特大容量「ギガタンク」搭載 さらに使いやすく進化した低コストプリンター キヤノン「G3390」レビュー

キヤノン「G3390」は、特大容量タンク「ギガタンク」を搭載し、高い印刷品質と低ランニングコストを両立したビジネスインクジェットプリンター。カラー液晶モニターを採用するなどして操作性・メンテナンス性にも磨きをかけた最新モデルだ。インク代や用紙代を抑えたい人に注目してほしい、このプリンターの特徴を詳しく解説しよう。
低ランニングコスト特大容量タンク 「ギガタンク」&自動両面印刷で
コストを削減!
「G3390」は、キヤノンのビジネスインクジェットプリンター「Gシリーズ」の新しいエントリーモデル。1回のインク補充で大量印刷が可能な特大容量タンク「ギガタンク」を搭載し、ランニングコストを抑えて運用できるのが最大の特徴だ。
「G3390」が実際にどのくらい大量に印刷できるかというと、インクボトル1本あたりの印刷可能枚数は、A4普通紙を片面印刷する場合、標準モードでブラックインクが約6,000枚※1 、カラーインクが約7,700枚※1。エコノミーモードを利用すると、ブラックインクは約7,600枚※1、カラーインクは約8,100枚※1にまで枚数が向上する。
ブラックインクもカラーインクも6,000枚以上/本というスペックは、1か月にA4普通紙を500枚印刷したとしても約1年にわたってインクを補充せずに使えるということ※2。エントリー向けのビジネスインクジェットプリンターとしては圧倒的な大量出力が可能だ。

特大容量タンク「ギガタンク」のメリットはインクの補充頻度が少なく、メンテナンスの手間が省けること。「G3390」は、染料インク3色(シアン、マゼンタ、イエロー)+顔料ブラックインクの「4色ハイブリッドインク」を採用している
気になる印刷代は、A4普通紙のモノクロが約0.4円/枚、カラーが約1.0円/枚(いずれも税込)と1枚あたりのコストが非常に低く抑えられている。100枚印刷したとしてもモノクロは約40円、カラーは約100円しか費用がかからない。仕事で大量に印刷する人はもちろんのこと、それほど印刷しない人にとっても、このランニングコストの低さに魅力を感じるはずだ。
さらに、「G3390」は、自動両面印刷に新たに対応し、より効率的に印刷できるようになったのもポイント。自動両面印刷を使って用紙の表裏にプリントすれば、通常の印刷と比べて用紙代を半分に抑えられる。1枚に複数ページをまとめる割り付け印刷機能を組み合わせれば、さらに用紙のムダを減らすことが可能だ。
操作性&メンテナンス性タッチ操作対応の2.7型液晶を搭載! インクの補充も楽々
「G3390」は、操作性に関する機能がいくつか追加されたことで、使い勝手が大幅に向上している。
大きなところでは操作パネルが刷新され、より簡単な操作で扱えるようになった。まず、液晶モニターが従来モデル「G3370」の1.35型のモノクロ液晶から2.7型のカラー液晶に進化。タッチパネルにも対応するようになり、大きくて見やすい表示のアイコン・文字を見ながら、モニターをタッチして直感的に作業することが可能だ。
さらに、操作パネルが上方向のチルトに対応するのもトピック。プリンター設置位置が目線よりも低い場合でも、操作パネルの角度を調整することで、自然な体勢のままモニターの表示やパネル上のボタンを確認しやすくなった。
直感的な操作という点では、コピーの操作手順が簡略化されたのも見逃せないポイントだ。従来モデル「G3370」は、原稿をセットした後にホーム画面でコピーを選択し、さらにOKボタンとスタートボタンを押さないとコピーできなかったが、「G3390」は、液晶モニター右のスタートボタンを押すだけの「1プッシュコピー」を搭載している。原稿をセットしてボタンをワンプッシュするだけのシンプルな操作で、素早くかつ簡単にコピーを実行できる。

液晶モニターの右側にあるスタートボタンを押すだけでコピーを実行できるようになった。仕事でもプライベートでもコピーを使用することは多いので、よりシンプルな操作になったのはありがたい。スタートボタンがモノクロとカラーに分かれていて、どちらもワンプッシュで選択できるのが便利だ



家庭用インクジェットプリンター「PIXUS」シリーズにも搭載されている、 キヤノン独自の「Switch UI」に対応。「Switch UI」は、「標準」に加えて、「仕事」「学習」といったシーン別に使いたい機能を登録して利用でき、必要な機能にすぐアクセスできる
「G3390」の使い勝手では、使い始めに行う初期セットアップが簡単な点と、メンテナンス性にすぐれる点にも注目してほしい。
初期セットアップは、プリンター本体のカラー液晶に具体的なイメージで手順が表示されるのでわかりやすい。手順どおりに作業を進めていくだけでひと通りのことが完了するので、マニュアルいらず。操作に迷うことなくセットアップできる。
何かと手間がかかるWi-Fiの設定は、セットアップメニューから「PC/スマホでかんたん接続」を選択し、パソコンもしくはスマートフォンの専用アプリ「Canon PRINT」上でプリンターを検出すれば、SSIDやパスワードを入力することなく、パソコン/スマートフォンと同じWi-Fiネットワークの設定がプリンターに自動的に適用される。パソコンへのプリンタードライバーのインストールもプリンター検出後に自動的に行われるので、パソコンやプリンターの知識がなくても簡単にセットアップが完了する。


初期セットアップ時は2.7型カラー液晶に作業の手順が表示される。プリントヘッドの取り付けやインクの充填などのやり方が具体的なイメージで表示されるので、初めてプリンターを使う人でも迷わずに作業できるはずだ。Wi-Fiの設定も簡単で、専用アプリ「Canon PRINT」からプリンターに自動的に適用できる

「G3390」には、より簡単かつ安全にインクを充填できるような工夫が施されている。インクタンク部には、軽く押し上げるだけで開くキャップを採用※3。誤って別の色のインクタンクを差し込まないように、各色で差し込み口の形状を変えている。加えて、インク充填時の注ぎすぎを自動でストップする機能も備わっている
メンテナンス性では、1か所のレバー操作でプリントヘッドを簡単に交換できるうえ、プリンター使用時の廃インクを吸収するメンテナンスカートリッジをユーザー自身で交換できるのが特徴。交換や修理にかかる手間を極力省くことで、プリンターを使えない時間を極力短くできるように配慮されているのだ。
印刷品質高画質に印刷できる4色ハイブリッドインクを採用!
最後に、「G3390」の印刷品質をレビューしよう。
「G3390」は、前述したように、シアン/マゼンタ/イエローの3色の染料インクに、文字に強い顔料ブラックインクを組み合わせた「4色ハイブリッドインク」を採用している。このハイブリッドインクシステムのメリットは、顔料と染料をうまく使い分けることで、文書でも写真でも高い印刷品質が得られることだ。
具体的には、文字は顔料ブラックインクを使ってくっきりと印刷してくれる。特に普通紙を使った場合のにじみが少ないのが特徴で、小さな文字でも十分な視認性を確保できる。写真については、染料インクを生かし、より鮮やかにプリントできるのがポイント。写真や図版が用いられたビジネス文書や、子ども用の学習教材などもきれいに印刷することが可能だ。
まとめ仕事でも家庭でも使いやすい万能プリンター
仕事でも家庭でもプリンターを使っていて不満を感じることが多いのは、インク代を含めたランニングコストではないだろうか。特に仕事で大量に印刷を行う場合、ランニングコストは低ければ低いほどありがたい。加えて、購入後に気がつく不満としてはメンテナンス性もあげられる。インク補充やパーツ交換の回数が多いと、使っていてどうしても煩わしさを感じてしまう。
「G3390」は、そうしたプリンターに関する不満を解消できる製品だ。特大容量タンク「ギガタンク」を搭載しており、低ランニングコストで運用できるので、プリント代をさほど気にせずに使える。インクカートリッジタイプと比べるとインク補充の回数が少なく、メンテナンスを容易に行えるのも魅力だ。
さらに、「G3390」は、自動両面印刷や、タッチパネル対応の2.7型カラー液晶、ワンプッシュでのコピー機能などを新たに搭載し、使い勝手が大きく向上。SOHOや在宅ワークなどのビジネス用としてだけでなく、家庭用としても使いやすい、万能なインクジェットプリンターに進化しているのだ。
プリンターのランニングコスト、メンテナンス性、使い勝手のすべてに妥協したくないのなら、「G3390」にぜひ注目してほしい。使っていて納得度の高いプリンターになるはずだ。
※1 初めてプリンターをご使用になる際に充填したインクボトルではなく、2回目以降に充填するインクボトルを使用して算出しています。印字可能枚数は、A4カラー文書ISO/IEC 24712を使用し、キヤノン独自の測定方法で算出したものです。
※2 最適な印刷品位を得るためには、年に1回程度はインクタンクの上限ラインまでインクを補充することをおすすめします。
※3 インクタンクのタンクキャップの色は製造時期によって異なります。
※4 フチなし印刷用の吸収体部分は固定式のため、ユーザー交換はできません。交換には修理が必要です。