世界初※1の部分積層型CMOSセンサーを搭載! 「Z9」「Z8」のスピリットを継承した最先端フルサイズミラーレス “最強”の中級機! ニコン「Z6III」を選ぶべき理由

ニコン「Z6III」は、「Zシリーズ」のフラッグシップモデル「Z9」や上位モデル「Z8」の基本性能を継承した、フルサイズミラーレスカメラの中級機。中級機ながら世界初※1の部分積層型CMOSセンサーを採用することで、一部機能で上位モデルを上回る性能を実現したハイスペックモデルだ。本特集では、“最強”の中級機と呼び声が高い「Z6III」を詳しくレビューし、このカメラを選ぶべき理由をひも解いていこう。

  • ※ 本特集では、外観が最終仕様とは異なる「Z6III」の試作機を使用しています。

ニコン「Z6III」#01基本特徴世界初※1の部分積層型CMOSセンサーを搭載し、圧倒的な高性能を実現!

ニコン「Z6III」

ニコンの中級フルサイズミラーレスカメラ「Z6III」。キットレンズとして、広角24mmから望遠120mmまですぐれた描写が得られる標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」が用意されている

ニコン「Z6III」は、完全電子シャッターをいち早く取り入れた先進的なフラッグシップモデル「Z9」と、「Z9」の高性能をよりコンパクトなボディに凝縮した「Z8」から多くの機能を継承したフルサイズミラーレスカメラ。「Zシリーズ」のラインアップでは、「Z7II」の上位に位置するハイスペックな中級機だ。

「Z6III」には多くの最先端技術が搭載されているが、なかでも特に注目したいのは、撮像素子に世界初※1の部分積層型CMOSセンサーを搭載すること。部分積層型CMOSセンサーは、撮像素子の上下の積層部に高速処理回路を多数配置することで、高画質と高速性能を両立しているのが特徴だ。その処理速度は非常に速く、従来モデル「Z6II」と比べて約3.5倍(静止画撮影時、RAW 14bit時)の高速読み出しを達成している。

「Z6III」は、部分積層型CMOSセンサーによって、中級機として圧倒的な高性能を実現している。ローリングシャッター歪みを低減しているだけでなく、高速連写時の滑らかなファインダー表示や、DXフォーマット(APS-C)で最高約120コマ/秒の超高速連写、RAW(N-RAW)形式での6K/60p動画のカメラ内記録などを実現。一部機能は上位モデル「Z9」「Z8」を超えるスペックを実現しているのだから驚かされる。

ニコン「Z6III」

センサーの上下の積層部に高速処理回路を多数配置し、高画質と高速性能を両立した部分積層型CMOSセンサーを採用。ボディ内5軸手ブレ補正の補正効果は「Zf」と同じ8段分で、これは「Z9」「Z8」を上回っている

ニコン「Z6III」

メモリーカードスロットは、CFexpress Type B/XQDカードとSDメモリーカード(UHS-II対応)のダブルスロット仕様。高速なCFexpress Type Bカードを選択できるだけでなく、一眼レフカメラやミラーレスカメラで使ってきたSDメモリーカードをそのまま使用できるのがうれしい

「Z6III」は、これだけの充実したスペックを持ちながら、重量約760g(バッテリーおよびメモリーカードを含む、ボディキャップ、アクセサリーシューカバーを除く)の小型・軽量ボディを実現しているのがすごいところ。信頼性も高く、「Z8」と同等の防塵・防滴性能を兼ね備えている。

ニコン「Z6III」

「Z6III」のサイズは約138.5(幅)×101.5(高さ)×74(奥行)mmで、重量は約760g。「Z8」のサイズは約144(幅)×118.5(高さ)×83(奥行)mmで、重量は約910g(※重量はいずれもバッテリーおよびメモリーカードを含む、ボディキャップ、アクセサリーシューカバーを除く)。「Z6III」のほうがひと回りコンパクトなサイズ感に収まっている

ニコン「Z6III」

コンパクトなので手持ちでも負担が少なく撮影しやすい。静止画撮影だけでなく動画撮影でも使いやすいバリアングル式液晶モニターを採用するのもポイントだ

ニコン「Z6III」

前面カバーにマグネシウム合金を、背面カバーと上面カバーに「Sereebo ® Pシリーズ」(帝人株式会社製)を採用することで「Z8」と同等の堅牢性を実現。徹底したシーリングによって高い防塵・防滴性能を確保しているほか、-10度までの寒冷な環境下でも動作するよう設計されている。電源オフ時での移動中の衝撃や揺れによるダメージから撮像素子を守るVRロック機構も備わっている

ニコン「Z6III」

「Z6III」本体と同等の防塵・防滴・-10度耐寒性能を確保したパワーバッテリーパック「MB-N14」を別売オプションとして用意。「MB-N14」を装着すると、縦位置撮影がやりやすくなるうえ、「EN-EL15c」バッテリーを1本使用する場合と比べて電池寿命を約1.9倍延長することができる。USB-C端子での充給電やホットスワップに対応しているので、タイムラプスや野生動物を撮る場合でも長時間撮影を継続することが可能だ

ニコン「Z6III」#02レビューEVF、連写&AF、撮影機能のすべてがハイレベル!

「Z6III」は、あらゆる点で中級機として圧倒的なスペックを誇っているカメラだ。ここからは、実際に「Z6III」を使ってみての特にすばらしいと感じた3つの点をレビューしていこう。

約576万ドット/最大4000カンデラのEVFが非常に見やすい!

「Zシリーズ」の電子ビューファインダー(EVF)は、ニコンならではの高品位な光学系によって非常に見やすい表示を実現しており、ユーザーから高い評価を得ている。筆者も、これまでに「Zシリーズ」の全機種を試し、EVFの見え方のよさを実感してきたが、そのなかでも、「Z6III」は「Zシリーズ」史上最高のファインダーに仕上がっていると感じた。

まず、EVFの解像度が向上し、「Zシリーズ」最高となる約576万ドット表示を実現しているのが大きい。従来でも解像度は十分なレベルだったが、約576万ドットに向上したことで非常にシャープな見え方に変わった。画像処理で輪郭を無理に強調している感じがなく、歪みや色収差がない自然な表示のまま精細感が上がっているのがポイント。ミラーレスカメラ全体を見ても、ここまで自然でシャープなファインダーはないのではないだろうか。本当にそう感じるくらいの高品位なファインダーである。

さらに、上位モデルの「Z9」「Z8」を超える、ミラーレスカメラ史上最高※2の4000カンデラ※3の高輝度表示に対応しているのも見逃せない。晴天下のビーチや雪原など極端に明るいシーンでも視認性を確保することができるのがウリで、実際に逆光下で「Z9」「Z8」と使い比べてみたが、「Z6III」のほうがクリアに見えることを確認できた。

ニコン「Z6III」

ミラーレスカメラ史上最高※2の4000カンデラ※3に対応するEVFを搭載。明るい環境下では「Z9」「Z8」を上回る視認性を確保できる

また、ミラーレスカメラとして初めて※2sRGBを超えるDCI-P3相当の広色域にも対応しているのも見逃せない。これまでは飽和しやすかった鮮やかな赤や深い緑などを階調豊かに表示することができる。HLG画像/映像の撮影・再生時にHDRモニターにより近い見えで確認できるのもポイントだ。

動体撮影に対する性能もすぐれており、「Z9」「Z8」の「Real-Live Viewfinder」に近い見えが得られるように設計されている。リフレッシュレートは最高約120fpsに対応。最高約20コマ/秒の連写撮影時には、シャッターボタンを全押ししている間、約60fpsのリフレッシュレートで表示できるので、被写体の動きを見ながらの決定的な瞬間をより確実にとらえることが可能だ。

超高速連写&高性能AFで動体撮影性能にすぐれる!

「Z6III」は連写性能にすぐれており、通常の撮影ではFXフォーマット時にメカシャッターで最高約14コマ/秒、電子シャッターで最高約20コマ/秒の高速連写が可能だ。さらに、JPEGでの高速連写機能「ハイスピードフレームキャプチャー+」では、DXフォーマットで最高約120コマ/秒、FXフォーマットで最高約60コマ/秒の超高速連写に対応している。フルサイズミラーレスカメラの中級機としてはほかに類を見ないスペックだ。シャッターボタンを全押しする最大1秒前までさかのぼって記録できるプリキャプチャー機能にも対応しているので、鳥の飛翔シーンなど決定的な瞬間を確実に記録することができる。

実際に使ってみて特に便利だと感じたのが、FXフォーマットでの最高約60コマ/秒連写。上位モデル「Z9」「Z8」でも最高60コマ/秒連写は可能だが、DXフォーマットに限定されるため画素数が約1900万画素と少し少なくなっている。「Z6III」は、FXフォーマットかつ有効2450万画素で撮れるので、画角の選択肢が広く、トリミング耐性にもすぐれる。最高約60コマ/秒連写に関しては「Z6III」のほうが使い方の幅が広いのだ。

ニコン「Z6III」

JPEGでの高速連写機能「ハイスピードフレームキャプチャー+」では、DXフォーマットで最高約120コマ/秒、FXフォーマットで最高約60コマ/秒の超高速連写が可能だ

加えて、「Z6III」は「Z9」「Z8」譲りの高性能なAFシステムを搭載している。人物/犬/猫/鳥/車/バイク/自転車/列車/飛行機の計9種類の被写体検出に対応するうえ、AFの速度・精度も向上しており、「Z6II」比で約20%の高速化を実現。低輝度限界は-10EV※4を達成しており、暗所でのピント合わせにも強い。

実際に「Z6III」でダンスを踊る人物や野鳥などの被写体を追従撮影してみたところ、被写体の食いつき・追従性とも「Z9」「Z8」とそん色ないと感じた。特に電子シャッターでの高速連写時は、素早く動く被写体を撮る場合であっても、「Z9」「Z8」とほとんど違いを感じないと言ってもよいレベルであった。

ニコン「Z6III」

被写体検出機能は「オート」「人物」「動物(犬/猫/鳥)」「乗り物(車 /バイク/自転車/列車)」「飛行機」の選択が可能。AFエリアモードを限定して使うこともできる

動画で被写体検出の性能をチェック!

ダンスをする人物を被写体に、「Z6III」の被写体検出機能をテストしてみた。画面の上下左右・前後にすばやく動く人物に対して、瞳や顔、胴体などを検出しながらしっかりと追従していることがわかる。申し分のない性能と言えるだろう。

超高速連写と被写体検出を使って撮影した作例をチェック!

ニコン「Z6III」
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Z6III、NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR、600mm、F6.3、1/4000秒、ISO800、ホワイトバランス:オート1、ピクチャーコントロール:風景撮影写真(6048×4032)

FXフォーマットでの最高約60コマ/秒連写とプリキャプチャー機能を活用して撮影した野鳥作例。40コマ撮影したものから連続する8コマを掲載している。プリキャプチャー機能によって鳥が飛び立つ瞬間の動きを確実に記録することができた。

最高約60コマ/秒という連写速度は、鳥の飛翔など連続した動きを押さえるのにとても使いやすい。たとえば、最高約30コマ/秒だと鳥がちょうど羽を広げた瞬間を撮り逃してしまうときがあるし、最高約120コマ/秒だとコマ数が多すぎるときがあるが、最高約60コマ/秒だとちょうどよい具合に連続した動きを記録できる。

また、「Z6III」には、「Z9」や「Z8」のように独立した「鳥」検出が用意されておらず、「動物」検出の中に鳥検出が含まれているため、野鳥撮影時のAF精度が落ちると思うかもしれない。しかし、実際に試してみたところ、動く野鳥を高精度に追従することができた。本格的な野鳥撮影にも十分に活用できるレベルだと感じた次第だ。

さらなる高画質を実現! 「イメージングレシピ」でクリエイティブな撮影が楽しめる

「Z6III」は画質も大きく向上している。有効2450万画素の部分積層型CMOSセンサーを採用し、常用感度は最高でISO64000に対応するようになった。従来モデル「Z6II」の最高ISO51200を超える高感度性能を実現しているのである。

今回、「Z6III」「Z6II」「Z8」の3モデルで高感度画質を比較したところ、「Z6III」が最もノイズの少ない画質を実現していることがわかった。詳細は以下の結果をご覧いただきたい。

「Z6III」「Z6II」「Z8」で高感度画質を比較!

元画像(ISO12800で撮影)

ニコン「Z6III」

切り出し画像

ニコン「Z6III」
ニコン「Z6III」
ニコン「Z6III」

※ 「Z6III」「Z6II」は元画像を等倍で切り出し。「Z8」は、「Z6III」「Z6II」と同じサイズになるように縮小しています。

「Z6III」「Z6II」「Z8」を使って同じ被写体(明るい夜景)を同じ感度(ISO12800)で撮り比べてみた。切り出した画像をチェックしてみると、「Z8」が最もノイズ量が多いことがわかる。ISO12800の高感度としては十分にノイズを抑えられているものの、「Z8」は有効4571万画素の高画素であるため、さすがに有効2450万画素の「Z6III」「Z6II」と比べると分が悪い。

「Z6III」と「Z6II」を比べると、わずかな差ではあるが「Z6III」のほうが粒だったノイズが少なく、よりクリーンな画質が得られている。これは、画像処理エンジンに最新の「EXPEED 7」を採用していることが大きいのだろう。より高性能な画像処理によってノイズを低減しつつ解像感をキープしているのだ。

「Z6III」の撮影関連の機能では、「Z9」「Z8」などが搭載するポートレート撮影用の設定・機能もしっかりと搭載している。「ピクチャーコントロール」には、人肌を美しく表現しながら深みのあるトーンが得られる「リッチトーンポートレート」や、髪や目などのディテールのシャープさをキープしたまま肌を滑らかに表現する「美肌効果」、色相と明るさの設定を微調整できる「人物印象調整」といった人物撮影用の設定・機能が充実している。先に紹介した高速連写と高性能AFでの撮影が可能なので、ポートレート撮影にも使いやすいカメラと言えるだろう。

「Z6III」で撮影したポートレートをチェック!

ニコン「Z6III」

Z6III、NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena、135mm、F1.8、1/800秒、ISO1100、ホワイトバランス:自然光オート、ピクチャーコントロール:リッチトーンポートレート、美肌効果:弱め撮影写真(4032×6048)

大口径・中望遠単焦点レンズ「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」を使って、絞り開放(F1.8)で撮影したポートレート作例。自由にポージングしてもらいながら高速連写で撮ったものの1枚で、少しうつむき加減の表情をとらえることができた。

画質面では、「ピクチャーコントロール」を「リッチトーンポートレート」に設定することで、自然な肌色のまま、よりクリアで透明感のある写真に仕上がっているのがポイント。「美肌効果」を「弱め」に設定することで肌を少しだけ滑らかな質感にしている。高速なシャッタースピードで人物の動きを確実に止めたかったため感度をISO1100まで上げているが、気になるようなノイズが発生していないのも注目してほしい点だ。

こうした大口径・中望遠単焦点レンズの絞り開放でのポートレート撮影で威力を発揮するのが被写体検出機能である。この作例ではピントを合わせた左目に前髪が少しかかっているが、「Z6III」は瞳をしっかりと検出し、正確にピントを合わせてくれた。

さらに、ニコン純正のRAW現像ソフト「NX Studio」のVer.1.7.0に追加された、色調を細かく調整できる「フレキシブルカラーピクチャーコントロール」が便利で面白い。8色の色別に色相、彩度、明度を調整できるうえ、明暗別(ハイライト/中間調/シャドー)の色調整にも対応しており、非常に細かいカラーグレーディングが可能だ。調整した画作り設定は、「カスタムピクチャーコントロール」として書き出し、メモリーカードを経由して「Z6III」本体に最大で9つ登録することが可能。これまで以上に、より作り込んだ仕上がり設定で撮ることができるようになったのだ。

ニコン「Z6III」

「NX Studio」の新機能「フレキシブルカラーピクチャーコントロール」は、色相や明暗別に細かく色を調整できる

ニコン「Z6III」

調整した設定は、メモリーカードを介して「Z6III」本体に「カスタムピクチャーコントロール」として登録できる

画質関連では、映像表現の楽しみをさらに広げる機能として、新しいクラウドサービス「Nikon Imaging Cloud」にも注目したい。このサービスでは、ニコンおすすめの「カスタムピクチャーコントロール」や、著名クリエイターが監修した「カスタムピクチャーコントロール」を「イメージングレシピ」として利用することが可能。レシピは「Z6III」にWi-Fiで送信して最大9個まで登録できる。

また、「Nikon Imaging Cloud」と連携すれば、パソコンやスマートフォンを用いずに「Z6III」のファームウェアのバージョンアップが可能。「Z6III」がWi-Fiに接続された際に撮影画像を外部のストレージサービスへ自動で転送することもできる。

「イメージングレシピ」を使った撮影した作例をチェック!

ニコン「Z6III」

Z6III、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S、24mm、F8、1/25秒、ISO200、ホワイトバランス:オート1、カスタムピクチャーコントロール:Pastel Nostalgia撮影写真(6048×4032)

この作例は、写真家・フォトグラファー 酒井貴弘さんが作成したレシピ「Pastel Nostalgia」を使用して撮影した1枚。全体的に少し淡く、黄色みがかった世界観で、どこか懐かしく、優しく温かい空気感の色味になるように作成したとこと。やや明るめの写真に合う調整をしているとのことなので、露出を少しオーバー目にして撮影してみたところ、ノスタルジックな雰囲気のある写真に仕上がった。

ニコン「Z6III」#03動画撮影6K/60p RAW内部記録に対応! 中級機最高レベルの動画撮影機能

「Z6III」は、静止画撮影機能だけでなく、動画撮影機能もハイレベルだ。プロの映像クリエイターが作品作りに使用できる機能を多数搭載している。

カメラ内記録に対応するフォーマットを見ると、その充実度がよくわかる。具体的には、12bit RAWをカメラ内で記録することが可能で、N-RAWでは最高6K/60p、ProRes RAW HQでは最高6K/30pに対応。さらに、10bit ProRes 422 HQ/H.265での5.4K/60p記録や、10bit H.265での4K UHD/120p記録(APS-C)にも対応している。6Kオーバーサンプリングでの高画質な10bit 4K UHD/60p記録も可能だ。フルHDでは10bit H.265での240p記録(FXの95%の画角)も行える。

ニコン「Z6III」

N-RAW もしくはProRes RAW HQでのRAW動画の撮影が可能。N-RAW では最高6K/60p で記録できる

このように、「Z6III」は、フルサイズミラーレス中級機としては非常に多彩な動画撮影が可能となっている。ポイントとなるのはRAW記録を含めてすべてカメラ内で記録できること。外部レコーダーを使わずに、「Z6III」のみのコンパクトなシステムで完結できるのが使いやすいところだ。ワンオペレーションでの動画撮影にも適したカメラと言えるだろう。

「Z6III」で撮影した動画をチェック(撮影:6K/60p、編集:4K/60p)

この動画は「Z6III」を使って6K/60p(N-RAW)で記録し、編集時に4K/60pに解像度を変換したもの。6Kで撮影できることのメリットは、撮影後の4K動画編集時に、解像度を落とさずにクロップやズーム、パンなどの効果を加えられること。カメラの位置を固定して撮った映像でも、動きのある映像に編集することができるのだ。

このほか、「Z6III」は、コンパクトなボディながら上位モデル譲りの長時間撮影も実現しており、8bit H.265での4K UHD/60p記録時は最長125分の撮影に対応。定評のある「露出平滑化」機能を用いた4K UHDでの「タイムラプス動画」や、レンズの望遠端を超える領域で高画質にズーム撮影が行える「ハイレゾズーム」など、クリエイティブな使い方ができる機能も数多く搭載している。

ニコン「Z6III」

動画撮影と親和性の高い、タッチパネル対応のバリアングル式液晶モニター(3.2型、約210万ドット)を採用

加えて、プロ向けの進化点として押さえておきたいのが、N-Log使用時の感度がLo 2.0(ISO200相当)まで下げられるようになったこと。これによって、ダイナミックレンジがシャドー側にシフトし、暗部のノイズを抑制できるようになった。暗部の階調をしっかりと見せたいシーンにおいて、より階調豊かな表現が可能となっている。

また、「Z6III」では、ニコンとして初めて音声のライン入力に対応するのもトピック。マイク入力端子をライン入力として使用可能で、音響ミキサーやマイクから音声を有線で収録できるようになった。

ニコン「Z6III」#04レンズ「Zシリーズ」の魅力は「NIKKOR Zレンズ」にあり!

「Zシリーズ」は、カメラ本体だけでなく、「NIKKOR Zレンズ」のクオリティーが高いのも魅力だ。超広角から超望遠、マクロまで充実したラインアップを誇るが、どのレンズも光学性能にすぐれるのがポイントだ。

開放F2.8通しの“大三元レンズ”など作品作りに欠かせないレンズはもちろんのこと、持ち運びやすい小型・軽量レンズであっても、画面の周辺までシャープできれいな画質が得られるように設計されている。さらに、すべてのレンズが、フォーカスブリージングを抑えるなど動画撮影に対応しているのも見逃せない。どのレンズを選んでも、静止画撮影と動画撮影の両方で高画質かつ快適な撮影が楽しめるのだ。

ニコン「Z6III」

「Zシリーズ」ならびに「NIKKOR Zレンズ」で高画質な撮影が可能なのは、大口径55mm/ショートフランジバック16mmの「Zマウント」を採用していることが大きい。「Zマウント」によってレンズの光学設計の自由度が飛躍的に向上し、一眼レフを大幅に上回る性能を実現している

数ある「NIKKOR Zレンズ」のなかでも特に注目したいのが、薄型の広角・単焦点レンズ「NIKKOR Z 26mm f/2.8」、開放F1.8の中望遠・単焦点レンズ「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」、小型・軽量な望遠レンズ「NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S」、600mm対応の超望遠ズームレンズ 「NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR」といった、「Zシリーズ」ならではのユニークな特徴を持つレンズ。「使ってみたい!」と思わせるレンズが多数用意されている。

ニコン「Z6III」

左上が「NIKKOR Z 26mm f/2.8」、右上が「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」、左下が「NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S」、右下が「NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR」を装着したイメージ。「NIKKOR Zレンズ」では、これら以外にもユニークかつ高画質なレンズがいくつも用意されている

#05まとめフルサイズ機の不満を解消してくれる“最強”の中級機

「Z6III」は、世界初※1の部分積層型CMOSセンサーを採用することで、小型・軽量なサイズ感と高性能を両立した、ハイスペックなフルサイズミラーレスカメラだ。部分積層型CMOSセンサー以外にも、画像処理エンジン「EXPEED 7」などニコンの最先端技術を惜しげもなく投入しており、静止画撮影と動画撮影の両方で付け入る隙のない、“最強”の中級機に仕上がっている。

このカメラを選ぶべき理由は、2024年6月17日の製品発表時点では、中級機としてほかの追随を許さない、充実したスペックを実現していることに尽きる。約576万ドット/最大4000カンデラのEVF や、FXフォーマットでの最高約60コマ/秒連写(JPEGのみ)などは、上位モデル「Z9」「Z8」を上回っており、中級機のカテゴリーに収まらないくらいの高性能なカメラだ。

もし今、フルサイズミラーレスカメラを使っていて、どこか満足できない部分があるのなら、ぜひ「Z6III」への買い替えを検討してほしい。静止画でも動画でも納得のいく撮影を存分に楽しめるはずだ。

なお、ニコンのショールーム「ニコンプラザ東京」と「ニコンプラザ大阪」では、2024年7月末まで大規模な「Z6III」のタッチ&トライイベントが開催されている。実機を触って「Z6III」のEVFやAF、動画などの性能を確認できる貴重なイベントなので、ぜひ足を運んでみてほしい。

数量限定の従来モデル「Z6II 24-120 限定セット」も用意

ニコンは、従来モデル「Z6II」のお得な限定セットも用意している。「Z6II」本体に、標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」とアクセサリー4点を同梱したセットだ。カメラとレンズを単体で購入するよりも数万円程度安く手に入るので、気になるようなら早めにチェックしておこう。

しかも、今なら「Nikon Creators 応援サマーキャンペーン2024」が開催されており、よりお得に手に入れることが可能。「Z6II 24-120 限定セット」もキャンペーンの対象製品で、2024年8月26日までの購入(応募受付締め切り:2024年9月6日)なら30,000円のキャッシュバックが受けられます。

“最強”の中級フルサイズミラーレスカメラ
ニコン「Z6III」

ニコン「Z6III」公式ページ
Z6III SPECIAL CONTENTS
ニコンの新世代ミラーレスカメラ「Zシリーズ」特集
  • ※1 2024年6月17日現在、フルサイズ/FXフォーマットのミラーレスカメラにおいて、ニコン調べ。
  • ※2 2024年6月17日現在、ニコン調べ。
  • ※3 ファインダーの明るさを[Hi2]に設定した場合。
  • ※4 静止画モード、シングルAFサーボ(AF-S)、ISO100相当、f/1.2レンズ使用時、温度20度。
この記事は2024年7月19日の情報を基にしております。