自宅や仕事でパソコンやWi-Fiルーター、外付けHDDを使うすべての人へ停電による電源喪失や雷サージに備えAPCのUPSを選ぶべき理由

もしも、停電時などの電源喪失によって、大切なデータを扱うデスクトップPCやサーバー、Wi-Fiルーターがダウンしてしまったら? 果たして、「仕方のないこと」と割り切れる人がどれだけいるだろう。そんな「もしも」に備え、導入を検討してほしいのがUPS(無停電電源装置)だ。本特集では、UPSについてほとんど知識のない若手編集スタッフが抱く疑問に、価格.comの鎌田編集長が回答。UPSのリーディングブランドであるAPCの「APC BR550S-JP」に注目しながら、UPSの基礎知識や、その有用性をわかりやすくひも解いていこう。

基礎知識そもそもUPSって何?

停電時などの電源喪失に備え、ポータブル電源などを用意している人は少なくないが、そのいっぽうで、UPS(無停電電源装置)については、その存在や必要性を認識していない人がまだまだ多い。存在自体は知っていても、「データセンターやオートメーション化された工場などで導入される機器でしょ?」といった具合に、自分とはあまり関係のない話、と感じている人が少なくないのだ。

かくいう価格.com編集部にも、「UPS、聞いたことはありますけど……」と、UPSについてほとんど知識を持たない若手編集スタッフがいるが、「誰か教えてくれる人、いないですかね」と、UPSについて学ぶ姿勢はあるようだ。それならば、と立ち上がったのは、さまざまな電化製品に精通する価格.comのご意見番、鎌田編集長である。若手編集スタッフとともに、UPSの基本のキを知ってもらえたら幸いだ。

APC「APC BR550S-JP」
価格.com編集長鎌田 剛

価格.comの黎明期からコンテンツ作成に携わり、当時から価格.comにおける記事系コンテンツの編集統括を務める。「価格.comマガジン」編集長も兼務。パソコンや家電製品にやたら詳しい、人呼んで「価格.comのご意見番」。「家電総合アドバイザー」資格保持者。

APC「APC BR550S-JP」

UPSについて、ほとんど知識を持たない若手編集スタッフ。鎌田編集長に質問をぶつけ、UPSの基礎知識や、その有用性を学ぶことにした

若手編集スタッフ

(以下、若手)

そもそもUPSって何ですか?

鎌田

コンセントとデスクトップPCなどの間に接続しておくことで、停電によって電源供給が失われたときに、瞬間的に内部バッテリー電力に切り替えて、デスクトップPCなどに電源を供給してくれる機器がUPSです。デスクトップPCだけでなく、サーバーやワークステーションは動作のためにコンセントからのAC電源を必要としますよね。これらの機器は基本的にバッテリーを内蔵していないため、コンセントからのAC電源供給が突如断たれてしまうと、正常にシャットダウンすることなく、電源が落ちてしまう。すると、作業中のデータが失われるだけでなく、ストレージに保存してあるデータが破損したり、機器そのものが故障したりすることもあります。UPSを接続していれば、突如パソコンの電源が落ちるのを回避でき、安全にシャットダウンする時間を稼ぐことができるんです。ちなみに、UPSは「Uninterruptible Power Supply」の略。無停電電源装置と訳されます。

若手

活躍シーンは停電時だけなのですか?

鎌田

いや、停電時だけではありません。コンセントから過剰な電力が流れ込む雷サージから機器を保護する機能を備えているほか、電圧が瞬間的に大きく低下する「瞬低(瞬時電圧低下)」や「瞬停(瞬時停電)」発生時も、電力を安定供給してくれます。また、電子機器のオン/オフなどによって発生するノイズなどの影響を防止する機能も持っており、言わば、UPSは電源にまつわる多くのトラブルを防いでくれる、“転ばぬ先の杖”と言える存在なんです。

APC「APC BR550S-JP」

日本は電力供給が安定しており、平時に予告なく停電することは少なくなった。しかし、落雷や台風、地震などの天災により、停電になるケースは予想以上に多く発生している

APC「APC BR550S-JP」

停電をはじめとする、さまざまな電源トラブルから大切な機器を守るUPS。平常時に常時充電されるバッテリーを内蔵しており、コンセントからの電源供給が失われると、瞬間的に内部バッテリー電力に切り替えて、電源を供給。これにより、突如パソコンの電源が落ちることを回避でき、安全にシャットダウンする時間を稼げるのだ

若手

UPSとポータブル電源や発電機とは何が違うのですか?

鎌田

パソコンなどに電源を供給できる点ではポータブル電源や発電機も同様ですが、ポータブル電源や発電機が「電源供給」そのものを目的としているのに対し、UPSは電子機器の「保護」を目的としています。そのため、停電時に瞬間的に内部バッテリー電力に切り替える機能を備え、前述の通り、雷サージや「瞬低」「瞬停」にも対応できます。ポータブル電源は、常につないでいないと停電時の切り替えに時間がかかりますし、発電機は起動するのに手間や時間を必要とするため、瞬間的な電源保護には対応できません。

APC「APC BR550S-JP」 APC「APC BR550S-JP」

UPSの電源バックアップ用コンセントの多くが、雷サージやノイズの流入を防止するサージ保護機能に対応している

用途・選び方一般ユーザーから個人事業主やSOHOまで、幅広く恩恵を受けられる製品

APC「APC BR550S-JP」

UPSの基本情報がわかったところで、ここからは、UPSの具体的な用途や選び方を確認していこう。データセンターなどの施設に導入されるイメージがあるUPSだが、「ほぼすべてのパソコンユーザーにその恩恵があります」と鎌田編集長は言う

若手

UPSには、データセンターやオートメーション化された工場などで導入される機器、というイメージがありますが、一般の人でもUPSを導入するメリットがあるのですか?

鎌田

自宅でパソコンやWi-Fiルーター、外付けHDDなどを使う人、つまりは、ほぼすべてのパソコンユーザーにその恩恵があります。在宅勤務中に停電に遭遇し、仕事で使う大切なデータが消えてしまうかもしれませんし、オンラインでの重要な商談中に、自宅のWi-Fiルーターが動かなくなってしまうかもしれない。プライベートにおいても、外付けHDDに保存していたお気に入りの映像が消失してしまうかもしれません。「それはそれで仕方がない」とあきらめられる人は、決して多くないのではないでしょうか?

若手

個人宅にも備えておくべきものなのですね。

鎌田

もちろん、業務においてパソコンに重要な役割を担ってもらっている人や、自宅でさまざまな活動を行っている人、とりわけ、停電対策に大きなコストをかけられない人にとっては頼もしい存在でしょう。たとえば、小規模医院を経営する開業医や、相場を見ながら売り買い注文を続けるデイトレーダー、インターネット上でライブ配信などを行うストリーマー、時間をかけて作品制作を行うクリエイターなど、電源喪失が“命取り”になってしまう人は少なくありませんから。また、ゲーム好きの人にもUPSは有用でしょう。プレイ中に急な落雷が発生し、せっかく獲得してきたステータスがすべてなくなってしまったり、チームプレーが立ち行かなくなったりすることは、ゲーマーにとって絶対に避けたいことのはずです。

APC「APC BR550S-JP」 APC「APC BR550S-JP」

自宅でパソコンやWi-Fiルーター、外付けHDDを使う人、また、デイトレーダーやストリーマー、クリエイターなど、さまざまな業種の個人事業主にUPSを導入してもらいたいと鎌田編集長は語る

若手

では、UPSの選び方を教えてください。

鎌田

パソコンやサーバーを守る命綱とも言えるUPSにとって、第一に重要なのは信頼性でしょう。信頼性の高いブランドの製品の中から、必要な消費電力をまかなえるモデルをピックアップしたうえで、電源の切り替え方式や、電子機器の各種保護機能、使い勝手などチェックし、比較・検討するのがよいと思います。UPSに接続したい電子機器の合計消費電力がどのくらいなのかを把握しておくと、それぞれの作業環境に適したUPSを選びやすいですよ。

APC「APC BR550S-JP」

「UPSは、電源喪失による最悪の事態に備えた“保険”であり、製品選びにおいて第一にチェックするべきは、ブランドの“信頼性”にほかなりません」(鎌田編集長)

注目製品信頼性の高さや使いやすさで選ぶなら、APCのUPS

若手

鎌田編集長が注目する製品はありますか?

鎌田

40年以上にわたってネットワーク電源保護ソリューションを展開するAPCブランドに注目しています。APCブランドは、UPSの知識がある人なら、誰もがその名を知っているのではないでしょうか。価格.comの無停電電源装置カテゴリーでも高い支持を獲得しており、信頼性の高さは折り紙付きです。

APC「APC BR550S-JP」

シュナイダーエレクトリックの「APC BR550S-JP」(出力容量550VA/330W)。ネットワーク回線のサージ保護機能をはじめ、高い機能性を備えた、家庭用やオフィス用として幅広く導入されている人気シリーズだ

APC「APC BR550S-JP」

本体サイズは、約9.1(幅)×19(高さ)×31(奥行)cm。フルタワーケースのデスクトップPCと30型の液晶ディスプレイの間に置いてみると、その筐体のコンパクトさが際立つ。このサイズなら、デスク上に設置しても問題なさそうだ

若手

APCのUPSの機能的な特徴を教えてください。

鎌田

平常時はコンセントからの電源をスルーし、急激な電圧の変化を感知するとバッテリーからの電力に切り替える「ラインインタラクティブ方式」を採用した「APC RSシリーズ」の場合、一般的なデスクトップPCの消費電力を十分まかなえる400VA/240Wのモデルから、デスクトップPCと小規模サーバーの消費電力を同時にまかなえる1200VA/720Wのモデルまで、電力容量の異なる多彩な製品をラインアップしています。また、市場には、精密機器であるデスクトップPCやサーバーの電源には適さない「矩形波」を出力する製品もありますが、本シリーズは家庭用コンセントの交流電流と同じ「正弦波」を出力できることもポイントです。さらに、専用ソフトウェア「PowerChute Personal Edition」を無償でダウンロードでき、パソコン上でUPSの詳細な状況確認を行ったり、高度なシャットダウン管理を行ったりすることも可能です。

APC「APC BR550S-JP」

無償でダウンローできる専用ソフトウェア「PowerChute Personal Edition」を使えば、停電時の自動シャットダウン設定や、ノイズに対する感度設定、電源トラブル履歴の確認などが行える。パソコンの画面上で各種設定を行えるのは便利だ

若手

使い勝手やアフターサポートはどうなのでしょう?

鎌田

表示情報量の多い大きなLCD(液晶モニター)を搭載しており、バッテリー残量やバックアップ目安時間などを確認することができ、各種設定もスムーズに行えます。また、アフターサポートについては、一般的な保守や製品保証に加えて、古いUPSを無料回収してくれる買い替えプログラム「Trade-UPS」が利用可能なほか、使用済みバッテリーを無料回収してくれるプログラムも用意されています。ちなみに、「Trade-UPS」では、他社製品でも無料で回収してくれるんですよ。

APC「APC BR550S-JP」

本体前面に、大型のLCD(液晶モニター)を搭載。バッテリー残量、負荷容量、バックアップ目安時間、バッテリー運転状況、バッテリー交換サインなどが確認できる

通常運転

APC「APC BR550S-JP」

停電状態(バックアップ中)

APC「APC BR550S-JP」

通常運転の状態(左写真)から停電状態にしてみると、瞬時にバックアップ状態(右写真)へ移行し、26分というバックアップ目安時間が表示された。今回の検証ではミドルクラスのデスクトップPCを使用したが、ハイエンドクラスのデスクトップPCを接続しても、十分なシャットダウン時間を確保できるはずだ

通常運転の状態(上写真)から停電状態にしてみると、瞬時にバックアップ状態(下写真)へ移行し、26分というバックアップ目安時間が表示された。今回の検証ではミドルクラスのデスクトップPCを使用したが、ハイエンドクラスのデスクトップPCを接続しても、十分なシャットダウン時間を確保できるはずだ

APC「APC BR550S-JP」

バッテリー交換も試してみた。「APC BR550S-JP」の本体底面のフタをスライドさせて、バッテリーを手で引き出すだけでOK。拍子抜けするほど簡単だ。電極ケーブルも手で抜き差しするだけでよく、ツールレスで交換できるのがありがたい

APC「APC BR550S-JP」

古くなったUPSは一般ゴミとして廃棄できないため、通常は、鉛電池を含んだ産業廃棄物として処分する必要がある。「その点、『Trade-UPS』プログラムを利用すれば、使用済みのUPSを無料で引き取ってくれるので、今使用している製品の処分に困ることもなく、安心して買い替えられるんです」と鎌田編集長。こうした環境に配慮した取り組みもまた、APCブランドが支持される要因のひとつなのだろう

まとめ大切な機器とデータを守るために。選んで間違いのないUPS

予期せぬ電源喪失時から電子機器やデータを保護できるUPSは、最悪の事態に備えるための“保険”として機能するだけでなく、「瞬低」「瞬停」「雷サージ」「ノイズ」などに対する保護機能も備え、平常時にも“縁の下の力持ち”として役割を果たすことがよくわかった。在宅勤務が一般的になったこともあり、「UPSは個人宅にも備えておくべきもの」という、鎌田編集長の説明に大いに納得した次第だ。また、製品選びにおいて、第一に重視すべきは信頼性であり、高い信頼性や機能性を備え、使い勝手やアフターサポートも申し分のないAPCのUPSなら、選んで間違いはないだろう。自宅でパソコンやWi-Fiルーター、外付けHDDなどを使うすべての人に、信頼性に長けた、APCのUPSの導入をぜひ検討してもらいたい。

製品紹介
 
APC BR550S-JP
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APC SMT750J
750VA/500Wの出力容量を備えた上位モデル
APC SMT750J
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出力容量 550VA/330W 750VA/500W
出力波形 正弦波
出力コンセント数 電源バックアップ+サージ保護x3個、サージ保護のみ×3個 NEMA 5-15R×8個
出力周波数 50/60Hz
定格入力電圧 AC100V(単相)
定格入力電流 8A 7.5A
サージ保護 あり
ノイズフィルター あり
バッテリー期待寿命 4〜5年
充電時間(90%まで、負荷50%時) 約12時間 約4時間
本体サイズ 約91(幅)×310(奥行)×190(高さ)mm 約140(幅)×359(奥行)×167(高さ)mm
重量 約7kg 約13kg
Schneiderロゴ
この記事は2023年11月27日の情報を基にしております。