チェキ™史上最広角レンズを搭載!10万通り以上の写真表現が可能な「instax WIDE Evo™」徹底レビュー

富士フイルムの「instax™“チェキ”」シリーズは、撮影したその場でプリントが楽しめるインスタントフォトシステム。大切な瞬間を“撮る”だけでなく、想いを“伝える”ツールとして活躍するカメラだ。「instax WIDE Evo™」は、そんな「instax™“チェキ”」シリーズの最新モデル。クラシックな雰囲気のボディに、チェキ™史上最広角レンズと多彩な撮影機能を搭載し、クリエイティブな写真撮影を存分に楽しめる。本特集では、写真家の河野鉄平さんが「instax WIDE Evo™」を徹底レビュー。作品づくりを通して感じた、このカメラでしか得られない魅力を紹介しよう。

ボディ持ち歩きたくなる“正統派”クラシックデザイン

富士フイルム「instax WIDE Evo」

クラシックな雰囲気を身にまとった「instax WIDE Evo™」。ブラックとグレーのシックなカラーリングは非常に高品位だ

「instax WIDE Evo™」は、カメラとしてもスマホプリンターとしても使える、ハイブリッドインスタントカメラ。背面の液晶モニターを見ながら撮影しつつ、撮影した画像の中からお気に入りの1枚を選んでチェキプリント™にできるのが大きな特徴だ。しかも、通常のカードサイズ(86×54mm)の2倍の大きさとなる86×108mmサイズのワイドフォーマットを採用しているので、より大きなサイズで迫力のあるプリントを楽しめるのがうれしい。デジタルでもアナログでも“写真”をとことん楽しめるカメラなのである。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

撮影とともにチェキプリント™を楽しめるのが魅力※1 。86×108mmサイズのワイドフォーマットを採用しているので、撮影した画像をより大きくプリントできるのがいい

今回、そんな「instax WIDE Evo™」をじっくり使ってみたのだが、まず印象に残ったのが外観デザイン。ブラックとグレーを基調にしたスクエア形状のボディは、アナログの“写真機”らしさを強く感じる正統派の仕上がりだ。クラシックな雰囲気を大事にしつつ、シャープな印象を持つボディはとても高級感がある。

富士フイルム「instax WIDE Evo」 富士フイルム「instax WIDE Evo」

写真機らしさを強く感じる、スクエア形状のフォルムを採用。ダイヤルやボタンなどディテールの作り込み度も高く、高級感のあるボディに仕上がっている※2

外観デザインとともに、カメラとしてのこだわりを強く感じるのが操作性だ。次項で詳しくレビューする「レンズエフェクト」と「フィルムエフェクト」を左右のダイヤルで直感的に変更できるほか、レバーを押し下げることでシャッターが切れるシャッターレバーや、時計回りにレバーを回転させることでプリントできるプリントクランクなど、独自の操作性をふんだんに採用。写真機としてのアナログ操作を存分に楽しめるようになっている。“撮っている”感覚を強く感じられるのがよく、「使っていて楽しいカメラ」だと感じた。

富士フイルム「instax WIDE Evo」 富士フイルム「instax WIDE Evo」

液晶モニターの左手側に「レンズエフェクト」を切り替えるダイヤルを、右手側に「フィルムエフェクト」を切り替えるダイヤルを装備。左右のダイヤルは、このカメラを楽しむうえで最も利用頻度の高い操作系だ。クリック感のあるダイヤルなので心地よく操作できる

富士フイルム「instax WIDE Evo」

ボディ上部に「フィルムスタイル」を切り替えるボタンを用意。「フィルムスタイル」を選択すると、このボタンのLEDが点灯する仕組みだ(設定メニューの「フィルムスタイルLED」が「ON」に設定されている場合)

富士フイルム「instax WIDE Evo」

レンズリングを回すと「レンズエフェクト」の度合いを100段階で調整できる。回したときの、ほどよいクリック感がよい

富士フイルム「instax WIDE Evo」

シャッター操作はユニークで、専用のレバーを押し下げて行う。レバー半押しでAFが動作し、被写体にピントが合う。そのまま深く押し込むとシャッターが切れる仕組みだ。画像再生時は、このレバーを押すと撮影モードに切り替わる

富士フイルム「instax WIDE Evo」

側面のプリントクランクを時計回りに回すと、表示中の画像をプリントできる。プリント自体はメニュー画面からも行えるが、こちらから操作するほうがダイレクトにプリントできるし、何より遊び心がある

富士フイルム「instax WIDE Evo」 富士フイルム「instax WIDE Evo」

別売りのカメラケースを用意※3。カメラ本体にマッチするクラシックなデザインでかっこいい

表現力10万通り以上の写真表現が可能!
クリエイティビティを刺激する多彩な撮影機能

「instax WIDE Evo™」を使ってみて驚いたのが、非常に充実した撮影機能を搭載していること。「instax™“チェキ”」シリーズのハイブリッドモデルは、エフェクト機能などを使ってユニークな写真を撮影できるのが特徴だが、「instax WIDE Evo™」はその選択肢の幅がさらに広がっている。まずは、どういったことができるのかを整理しておこう。大きく4つの機能を組み合わせて撮影できる。

機能1焦点距離16mm相当(35mm判換算)で撮れる広角モード

「instax WIDE Evo™」のスペックで目を引くのが、チェキ™史上最も広角なレンズを搭載していることだ。35mm判換算で焦点距離16mm相当という超広角で撮影を楽しめるようになっているのだ。スイッチひとつで通常モード(ノーマルアングル)と広角モードを簡単に切り替えられるのが便利だ。

広角モード

富士フイルム「instax WIDE Evo」

通常モード

富士フイルム「instax WIDE Evo」

名称に“WIDE”が付いているように、「instax WIDE Evo™」は広角モードに切り替えられるのが大きな特徴。広角モードでは焦点距離16mm相当(35mm判換算)の超広角で撮影できる

富士フイルム「instax WIDE Evo」

通常モードと広角モードはレンズ部近くのスイッチで簡単に切り替えられる

機能2効果の度合いを100段階で調整できる10種類の「レンズエフェクト」

「レンズエフェクト」は、レンズが生み出す独特の効果を再現するハイブリッドモデルならではの機能だ。「instax WIDE Evo™」では、光が差し込むような演出が楽しめる「ライトプリズム」や、周辺にかけてモノクロになりボケ効果も加わる「モノクロ周辺ボケ」、マゼンタからグリーンの色の変化が印象的な「カラーグラデーション」といった新しいエフェクトを含む計10種類を搭載。より多彩な撮影が行えるようになっている。

驚かされるのは、0〜100の間で効果の度合いを細かく調整できること。エフェクトの種類によって変化の仕方が異なるのが凝っていて、「ビネット」「ソフトグロー」「二重露光」「色ずれ」「モノクロ周辺ボケ」は“効果の強さ”が数値に合わせて変化する。いっぽう、「光漏れ」「ライトプリズム」「カラーグラデーション」「ビームフレア」は“効果の入り方”が変化する仕様だ。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

ノーマル

富士フイルム「instax WIDE Evo」

光漏れ

富士フイルム「instax WIDE Evo」

ライトプリズム

富士フイルム「instax WIDE Evo」

ビネット

富士フイルム「instax WIDE Evo」

ソフトグロー

富士フイルム「instax WIDE Evo」

二重露光

富士フイルム「instax WIDE Evo」

色ずれ

富士フイルム「instax WIDE Evo」

モノクロ周辺ボケ

富士フイルム「instax WIDE Evo」

カラーグラデーション

富士フイルム「instax WIDE Evo」

ビームフレア

10種類の「レンズエフェクト」を用意。「ライトプリズム」「ソフトグロー」「モノクロ周辺ボケ」「カラーグラデーション」「ビームフレア」が新たに追加されている

効果レベルを100段階で調整できる

「色ずれ」の効果

富士フイルム「instax WIDE Evo」

度合い0

富士フイルム「instax WIDE Evo」

度合い25

富士フイルム「instax WIDE Evo」

度合い50

富士フイルム「instax WIDE Evo」

度合い75

富士フイルム「instax WIDE Evo」

度合い100

「色ずれ」などのエフェクトは、数値が大きくなるほど効果そのものが強まっていく。このサンプルでは、色のずれが大きくなっていくことがわかる

「ライトプリズム」の効果

富士フイルム「instax WIDE Evo」

度合い15

富士フイルム「instax WIDE Evo」

度合い50

富士フイルム「instax WIDE Evo」

度合い65

富士フイルム「instax WIDE Evo」

度合い77

富士フイルム「instax WIDE Evo」

度合い100

「ライトプリズム」などはダイヤルを回すことで効果の入り方が変化する。このサンプルでは、度合いによって光が差し込む効果の位置や大きさが変わっている

機能310種類の「フィルムエフェクト」

「instax WIDE Evo™」は、「レンズエフェクト」のほかに、フィルムカメラで撮ったかのようなテイストを楽しめる「フィルムエフェクト」も利用できる。こちらも「レンズエフェクト」と同様、10種類から選択可能。少しメリハリのある暖色の色合いに仕上がる「ウォーム」や、ノスタルジックな雰囲気が心地よい「ライトグリーン」、さわやかな雰囲気のトーンが得られる「サマー」などが新しく追加されている。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

ノーマル

富士フイルム「instax WIDE Evo」

ビビッド

富士フイルム「instax WIDE Evo」

ウォーム

富士フイルム「instax WIDE Evo」

スカイブルー

富士フイルム「instax WIDE Evo」

ライトグリーン

富士フイルム「instax WIDE Evo」

マゼンタ

富士フイルム「instax WIDE Evo」

セピア

富士フイルム「instax WIDE Evo」

モノクロ

富士フイルム「instax WIDE Evo」

アンバー

富士フイルム「instax WIDE Evo」

サマー

フィルムのような独特のカラー効果が得られる「フィルムエフェクト」。「instax WIDE Evo™」では、「ウォーム」「スカイブルー」「ライトグリーン」「マゼンタ」「アンバー」「サマー」などが新たに加わった

機能46種類の「フィルムスタイル」

「フィルムスタイル」は、上下に黒帯が入った映画のような雰囲気になる「シネマティック」や、写真に日付が入れられる「デートスタンプ」など、アクセントになる効果を追加できる機能だ。古い写真技法である湿版調に仕上がる「湿版印刷」や、フィルムのようなデザインになる「フィルムストリップ」といったユニークなものも用意されている。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

ノーマル

富士フイルム「instax WIDE Evo」

シネマティック

富士フイルム「instax WIDE Evo」

デートスタンプ

富士フイルム「instax WIDE Evo」

湿版印刷

富士フイルム「instax WIDE Evo」

コンタクトシート

富士フイルム「instax WIDE Evo」

フィルムストリップ

「フィルムスタイル」は「シネマティック」「デートスタンプ」「湿版印刷」など計6種類を選べる

「instax WIDE Evo™」のすごいところは、これらの撮影機能をすべて掛け合わせられること。何と10万通り以上というほぼ無限と言ってもよい数の選択肢のなかから、自分好みの表現を選べる。ほかのカメラでは得られないような、ひと味違った写真を簡単に撮影することが可能なのだ。

ここからは、10万通り以上の写真表現を作品づくりにどう生かせるのか? をテーマに、実際に撮影した作例を掲載しながら、「instax WIDE Evo™」の撮影機能をレビューしていこう。作例は、写真表現にマッチしたフィルム(ホワイトもしくはブラックのフレーム)を選びながらプリントしている。フレームを含めての作品としてチェックしてほしい。

広角モードをうまく使うことで
“違い“が生まれる

「instax WIDE Evo™」の撮影機能のなかで、まず押さえておきたいのが広角モードだ。チェキ™史上最広角の焦点距離16mm相当(35mm判換算)という、視界よりもはるかに広い画角は、違いを生むのに役立つ。単に景色を広くとらえられるだけでなく、被写体に近づくことで、遠近感を強調しながら周囲を広く入れ込んだダイナミックな描写が得られるのだ。主題への寄り引きの仕方を工夫することで、印象的な写真を撮れるのが非常に面白い。

しかも、「instax WIDE Evo™」は、スタンダードなミニフォーマットよりも大きなワイドフォーマットでプリントできるので広角表現との相性が非常によい。以下に掲載する作例は、すべて広角モードで撮影してチェキプリント™にしたもの。大きなワイドフォーマットのよさが存分に発揮されている。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

F2.4、1/2138秒、ISO100、-0.7EV、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:ノーマル、フィルムエフェクト:ライトグリーン、フィルムスタイル:ノーマル、レンズモード:広角

comment

風景を広く取り込んで撮影できた。オーソドックスな広角表現ではあるが、手前に人影を入れることで遠近感を強調してみた。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

F2.4、1/2435秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:ノーマル、フィルムエフェクト:ノーマル、フィルムスタイル:ノーマル、レンズモード:広角

comment

伸びる曲線を広角域で強調しながら撮影。こうした躍動感のある画作りができるのは超広角だからこそだ。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

F2.4、1/4870秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:ノーマル、フィルムエフェクト:ノーマル、フィルムスタイル:フィルムストリップ、レンズモード:広角

comment

手前の看板にグッと近づき遠近感を強調しながら人物を撮影。こうした奥行きのある場所をうまく活用すると、広角表現は持ち味が増す。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

F2.4、1/280秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:ビネット、レンズエフェクト度合い:73、フィルムエフェクト:ビビッド、フィルムスタイル:ノーマル、レンズモード:広角

comment

広角で被写体に近づくと、背景を広く取り込みながらダイナミックな表現が楽しめる。ここではレンズエフェクトをビネットにすることで、中央の植物がより強調されている。

エフェクトの組み合わせで
好みの画作りを追求できる

「instax WIDE Evo™」は、撮影エフェクトや「フィルムスタイル」などを組み合わせることで10万通り以上の写真表現が可能になるが、これには自分好みの画作りを見つけ出す楽しさがある。気軽にエフェクトを使って撮影することもできれば、自分流にこだわりある画作りを模索することもできるのだ。

とはいえ、10万通り以上という数のなかで、どんなふうに組み合わせるのがよいのか使い始めは迷うこともあるだろう。そんなときは、わかりやすいイメージや雰囲気を先に決めて使ってみることをおすすめする。ここでは、「ふんわりやわらかいイメージ」と「重厚感のあるイメージ」で「レンズエフェクト」と「フィルムエフェクト」を重ね合わせた例を紹介しよう。

ふんわりやわらかいイメージ

カラーグラデーション×サマー

富士フイルム「instax WIDE Evo」

F2.4、1/1300秒、ISO100、-1.0EV、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:カラーグラデーション、レンズエフェクト度合い:67、フィルムエフェクト:サマー、フィルムスタイル:ノーマル、レンズモード:ノーマル

カラーグラデーション×ライトグリーン

富士フイルム「instax WIDE Evo」

F2.4、1/600秒、ISO100、ホワイトバランス:晴れ、レンズエフェクト:カラーグラデーション、レンズエフェクト度合い:50、フィルムエフェクト:ライトグリーン、フィルムスタイル:湿版印刷、レンズモード:ノーマル

ライトプリズム×ライトグリーン

富士フイルム「instax WIDE Evo」

F2.4、1/120秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:ライトプリズム、レンズエフェクト度合い:56、フィルムエフェクト:ライトグリーン、フィルムスタイル:シネマティック、レンズモード:ノーマル

重厚なイメージ

モノクロ周辺ボケ×アンバー

富士フイルム「instax WIDE Evo」

F2.4、1/1800秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:モノクロ周辺ボケ、レンズエフェクト度合い:50、フィルムエフェクト:アンバー、フィルムスタイル:フィルムストリップ、レンズモード:広角

ビネット×ビビッド

富士フイルム「instax WIDE Evo」

F2.4、1/120秒、ISO320、-0.3EV、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:ビネット、レンズエフェクト度合い:73、フィルムエフェクト:ビビッド、フィルムスタイル:ノーマル、レンズモード:ノーマル、内蔵フラッシュ使用

光漏れ×ビビッド

富士フイルム「instax WIDE Evo」

F2.4、1/800秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:光漏れ、レンズエフェクト度合い:50、フィルムエフェクト:ビビッド、フィルムスタイル:ノーマル、レンズモード:ノーマル

個人的な見解になるが、「レンズエフェクト」の「ライトプリズム」「ソフトグロー」「カラーグラデーション」「ビームフレア」と、「フィルムエフェクト」の「ウォーム」「スカイブルー」「ライトグリーン」「サマー」の組み合わせは、ふんわりやわらかいイメージを演出しやすいように思った。

対して、重厚なイメージを得るには、「レンズエフェクト」の「光漏れ」「ビネット」「モノクロ周辺ボケ」と、「フィルムエフェクト」の「マゼンタ」「アンバー」「モノクロ」の組み合わせがやりやすかった。もちろん、これは被写体や光の条件などによっても変化する。自分でいろいろ模索する際の参考例としてとらえてほしい。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

「レンズエフェクト」「フィルムエフェクト」「フィルムスタイル」の組み合わせは、背面のファンクションボタンからカメラ内に最大10パターンまでお気に入り登録できる。撮影時にすぐ呼び出せるので、シャッターチャンスを逃さず撮影できるのがいい

露出補正やホワイトバランスを調整して
エフェクト効果を強調

上に掲載した作例でも適宜使用しているが、「instax WIDE Evo™」は、露出補正やホワイトバランスの調整など、カメラとしての基本機能がしっかりしているのも押さえておきたい。これらの基本機能をうまく活用することで、エフェクトの効果をより強調することができる。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

撮影画面からMENU/OKボタンを押すとダイレクトメニューが表示される。このメニュー内で露出補正やホワイトバランスの調整が可能だ。マクロモードもここから選択する

富士フイルム「instax WIDE Evo」

F2.4、1/1700秒、ISO100、-1.7EV、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:ライトプリズム、レンズエフェクト度合い:7、フィルムエフェクト:ライトグリーン、フィルムスタイル:フィルムストリップ、レンズモード:ノーマル

comment

露出補正を暗めに設定して撮影した1枚。色の濃度が増している。露出補正は単に明るさだけでなく、色をより印象的に表現したいときにも有効だ。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

F2.4、1/1000秒、ISO100、+0.7EV、ホワイトバランス:晴れ、レンズエフェクト:カラーグラデーション、レンズエフェクト度合い:50、フィルムエフェクト:アンバー、フィルムスタイル:湿版印刷、レンズモード:ノーマル

comment

今度は少し明るめに露出補正し、軽やかなイメージを強調した。明るめに補正する際は色が飛びすぎないように注意しよう。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

F2.4、1/125秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:ビネット、レンズエフェクト度合い:73、フィルムエフェクト:ビビッド、フィルムスタイル:ノーマル、レンズモード:ノーマル

comment

中央の被写体が白く飛びすぎないように少し暗めに補正。明暗差のあるシーンでも、露出補正は有効な機能だ。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

F2.4、1/640秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:ライトプリズム、レンズエフェクト度合い:70、フィルムエフェクト:ライトグリーン、フィルムスタイル:ノーマル、レンズモード:ノーマル

comment

利用していてひとつ驚いたのが、顔検出の精度の高さ。人物が動いてもしっかり追尾しながらピントを合わせ続けてくれる。ポートレートや家族のスナップなどでは大きな役割を果たしてくれそうだ。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

顔検出の項目は設定内にある。顔検出を「ON」にすると、カメラが人物の顔を検出し、背景よりも顔にピントと明るさを合わせて、人物を明るく目立つように撮影できるようになる

チェキプリント™ならではの風合いを楽しもう!

ここまでカメラ内の機能を中心に実際の使用感をレビューしてきたが、冒頭申し上げたように、「instax WIDE Evo™」は、背面の液晶モニターを見ながら撮影しつつ、撮影した画像の中からお気に入りの1枚を選んでプリントできるハイブリッドインスタントカメラだ。

つまりこれは、プリントすることで“モノとしての写真”を手にできるわけだが、そもそもこのチェキプリント™には、独特な風合いがあって感動する。モノとしての質感や立体感が、エフェクトによって演出された写真世界をさらに魅力的に引き立ててくれるのだ。モニターで見ている画像もいいが、チェキプリント™にすることで、さらにその写真のよさが際立つのである。

今回「instax WIDE Evo™」を使ってみて、ここが最も重要なポイントであり、「instax WIDE Evo™」で写真を撮る魅力なのではないかと思った。その場でプリントし、チェキプリント™ならではの風合いとともに像が浮き上がってくる感動は、一般的なデジタルカメラやスマートフォンでは決して味わえないものだろう。

「instax WIDE Evo™」で写真を撮る際は、チェキプリント™にするところまでが、ひとつの楽しさであることを改めてお伝えしておきたいと思う。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

「instax WIDE Evo™」対応のワイドフォーマットフィルムにはホワイトとブラック、モノクロームがあるが、ここへ新たに「ブラッシュドメタリックス」が加わった。グラデーションが1枚ずつ異なるという、こだわりのフィルムだ

富士フイルム「instax WIDE Evo」

チェキプリント™は遊び心があって面白い。簡単に同じ画像を何度でもプリントできるのもハイブリッドモデルの特徴だろう

アプリデジタルで発信する楽しさもプリントに残す楽しさも
“ハイブリッド”に実現

「instax WIDE Evo™」は、カメラとしてもスマホプリンターとしても使えるハイブリッドインスタントカメラだが、使い方の幅をさらに広げるツールとして、専用のスマートフォンアプリ「instax WIDE Evo™」※4が用意されている。

「instax WIDE Evo™アプリ」の機能で特に注目したいのが「Discover Feed」。「#instaxwideevo」のタグを付けてInstagram※5に作品を投稿すると「Discover Feed」のギャラリーにも作品が公開・掲載されるギャラリー機能で※6、「instax WIDE Evo™」を使用している世界中のユーザーと簡単に作品を共有することができるのだ。

ユニークなのは、「Discover Feed」で発見したほかのユーザーの作品と同じエフェクトを、自分の「instax WIDE Evo™」へお気に入り登録できること。自分の作品を披露する場としてだけでなく、ほかのクリエイターの作品を見て刺激を受けたり、お気に入りの作品と同じ設定で撮ってみたりすることもできるのだ。

富士フイルム「instax WIDE Evo」 富士フイルム「instax WIDE Evo」 富士フイルム「instax WIDE Evo」

アプリに用意されているギャラリー機能「Discover Feed」。世界中の人と作品を共有できるうえ、ほかの人の作品のエフェクト機能を確認してカメラ本体に取り込むこともできる

さらに、アプリでは、スマートフォン内の画像をプリントできる「Direct Print」や、スマートフォンの遠隔操作でリモート撮影ができる「Remote Shooting」といった機能の利用も可能。カメラの楽しみ方や表現の幅が広がるアプリなので、ぜひ活用してほしい。

富士フイルム「instax WIDE Evo」

スマートフォンで撮影した写真をチェキプリント™にできるのもハイブリッドインスタントカメラならではの特徴。デジタルとアナログの両方で写真を存分に楽しめる

まとめデジタル時代の先端を行く究極のインスタントカメラ

10万通り以上の写真表現を可能にするエフェクト機能を搭載し、16mm相当の広角モードが利用できる「instax WIDE Evo™」は、チェキ™としてのアナログ感を大事にしながら、今の時代に合わせた驚くべき進化を遂げたハイブリッドインスタントカメラだ。スマートフォンアプリとの連携でその楽しさが倍増するあたりも、まさしく「今の時代」を象徴したものと言えるだろう。デジタル時代の先端を行く究極のインスタントカメラなのだ。

さらに、クラシックな雰囲気でアナログの操作感を大事にしたボディも遊び心があって好印象。操作しやすいようにダイヤルやボタンの配置がしっかり練られていることも、実際に触っていて好感が持てる要素だった。

率直に言って、「instax WIDE Evo™」は非常に楽しいカメラだ。"写真って楽しいな〜"と素直に感じさせてくれる魅力がある。多彩なエフェクトを活用することで、目を引くシーンだけでなく、日常のささやかなシーンをもドラマチックな作品に仕上げてくれるので、使っているとどんどん写真を撮りたくなるのである。

ここで大事なことは、やはりその感動がチェキプリント™として手元に残ることだろう。やわらかくてやさしい独特な風合い。これはチェキプリント™だからこそ得られるもの。一般的なデジタルカメラやスマートフォンとは違った写真の魅力を、ぜひ「instax WIDE Evo™」で体験してみてほしい。

河野鉄平さん

写真家・河野鉄平さんのプロフィール

フォトグラファー。写真家テラウチマサト氏に師事後、2003年独立。ポートレートを中心に活動。著書はこれまでに50冊以上。最新著書は『超絶エモーショナルな写真を撮る50のアイデア』(玄光社)。ポーラミュージアムアネックス(2015年/銀座)など写真展も多数。日本写真芸術専門学校講師。Profoto公認トレーナー。

  • ※   instax、チェキ、チェキプリント、instax WIDE Evoは、富士フイルム株式会社の登録商標または商標です。
  • ※1 チェキプリントはイメージです。実際はプリント後、画像が表示されるまで約90秒要します。
  • ※2 ショルダーストラップは肩に掛けて使用し、首には掛けないでください。ショルダーストラップがフィルム排出口に掛からないように注意してください。
  • ※3 カメラ本体の三脚穴に、カメラケースに付属されているネジを固定し、ご使用ください(ネジはカメラケースから取り外し不可)。ケースを着脱される際は、カメラ本体のクランクレバーがケース側面の穴に引っ掛からないよう、クランクレバーの向きにご注意ください。
  • ※4 Android端末およびiPhone対応の無料アプリ。Android端末の場合はGoogle Playより、iPhoneの場合はApp Storeより取得可能。Android、Google Playは、Google Inc.の商標または登録商標です。iPhone、App Storeは、Apple Inc.の商標です。iPhone商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
  • ※5 INSTAGRAMは、INSTAGRAM LLCの商標です。
  • ※6 「Discover Feed」に掲載する作品は富士フイルム株式会社が選定するものであり、ご同意いただいた場合でも掲載を保証するものではありません。 また、「Discover Feed」への投稿には一定のお時間がかかります。
この記事は2025年2月19日の情報を基にしております。