家庭でも大活躍のA3対応インクジェット複合機 新技術「MAXIDRIVE」搭載の高性能モデル ブラザー「MFC-J7300CDW」徹底解剖

家庭用からビジネス用まで充実したラインアップが揃う、ブラザーのインクジェットプリンター・複合機。その中でも、幅広い用途に活用できる、A3対応の複合機として注目したいのが「MFC-J7300CDW」だ。新開発のプリントヘッドテクノロジー「MAXIDRIVE(マキシドライブ)」を搭載することで高速印刷と高耐久性を実現したハイスペックモデルで、ビジネス用としてだけでなく家庭用としても活用できる充実した機能を装備している。本特集では、実際に使ってみて感じた、本機の魅力を詳しくレビューしよう。

高い基本性能
新開発のプリントヘッドテクノロジー
「MAXIDRIVE」を搭載し、
高速・高画質な印刷を実現。耐久性も大幅に向上

ブラザー「MFC-J7300CDW」 ブラザー「MFC-J7300CDW」

在宅ワークが増えたことで、家庭におけるA3対応インクジェットプリンター・複合機のニーズが高まっている。それに合わせるように、本特集で紹介する「MFC-J7300CDW」のような、書斎やリビングルームなどに設置可能なA3対応モデルが増えてきている(画像の製品は左が「MFC-J5800CDW」、右が「MFC-J7100CDW」)(画像の製品は上が「MFC-J5800CDW」、下が「MFC-J7100CDW」)

「家庭で使用するインクジェットプリンターといえばA4対応モデル」という印象を持っている人は多いことだろう。確かに、家庭用のインクジェットプリンター・複合機はA4対応モデルが標準的で、製品のラインアップ数も多い。ただ、在宅ワークが増えている昨今は、家庭でのA3印刷のニーズが増えており、じわじわとA3対応モデルにも注目が集まるようになっている。

家庭用としてA3対応のインクジェットプリンター・複合機を選ぶメリットは、B4やA3などA4以上の大きな用紙サイズで印刷できることだ。A3印刷=仕事用というイメージが強いかもしれないが、家庭でも、たとえば、子どもの学習用教材を印刷・コピーする場合や、パンフレットや雑誌を見開きでコピーする場合など、A3対応だと便利なことは多い。また、入学試験の解答用紙はB4やA3が一般的ということもあって、A3対応モデルは受験対策のツールとしても活用できる。仕事や学習、趣味などで印刷機会が多い人は、いろいろと便利に使えるA3対応モデルにぜひ注目してほしい。

ブラザー「MFC-J7300CDW」 ブラザー「MFC-J7300CDW」

子どもの学習用教材はA4からA3まで幅広いサイズが用意されている。A3対応のインクジェットプリンター・複合機なら、B4/A3サイズの教材であっても、A4に縮小することなくそのままの大きさで印刷できる。さらに、A3対応の複合機であれば、パンフレットや雑誌を見開きでコピーすることが可能。幅広い使い方に対応できるのが“A3対応”の魅力だ

数あるA3対応インクジェットプリンター・複合機の中で、ビジネスでも家庭でも使いやすいモデルとして紹介したいのが、ブラザーの最新機種「MFC-J7300CDW」だ。前面に大容量の用紙トレイを2段搭載するハイスペックな複合機で、仕事用としても家庭用としても多彩な使い方に対応できる製品である。

ブラザー「MFC-J7300CDW」

前面に2段用紙トレイを搭載する、A3対応のインクジェット複合機「MFC-J7300CDW」。印刷速度や耐久性の向上を実現したハイスペックモデルだ

本機を実際に使ってみて特に感心させられたのが印刷速度の速さだ。従来モデル※1と比べて、印刷速度は、A4カラーが約20ページ/分から約28ページ/分に、A4モノクロが約22ページ/分から約28ページ/分に向上。ファーストプリントの印刷時間もA4カラーで約6.0秒から約4.6秒※2に、A4モノクロで約5.5秒から約4.4秒※2に短縮している。大量の印刷を行う場合でも、1枚だけ印刷する場合でもスピーディーに対応できるのだ。

こうした高速印刷を可能にしたのが、「MFC-J7300CDW」が搭載する、新開発のインクジェット印刷技術「MAXIDRIVE」である。ブラザーが長年のインクジェットプリンターの開発で培ってきたノウハウを凝縮した、「インクジェットの心臓部」となるプリントチップのコア技術で、高画質を維持しながら、インクの粒の大きさを大きくしたのがポイント。これによって、従来モデル※1を大きく上回る高速印刷を実現しているのである。さらに、廃液抑制機構や摩耗部品の改善、部品に付着するミストの抑制など、長期使用によるプリントチップの駆動劣化を抑える技術も搭載しており、耐久性も向上。製品寿命は、従来モデル※1の倍となる約30万ページという驚異的なスペックを達成している。

ブラザー「MFC-J7300CDW」

新開発のインクジェット印刷技術「MAXIDRIVE」をプリントチップに採用。より高精度なインク吐出制御が可能になり、高速印刷を実現している。さらに、プリントチップの駆動劣化を抑える技術によって印刷耐久枚数も大幅に向上。長期にわたって故障を防ぎ、安定した印刷を可能にした

ブラザー「MFC-J7300CDW」 ブラザー「MFC-J7300CDW」

実際の印刷速度を計測してみたところ、A4カラーは28ページの印刷が約62秒で完了。A4カラーのファーストプリント時間も4秒台で、ほぼカタログスペックどおりの結果になった。本機なら、大量印刷も1枚印刷も、とにかくスピーディーに対応できる

本機がすぐれているのは、新技術「MAXIDRIVE」によって、印刷速度と耐久性の向上を実現しながら、印刷コストや印刷品質を維持していること。本機の印刷コストは、A4カラーが約6.5円/枚※3、A4モノクロが約1.7円/枚※3で、A3インクジェット複合機としては低く抑えられている。印刷品質については、4色独立の顔料インクを採用しており、文字がにじみにくく、鮮明に印刷できるのが特徴だ。

ブラザー「MFC-J7300CDW」 ブラザー「MFC-J7300CDW」

ビジネス文書を印刷してみたが、顔料インクを採用しているだけあって、文字がくっきりと見やすく印字された。文字だけでなく、カラーの図版やグラフもメリハリがあって見やすいのも付け加えておきたい。また、顔料インクがやや苦手とする写真印刷も試してみたが、思った以上に高画質で驚いた。子どもの写真や風景写真などを、色かぶりすることなくキレイに印刷することができた

すぐれた使い勝手
前面での給紙・排紙・インク交換に対応。
便利な機能も多数搭載

続いて、「MFC-J7300CDW」の操作性についてレビューしよう。

本機を使ってみて特に便利だと感じたのは、徹底したフロントオペレーションを採用していること。給紙と排紙だけでなく、インク交換も本体前面右側で行えるように設計されているので、印刷の準備や本体のメンテナンスをとてもスムーズに行える。

さらに、フロントオペレーションを徹底した設計は、設置性が高いのもポイントだ。A3対応ということで、本体サイズは576(幅)×375(高さ)×477(奥行)mm(突起部を除く)と相応の大きさだが、側面にそれほどスペースがなくても設置できるのは大きい。家庭の書斎やリビングルームなどにも、比較的設置しやすいA3対応インクジェット複合機と言えるだろう。

ブラザー「MFC-J7300CDW」

1段250枚の用紙をセットできる、大容量の2段用紙トレイを前面に搭載。上下段ともにA3用紙に対応している

ブラザー「MFC-J7300CDW」

排紙トレイは、A4用紙の場合、最大100枚まで保持できる。大量印刷時でも用紙を回収しながら印刷をする必要がないのはありがたい

ブラザー「MFC-J7300CDW」 ブラザー「MFC-J7300CDW」

本機のインクカートリッジは4色独立タイプで、1色ずつの交換が可能。カートリッジは、本体前面右側のカバーを開いて交換する仕組みだ。また、前面の液晶ディスプレイに、各インクの残りの印刷枚数(ISOベースまたは使用状況に合わせた残り枚数)を表示できるのが便利。インク交換の目安がわかりやすく、急なインク切れを防いで使用できる

ブラザー「MFC-J7300CDW」 ブラザー「MFC-J7300CDW」

大きな前面パネルには、タッチパネル対応の3.5型液晶ディスプレイや、大きな数字ボタンが並ぶダイヤルパッド、よく使う機能を登録してワンタッチで呼び出せるワンタッチボタンを搭載。パネルは見やすい角度に調整できる

本機は、ハイスペックなA3対応のインクジェット複合機だけあって機能も充実している。A3からはがきサイズまで対応する自動両面プリントや、USBメモリーを使ってのダイレクトプリントなど、便利な機能をひと通り搭載している。

さらに、プリントヘッドのエラーを検知し、自動で修復・メンテナンスを行う自動ノズルチェック機能や、インク消費量を節約できる「エコモード」(※Windows端末のみで使用できる機能)、読み取ったデータを電子メールの添付ファイルとして送信できるインターネットファクス機能、1200mmまで対応の長尺印刷機能(背面多目的トレイ)といった便利機能も多数搭載。細かい点では、無線LANがIEEE802.11a/b/g/nに対応し、5GHz帯での安定した接続が可能になったことも見逃せない特徴だ。

ブラザー「MFC-J7300CDW」 ブラザー「MFC-J7300CDW」

A3を含めて幅広い用紙での自動両面プリントが可能。本体前面左側のUSBポートを利用してのUSBダイレクトプリントにも対応している

ブラザー「MFC-J7300CDW」 ブラザー「MFC-J7300CDW」

背面の多目的トレイは、A3用紙やA4用紙を最大100枚までセット可能(※はがきは最大50枚)。さらに、最大50枚までセットできるADF(自動原稿送り機装置)も備わっているので、複数枚の原稿スキャンやコピーもお手のものだ。1回の用紙走行で表面・裏面を同時にスキャンする両面同時スキャンにも対応している

1段用紙トレイモデル
「MFC-J7300CDW」と同じ基本性能を搭載する
「MFC-J7100CDW」

ブラザー「MFC-J7300CDW」

1段用紙トレイを採用することで、本体の高さを抑えたコンパクトモデル「MFC-J7100CDW」。下位モデルながら、基本性能は「MFC-J7300CDW」と変わらない

ブラザーのA3対応インクジェットプリンター・複合機は、ユーザーのニーズに合わせて選べる多彩なモデルが用意されている。その中で、「MFC-J7300CDW」とともに注目したいのが、下位モデルの複合機「MFC-J7100CDW」だ。

「MFC-J7100CDW」は、端的に言えば、上位モデル「MFC-J7300CDW」をベースに、前面の用紙トレイを1段にすることで、よりコンパクトなサイズを実現したモデル。「MFC-J7300CDW」と比べると高さが約7cm低くなっている。

「MFC-J7300CDW」との機能の違いとしては、先述したように1段用紙トレイであることと、両面原稿の表面・裏面を同時にスキャンできる両面同時スキャンに対応していないことくらいで、プリンターとしての基本性能は同じ。新開発のインクジェットプリンティング技術「MAXIDRIVE」を搭載し、「MFC-J7300CDW」と同じ、A4カラー/A4モノクロともに約28ページ/分の高速印刷を実現しているうえ、約30万ページ対応のすぐれた耐久性も備わっている。印刷コストや印刷品質も「MFC-J7300CDW」と同等だ。

より省スペースに設置できる、ビジネスでも家庭でも使いやすいA3対応のインクジェット複合機として注目に値するモデルである。

2年間の無償修理サービスが受けられる
「Brother Online ハイプリ」

ブラザー「MFC-J7300CDW」

ブラザーは「Brother Online ハイプリ」を用意している

ブラザーのインクジェットプリンター・複合機の購入を検討している人にぜひ知っておいてほしいのが、同社が展開している無償の延長保証サービス「Brother Online ハイプリ」だ。このサービスは、対象製品を購入し、登録受付期間内(購入後半年以内)にオンライン会員に登録してサービスに申し込むだけで、1年間のメーカー保証に加えて、2年間の無償修理サービスを利用できるというもの。

2022年12月時点では、A4対応モデル8機種、A3対応モデル6機種がこのサービスの対象製品だ。ハイプリ保証期間中の2年間で、A4対応モデルは1回、A3対応モデルは回数無制限の無償修理が受けられる(※修理時の送料はA4対応モデルが無料、A3対応モデルが税込2,750円)。

もちろん、本特集で紹介した「MFC-J7300CDW」と「MFC-J7100CDW」もこのサービスに対応。これらの製品を購入した際は、オンライン会員に登録して忘れずにサービスに申し込んでほしい。

まとめ
使い勝手にすぐれた高機能な
A3対応インクジェット複合機

本特集で紹介した「MFC-J7300CDW」は、A3対応のインクジェット複合機ということで、一見すると「ビジネス用の本格モデル」という認識を持つかもしれない。しかし、A4原稿を見開きで印刷・コピー可能なA3対応プリンターは家庭でも何かと便利に使えるし、在宅ワークを行っている人ならなおさら便利に活用できるはずだ。

しかも、扱いやすいフロントオペレーションや高速印刷を実現しているので印刷時のストレスが少なく、耐久性にもすぐれているので安心して長く使うことが可能。2段用紙トレイを採用するのもポイントで、A4用紙とA3用紙の使い分けも容易だ。家庭では一般的なA4対応のインクジェットプリンター・複合機にはできない、幅広い使い方に対応できる複合機なのである。

普段、A4対応のインクジェットプリンター・複合機を使っていて、「A3で印刷できるともっと便利なのに……」と感じている人には、ぜひ注目してほしい製品だ。購入して実際に使ってみれば、そのよさを必ず実感できるはずである。

ブラザー A3対応のインクジェットプリンター・複合機

高速印刷・高耐久性を実現した
レギュラーシリーズ
低ランニングコストが魅力の
「ファーストタンク」シリーズ
  • ※1 2019年モデルの「MFC-J6983CDW」。
  • ※2 解像度:普通、環境:常温常湿、片面印刷時、印字パターン:ISO/IEC 17629。ブラザー工業内の環境においての計測結果に基づきます。PC上で印刷ボタンをクリックしてから1枚目の用紙排出が完了するまでの時間。印刷データによってパフォーマンスが変わることがあります。
  • ※3 A4(カラー/モノクロ)文書1枚あたりのインクカートリッジのみのコスト(税込)です。使用したインクカートリッジは「LC412XL」シリーズです。
  • ※ 印刷速度・印刷コスト・耐久枚数の測定データおよび測定条件はブラザーホームページをご覧ください。
この記事は2023年1月16日の情報を基にしております。