簡単・コンパクトなのにこれ1台で高画質・高音質に動画撮影! 三脚いらずのキヤノン「PowerShot V10」徹底レビュー
「PowerShot V10」は、普段スマートフォンやデジタルカメラを使ってVlog(Video Blog)を撮影している人に注目してほしい、新しいタイプのカメラ。片手で操作できる、スタンド内蔵の軽量コンパクトボディに、1.0型の大きなイメージセンサーや、19mm相当※1の広角・単焦点レンズ、大口径のステレオマイクを搭載し、高画質・高音質な動画を簡単に撮影できるのが魅力だ。本特集では、この新しいVlogカメラの操作性や画質、機能の特徴を掘り下げてレビューする。 ※1 動画時(35mm判換算)。静止画時(35mm判換算)は18mm相当。
軽量コンパクト手持ち撮影も置き撮りも楽々! 片手で使えるスタンド内蔵ボディ

Vlog撮影向けカメラとしてキヤノンが開発した「PowerShot V10」。重量211g(内蔵バッテリー、メモリーカードを含む)の軽量コンパクトボディで取り回しがよいのが魅力だ。スタンドを内蔵しているのも特徴。ボディカラーはブラック(左)とシルバー(右)の2色が用意されている
「PowerShot V10」は、高画質・高音質な動画を簡単に撮影できるように工夫された、新しいタイプのカメラ。一般的なコンパクトデジタルカメラとは異なる特徴を数多く持つ、新機軸の製品だ。
数ある特徴の中でも特に注目したいのがボディ。重量211g(内蔵バッテリー、メモリーカードを含む)の軽量コンパクト設計に加えて、片手で縦に構えるスマートフォンのカメラのような撮影スタイルを採用している。カメラを縦に構えながらも通常の横長映像(16:9比率)を記録する仕様なので、片手持ちでも揺れの少ない安定した動画を撮影することができる。
この新しい撮影スタイルに適した操作性を取り入れ、背面の操作部は、片手の親指操作で扱いやすいボタンレイアウトを採用。撮影画面のユーザーインターフェイスは、直感的に操作しやすいようにシンプルで大きなアイコン表示となっている。さらに、前面のレンズ下部に録画ボタンを搭載し、自分撮りのときに親指操作で動画撮影の開始・停止が行えるのもVlogカメラとして使いやすい点だ。
2.0型の液晶モニターは上向きに角度を調整することが可能。180度くるっと回転させれば、自動的に自分撮りモードに切り替わる。レンズ下部に配置された録画ボタンによって、自分撮りの際に片手の親指操作で動画の記録開始・停止が行えるのが便利
片手でカメラを持ちながら親指で操作しやすいボタンレイアウトを採用。親指で押しやすい位置にアイコンが表示されるなど、シンプルでわかりやすい撮影画面も特徴である。背面の親指を置くところに滑り止めの小さな凹凸が設けられているのが親切
さらに、「PowerShot V10」のボディの特徴として見逃せないのが、角度調整が可能なスタンドを本体に内蔵していること。スタンドを活用すれば、ミニ三脚などでカメラを固定しなくても、カメラのみで気軽に置き撮りが行える。スタンドの角度を調整すれば少し高い位置から俯瞰するように設置できるので、料理などのVlog撮影でも使いやすい。
高性能「1.0型センサー×広角レンズ」で高画質を実現! 音質もハイレベル
「PowerShot V10」は、キヤノンのカメラらしく、画質と音質にこだわった本格的な性能を備えている。
画質面では、軽量コンパクトなボディながら、1.0型の大きなイメージセンサー(CMOSセンサー)を搭載するのがポイント。1.0型というのは、スマートフォンのカメラではごく一部のハイエンドモデルにしか採用されていない大型センサー。一般的なスマートフォンのアウトカメラが採用する1/1.7型や1/2.3型と比べてひと回り以上大きく、クリアでノイズの少ない高画質な動画を撮影できる。特に、夜景など暗いシーンで発生しやすいノイズを抑えられるのが1.0型センサーのメリットだ。

「PowerShot V10」が採用する1.0型センサーは、一般的なスマートフォンのアウトカメラが採用する1/1.7型や1/2.3型よりもひと回り以上大きい。その分、得られる光の量に余裕があるため、クリアでノイズの少ない動画を撮影できる
さらに、「PowerShot V10」では、自分撮り動画を1.0型センサーで記録できるのも見逃せない。一般的なスマートフォンのインカメラは、アウトカメラよりもさらに小さいセンサーを採用するものが多く、比べると「PowerShot V10」はかなり高画質な自分撮りが可能だ。
「PowerShot V10」とスマートフォンのインカメラの画角・画質を比較
左上は「PowerShot V10」、右下は一般的なスマートフォンのインカメラで自分撮りをした動画をキャプチャーした画像。日没後の暗い状況で撮影しているが、1.0型センサーを採用する「PowerShot V10」は明るくクリアで、肌の色もキレイに仕上がった。対するスマートフォンのインカメラでは、ノイズが多く、くすんだような色になってしまった。また、詳しくは後述するが、「PowerShot V10」はレンズの焦点距離が19mm相当※1と広く、一般的なスマートフォンのインカメラよりワイドに撮れるのもメリットである
「PowerShot V10」が高画質を実現しているのは、1.0型のイメージセンサーに加えて、高性能なレンズを搭載しているのも大きい。このカメラのために新規に開発した、焦点距離19mm相当※1の広角・単焦点レンズ(開放F値F2.8)を採用し、映像の周辺まで明るくシャープな描写が得られるようになっている。
「PowerShot V10」のレンズのスペックで押さえておきたいのが「画角」だ。動画撮影はレンズの画角が広いほうが何かと使いやすく、特に、あまり被写体と距離の取れない状況で人物と商品を同じ画面の中に入れたり、複数の人物で自分撮りを行ったりすることが多いVlogでは画角は広いほうが便利。その点、「PowerShot V10」は、焦点距離19mm相当※1というワイドな画角を実現しているので安心だ。
ちなみに、一般的なコンパクトデジタルカメラやスマートフォンのインカメラのレンズは焦点距離が25mm相当※2付近のものが多い。なかには21mm相当※2というものもあるが、広角域での1〜2mmの焦点距離の違いは使い勝手で大きな違いをもたらす。19mm相当※1は画角に余裕があるため、たとえば、複数人の自分撮りを行う際に、それほど腕を伸ばさなくても全員を画面に収めることが可能だ。
焦点距離19mm相当※1の「PowerShot V10」なら複数人の自撮りも楽々!

19mm相当※1、21mm相当※2、25mm相当※2の3つの焦点距離で動画を撮影する際の画角の違いを示した画像。「PowerShot V10」が採用する19mm相当※1では3人を画面に入れつつ、周りの景色を収められているが、21mm相当※2では景色の範囲が狭く、25mm相当※では人物が見切れてしまっている
さらに、「PowerShot V10」は動画撮影の音質にもこだわっている。軽量コンパクトなボディの上部に大口径のステレオマイクを内蔵しており、外部マイクを接続しなくてもクリアな音声を記録することが可能だ。
多機能美肌機能やカラーフィルターを搭載! ライブ配信も簡単
「PowerShot V10」は、簡単に多彩なイメージの動画を記録できるように、充実した撮影機能を備えているのも見逃せない特徴だ。
撮影シーンに応じてカメラが自動的に色や明るさを調整してくれる「オート動画」のほかにも、手ブレ補正の効果を選択できる「手ブレ補正動画」や、人物の肌をきれいに仕上げてくれる「美肌動画」といった撮影モードを搭載している。特に「美肌動画」はキヤノンのデジタルカメラとして初めて採用する注目機能。後述するWebカメラ機能やライブ配信サービスでも利用することが可能だ。
さらに、キヤノンのデジタルカメラとして初めて「動画カラーフィルター」機能を搭載しているのも見逃せない。映画のワンシーンのような色合いやトーンで記録できる計14種類の多彩なフィルター効果が用意されている。SNSとの相性がよく、Vlogを撮影するうえで積極的に活用したい機能だ。
このほか、「PowerShot V10」では、スマートフォン用アプリ「Canon Camera Connect」上の操作でライブ配信ができるように進化したのも見逃せない。PCやマイクを別途用意する必要はなく、「PowerShot V10」と、インターネットに接続したスマートフォンがあれば、簡単に高画質・高音質なライブ配信を楽しむことができる。
「PowerShot V10」を使って撮影したVlogをチェック!

アウトドア(ハイキング)、料理、スポーツ(ヨガ)、楽器演奏といったシーンを想定して「PowerShot V10」で撮影した動画。4Kの高画質で記録できているうえ、AFの精度にすぐれ、どのシーンでも狙った被写体にしっかりとピントが合っている。また、多くのシーンで片手の手持ちで撮影しているが、強力な手ブレ補正機能によって手ブレを抑えられているのもポイントだ。
まとめ撮りたいときにすぐに使える簡単・便利なVlogカメラ
「PowerShot V10」は、片手で縦に構える撮影スタイルを採用するうえ、ボディにスタンドを内蔵しているのが特にユニークだ。カバンやポケットに入れて持ち運びなら、自分撮りや置き撮りを含めて「撮りたい!」と思ったときにサッと取り出して使えるのが非常に便利。1.0型の大きなイメージセンサーや、19mm相当※1の広角・単焦点レンズ、大口径のステレオマイクによってVlogカメラとして高い基本性能を実現しているうえ、「美肌動画」や「動画カラーフィルター」などの機能性も充実しており、幅広い使い方ができる、これまでになかったVlogカメラに仕上がっている。
普段スマートフォンやデジタルカメラを使ってVlog撮影を楽しんでいる人だけでなく、これからVlogを初めてみたいと考えている人にもぴったりのモデルと言えそうだ。ぜひ、「PowerShot V10」を手に入れて、充実したVlogライフを楽しんでほしい。
価格.comで最新情報をチェック!

高画質・高音質な動画を撮影できる簡単Vlogカメラ
- キヤノンPowerShot V10
- ボディ単体
- トライポッドグリップキット
※2 動画時(35mm判換算)。