コンパクトで使い勝手◎ A4モノクロレーザー複合機/プリンター キヤノン「Satera」シリーズが受付業務をサポート

ドキュメント作業を効率化する豊富な機能を備え、独自の「オンデマンド定着方式」によって起ち上がりも速いことから、ビジネスの現場で支持されているキヤノンのレーザープリンター/複合機「Satera(サテラ)」シリーズ。2023年5月、クリニックや小規模店舗の受付業務に適したモデルとして発売されたのが、A4モノクロレーザー複合機「Satera MF273dw」と、A4モノクロレーザープリンター「Satera LBP122」だ。両機の実力を詳しくレポートしていこう。

最新シリーズ受付業務にぴったり。
A4モノクロ機2シリーズがリニューアル

インクジェット方式に比べてプリントが速いうえ、1枚あたりの印刷コストを抑えられることから、ビジネスで用いられることの多いレーザープリンター。なかでも、高速な起ち上がりを実現した「オンデマンド定着方式」や、業務を効率化するモバイル連携、安心して使える強固なセキュリティ機能などによって支持を集めているのが、2023年にブランド創立20周年を迎えたキヤノン「Satera」シリーズだ。

本シリーズは「サテライト(衛星)」をその名の由来とし、周囲にある複合機やプリンターがユーザーの業務をがっちりと支えることをイメージしているというが、まさにそのとおり。3段トレイを追加できるハイスペックなA4カラーレーザー複合機から、コストパフォーマンスにすぐれたA4モノクロレーザープリンターまで、幅広い製品ラインアップを取り揃え、ユーザーのビジネスをしっかりと支える頼もしい存在となっている。

なかでも、2023年5月に発売されたA4モノクロレーザー複合機「Satera MF273dw」と、A4モノクロレーザープリンター「Satera LBP122」は、クリニックや小規模店舗での受付業務に適したモデル。狭いカウンターにも設置できるコンパクトなボディでありながら、レーザープリンターならではの高速な印刷速度、そして受付業務を効率化する便利な機能を備えている。

キヤノン「Satera」シリーズ

A4モノクロレーザー複合機「Satera MF273dw」(写真左)、A4モノクロレーザープリンター「Satera LBP122」(写真右)。クリニックや小規模店舗の受付カウンターにも設置できるコンパクトなボディが特徴だ

レーザー複合機「Satera MF273dw」〜顧客を待たせない高速なファーストプリント〜

キヤノン「Satera」シリーズ

プリントに加え、コピー、スキャンなど、さまざまな機能を搭載した複合機は、構造が複雑になるため、本体サイズが大きく設置しにくいというイメージを持っている人も多いだろう。しかし「Satera MF273dw」は、用紙の搬送路や内部構造を見直したことで、390(横)×374(奥行)×368(高さ)mmというADF(自動原稿送り装置)を搭載したレーザー複合機とは思えないほど、コンパクトなサイズを実現している。ボディカラーはブラックで、側面のエッジに丸みがある親しみやすいデザインなので、人目に触れやすい受付カウンターの上に設置しても違和感がほとんどない。

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390(横)×374(奥行)×368(高さ)mmのボディは、ADF搭載のレーザー複合機とは思えないほどコンパクト。横幅が400mmを切っているのがポイントで、ちょっとした隙間にも設置しやすい。無線LANに標準対応しているので、設置場所の選択肢も増え、ケーブルもスッキリできる

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丸みを帯びたデザインは、一般的なレーザー複合機のような堅苦しさがない。クリニックや店舗の雰囲気にもしっくりとなじみそうだ。天面には菱型のグラフィックパターンが採用され、スタイリッシュだ

わずか5.4秒で印刷できる驚きのファーストプリントタイム

クリニックや小規模店舗の受付では、1度に多くの枚数を印刷するよりは、領収書や処方せんなどを1枚だけ印刷する機会のほうが多いもの。温めた定着器でトナーを紙に定着させるレーザープリンターはウォームアップタイムを要するため、こうした業務に適していないのではないかと思った人もいるだろう。

その点「Satera MF273dw」なら、心配は要らない。セラミックヒーターで定着器を直接加熱する独自の「オンデマンド定着方式」を採用しているので、そもそも起ち上がりが速いうえ、用紙の搬送路を改良した新プリントエンジンを採用し、印刷速度も速い。ウォームアップタイムは9秒以下、ファーストプリントタイムにおいては5.4秒(A4片面普通紙)を実現している。

もちろん、連続プリントも片面29枚/分(A4普通紙)、両面18.5枚/分(同)と速く、1度に大量に印刷をするときもスピーディー。1枚あたりの印刷コストは5.0円(税込、大容量カートリッジ使用時)なので、コスト意識の高い店舗にも導入しやすい。

※印刷コストは、2023年5月時点のキヤノンオンラインショップ掲載価格(税込)から算出
「Satera MF273dw」のプリント速度をチェック

プリンターがデータを受信してから1枚目の排紙が完了するまでのファーストプリントタイムと、連続プリント速度を計測してみた。A4文書を片面印刷し、1枚目が排紙されるまでにかかった時間は約5.5秒、その後1分間で印刷できた枚数は29枚。カタログスペックはファーストプリントタイムが5.4秒、連続プリント速度が29枚/分なので、ほぼ同様の結果となった。これなら、印刷のために顧客を待たせる心配はなさそうだ

扱いやすい2.5インチ「5行液晶パネル」を装備

使い勝手の面では、操作パネルに搭載された2.5インチの「5行液晶パネル」に注目したい。文字の大きい5行表示で操作がわかりやすいので、本機に初めて触るアルバイトやパートのスタッフでもすぐに使えるだろう。操作パネルは水平・垂直の2段階チルトに対応しており、設置場所や使用者に合わせて角度を柔軟に調節できるのもグッドだ。

キヤノン「Satera」シリーズ キヤノン「Satera」シリーズ

前面の操作パネルに搭載された2.5インチの「5行液晶パネル」。バックライト内蔵なので、薄暗いバックヤードに設置しても使いやすい。操作パネルはチルト式となっており、水平・垂直に2段階で固定可能。シーンに合わせて使いやすい角度に調節できる

キヤノン「Satera」シリーズ

用紙サイズはA4やB5だけでなく、より小さいA5やA6にも対応している。受付業務という観点では、領収書や薬袋などで使われることの多いA6に対応しているのが高評価のポイント。このほか、60〜163g/m2の用紙秤量に対応し、厚紙や、郵便はがき、往復はがき、封筒(洋形長3号、長形3号、長形4号、長形40号)へも印刷可能だ

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本体上部には、最大35枚まで用紙をセットできるADFを搭載。大量のコピーやスキャンもラクに行えた。専用アタッチメントを装着すれば、A6用紙の自動送りも可能だ。もちろん、スキャンはカラー対応。スキャンしたデータを「Dropbox」などのクラウドサービスに直接保存する機能も備えている

キヤノン「Satera」シリーズ

スマートフォンアプリ「Canon PRINT Business」(iOS/Android対応)をインストールすれば、スマートフォン内のドキュメントを印刷したり、スキャンデータをスマートフォンに保存したりすることも可能。iOSの「AirPrint」やAndroidの「Mopria」など、モバイルOS標準の印刷機能にも対応している

レーザープリンター「Satera LBP122」〜狭いカウンターに設置しやすいコンパクトなボディ〜

キヤノン「Satera」シリーズ

前章でチェックした「Satera MF273dw」は、複合機でありながらコンパクトなボディを実現していたが、プリント機能だけが必要なケースもあるだろう。そんなときに選択したいのが、A4モノクロレーザープリンター「Satera LBP122」だ。

本機はプリント機能に特化しているだけあって、本体サイズは356(横)×283(奥行)×213(高さ)mmと、複合機の「Satera MF273dw」と比べてもグッと小さい。そのうえ、無線LANに対応しているため、受付カウンターやデスクの上だけでなく、サイドボードや棚の上などにも設置しやすかった。

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「Satera LBP122」の本体サイズは356(横)×283(奥行)×213(高さ)mm。余計な出っ張りのないスッキリとしたボディが特徴だ

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設置面積はB4用紙(364×257mm)とほぼ同サイズで、ちょっとした隙間にも設置しやすい。カウンター下のサイドテーブル内に設置してみたが、写真のようにすんなり収まった

高速なファーストプリントタイムと多彩な用紙対応

受付業務におけるファーストプリントの重要性については先に述べたが、「Satera LBP122」も独自の「オンデマンド定着方式」を採用したうえ、新プリントエンジンを搭載しているので、高速性に不満はない。スペックとしては、ウォームアップタイムは7.5秒以下、ファーストプリントタイムは5.4秒(A4片面普通紙)、連続プリント速度は29枚/分を実現しており、非常に高速だ。

キヤノン「Satera」シリーズ

「Satera LBP122」のファーストプリントに加え、連続プリント速度をチェックしてみたが、A4モノクロの1枚目が排紙されるまでが約5.4秒で、1分間の連続プリント枚数は29枚/分とほぼカタログスペックどおりだった。体感的にもキビキビとした動作だ

コンパクトボディでもしっかり自動両面印刷対応

コンパクトなボディでありながら、自動両面印刷に対応しているのも「Satera LBP122」の特筆すべきポイント。自動両面印刷機能があれば、用紙の両面を簡単にフル活用できるので、印刷枚数が減って便利だし、コストの削減にもつながる。もちろん、「Satera MF273dw」同様、受付業務で使われることの多いA6用紙にも対応。コンパクトなレーザープリンターでありながら、必要な機能がしっかりと揃っている。

キヤノン「Satera」シリーズ

「Satera LBP122」はA4/B5/A5/A6/郵便はがき/往復はがき/封筒(長形3号、洋形長3号、長形4号、長形40号)など、多彩な用紙に対応。60〜163g/m2の用紙坪量に対応し、厚紙への印刷も可能だ

キヤノン「Satera」シリーズ

自動両面印刷に対応しているので、複数枚の印刷が多い場合は用紙コストを削減することもできる。なお、1枚あたりの印刷コストは5.0円(税込、大容量カートリッジ使用時)。印刷コストも低い ※印刷コストは、2023年5月時点のキヤノンオンラインショップ掲載価格(税込)から算出

キヤノン「Satera」シリーズ

エントリークラスのモノクロレーザープリンターには液晶パネルが搭載されないこともあるが、「Satera LBP122」は5行表示対応の「1.8インチLCDパネル」を搭載。よく使う用紙サイズの設定などが簡単に行えた

まとめ受付業務をしっかりとアシストする頼もしい存在

20年にわたってビジネス向けレーザープリンター/複合機市場をけん引してきたキヤノンの「Satera」シリーズ。ここでは、2023年5月に発売されたA4モノクロレーザー複合機「Satera MF273dw」と、A4モノクロレーザープリンター「Satera LBP122」の2機種をチェックしてきたが、さすがは定評のある「Satera」シリーズ、どちらもしっかりとユーザーニーズをとらえたモデルに仕上がっていた。

両機が想定する主な用途は、クリニックや小規模店舗における受付業務など。そのため、ボディは手狭になりがちな受付カウンターなどに設置できるコンパクトサイズだし、顧客を待たせない高速なファーストプリントを実現している。さらに、領収書や薬袋などに活用されることの多いA6に対応するなど、使いやすいモデルに仕上がっていた。

受付でのドキュメント業務を効率化するために、両機は欠かせないモデルとなるだろう。

この記事は2023年7月27日の情報を基にしております。