フラッグシップ譲りの性能を小型・軽量ボディに凝縮! いつでもどこでも自分らしい表現を楽しめる ミラーレス一眼「OM SYSTEM OM-3」
「OM SYSTEM OM-3」は、小型・軽量と高性能・高機能を両立した、OMデジタルソリューションズのミラーレス一眼カメラ。上質なデザインのコンパクトなボディにフラッグシップモデル譲りの性能を備えるだけでなく、「カラープロファイルコントロール」「モノクロプロファイルコントロール」に代表される多彩な機能も搭載し、クリエイティブで高画質な撮影を存分に楽しめるカメラに仕上がっている。本特集では、そんな「OM SYSTEM OM-3」の徹底レビューをお届け! 実機を使い倒してみて感じた魅力を紹介しよう。
デザイン直観的に操作できる上質な小型・軽量ボディ

「OM SYSTEM」ブランドの新しいミラーレス一眼カメラ「OM SYSTEM OM-3」。マイクロフォーサーズシステムを採用する小型・軽量モデルだ。高性能もさることながら、高品質な作りのボディにも注目してほしい
OMデジタルソリューションズの「OM SYSTEM」ブランドは、「人生にもっと冒険を」をキャッチコピーに、高性能なミラーレス一眼カメラを多数ラインアップしている。どれも小型・軽量で信頼性が高く、過酷な環境下で撮影するプロフェッショナルから、登山やハイキングなどアウトドアで気軽に撮影を楽しむ人まで、幅広い層から人気を集めている。
「OM SYSTEM OM-3」は、そんな「OM SYSTEM」ブランドの最新モデル。重量約496g(付属充電池およびメモリーカード、アイカップなし)の小型・軽量ボディにフラッグシップモデル「OM SYSTEM OM-1 Mark II」譲りの高い基本性能を搭載する見どころの多いカメラだ。
数ある特徴のなかでも、まずはじめに注目したいのが外観デザイン。小型フィルム一眼レフカメラの名機「OLYMPUS OM-1」をモチーフに、フォルムからディテールに至るまで非常に作り込み度の高いボディに仕上がっているのだ。
デザインのポイントは、単に「OLYMPUS OM-1」の形状を再現したのではなく、当時の小型・軽量化を徹底した思想やフィロソフィーを受け継ぎつつ、最先端のミラーレス一眼カメラらしさを表現していること。マグネシウム合金製の精悍な作りのボディに、三角形が特徴的なペンタ部や、ボディ側面のデルタカット、凝縮感のある天面のダイヤル形状などを組み合わせることで、普遍的な美しさと先進的なイメージをうまく両立している印象だ。見ているだけで気分が上がるデザインで、「毎日持ち歩きたくなるカメラ」と評せるだろう。

重量約496g(付属充電池およびメモリーカード、アイカップなし)の小型・軽量ボディを実現。フラッグシップモデル「OM SYSTEM OM-1 Mark II」よりも100gほど軽量でありながら、グリップがない形状で体積も小さいため、カバンの中に収めやすい印象を受けた
しかも、「OM SYSTEM OM-3」は、「OM SYSTEM OM-1 Mark II」と同じ防塵・防水等級IP53※1と耐低温-10度に対応しているのが見逃せない。このあたりの信頼性の高さは、過酷なアウトドア環境での使用に耐えられる高性能カメラをいくつも手掛ける「OM SYSTEM」らしいところだ。
ちなみに、今回「OM SYSTEM OM-3」に防塵・防滴仕様のレンズを装着して、海岸沿いで強い潮風を受けながら長時間持ち歩いてみたが、故障することなく安心して撮影が行えたことを付け加えておこう。もちろん「OM SYSTEM」ならではのダストリダクション機能も健在。撮像素子へのゴミの付着を気にすることなく、屋外でも安心してレンズ交換を行えた。

防塵・防水等級IP53と耐低温-10度に対応。厳しい環境で使用できる信頼性の高いボディだ。この画像で組み合わせているレンズは、「OM SYSTEM OM-3」と同じ防塵・防滴・耐低温性能を持つ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」
操作性では、コンパクトなボディながら直感的に操作できるダイヤル・ボタンを豊富に搭載しているのが特徴だ。特に、ボディ上面に「静止画/動画/S&Q(スローモーション&クイックモーション動画)ダイヤル」が新設されたのが便利。静止画撮影と動画撮影をワンアクションで切り替えられるので、「このシーンは写真(動画)を撮りたい!」と思ったときに素早く反応できる。
ボディ前面には、デザインのアクセントにもなっている「クリエイティブダイヤル」を装備。このダイヤルを使って、「カラープロファイルコントロール」「モノクロプロファイルコントロール」「アートフィルター」「カラークリエーター」といった、写真表現に関する4つの独自機能をダイレクトに選択できる。先の「静止画/動画/S&Qダイヤル」と、この「クリエイティブダイヤル」を組み合わせることで、静止画で「カラークリエーター」を選択したり、動画で「アートフィルター」を選択したりと、各モードの色味の設定も気軽に変更が可能だ。さらに、背面には、デジタル技術を駆使して独創的な写真が撮れる「コンピュテーショナル フォトグラフィ」機能を呼び出すための「CP(コンピュテーショナル フォトグラフィ)ボタン」が備わっている。
表現力“自分だけの表現”を追求できる充実の撮影機能
「OM SYSTEM OM-3」を実際に使ってみて、「このカメラならではの楽しさ」だと感じたのが、“自分だけの表現”を徹底的に追求できることだ。非常に多彩な撮影機能を搭載しており、それらを駆使することで、唯一無二の写真を撮ることができるのだ。
特に使っていて楽しいと感じたのが、“色”を自在に操れる「カラープロファイルコントロール」「モノクロプロファイルコントロール」という「OM SYSTEM」の独自機能。それぞれ個性的な4種類のプリセットが用意されていて、それらのプリセットをベースに、設定値を調整して好みの仕上がりに追い込んでいくという、自由度の高い仕組みだ。
以下で、具体的にどういったことができて、どういった写真が撮れるのかを紹介しよう。
12色の彩度を調整できる「カラープロファイルコントロール」
「カラープロファイルコントロール」は、12色の色別に11段階で彩度を細かく調整できるのが大きな特徴。トーンカーブを用いて明部/暗部/中間部の明るさを設定できる「ハイライト&シャドウ」や、周辺部を暗く/明るくする「シェーディング効果」なども調整できる。
COLOR1:標準(Natural) | 標準的な設定 |
---|---|
COLOR2:クロームフィルム リッチカラー | 渋みと重厚感のある色調が得られる |
COLOR3:クロームフィルム ビビッド | 彩度が高く、濃厚な発色のフィルム調の効果が得られる |
COLOR4:クロームフィルム ソフトトーン | 淡くやわらかい色調に仕上げる |
「カラープロファイルコントロール」を使って
撮影した作例をチェック!

OM SYSTEM OM-3、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II、34mm相当(35mm判換算)、F1.8、1/640秒、ISO200、ホワイトバランス:晴天、カラープロファイルコントロール使用 撮影写真(5184×3888)
「カラープロファイルコントロール」を使って色を追い込みながら撮影した1枚。赤い被写体は再現が難しく、普通に撮影すると、彩度が上がりすぎて色が飽和したり、逆に彩度を下げるとくすんだような色になってしまったりする。この作例では、被写体の色と明るさを見ながら、赤系の色相を細かく調整しつつ、紫と青を少し上げることで、花弁のトーンがしっかり出るベストバランスを狙った。背景の抜けがよくなるように、シアンや緑は少し彩度を抑えている。
「カラープロファイルコントロール」を使い込んでみて興味深かったのは、色相別に彩度を調整することで明るさや濃度の印象も変わっていくこと。単に特定の色を目立たせたい場合でも、隣接する色や補色をわずかに調整することによって全体的な仕上がりが変わるのが面白く、写真の奥深さを感じた次第だ。
本格的なモノクロ作品に仕上げられる
「モノクロプロファイルコントロール」
「モノクロプロファイルコントロール」は、8種類のカラーフィルターを3段階の強度で設定できる「カラーフィルター」や、モノクロフィルムのようなざらつき効果を加える「粒状フィルム効果」などを組み合わせることが可能。全体的に色味を付ける「調色効果」なども用意されていて、本格的なモノクロ写真に仕上げられる。
MONO1:標準(モノトーン) | 標準的な設定 |
---|---|
MONO2:クラシックフィルム モノクロ | モノクロフィルム風のざらついた仕上がりになる |
MONO3:クラシックフィルム IR | 赤外線フィルムのような効果が得られる |
MONO4:クラシックフィルム ローコントラスト | コントラストを抑え、やわらかい印象に仕上がる |
「モノクロプロファイルコントロール」を使って
撮影した作例をチェック!

OM SYSTEM OM-3、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO、24mm相当(35mm判換算)、F8、1/640秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、モノクロプロファイルコントロール使用 撮影写真(5184×3888)
海辺を散歩しながら「モノクロプロファイルコントロール」使って撮影。印象的な形の雲を主題に、海辺にいる人たちを散りばめてみた。青空を暗く落としたかったため、カラーフィルター効果に「レッド(+3)」を選択。そのうえで、「シェーディング効果」と「粒状フィルム効果」を追加した。結果、フィルムから印画紙に焼き込んだような印象的なモノクロ写真に仕上がった。パソコンで画像編集することなく、カメラのみでこのクオリティのモノクロ写真が撮れるのはすばらしい。
その場で仕上がりを
追い込めるのが魅力!
今回、「カラープロファイルコントロール」「モノクロプロファイルコントロール」をじっくりと使用してみて、この機能がすばらしいと感じた点は、撮影する際に色を含めたすべての仕上がりを追い込めることだ。
写真作品の制作では撮影後の画像編集で仕上がりを調整するのもひとつの方法だが、撮影時にイメージを具体的に落とし込めるのは、画像編集が前提の撮影とはまったく違う体験だった。「とりあえずシャッターを切る」わけではないので撮影に対する緊張感が高まるし、なぜシャッターを切るのか? どう仕上げたいのか? を考えながら撮るのは新鮮で楽しかった。
しかも、各項目は十字キーと前後ダイヤルの操作で直感的に調整できるので、ファインダーを覗いてライブビュー映像を見ながら追い込めるのがよい。撮影に集中しながら、その場で仕上がりをとことん追求することができるのだ。
個性的な写真を手軽に撮れる
「アートフィルター」
「OM SYSTEM OM-3」には、「カラープロファイルコントロール」「モノクロプロファイルコントロール」以外にも“使ってみたくなる”撮影機能がふんだんに用意されている。なかでも、手軽に個性的な色表現を楽しみたいのなら「アートフィルター」が面白い。こちらも「OM SYSTEM」の独自機能で、「OM SYSTEM OM-3」には、「ポップアート」「ファンタジックフォーカス」「デイドリーム」など全16種類のモードが用意されている。
モードを選択するだけの簡単操作で、アーティスティックなフィルター効果のある写真を撮れるのが魅力。とにかく多くの効果を選べるので、実際に使ってみると「こんなユニークな写真が撮れるのか!」と驚くことだろう。使い倒して特性を理解すれば、撮影時に仕上がりをイメージしながら各フィルターを使い分けられるようになるはずだ。
「アートフィルター」を使って撮影した作例をチェック!

OM SYSTEM OM-3、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO、90mm相当(35mm判換算)、F5、1/1600秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、アートフィルター:クロスプロセスI 撮影写真(5184×3888)
「アートフィルター」の「クロスプロセスI」を選択して撮影。そもそもクロスプロセスはリバーサルフィルムをネガフィルムとして現像することで、普通では得られない独特の色を得られるのが特徴だ。「OM SYSTEM OM-3」には「クロスプロセスI」と「クロスプロセスII」の2種類があって、「クロスプロセスI」はシアン系の発色に転じるモード。この作例では、空が明るいシアンに、海が深い緑になることで、赤い灯台が際立つ写真に仕上がった。
カメラのみで高度な
デジタル画像処理が行える
「コンピュテーショナル フォトグラフィ」
ユニークな表現を追求できるという点では、「OM SYSTEM」ならではの「コンピュテーショナル フォトグラフィ」も外せない撮影機能だ。最新のデジタル技術を駆使して独創的な写真が撮れる機能群で、「OM SYSTEM OM-3」は、フラッグシップモデル「OM-1 Mark II」譲りの充実した内容を誇っている。パソコンを使わずにカメラのみで完結するので、画像編集の知識がなくても気軽に使えるのがうれしい。
「OM SYSTEM OM-3」では、新設された背面の「CPボタン」によって、ダイヤル操作との組み合わせで機能を呼び出せるようになったのが使いやすい。試したなかでは、特に、ハーフNDフィルター(グラデーションNDフィルター)の効果が得られる「ライブGND」と、保存したRAW画像との重ね合わせも可能な「多重露出」が面白かった。このほかにも、明るい状況でもスローシャッター効果が得られる「ライブND」、複数枚の画像を合成することで高画素画像(最大8000万画素相当)を生成する「ハイレゾショット」なども用意されている。
背面の「CPボタン」を押しながら前ダイヤルを操作することで、「ライブGND」や「ハイレゾショット」などの機能を呼び出すことが可能。「ライブGND」では、3種類(Soft/Medium/Hard)のフィルタータイプもダイヤル操作で選べる
「ライブGND」を使って撮影した作例をチェック!

OM SYSTEM OM-3、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO、90mm相当(35mm判換算)、F4、1/13秒、ISO200、ホワイトバランス:曇天、ライブGND使用、カラークリエーター使用 撮影写真(5184×3888)
雨上がりの夕景を撮影した写真。手前の街並みと奥の空の部分で輝度差がある状況だったため、「ライブGND」機能を使って空の明るさを落としてみた。GNDの段数は「8(3EV)」を選択。街並みの少し上、海の中間地点くらいにハーフNDフィルターの境界線を設定し、かつフィルタータイプを「Soft」にすることで、海から空にかけて滑らかなグラデーション効果が得られるように工夫した。なお、写真上部の雲が黒いのは、厚い雨雲が空を覆っているため。「ライブGND」の減光効果によって白い雲が黒くなっているわけではない点は伝えておきたい。また、この作例では「カラークリエーター」を使用したのもポイント。赤の彩度を強めることで夕景の色を演出している。
「多重露出」を使って撮影した作例をチェック!

OM SYSTEM OM-3、多重露出(2枚の画像の重ね合わせ) 撮影写真(5184×3888)
水族館でクラゲを撮影した写真をベースに、「多重露出」を使ってイルミネーションを重ねてみた。重ねる画像をライブビューで確認しながら撮影できるのも「OM SYSTEM」ならではの機能だ。クラゲとイルミネーションという現実ではありえないような要素を組み合わせることで、幻想的な写真に仕上がった。
基本性能フラッグシップと同じ撮像素子&
画像処理エンジンを搭載
「OM SYSTEM OM-3」は、そのコンパクトなボディからは想像できないくらいの、すぐれた基本性能を搭載するミラーレス一眼カメラだ。
まず、マイクロフォーサーズ機として最高峰のスペックを持つフラッグシップモデル「OM SYSTEM OM-1 Mark II」と同じ撮像素子と画像処理エンジンを採用していることに驚かされる。撮像素子は裏面照射積層型Live MOSセンサー(有効画素数約2037万画素)で、画像処理エンジンは「TruePic X」だ。撮像素子と画像処理エンジンは、画質だけでなく、AF、連写性能など、カメラの使い勝手を決定する重要なデバイス。ここにフラッグシップモデルと同じものを採用しているのは大きなポイントだ。
画質面では、裏面照射積層型Live MOSセンサーと「TruePic X」の組み合わせによってシャドウからハイライトまで階調豊かな写真の撮影が可能。実際の画質は本特集に掲載する作例をご覧いただきたいが、青空や夕景などのグラデーションを滑らかな階調で撮れていることがわかるはずだ。さらに、裏面照射積層型Live MOSセンサーは高感度に強いのも特徴。夜景や屋内など暗いシーンでもきれいに撮れる点も押さえておきたい。
「手持ちハイレゾショット」で撮影した作例をチェック!

OM SYSTEM OM-3、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO、58mm相当(35mm判換算)、F6.3、1/1250秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、ピクチャーモード:Natural 撮影写真(8160×6120)
※「手持ちハイレゾショット」の切り出し画像は、約5000万画素相当の元画像を通常撮影(1枚撮影)と同じ約2000万画素相当に縮小してから切り出しています。
「OM SYSTEM OM-3」は、複数枚の画像合成によって高画素画像を生成する「ハイレゾショット」機能を搭載している。この作例は、約5000万画素相当の画像が得られる「手持ちハイレゾショット」を使って撮影したもの。通常撮影(1枚撮影、約2000万画素)と比較すると、「手持ちハイレゾショット」は細かいところの解像感が高く、ディテールの再現性で上回っていることがわかる。ポイントは、三脚を使わずに手持ちで手軽に撮れること。風景写真をよりシャープに仕上げたい場合に威力を発揮する機能だ。なお、「OM SYSTEM OM-3」には、カメラを三脚に固定して使用する「三脚ハイレゾショット」も用意されており、こちらは約8000万画素相当の画像を生成できる。
「OM SYSTEM OM-3」は、「OM SYSTEM」のミラーレス一眼カメラらしく手ぶれ補正も強力だ。ボディ内5軸手ぶれ補正機構は、ボディ単体で中央6.5段/周辺5.5段※2の補正効果を実現。中央7.5段/周辺6.5段の補正効果を発揮する「5軸シンクロ手ぶれ補正」※3にも対応しており、手持ちで手軽にスローシャッター撮影が楽しめる。
長秒で手持ち撮影した
作例をチェック!
OM SYSTEM OM-3、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO、24mm相当(35mm判換算)、F11、2.5秒、ISO200、ホワイトバランス:晴天、ピクチャーモード:Natural 撮影写真(5184×3888)
日没約30分後に、夜景を手持ちで撮影した写真。薄暗い状況だったので、シャッタースピードは2.5秒と長くなってしまった。一般的には、このくらいの長いシャッタースピードだと大きな手ぶれが発生してしまうのだが、「OM SYSTEM OM-3」のボディ内5軸手ぶれ補正機構は非常に強力で、手ぶれの影響を抑えてシャープな写真が撮れた。なお、この写真以外にも2〜3秒程度のシャッタースピードで手持ち撮影を試してみたが、半分以上は手ブレの影響を感じない成功写真になったことを報告しておきたい。
AFシステムも高性能で、フラッグシップモデル「OM SYSTEM OM-1 Mark II」と同じ高速・高精度な「1053点オールクロス像面位相差クアッドピクセルAF方式」を採用。人物/モータースポーツ/飛行機/鉄道/鳥/犬・猫に対応する「AI被写体認識AF」を搭載しているうえ、電子シャッター時にAF・AE追従で最高約50コマ/秒※4の超高速連写も可能で、本格的な動体撮影に活用できる性能だ。
「AI被写体認識AF」を使って
撮影した人物作例をチェック!

OM SYSTEM OM-3、M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO、90mm相当(35mm判換算)、F1.8、1/800秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、カラープロファイルコントロール使用 撮影写真(5184×3888)
「OM SYSTEM OM-3」はフラッグシップモデル譲りのAFシステムを搭載しており、カメラまかせのAFで被写体を自動で認識してピントを合わせることが可能。この写真は人物認識を選択して撮ったものだ。夕日の逆光下で顔や瞳が認識しにくい状況だったが、瞳にしっかりとフォーカスを合わせ続けてくれた。
動画撮影も高性能で、滑らかな動きの映像に仕上がる4K/60p記録に対応。新しいピクチャーモード「OM-Cinema1/OM-Cinema2」にも対応しており、手軽に映画のような高品位な映像を撮影することが可能だ。使い勝手では、ボディ前面にタリーランプを搭載。小型・軽量ボディなので動画撮影時の取り回しがよく、ミニ三脚と組み合わせての手持ち撮影もやりやすい。
「OM SYSTEM OM-3」で撮影した
4K動画をチェック!

被写体も撮影者も足元が不安的な砂浜で歩きながら撮影した4K/60pムービー。手ぶれ補正の性能が高く、ぶれを抑えた安定した映像を記録できた
まとめ撮影するたびに新しい発見がある高品位カメラ
「OM SYSTEM OM-3」は、フィルム一眼レフカメラ「OLYMPUS OM-1」をモチーフにした上質なデザインの小型・軽量ボディに、「これでもか!」というくらいの高性能・高機能を詰め込んだ意欲作だ。基本的な画質やAF性能はフラッグシップモデル「OM SYSTEM OM-1 Mark II」譲りというぜいたくな仕様である。持ち運びやすく、操作性も充実しているので、スナップや旅行、自然風景など、本当にいろいろなシーンで活躍するカメラだと言えよう。
そのうえで、このカメラの魅力として外せないのが、「カラープロファイルコントロール」「モノクロプロファイルコントロール」など、“自分だけの表現”を追求できる豊富な撮影機能だ。これらの機能をじっくりと使ってみて、「このカメラなら自分が想像した以上の写真が撮れる」という実感があった。撮影するたびに写真の色や仕上がりに関して新たな発見があるのが面白く、使えば使うほどに楽しくなるカメラだと感じた。
このように、「OM SYSTEM OM-3」は、カメラを持つよろこび、写真を撮るよろこびを強く感じるミラーレス一眼カメラだ。完成度は非常に高く、「普段使いの高品位な小型カメラ」を探している人にぜひ使い倒していただきたい1台である。
- ※1 防塵・防滴性能を有するレンズ装着時(レンズの規格に準じる)。充電中、HDMI接続中は対象外
- ※2 使用レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO、焦点距離f=45mm(35mm判換算f=90mm)、CIPA2024規格準拠、Yaw/Pitch/Roll 補正性能
- ※3 使用レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO、焦点距離f=100mm (35mm判換算f=200mm)、半押し中手ぶれ補正:Off、CIPA2024規格準拠、Yaw/Pitch/Roll 補正性能
- ※4 高速連写モード「SH2」の最高約50コマ/秒連写に対応するレンズは限定されます。