これからは“水拭き”まで オールインワン・コードレス掃除機「Dyson V12s Detect Slim Submarine」レビュー
2023年6月、ダイソンから生活を画期的に変えてくれる掃除機が発売された。それは、水拭き専用の「Submarine™ウェットローラーヘッド」が付属したオールインワン・コードレス掃除機「Dyson V12s Detect Slim Submarine」だ。掃除機がけが終わったら、ヘッドを付け替えて気持ちよく水拭きもできる本機の実力を早速チェックしてみた。
水拭き検証! 「Submarine™ウェットローラーヘッド」で水拭きはこんなにラクになる
快適な生活のために欠かせない床掃除。とはいえ、普段は掃除機がけが中心で、水拭きまでしっかりと行えている家庭は少ないのではないだろうか。筆者の家庭もほとんど水拭きを行えていないが、リビングとダイニングに加え、キッチンがひと続きになった最近のLDKの間取りは、食べこぼしや皮脂だけでなく、調理中に発生する油煙などによっても床が汚れやすいため、本来は掃除機でホコリや髪の毛などを吸引したうえで、水拭き仕上げまで行ったほうがいいのだという。とはいえ、これを行うのは面倒きわまりない。
そこで注目したいアイテムが登場した。それが、ダイソンのオールインワン・コードレス掃除機「Dyson V12s Detect Slim Submarine」だ。本機の最大の特徴は、水拭き専用のクリーナーヘッド「Submarine™ウェットローラーヘッド」が付属していることで、ダイソンのパワフルな掃除機でゴミを吸引した後、ヘッドを付け替えてラクに水拭きまで行えるのである*1。
*1 フローリング、クッションフロア、タイルなどの石材の床面用に設計されています。
床の水拭きはひと苦労。そんな、これまでの常識は「Dyson V12s Detect Slim Submarine」の登場によって「水拭きはラクなもの」へと変りそうだ※写真のレビュー機は試作機です。市販品とは一部仕様が異なります。
「コードレス掃除機なのに、水拭き?」と驚いた人も多いことだろう。そこで、まずは「Submarine™ウェットローラーヘッド」の仕組みからチェックしていくことにしよう。
水拭き専用の「Submarine™ウェットローラーヘッド」は、給水タンクを内蔵しており、そこに水を入れて掃除機にヘッドを取り付け、電源を入れると、①給水タンクからウェットローラーに水分を供給、②水分を含んだウェットローラーが毎分約900回転することで床の汚れや細かな粒子を吸着、③ウェットローラーに付いたゴミや汚れた水分をステンレススクレーパーでかき取り、汚水トレイに排出する、という動作を行う。雑巾がけにたとえるなら、「雑巾を水で濡らして、床を拭いて、雑巾の汚れを洗って絞る」という一連の作業を、「Submarine™ウェットローラーヘッド」が高速かつ自動で行ってくれるというわけ。常にキレイな水で拭き掃除が行える。
これなら、手間を掛けることなく水拭きが行えるのも納得。ウェットタイプのフローリングワイパーのように、取り付けたクロスがすぐに乾いてしまうこともなく、1回の給水(300ml)で約16分間連続して水拭きが行える。なお、床用洗剤や重曹を溶かした水も給水できるので、油分を含むベトベト汚れを拭き取る際には、こうした水溶液を活用するとよさそうだ。
「Submarine™ウェットローラーヘッド」で面倒な水拭きがラクに
このように、ダイソンらしい緻密な設計が施された「Submarine™ウェットローラーヘッド」だが、ヘッドの重量は給水タンク内の水を含めて約3.5kgに及ぶ。大きさもそれなりのため、ひと目見たときは「扱いづらいのでは?」との懸念もあった。しかし、いざフローリングを水拭きしてみると、自走式のため、力を入れなくてもスルスルと前に進む。ヘッドは小回りが効き、手首を返すと思い通りの方向に向きを変えられるため、部屋の隅はもちろん、イスの脚で入り組んだダイニングテーブルの下もスムーズに水拭きできた。
軽くストロークするだけで頑固な汚れもみるみる落ちるし、1回の給水で約16分間使えるため、そのラクさは従来の雑巾がけとは雲泥の差。「面倒だから」とつい後回しにしがちだった水拭きが、これからは「したい」と思ったそのときに、すぐ始められそうだ。
「Submarine™ウェットローラーヘッド」での床の水拭きはスムーズそのもの。力を入れなくても思い通りにヘッドを動かせるため、広い部屋の床も入り組んだダイニングテーブルの下もスイスイと水拭きできた
その清掃力はどうだろう。べたつきや頑固な汚れを再現した疑似汚れをフローリングに付けて、「Submarine™ウェットローラーヘッド」で拭き取ってみた。どう見ても簡単には落とせなさそうな汚れだが、その上をゆっくりといち往復。すると、キレイに汚れが取り除かれていた。水拭きがラクにできるだけでなく、清掃力も高い
ウェットローラーから本体ケースまで、まるごと水洗い可能
「Submarine™ウェットローラーヘッド」はお手入れもしやすい。使用後は、ヘッド内の汚水トレイに掃除で使用した水が溜まるため、この汚水がこぼれないよう、付属のドリップトレイにヘッドを載せて洗面所やキッチンシンクまで運び、汚水を捨てる。あとは、ウェットローラーや汚水トレイ、ウェットローラーヘッドの裏面を水洗いして乾かせばいい。ウェットローラーと本体ケースは、床用洗剤で洗えるのはもちろん、食洗機に入れて洗うこともできる。
掃除機がけ進化した“光”で細かなゴミも逃さない。ペットの毛も髪の毛もからまずしっかり吸引
「Dyson V12s Detect Slim Submarine」には、「Dyson V12 Detect Slim」シリーズのひとつとして、ゴミを光で“見える化”する「Fluffy Optic™クリーナーヘッド」や、ペットの毛や髪の毛がからみにくい「毛絡み防止スクリューツール」などの便利なツールも付属する。これらを使って、家中をしっかりと掃除機がけできるのもいいところだ。
たとえば、床掃除をする場合、ついつい目立つゴミにめがけて掃除機を走らせてしまうため、見えにくい微細なゴミを取り逃しがちだが、「Fluffy Optic™クリーナーヘッド」はそんな微細なゴミを光で浮かび上がらせる*2ことで、取り残しを低減してくれる。
*2 有効性は、使用環境の光やゴミの種類、床のタイプによって異なります。
しかも、本ヘッドの光源は、従来の「Dyson V12 Detect Slim」シリーズが採用していた「Laser Slim Fluffy™クリーナーヘッド」のレーザーから、高輝度なLEDに変更された。これにより、微細なゴミやホコリを2倍可視化*3できるようになったという。
*3 ダイソン社試験法による。有効性は使用環境により異なります。
右端には、床上7.3oの高さから下方に向けて1.5度の角度で超小型LEDが取り付けられている。これは、ダイソンが繰り返しテストを行って見出した絶妙の位置と角度なのだという。なお、LEDはレーザーと比べ、安全性がより高いのも利点のひとつ
従来の「Laser Slim Fluffy™クリーナーヘッド」に比べ、ゴミやホコリが2倍見えやすいという「Fluffy Optic™クリーナーヘッド」。2つのヘッドのライトを比較してみたが、確かに、ゴミの見えやすさが大きくアップしている
ベッドや机の下、部屋の端などは薄暗く、細かなゴミが見えにくい。ゴミに気づかず、掃除機がけがなんとなくになりがちだが、「Fluffy Optic™クリーナーヘッド」を使ってみたところ、予想以上にゴミが落ちていることに気づけた。本ヘッドを装着して掃除をしていると、「こんなところにもゴミがあったんだ」と掃除が楽しくなるのが不思議。レビューを忘れて掃除に没頭してしまった
吸引したゴミのサイズと量は、本体後部の液晶ディスプレイに表示される。これも掃除のやる気が高まった要因のひとつ。ゴミのサイズや量に応じて吸引力を自動調節する「オートモード」も搭載しており、掃除する環境に合わせてバッテリーの持ち時間を最適化してくれる*4 *4 液晶ディスプレイに表示されるゴミの量とサイズは実際の使用状況により異なります。本機能はモーター駆動ツールでオートモードを使用するために最適化されています。記載されているゴミの例は、粒子サイズや密度が異なることがあり、複数のサイズに表示される可能性があります。10μm未満の大きさの粒子は検出されない場合があります。一般家庭での平均使用量に基づいたダイソン社試験結果です。ダイソン社調査を基に、微細なホコリとは100μm以下のゴミと定義づけています。オートモード使用中にダイソン社試験で定めたホコリの濃度の増加を検知した時のみ、自動で吸引力が強まります。
ペットの毛や髪の毛がからみにくい「毛絡み防止スクリューツール」が便利
布団やソファを掃除した後、掃除機のヘッドのブラシバーを見ると、ペットの毛や髪の毛が巻き付いていた、なんて経験をお持ちの人も多いだろう。これらの毛を取り除くのは大変だし、触るのも不快なため、掃除ストレスの要因のひとつとなっている。そこで活躍するのが、「Dyson V12s Detect Slim Submarine」に付属している「毛絡み防止スクリューツール」だ。
本ツールは、円錐型のブラシバーを採用している。吸い取ったペットの毛や髪の毛はブラシバーの先端に向かって巻き取られ、吸引されるため、毛が絡みにくいというわけ。ブラシバーは専用のモーターで駆動するため、吸い付きやすい布製品の上もスイスイとストロークでき、力を必要とせず、ラクに掃除できた。1日の約1/3の時間を過ごす寝具はもちろん、ペットとともにくつろぐソファの上などの掃除もお手の物だ。
その実力を確かめるため、ウィッグの毛と少し太い刺しゅう糸を布団の上にまいて、吸い取ってみた。この量を1度に吸い取ることは日常ほとんどないと思うが、結果はご覧のとおり。ブラシバーに毛がからむことなく、キレイに吸引できた
基礎技術確かな清掃力を支えるダイソンのコアテクノロジー
「Dyson V12s Detect Slim Submarine」が搭載しているコアテクノロジーについてもチェックしておこう。掃除機の心臓部となるモーターには毎分最大125,000回転の「Dyson Hyperdymium™モーター」を採用。このモーターが強力な吸引力を生み出してゴミを吸い取り、11個のサイクロンで構成された独自の「Root Cyclone™テクノロジー」が100,000Gもの遠心力で、吸い込んだ空気から微細なゴミやホコリを分離。ダイソンの掃除機の代名詞とも言える“変わらない吸引力”を実現している*5。
*5 IEC(国際電気標準会議)規格62885-4 5.8, 5.9に準拠した、強モードで新品から1回目のゴミ満量まで使用した時点での、SGS-IBR(米国)による吸引力の変化の試験(2020年に実施)。
「Dyson Hyperdymium™モーター」が生み出した強力な吸引力と、「Root Cyclone™テクノロジー」で吸い込んだ空気から微細なゴミやホコリを分離するというのが、ダイソンの掃除機の基本メカニズム。この技術があるからこそ、フィルターの目詰まりがほとんどなく、パワフルな吸引力が長期間持続する
また、「Dyson V12s Detect Slim Submarine」では、HEPAフィルターを採用したのもトピックだ。これにより、ウイルスを含む0.1μmの微細な粒子まで99.9%とらえられるため、排気口から排出される空気は吸い込んだ部屋の空気よりもキレイになる*6。小さな子どもが寝ている部屋や窓が開けられない部屋でも、安心して掃除機をかけられるのがうれしい。
*6 試験結果1:ASTM F3150に基づくSGS-IBR(米国)による試験結果(2022年に実施)。強モードで実施。 試験結果2:Airmi d Healthgroup Ltd(報告書番号:ASCR092606)掃除機を28.5m3のチャンバー内に配置し、ウイルス懸濁液をネブライザーを用いてエアロゾル化し噴霧後、強モードで掃除機の電源を入れる前と後の空気サ ンプルを採取し、濃度を定量化(2022年に実施)。実際の使用状況により異なる場合がございます。
118回折り込むことで集じん面積を増やしたHEPAフィルターを新採用。ハウスダストや花粉などはもちろん、ウイルスを含む0.1μmの微細な粒子まで外部に排出することなく、しっかりと内部にとらえられる*6という
ゴミ捨ては、本体にある赤いレバーを下方に押し込むだけ。クリアビンのフタがパカッと開き、スクレイパーによって内部にこびりついたゴミがこそぎ取られる仕組みだ。本体のクリアビンや、フィルター、「Fluffy Optic™クリーナーヘッド」の回転ブラシ部はまるごと水洗いできるので清潔にしやすい
まとめ水拭きがラクになり、
こまめな水拭きが習慣化しそう
快適な床で過ごすためには、ゴミやホコリを掃除機で吸引するだけでなく、こまめに水拭きすることも大切だ。そのためには面倒な水拭きをもっとラクなものにしていく必要があるが、それをダイソンのテクノロジーで可能にしたのが「Dyson V12s Detect Slim Submarine」だと言えよう。
実際に本機を使ってみると、従来の雑巾がけなどに比べてはるかに水拭きがラクなうえ、しっかりと床をキレイにできるようになった。これなら、掃除機をかけるのと同様にひんぱんな水拭きを習慣化できそうだ。しかも、水を使用するため衛生面にも気を遣いたいが、水拭き専用の「Submarine™ウェットローラーヘッド」はほぼすべてのパーツが水洗いできて清潔性を保ちやすいように作られていた。最初は「コードレス掃除機なのに、水拭き?」ととまどうところもあったが、使ってみて「なるほど」と納得した。
また、「Dyson V12s Detect Slim Submarine」には、「Dyson V12 Detect Slim」シリーズのひとつとして「Fluffy Optic™クリーナーヘッド」や「毛絡み防止スクリューツール」も付属。家中の掃除機がけがしっかりとラクに行えるのも忘れてはいけない魅力である。
これからは、水拭きもできる「Dyson V12s Detect Slim Submarine」を活用して、気持ちのよい床で毎日を過ごしてほしい。


















