AIが仕事を超効率化  Galaxy S24 Ultra 通話をリアルタイムに通訳 面倒な議事録も数タップで完成 進化したカメラとGalaxy AIによる写真の編集機能にも注目

2024年4月に発表されたサムスン「Galaxy S24シリーズ」で最上位に位置づけられる「Galaxy S24 Ultra」は、基本スペックやカメラ機能などがトップクラスの性能であることはもちろん、他社製スマートフォンとの大きな差別化ポイントとしてAI機能「Galaxy AI」を搭載している。使いこなせば今までにないほど仕事を効率化できる「Galaxy AI」を中心に「Galaxy S24 Ultra」をレビューしていこう。

第1章外国語の通話をリアルタイムで相互通訳!
予約や問い合わせが楽になる

「Galaxy S24 Ultra」には多彩なAI機能が搭載されており、それらはまとめて「Galaxy AI」と呼ばれている。その中で特に革新的なのが「リアルタイム通訳」だ。これは、電話中に話している内容をリアルタイムで通訳してくれる機能。対応言語は日本語を含む13か国語にも及ぶ。

サムスン電子ジャパン「Galaxy S24 Ultra」

「Galaxy AI」搭載の「Galaxy S24 Ultra」シリーズ。写真の「チタニウムグレー」(左)、「チタニウムブラック」(右)のほかに、「チタニウムバイオレット」と多彩なカラーバリエーションが用意されている
※取り扱いモデル、カラーは販路によって異なるため、「Samsung.com」でご確認ください。

海外出張先で取引先との会食を設定するためにレストランに連絡したい、滞在先のホテルで宴会場や会議室を予約したいなど、現地の言語で電話をかけなければならないことがビジネスの現場では頻発する。現地の言語がおぼつかなければ、「問い合わせ内容が理解されているか?」「先方の話を理解できるか?」「予約がちゃんと受け付けられているか?」など、不安に囚われることは必至だ。

そんな不安から解放されて、現地言語でスムーズに通話できるのが「リアルタイム通訳」だ。こちらが話した言葉が瞬時に現地言語に音声翻訳され、相手の返事が終わればこれまた瞬時にこちらの言語に音声翻訳される。会話進行は非常にスムーズ、かつ自然だ。今回実際に本機能を試してみたので、下記の動画をご覧いただきたい。今回は韓国のレストランで席を予約するというシナリオで試してみた。

リアルタイム通訳

ご覧のとおり、少し込み入った会話でも、「リアルタイム通訳」を使えば非常にスムーズに会話できる。こちらが話し相手の言語を一切しゃべっていないのに、会話が成り立つのには非常に驚いた。「リアルタイム通訳」を使える「Galaxy S24 Ultra」があれば、外国語の通話で不安を覚えることはなくなりそうだ。

第2章スマホの使い方を変える「Galaxy AI」が仕事を効率化

「Galaxy AI」には、上記で紹介した「リアルタイム通訳」以外にも、ビジネスシーンで役立つさまざまなAI機能が搭載されている。今回は代表的なAI機能として、「かこって検索」「ノートアシスト」「レコーディングアシスト」についてレビューしていこう。

かこって検索

「かこって検索」は、写真や動画に写っているアイテムを、タッチ操作でクルっと囲むだけで、その詳細について調べられる便利機能。検索対象は、食べ物や人物、ファッションアイテム、建物、テキストなど多岐にわたる。街角や店頭などでスナップ撮影しておけば、後からまとめて詳細をチェックできる。マーケティング調査やレポートの作成など、さまざまな用途に活用できる実用的な機能だ。

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「かこって検索」は付属のSペンや指で対象を囲むだけでOK。即座にGoogleの検索結果が表示される

たとえば、同僚がとあるお土産が写った写真をSNSにアップロードしたとしよう。その写真を見て、「これを取り引き先に持っていったらよろこばれそう」とピンときたなら、「かこって検索」を起動してお土産をクルっと囲むだけで、アプリを切り替えることなくそのお土産の概要やお店の情報にアクセスできるというわけだ。

一般的なスマートフォンであれば「お土産の名前を覚えて、Googleを開いて検索して、検索結果から該当するものを選ぶ……」という面倒な手順が必要。「Galaxy S24 Ultra」ならクルっと囲むだけでオーケー。非常にお手軽だ。

レコーディングアシスト、ノートアシスト

「レコーディングアシスト」は、「Galaxy AI」がボイスレコーダーで録音した音声を高精度で文字起こし、要約をしてくれる機能で、「ノートアシスト」は長い文章のポイントを整理して要約してくれる機能だ。このふたつを組み合わせれば、面倒な会議の議事録作成をほぼ自動化してくれる。

手順としては、「レコーディングアシスト」で音声から文字起こししたテキストを、「ノートアシスト」で要約するだけ。なんらかの組織で仕事をするのであれば議事録の作成から逃れられない。しかし、「Galaxy S24 Ultra」を使えば、面倒な議事録作成が数タップで完了する。むだな残業を避けられるし、浮いた時間でほかの仕事に注力できるようになるわけだ。

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実際に「ノートアシスト」に518文字の文章(画像上部)を要約させたところ、約43%に相当する221文字に要約(画像下部)された。議事録は要点さえ押さえていれば、短いほどよろこばれる。積極的に活用したい

「ノートアシスト」は、議事録の作成だけでなく、長い資料やニュース記事の要点だけをまとめてほしいときにも活用できるため、これまでの面倒な業務を効率化し、よりマンパワーが必要な作業に割く時間を増やすことができるだろう。

第3章カメラの生成AI機能であらゆるシーンを美しく

「Galaxy S24 Ultra」にはリッチなカメラシステムが採用されている。搭載されているのは、1200万画素超広角カメラ、2億画素広角カメラ、5000万画素光学5倍望遠カメラ、1000万画素光学3倍望遠カメラ、そして1200万画素フロントカメラだ。厚さ8.6mm、重量233gという薄型・軽量ボディに、5基の高画質カメラが内蔵されているのだから驚きだ。

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メインカメラには2億画素の広角カメラを搭載。望遠カメラに光学3倍と光学5倍の異なる倍率を搭載しているのも贅沢な構成だ

ハードウェアとしてすぐれるカメラをさらに強力にサポートするのが、新たなAIエンジン「ProVisual Engine」による高度な高画質処理、生成AIだ。これにより、どのようなシチュエーションでも美麗な写真を撮れ、また従来のデジタルカメラでは不可能だった高度な動画なども撮影可能となっている。ここでは実際に「Galaxy S24 Ultra」で撮影した写真を提示しながら、それぞれの機能について紹介していこう。

超ズーム撮影もキレイに撮れる望遠カメラ

まずはカメラの基本的な性能を見ていこう。下の作例では、等倍、2倍、3倍、5倍、10倍で撮影した写真を掲載している。等倍と2倍は2億画素広角カメラ、3倍は1000万画素光学3倍望遠カメラ、5倍と10倍は5000万画素光学5倍望遠カメラで撮影したものだ。光学ズームの対応倍率である10倍までは、ズームしても画質の劣化がほとんどない非常にキレイな写真が撮れた。

サムスン電子ジャパン「Galaxy S24 Ultra」
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この強力なズーム撮影のクオリティをさらに向上させるのが「Galaxy AI」だ。一般的なスマートフォンであれば、固定の倍率以外の倍率では光学ズームが対応されず、デジタルズームとなり画質は劣化する。しかし、「Galaxy S24 Ultra」は中間倍率のズームにおいても、ディープラーニングをベースとする「AI Zoom」がディテールを補完することで画質の劣化が少ないキレイな写真が撮影可能だ。

この「AI Zoom」は風景写真でも人物写真でも効果を発揮する。下の作例は5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍の写真だが、まるで1本の高倍率光学ズームレンズで撮影したかのような美しくも、統一感のある描写を実現している。

サムスン電子ジャパン「Galaxy S24 Ultra」
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5倍(1枚目)と10倍(6枚目)は光学ズームだが、その間の6倍、7倍、8倍、9倍は「AI Zoom」による写真。光学ズームと「AI Zoom」の違いはほとんどわからないだろう

「AI Zoom」は前述のとおり1倍以上から、最大100倍まで威力を発揮する。実際に試したところ、30倍以下であれば大きなディスプレイに映し出しても十分鑑賞に耐えられる画質を備えていた。さすがに100倍ズームでは解像感はやや下がるが、クレーンの細かな形状や細いワイヤーもクッキリと記録されているのには驚いた。

サムスン電子ジャパン「Galaxy S24 Ultra」
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等倍の写真(1枚目)の中央にある小さなクレーンをズームで狙ってみた。10倍(2枚目)、30倍(3枚目)でも解像感はあまり変わらず非常にキレイ。100倍ズーム(4枚目)でも輪郭などがしっかりと再現されている

めちゃくちゃ暗くても安心の「ナイトグラフィー」

従来機「Galaxy S23 Ultra」には低照度の環境でも明るく、キレイに撮影できる「ナイトグラフィー」が備わっていたが、「Galaxy S24 Ultra」ではこれがさらに強化されている。「Galaxy S23 Ultra」比較で1.6倍のピクセルサイズにより感度を向上させたうえで、強化した光学手振れ補正(OIS)により手振れを低減。これにAIを応用した画像処理機能「ProVisual Engine」を組み合わせることで、下の作例のように周囲に光源がほとんどない非常に低照度の環境でも被写体をくっきりと、低ノイズで撮影可能となっている。ズーム倍率を変更しても暗所ズーム機能は適用されるので使い勝手も良好だ。

サムスン電子ジャパン「Galaxy S24 Ultra」 サムスン電子ジャパン「Galaxy S24 Ultra」

真っ暗な部屋で光源はろうそくだけという環境でも、画像処理にかかる時間が短くシャッターをパシャパシャ切れるため、子どもの笑顔も逃さない。5倍ズーム(右)でもこれほどキレイに撮れる。キャンプでたき火を囲みながら写真を撮ったり、花火をしている様子を撮ったりなど、これまでは暗すぎて十分な画質を得られなかった環境でもキレイに撮れてしまうのには恐れ入った

好きな動画をスローモーションにする「インスタントスローモーション」

生成AIの真骨頂とも言うべき機能が「インスタントスローモーション」。これは通常の速度で撮影した動画をスローモーション動画に変換する機能。動画のフレームとフレームの間に生成AIで生成した新たなフレームを追加することで、自然なスローモーション動画が作成できる。操作は簡単で、スローモーションに変換したい動画をギャラリーアプリで閲覧している際に画面をタッチして長押しするだけで、開始も終了もコントロール可能。ほかの端末で撮影した動画にも「インスタントスローモーション」を適用できるので、非常に活用範囲が広い機能だ。

圧倒的な解像度の2億画素広角カメラ

最後に、メインカメラとして搭載された2億画素広角カメラの驚異の解像感についても触れておきたい。下の作例では、2億画素広角カメラで撮影したオリジナル写真と、女性モデルのバストアップをトリミングした写真を横並びに掲載している。これだけ拡大しても、髪や服の繊細な質感、瞳の輝きなどが精細に描写されているのは本当にスゴい。

たまたま引きで撮った写真が絶妙にいい表情だったときなどに、トリミングしてSNSにアップしたり、アイコンに使用したりできるわけだ。これはトリミングの自由度が高くなる2億画素広角カメラだからこそできる芸当だろう。

サムスン電子ジャパン「Galaxy S24 Ultra」

まとめ「Galaxy S24 Ultra」は
ビジネスにおけるパフォーマンスを高めてくれる

「Galaxy S24 Ultra」は、高性能プロセッサー、高画質&高速描画の約6.8インチ有機ELディスプレイ、大容量メモリーとストレージ、2億画素を筆頭とするクアッドカメラ+フロントカメラ、そしてミリ波対応5G、さらにチタニウムフレームボディと、現状のAndroidスマートフォンの中でも頭1つ抜きんでた基本スペックの高さを誇る。

このプレミアムな基本スペックに「Galaxy AI」を組み合わせることで、唯一無二のスマートフォンと言える完成度に仕上がっている。特に「リアルタイム通訳」「かこって検索」「チャットアシスト」「ノートアシスト」「レコーディングアシスト」などは、仕事の効率化に直結する機能だ。ビジネスにおけるパフォーマンスを高め、プライベートも充実させたいと考えているのであれば、最新AI機能を実現した「Galaxy S24 Ultra」は絶対に見逃せない選択肢となるだろう。