること。その結果、カメラのレスポンスが飛躍的に向上する。「Z 9」が最高約120コマ/秒の超高速連写を達成できたのも、メカの制限を受けないメカシャッターレス構造だからこそだ。また、ボディの内部スペースに余裕が生まれるのもメカシャッターレス構造のメリット。より効率的なエアフローと熱処理が可能になったことで、最長125分の長時間8K動画記録も達成したのである。さらに、シャッターの耐久性を気にする必要がないことや、シャッター動作がないため撮像素子へのゴミ不着が少ないことも、メカシャッターレス構造の見逃せないメリットだ。
もちろん、「Z 9」は、撮像素子の読み出し速度が速く、素早く動く被写体でもローリングシャッター歪みを気にせずに撮れる。電子シャッターでのフラッシュ同調にも対応し、1/250秒または1/200秒以下のシャッタースピードで同調可能。メカシャッター機と同じ使い方ができるので安心してほしい。
将来性ファームウェアアップデートで進化し続けるカメラ。
今後もさらに更新予定
「Z 9」の大きな特徴として見逃せないのが、本体のファームウェアアップデートによって、カメラとしての性能・機能が進化し続けていることだ。
過去のファームウェアアップデートを振り返ると、まず、発売から約5か月後の2022年4月に、最初のメジャーアップデートとなるファームウェアVer.2.00をリリースした。このアップデートでは、シャッターボタンを全押ししてから最大1秒間さかのぼって記録する「プリキャプチャ」や、EVFの120fps高速表示、8.3K/60pなどのカメラ内RAW動画記録、8Kオーバーサンプリングによる4K UHD/60p動画記録といった機能を追加。ニコンのカメラとして過去に類を見ないほど充実した内容の大型アップデートとして話題になった。
その後、2022年7月に、プロからの要望が高かった静止画撮影の「高周波フリッカー低減」機能を実装したVer2.10をリリース。そして2022年10月に、2回目のメジャーアップデートとなる、最新のファームウェアVer.3.00を公開したのだ。
「Z 9」のファームウェアアップデートの回数は、細かい改善まで含めると発売から約1年で計6回にのぼる。「Z 9」は、発売開始当初(ファームウェアVer.1.00)からは別モノと言っても大げさではないくらいの進化を遂げているのである。
注目したいのは、これらのファームウェアアップデートによって、AFや連写、動画撮影といった主要機能の性能が大幅に向上したほか、「そこまでやるか!」と思うくらい、操作性や各種表示機能に関する改善が施されていること。ユーザーからのフィードバックを元に改善を図っているため、ファームウェアアップデートのたびに、どんどん使いやすくなっているのだ。
さらに、ニコンによると、Ver.3.00以降のファームウェアアップデートも予定しているとのこと。ハードウェア的にはまだ余力を残しており、今後もさらなる進化に期待してよいだろう。
進化点ファームウェアVer.3.00の進化点をチェック
ここからは、動画撮影、静止画撮影、AF、操作性の4点に分けて、「Z 9」の最新ファームウェアVer.3.00の進化点を紹介していこう。
動画撮影機能のアップデート
最大2倍ズームが可能な「ハイレゾズーム」の追加
動画撮影の新機能として注目なのが、レンズの望遠端を超えるズーミングに対応する「ハイレゾズーム」だ。この機能を活用すれば、動画撮影中に、手動操作では不可能な滑らかな動きのズーム操作が可能だ。しかも、4K動画撮影時には、最大8Kのサイズで撮影しながらクロップするため、電子ズームとは異なり、解像感を保ったまま最大2倍に拡大できるのがポイント。通常はズーム撮影ができない大口径・単焦点レンズを使用して、ボケを生かしたズーム表現を楽しむこともできる。
ズーム操作は、カメラのFn1ボタン/Fn2ボタンや、レンズのFnリング/コントロールリングに機能を割り当てられる。よく考えられているのは、ボタンとリングで操作感が異なること。ボタン操作時は一定速度(「高速」「中速」「低速」の3段階から選択可能)の滑らかさでズーミングし、コントロールリング操作時はリングの回転具合に応じてズーミングのスピードが変わる。
開放F1.2の大口径・標準レンズ「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」を使用し、「ハイレゾズーム」のズームイン/ズームアウトを試してみた。「高速」「中速」「低速」のどの速度設定でも、かなり滑らかに動作しているのがわかる
大口径・標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」を使用し、ハイレゾズームと光学ズームで解像感を比較してみた。どちらも焦点距離70mm相当で撮影した4K動画から一部分を切り出したものになるが、ハイレゾズームは十分にシャープな画質なのがわかるはずだ
動画撮影時の高周波フリッカー低減に対応
ファームウェアVer.3.00では、静止画撮影だけでなく動画撮影でも「高周波フリッカー低減」を使用できるようになった。通常より細かいステップ幅でシャッタースピードを調整し、フリッカーの周期と一致するシャッタースピードを探すことが可能。スポーツ会場や舞台など、高周波LEDを用いた看板や照明がある場所での撮影に有効な機能だ。
このほか、動画撮影関連では、別売オプションのリモコン「WR-T10」を用いて、複数台の「Z 9」のタイムコードを一致させられるリモコンによるタイムコードの同期機能を追加。ミラーレスカメラとしては初となる「UltraSync BLUE」への対応も追加されており、Bluetooth経由で複数のデバイスとタイムコードを同期できる、Atomos社のアクセサリー「UltraSync BLUE」を利用できるようになった。
水族館の中で、動画撮影時の高周波フリッカー低減機能をテストした動画。1/100秒のシャッタースピードだと高周波によるフリッカーが発生しているが、シャッタースピードを1/108.4秒に細かく調整することでフリッカーの影響が大幅に抑えられている
静止画撮影のアップデート
「ハイスピードフレームキャプチャ+」に60fpsモードを追加
静止画撮影では、AF/AE追従のJPEG超高速連写機能「ハイスピードフレームキャプチャ+」に、DXフォーマット(画像サイズL)での約60コマ/秒連写設定[C60]が追加された。これにより、「ハイスピードフレームキャプチャ+」は、FXフォーマット(画像サイズS)での約120コマ/秒連写[C120]、FXフォーマット(画像サイズL)での約30コマ/秒連写の[C30]とあわせて3種類の速度設定を選べるようになった。
[C60]は、[C30]よりも速度が速いことに加えて、DXフォーマットでの撮影になるため、遠くにいる動物などを大きく写したい時に便利。また、常に被写体の動きが表示・更新される「Real-live Viewfinder」の60fps表示とマッチするため、より滑らかなファインダー表示で被写体を追えるのもうれしい点だ。
Z 9、NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S+Z TELECONVERTER TC-2.0x、800mm、1/1600秒、F11、ISO800、ホワイトバランス:自然光オート、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:より強め1、ヴィネットコントロール:標準 撮影写真(5392×3592)
「ハイスピードフレームキャプチャ+」の約60コマ/秒連写設定[C60]と、「プリキャプチャ」を組み合わせて撮影した作例。「Z 9」は、「ハイスピードフレームキャプチャ+」の超高速連写時でもAF/AEが追従するのが非常に使いやすい。狙った被写体をAFがとらえ続け、かつ「プリキャプチャ」によってシャッターボタンを全押しする前の画像を記録できるため、この作例のような、野鳥の捕食の瞬間も簡単にとらえることができた。
連続撮影画像のグループ再生の改善
連写関連の機能としては、一連の連写画像をグループとして表示する機能が強化された。具体的には、サムネイル表示をグループ化する機能のほか、サブセレクターを使ったグループ画像の選択・表示機能と、グループ内の画像を自動で連続再生する機能を利用できる。
このほか、静止画撮影関連では、高周波フリッカー低減機能の改善として、静止画撮影メニュー上で機能のオン・オフを設定できるようになった。従来バージョンではカスタムボタンにのみに割り当てられる機能だった。
AFのアップデート
AFは、細かい点を含めて改善が施されている。スペック的な部分では、AF低輝度限界が0.5EV向上し、従来バージョンの「-6.5EV(スターライトビュー有効時:-8.5EV)」から「-7EV(スターライトビュー有効時:-9EV)」に性能がアップしている。
さらに、低輝度下や低コントラスト時など幅広いシーンでAF精度の向上を実現。特に、暗いシーンでのAFのバラツキを大幅に低減している。また、「3D-トラッキング」設定時、ならびにオートエリアAF/ワイドエリアAF設定時(人物、動物、乗り物を検出している場合)の動作を見直し、背景張り付き(ピントが背景に張り付いて戻らない現象)のさらなる改善も実現している。
ファームウェアVer.2.10とVer.3.00で、暗所でのAFを比較した動画。Ver.2.10だと希にピントの迷いが発生する難しいシーンでも、Ver.3.00では大幅に改善。被写体検出の精度が向上し、がより安定して動作するようになった
こちらは、暗所での動画撮影時のAFを比較した動画。静止画撮影と同様、ファームウェアVer.3.00では、Ver.2.10で発生していたピントの迷いが大きく改善されている
ファームウェアVer.3.00ではAFの動作を見直し、背景張り付きを改善。この動画で確認できるように、暗所で背景が明るい場合などでもピントが背景に抜けにくくなった
「3D-トラッキング」関連では、横切り被写体に対するピント乗り移り対策を強化したうえ、動物に対するAF追従性の向上も実現。細かいところでは、「3D-トラッキング」使用時のフォーカスポイント表示色変更機能が追加され、フォーカスポイントの色を「白」と「赤」から選べるようになった。
このほか、動画撮影では、「フリッカー低減」を設定している場合のAF低輝度性能の向上を実現している。
操作性のアップデート
カスタムボタンの追加・機能拡充
ファームウェアVer.3.00では、カスタムボタンとして機能する操作系に、DISPボタン、感度ボタン、露出補正ボタン、動画撮影ボタン、縦位置感度ボタンが追加され、ユーザーの好みに合わせてより柔軟なボタンカスタマイズが可能になった。また、ボタンに割り当てられる機能には、「FX/DX切り換え」「静止画フリッカー低減」「リモートカメラの優先接続」「ライブビュー情報表示の切り換え」などが追加されている。
ビューモード「撮影設定を優先」の改善
カスタムメニューの「ビューモード設定(静止画Lv)」の「撮影設定を優先」に、「フラッシュ使用時を含む」と「フラッシュ使用時を含まない」の設定が追加された。これは、スピードライト使用時に撮影設定反映動作を維持するか、維持しないかを選べる機能である。「フラッシュ使用時を含む」を選べば、スピードライトが発光可能な状態でも色味や露出などの撮影設定をライブビューに反映する。
撮影タイミング表示「Type A」への自動切り替えの追加
カスタムメニューの「撮影タイミング表示」に、「Type A自動切り換え秒時」が追加された。この項目は、1/200〜1/6秒の間で設定した値よりもシャッタースピードが遅くなった場合に、撮影タイミングの表示方法を自動的に「Type A」(※シャッターが切れた時に画面を暗くする設定)に切り替えるというもの。低速シャッタースピードで流し撮りをする際に、レリーズのタイミングであえて画面を暗くすることで、被写体を追いやすくなる設定だ。
「画像サイズ(DX)」の追加
撮像範囲にDXを選択した時の画像サイズを個別に設定できるように、静止画撮影メニューの「画像サイズ」を「画像サイズ設定」に変更し、「画像サイズ(DX)の適用」と「画像サイズ(DX)」の項目を追加した。これによって、たとえば、FXはサイズM(25.6M)、DXはサイズL(19.4M)といったように、より柔軟な記録設定が可能になった。
このほか、操作性では、モニターモードの「ファインダー優先」の見直しを行い、顔を近付けた時にだけファインダーが点灯する「ファインダー優先1」と、電源オン時やシャッターボタン半押し時などにもファインダーが数秒間点灯する「ファインダー優先2」から選べるようになった。フォーカスシフトの撮影終了時に、撮影開始時のフォーカス位置に戻す「フォーカス位置の自動リセット」や、「モニターの明るさ」の設定拡張(Lo 1、Lo 2、Hi 1、Hi 2)などの設定も追加されている。
まとめ今後も長く「ニコン最高性能」を楽しめるフラッグシップモデル
以上、「Z 9」のファームウェアVer.3.00の詳細と合わせて、ニコンのフラッグシップモデル「Z 9」の魅力を掘り下げてお伝えした。
「Z 9」は、メカシャッターレス構造という次世代の仕組みをいち早く採用し、AFや連写、動画撮影など、“ニコン史上最強”の高性能を実現している。もちろん、そうした性能の高さも魅力だが、それ以上に、このカメラだからこその魅力として伝えておきたいのが、ファームウェアアップデートによって、「ニコン最高性能」を更新し続けているということ。最新のファームウェアVer.3.00では、動画撮影時の「ハイレゾズーム」や、「ハイスピードフレームキャプチャ+」の60fpsモードなどの機能が追加されたうえ、細かい操作性も数多く改善されており、静止画撮影と動画撮影の両方で、さらに使いやすいカメラに進化を遂げている。
発売から約1年が経過した2022年12月時点でも、「Z 9」は、フルサイズミラーレスカメラとして最高性能を誇るモデルのひとつだ。「発売から少し時間が経ったから次のモデルが出るのを待つ」という選択はもったいない。「Z 9」が気になっているのなら、ぜひ本機を手に入れて、ニコン史上最強のカメラを今から味わいつくしてほしい。今後も、ファームウェアアップデートによって機能の強化される予定なので、「ニコン最高性能」を長く満喫できるはずだ。
- ※1 2021年10月28日現在、ミラーレスカメラにおいて。ニコン調べ
- ※2 FXベースの動画フォーマットのみ。
- ※3 シャッタースピードなどの設定条件により見え方が異なります。

































