HPのカジュアル向けゲーミングブランド「Victus(ヴィクタス)」から発売されている、15.6型ノート「Victus 15」。人気の3Dゲームを快適に楽しめるハイパフォーマンスに加え、ゲーミングノートらしからぬカジュアルなデザイン、Web会議やレポート作成などでも役に立つ機能を備え、普段使いでも活躍してくれる1台となっている。本特集では、CPUに「AMD Ryzen™ 7 5800H モバイル・プロセッサー」を、GPUに「NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti Laptop」を搭載しながら11万円台※を実現した、高コストパフォーマンスな「Victus 15」の価格.com限定モデルを取り上げ、その魅力をたっぷりと紹介していこう。
デザインゲーミングノートらしからぬ、
スタイリッシュで親しみを感じるボディ
最近人気が増してきているPCゲームをプレイするのに必要な機能や性能がオールインワンで手に入る手軽さから、人気が高まっているゲーミングノート。しかし、多くのゲーミングノートは、ゲームの雰囲気を盛り上げるような派手なデザインのモデルが多いうえ、ゲーミング性能を高めるべく、高性能なディスクリートGPUを搭載しているため、価格も高くなりがちだ。なるべくなら、1台で、ゲームに加え、仕事や勉強でも違和感なく使える、スタイリッシュで手ごろな価格のモデルが欲しいところだが、そんな希望をかなえくれる選択肢はなかなか見つからないのが現状ではないだろうか。
そこで注目したいのが、“PLAY TO PROGRESS(楽しみながら成長する)”をコンセプトとし、ゲームが持つ普遍的な楽しさを幅広い層に伝えるべく誕生した、HPのカジュアル向けゲーミングブランド「Victus」だ。なかでも、今回取り上げる15.6型ノート「Victus 15」は、見た目では“いかにもゲーミングPC”といった雰囲気を抑えつつ、CPUに「AMD Ryzen™ 7 5800H モバイル・プロセッサー」を、GPUに「NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti Laptop」を搭載しながら11万円台※を実現。普段使いもできるスタイリッシュで低価格なゲーミングノートとなっている。
HPのカジュアル向けゲーミングブランド「Victus」から登場した15.6型ノート「Victus 15」は、カジュアルなボディデザインもあいまって、ゲームはもちろん、仕事や学習でも幅広く活躍してくれそうな1台だ。なお、「Victus」シリーズのロゴとして採用されている「V」マークは、「Victus」の頭文字であるだけでなく、ゲームという冒険の旅路(Valleys of the gaming journey)や、強い敵にも立ち向かっていく勇敢さ(Valor)といった意味があるという
冒頭でも紹介したとおり、「Victus 15」の大きな注目ポイントは、ゲーミングノートらしからぬカジュアルなデザインだ。一般的なゲーミングノートは、ゲームの世界観に合わせた派手なデザインのものが多い。その点、本機は、「パフォーマンスブルー」と呼ばれる落ち着いたトーンのカラーを採用し、直線を基調としながら、エッジにやや丸みを持たせることで親しみやすさをプラス。未来感を保ちつつ、多彩なライフスタイルにマッチしやすいスタイリッシュなデザインとなっている。
ゲーミングノートというと、過度な装飾やLEDを備えたモデルも少なくないが、「Victus 15」は、まるでハイエンドノートのような洗練されたデザインとなっている。梨地加工が施され、光の当たる角度によって移り変わっていく「パフォーマンスブルー」の天面が美しい
本体サイズは約357.9(幅)×255(奥行)×23.5(厚さ)mmで、重量は約2.29kg。毎日持ち歩いて使うのには向かないが、必要に応じてLANパーティーの会場や、オフィス・学校に持ち出す程度であれば問題なさそうだ。なお、バッテリー駆動時間は最大7時間となっている
ゲーミングノートらしくエアフローにも力を入れており、底面の吸引口占有率は従来モデル(「Pavilion Gaming 15」)と比べて約24%増加。大型の吸引口から、デュアルファンを使って力強く外気を取り込むことでCPUとGPUをしっかりと冷却し、ゲームを長時間プレイする時も安定してハイパフォーマンスを発揮できるようになっている
また、搭載している液晶ディスプレイには、15.6型フルHD(1920×1080)解像度のIPSパネルを採用。IPSパネルは、視野角が広くて色再現性にすぐれるのが特徴だが、ゲームを快適にプレイする上で重要とされる「リフレッシュレート」を高めるのが難しい。しかし、本機のIPSパネルは、一般的な液晶ディスプレイのリフレッシュレート(60Hz)の2倍を超える、144Hzの高リフレッシュレートに対応。1フレームを争うFPSやアクションゲームなど、動きの速いゲームも残像感なくなめらかに楽しむことができるゲーミング仕様となっている。
発色のよい高コントラスト表示が可能なIPSパネルを採用した、15.6型フルHD液晶ディスプレイ。液晶パネルの表面にノングレア処理を施すことで、照明などの反射が低減されており、暗い場所でも画面に集中しやすい
処理性能人気の3Dゲームも100fpsオーバーで
楽しめるハイパフォーマンスを発揮
今回レビュー機として使用している「Victus 15」(価格.com限定モデル)は、11万円台※という手ごろな価格でありながら、「Zen 3」アーキテクチャーを採用した高性能CPU「AMD Ryzen™ 7 5800H モバイル・プロセッサー」(8コア/16スレッド、3.20GHz-最大4.40GHz)をはじめ、レイトレーシング/DLSSといった高画質化機能に対応したミドルローGPU「NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti Laptop」(4GB)を搭載。さらに、高速なデータ転送が行えるNVMe接続の512GB SSDやDDR4-3200の16GBメモリーを採用するなど、ミドルクラスのゲーミングPCに値するスペックを備えている。その実力を確認するため、まずは定番のベンチマークプログラムの結果を見てみよう。
8コア/16スレッド、TDP(熱設計電力)45Wで動作するゲーミング/クリエイティブ用途向けCPU「AMD Ryzen™ 7 5800H モバイル・プロセッサー」は、マルチタスク作業にも強いもの特徴。また、ゲーミングノートらしく、ディスクリートタイプのGPU「NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti Laptop」を搭載し、ノートPCでありながら高いグラフィック性能を発揮する
PCMark 10
パソコン全体のパフォーマンスを測定する「PCMark 10」を実施したところ、ハイエンドノートの目安とされる5000を超える総合スコア「6615」を叩き出した。なかでも、クリエイティブ作業の快適さを示すサブスコア「Digital Content Creation」の数値が高く、写真のレタッチや動画のエンコード作業においては、ディスクリートGPU「NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti Laptop」が処理の一部を受け持つことで、快適な処理が行えることがわかる
3DMark
ゲーミングPCにとって重要なグラフィック性能を確認するため「3DMark」を実行したところ、DirectX 11対応ゲーム想定の「Fire Strike」で「12585」、DirectX 12対応ゲーム想定の「Time Spy」では「5856」を記録。これは、重量級のAAAタイトルも少し画質設定を落とせば十分に楽しめるスコアとなる
続いて、中量級のMMORPG「FINAL FANTASY XIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を最高品質/フルHD解像度でテストしたところ、評価は「非常に快適」。それならばと、重量級の「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」を高品質(最高設定)/フルHD解像度で実施してみたが、標準的な動作が見込める「やや快適」との評価が得られた
上記のベンチマークテストでは、PCゲームはもちろん、さまざまなクリエイティブ作業も快適に行えるという結果が出たが、実際のゲームプレイではどうだろうか? そこで、今、大人気のFPS「Apex Legends」を、フルHD解像度に設定し、画質設定の各項目を最も高い「高」にして遊んでみたが、複雑なエフェクトがかかる爆発シーンでも画面描画が85fpsを下回ることはなく、90〜105fpsのフレームレートでなめらかにプレイできた。続いて、重量級のAAAゲームとして「サイバーパンク2077」をプレイしてみたが、フルHD解像度の画質プリセット「中」の設定で、平均で60fpsを上回るなめらかな描画が得られた。これなら、大作3Dゲームである「ホグワーツ・レガシー」や「ELDEN RING」なども、画質設定を少し落とすことで、十分にストレスなくプレイすることができそうだ。
人気のFPS 「Apex Legends」では、平均すると100fpsほどのフレームレートで快適にプレイすることができた。また、100人が最後の1人になるまで戦うバトルロイヤルゲーム「PUBG: BATTLEGROUNDS」を、フルHD解像度の最も高画質な「ウルトラ」設定でプレイしてみたが、こちらは安定して140fps以上を記録。なめらかな表示が行える144Hz描画対応の液晶ディスプレイも相まって、戦いにも集中しやすかった
機能性ゲームだけじゃない!
仕事や勉強でも活躍する多彩な機能を装備
一般的なゲーミングノートは、ゲームを快適に楽しめることを重視するため、仕事や勉強などで使うことにあまり注力されていないことが多いが、「Victus 15」ではそんなことがない。たとえば、近ごろ活躍の場が多いWebカメラには、映像のノイズをハードウェアで低減する「テンポラルノイズリダクション」機能や、とらえた映像を1080pまでアップコンバージョンする「スーパーレゾリューション」機能などを採用。しかもマイクは左右セパレートのデュアルマイク仕様で、AIを活用することでマイクが拾う環境音を低減してくれるノイズキャンセリング機能を備えるなど、Web会議やオンライン授業などでも円滑にコミュニケーションが取れるようになっている。このあたりは、ビジネスノートを多く販売してきたHPならではのノウハウが十分に取り入れられている。
ゲーム実況だけでなく、Web会議やオンライン授業などでも活躍してくれるWebカメラ(720p)と、2つのマイクで指向性を高めるデュアルマイクはディスプレイ上部に搭載。在宅ワーク時に活用してみたところ、映像も音声もクリアだと相手から好評で、ミーティングが順調に行えた
カメラの映像を720pから1080pまでアップコンバートしてくれる「スーパーレゾリューション」機能や、背景の明るさなどを自動調整してくれる「自動シーンセレクション」機能などは、独自のユーティリティソフト「myHP」から有効化できる。また、AIを活用したノイズキャンセリング機能は「B&O Audio Control」から設定でき、周囲の環境音を取り除くことが可能だ
入力インターフェイスとなるキーボードは、テンキーをしっかりと備え、ゲームプレイでのショートカット操作はもちろん、大学でのレポート作成や会計ソフトを用いたオフィスワークでも数値入力が行いやすい。さらに、動画配信サービスのコンテンツも高音質で堪能できる、オーディオブランド「B&O Play」のスピーカーや、さまざまな周辺機器と接続しやすい豊富な外部インターフェイス、スマートフォンとのデータのやり取りが簡単に行える独自アプリ「HP QuickDrop」などを搭載。仕事や学習はもちろん、プライベートでも幅広く活躍してくれることだろう。
表計算ソフトの数値入力がはかどるテンキーも搭載。テンキーの上段には、ゲームプレイ時のパフォーマンスやネットワークなどが簡単に設定できるユーティリティソフト「OMEN Gaming Hub」や、「電卓アプリ」をワンタッチで起動できる専用キーも装備している
世界的なオーディオブランド「B&O Play」とコラボして開発されたステレオスピーカーを本体底面左右に装備。そのサウンドはノートPCとは思えないほどクリアで広がりがあり、動画配信サービスのコンテンツも臨場感たっぷりに楽しめた
外部インターフェイスは、左側面にUSB3.1 Gen1 Type-Aポート、ヘッドホン出力/ヘッドセットポート、SDメモリーカードリーダーを、右側面にUSB 3.1 Gen1 Type-Cポート(DisplayPort出力対応)、有線LANポート、USB3.1 Gen1 Type-Aポート、HDMI2.1出力ポートを搭載。SDメモリーカードスロットはフルサイズのため、デジカメで撮影した写真も素早く取り込むことが可能だ
まとめスタイリッシュかつパワフルで、
普段使いもできるゲーミングノート
ゲーミングノートと言うと、派手な装飾が施されたボディで、機能もゲーム向けに特化されている、というのが一般的なイメージだろう。もちろん、ゲームを快適に遊ぶために設計されているので、当然のことではあるのだが、“仕事や勉強など、ゲーム以外の場面では使いづらそう”といった理由でゲーミングノートの購入をためらっていた人も少なからずいたのではないだろうか 。
こうした状況に対して、今回レビューした「Victus 15」は、そうした人たちもしっかりとすくい上げてくれるゲーミングノートとなっていた。特にそのボディは、一見するとゲーミングノートとは思えないほどスマートで、どんなライフスタイルにもマッチしてくれそうだ。また、ゲーム以外の機能も充実しており、仕事や勉強などでも活躍してくれるのは間違いない。もちろん、ゲーミングノートとしてのパフォーマンスも十分で、CPUに「AMD Ryzen™ 7 5800H モバイル・プロセッサー」、GPSに「NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti Laptop」を搭載したうえ、144Hzの高リフレッシュレートに対応した15.6型フルHD液晶ディスプレイを備えたことで、人気の3Dゲームも思う存分楽しめるようになっていた。こんなゲーミングノートが11万円台※で手に入るというのだから、ゲームはもちろん仕事や勉強などでもフル活用したいという人にピッタリなモデルと言えそうだ。

OS | Windows 11 Home |
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CPU | AMD Ryzen™ 7 5800H モバイル・プロセッサー(8コア/16スレッド、3.20GHz-最大4.40GHz) |
ディスプレイ | 15.6型フルHD(1920×1080)、IPSパネル、144Hz駆動 |
グラフィック | NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti Laptop GPU(GDDR6 4GB) |
メモリー | 16GB(8GB×2、DDR4-3200) |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
外部インターフェイス | HDMI2.1出力ポート、USB 3.1 Gen1 Type-Cポート、USB3.1 Gen1 Type-Aポート×2有線LANポート、ヘッドホン出力/ヘッドセットポート、SDメモリーカードスロット |
無線機能 | Wi-Fi 6E(IEEE802.11 ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.2 |
バッテリー駆動時間 | 最大7.0時間(MobileMarkR 2018にて計測) |
本体サイズ | 約357.9(幅)×255(奥行)×23.5(厚さ)mm |
重量 | 約2.29kg |