勇躍して戦いに臨む本気のゲーマーなら誰でも、研ぎ澄ました刀のようにキレのあるゲーミングマシンを武器としたいもの。そんな熱いゲーマー達から絶大な支持を集めてきたのが、ASUSが誇るハイクラス・ゲーミングブランド「ROG(Republic of Gamers)シリーズ」だ。同社が長年にわたって培ってきたゲーミングノウハウを結集して開発された同シリーズは、2020年から2022年までの3年連続で、ゲーミングPCブランドとして国内販売台数No.1※1を獲得するほどの人気を誇る。なかでも、ハイパフォーマンスを追求した上位ブランドの「ROG Strixシリーズ」の性能は傑出しており、世界的なeスポーツの場でも大人気。そんな「ROG Strixシリーズ」の最新作として世に送り出されたのが、2023年モデルの16型ゲーミングノート「ROG Strix G16シリーズ」だ。
「ROG Strix G16シリーズ」は、CPUとGPUともに、最新世代の上級パーツで強力武装。刷新された冷却システムの恩恵もあり、ゲーミングデスクトップ並みのハイパフォーマンスが期待できる本格モデルだ。同シリーズには、スペックの異なる「G614JZ-I9R4080」「G614JI-I9R4070」「G614JV-I9R4060T」「G614JV-I9R4060」の4モデルがラインアップされるが、ここでは最上位モデルとなる「G614JZ-I9R4080」を使って、そのパフォーマンスをチェックしていこう。
※1 BNC 2020-2022年販売実績に基づく ASUS調べ
「ROG Strix G16シリーズ」の最上位モデル「G614JZ-I9R4080」。「エクリプスグレー」のボディをオーロラのように彩る鮮やかなRGBイルミネーションは、ゲームにおける闘争心を奮い立たせてくれる
「第13世代インテル Core i9-13980HX プロセッサー」が異次元の性能を発揮
「G614JZ-I9R4080」でまず注目したいのは、2023年1月に発表されたばかりの最新CPU、「第13世代インテル Core i9-13980HX プロセッサー」を搭載していること。「第13世代インテル Core プロセッサー・ファミリー」においてハイエンドモデルとなる「HXシリーズ」の中でも、最上位に位置付けられるこのCPUは、24コア/32スレッドを擁するとともに、ブーストクロックが最大5.6GHzにまで達する。マルチコア性能とシングルコア性能をともに突き詰めた、向かうところ敵なしの怪物CPUだ。
しかも、「ROG Strix G16シリーズ」では、最上位モデルの「G614JZ-I9R4080」だけでなく、全モデルで、この「第13世代インテル Core i9-13980HX プロセッサー」が採用されている。CPUだけを見ても、ASUSが同シリーズに注ぐ強い思いが感じられるのだ。
CPU情報確認ツール「CPU-Z」で「第13世代インテル Core i9-13980HX プロセッサー」をチェックすると、高性能な「Pコア」を8基、高効率の「Eコア」を16基備えていることがわかる。多コアCPUではゲーミングで重要なシングルコア性能が落ちやすいが、このCPUは2種類のコアを組み合わせた「ハイブリッド・アーキテクチャー」を採用することで、シングルコア性能も非常に高い
CPUの処理性能を計測するベンチマークプログラム「CINEBENCH R23」をテストすると、マルチコアで26604、シングルコアで2103をマーク。いずれもノートPCとは思えない、圧倒的なハイスコアだ
超速GPU「NVIDIA GeForce RTX 4080 Laptop GPU」を搭載
グラフィック処理の要となるGPUのスペックも半端ではない。「ROG Strix G16シリーズ」では全モデルが最先端のディスクリートGPU「NVIDIA GeForce RTX 40シリーズ Laptop GPU」を採用しているが、その中でも「G614JZ-I9R4080」は、とりわけハイエンドな「NVIDIA GeForce RTX 4080 Laptop GPU」を搭載している。このGPUは、電力効率を格段に高めた「NVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャ」により、搭載コア数とブーストクロックの大幅な向上を実現。レイトレーシング性能や、高解像度技術のDLSS性能がパワーアップしていることも相まって、前世代モデルの最大4倍というハイパフォーマンスを発揮するという。
GPU情報確認ツール「GPU-Z」で「NVIDIA GeForce RTX 4080 Laptop GPU」をチェック。処理性能を左右するブーストクロックが2280MHzに達することが確認できる
本機には、ディスクリートGPUからディスプレイに映像信号を直接伝達できる「MUXスイッチ」が搭載されているのも魅力。専用のユーティリティアプリ「Armoury Crate」でGPUモードを「Ultimate」にすれば、GPUのパフォーマンスを最大限に生かせる
さらに、搭載するストレージは1TBのPCIe 4.0 x4接続SSDで、メモリーは32GBのDDR5-4800。全方位で隙のないハイスペックが追求されており、猛者揃いのゲーミングノートの中でも、そのスペックの高さは次元が違う。
新開発の冷却システムがパフォーマンスを最大化
ノートPCのボディにこれだけパワフルなパーツを搭載できた理由として、ASUSが新開発した強力な冷却システム「Frost Forceテクノロジー」を抜きには語れない。一般的な冷却システムはファン1〜2基を搭載するに留まるが、この「Frost Forceテクノロジー」は、最大13%のエアフロー向上を遂げたパワフルな「Arc Flowファン」を3基搭載。さらに、7本のヒートパイプと巨大なフルワイドヒートシンクを備えることで、パワフルなCPUとGPUから発せられる熱をしっかりと外へ逃がし、パフォーマンスを限界まで引き出してくれるのだ。
本体の裏蓋を取り外すと、左右に加え、中央付近にもファンが備えられていることがわかる。この補助ファンがGPUとVRAMの熱をヒートシンクに誘導し、急速冷却することで、ハイパフォーマンスを長時間持続できるのだ
CPUと冷却システムの接点には、高品位なThermal Grizzly社製の液体金属グリスを採用。CPUを最大15℃も低く保てるという
ベンチマークプログラム「3DMark」の「Time Spy」を実行中に測定した、CPU(赤)とGPU(緑)の温度グラフ。高負荷時でも、CPUは90℃台前半、GPUは70℃台後半に留まっており、いずれも上限温度以下でフル稼働できている