一度聴いたら忘れられない高音質 JBL「TOUR ONE M3」がワイヤレスヘッドホンの新境地を切りひらく
ワンランク上のサウンドが楽しめることで人気のオーバーイヤーヘッドホン。その中でも注目したいのが、ハイレベルのサウンド体験をあらゆる面から追求した、JBLのフラッグシップワイヤレスヘッドホン「TOUR ONE M3」だ。本機は、新開発のドライバーユニットと進化したハイブリッドノイズキャンセリングをかけ合わせ、段違いの上質サウンドを実現。機能面も充実しており、さまざまなシーンで心ゆくまで音楽や動画鑑賞を堪能できる1台に仕上がっている。そんな「TOUR ONE M3」が切りひらく新しいサウンド体験に迫っていこう。
サウンド新開発ドライバー&最新ハイブリッドノイキャンが織りなす驚異のサウンド
オーバーイヤーヘッドホンは、イヤホンに比べてドライバーが大口径であるうえ遮音性にもすぐれ、一段上のサウンドが楽しめることで人気が高い。とりわけノイズキャンセリング機能を備えたワイヤレスモデルは、上質なサウンドをどこでも快適に堪能でき、音楽好きなら必携のガジェットと言えるほどにまで浸透してきている。こうした市場動向を背景に、メーカー各社が高音質モデルの開発にますますしのぎを削っているが、JBLのフラッグシップワイヤレスヘッドホン「TOUR ONE M3」は、その中でも特にサウンド面の追求に余念がない大注目モデルだ。
特筆したいのは、最上級のサウンド体験を提供すべく、「TOUR ONE M3」が全方位でアップデートを遂げた点だ。新開発の大口径ドライバーユニットを搭載し、ハイレゾにも対応する高音質を実現しているだけでなく、最新のハイブリッドノイズキャンセリングでハイクラスの静寂性まで追求。また、装着感と遮音性を極めたデザインで、リスニング環境の快適性を一段と向上させている。さらに、「ヘッドトラッキング」機能が加わった「空間サウンド」機能により、音楽コンテンツだけでなく、映像コンテンツとの相性もバッチリだ。このように、全方位で“音質本位”の設計が追求された製品は、ハイエンドモデルの中でも貴重。フラッグシップモデルの名に恥じない、JBL渾身の本命モデルと言ってよい。
高音質に定評があるJBL「TOUR ONE」シリーズの最新モデルとして登場した「TOUR ONE M3」。ワイヤレスヘッドホンきってのハイエンド仕様を徹底しながら、5万円以下という価格に抑えられていることも大きな魅力だ
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サウンド面でまず注目したいのは、新開発されたφ40mmのドライバーユニットだ。豊かな響きをかなえる大口径であるだけでなく、柔軟性や結合力にすぐれるマイカ(雲母)をJBLヘッドホンとして初めて振動板に採用しているのがポイント。非常に薄い弾性プレートによって電気信号を迅速かつ正確に音へと変換でき、洗練された「JBL PROサウンド」が楽しめる。従来モデル「TOUR ONE M2」と比較しても、低音から高音まで幅広くサウンドが向上しており、とりわけ高音域の伸びがすばらしい。
また、高音質ワイヤレスコーデックのLDACに対応している点も見逃せない。標準的なBluetoothオーディオの約3倍のデータ量を誇る96kHz/24bitのハイレゾオーディオを、ワイヤレスで堪能できるのは大きな魅力だ。
さらに、サウンド体験を高めるべく、「TOUR ONE M3」は最新のハイブリッドノイズキャンセリングを採用。本機は左右5個ずつ、合計10個のマイクを内蔵しているが、そのうち8個のマイクをノイズキャンセリング機能に活用している。内側のフィードバックマイク2つと、外側のフィードフォワードマイク6つから騒音を集音し、ノイズキャンセリングレベルをリアルタイムに補正することで、高精度かつ違和感の少ない自然なノイズキャンセリングを実現している。こちらも従来モデル「TOUR ONE M2」より全音域でノイズキャンセリング性能が向上しており、最大で約13dBもノイズを低減しているというから驚かされる。このノイズキャンセリング性能は、一般的なハイエンドモデルと比べても頭ひとつ抜けているレベルだ。
フィードフォワードマイクは、ハウジング前方と上部(画像左)のほか、ハウジング後方(画像右)にも装備。内側のフィードバックマイクも加えた左右計8基のマイクで、精度の高いアクティブノイズキャンセリングを実現している
フィードフォワードマイクは、ハウジング前方と上部(画像上)のほか、ハウジング後方(画像下)にも装備。内側のフィードバックマイクも加えた左右計8基のマイクで、精度の高いアクティブノイズキャンセリングを実現している
ここで、アクティブノイズキャンセリングとLDACをオンにして、実際にサウンドクオリティをチェックしてみた。音源を再生する前にヘッドホンを装着してまず驚かされたのは、やはりその静けさだ。それは、真夜中の寝室に張り詰めるあの静寂に近い。しかも、一般的なアクティブノイズキャンセリングでは耳が少し詰まるような圧迫感を覚える場合がよくあるが、そうした圧迫感がなく非常にナチュラル。その場で歩いてみても、衣擦れの音はもちろん、足音までほぼ聴こえないのだ。
そのような静けさの中で、まずポップミュージックを再生。際立っているのは、みずみずしさと透明感にあふれるボーカルの声だ。ハイクラスモデルの中にも、薄いフィルターを透かしたように音を軽くして透明感を出す製品があるが、そういった小細工のない生々しい音声がクリアに届く感覚が非常にリッチ。ただし、これは中音域だけの話ではない。音域の広いクラシックピアノ曲を聴いてみると、低音から高音まで幅広く、生に近い豊かなサウンドが追求されていることがよくわかる。とりわけ中高音は遠くまで突き抜けるように響いて心地よいが、低音も決してこもっているわけではない。EDMを再生すれば、たちまち重厚感と弾力に富んだ低音のキックに目が覚める。さらにイコライザーでバスを強化すると、地鳴りのような重低音まで轟かせてみせた。
このように「TOUR ONE M3」が放つ「JBL PROサウンド」は、従来のヘッドホンとは一線を画すほどハイレベル。そのサウンドを一度耳にすれば、これまでのヘッドホンでは満足できなくなる人も多いはずだ。
ボディ設計装着感と遮音性を極めたデザインで、さらに心地よく
「TOUR ONE M3」はさらにサウンド体験のクオリティを向上させるべく、ボディ設計にもこだわっている。
まずキーとなるのは装着感だ。装着感を大きく左右するのは、イヤーカップとイヤーパッドだが、本機はこれらを従来モデルから再設計。耳全体をしっかりと覆えるイヤーカップの形状を追求したうえ、上質で通気性にすぐれるプロテインレザー(人工皮革)や、やわらかく反発性に富んだスポンジをイヤーパッドに採用した。ヘッドバンドとイヤーカップの結合部にフィット感にすぐれた最新の機械構造を採用していることも相まって、長時間のリスニングでも高い快適性がキープでき、ストレスなく音の世界に没入し続けられるのだ。
こうした密着性の高いボディ設計は、単に装着感を高めるためだけのものではない。密閉度を高めることによって遮音性をも一段と向上させており、パッシブノイズキャンセリング性能が飛躍的に高まっているのだ。また、イヤーカップに独立した音響チャンバーが設けられているうえ、耳まわりの空間にゆとりが生まれる形状でもあるため、音響特性にも好影響をもたらしている。あらゆる面から音質を高めようと腐心するJBLの本気度がうかがえる内容だ。
このように、どこでも音楽を楽しめるとなると外出時にも手放せなくなりそうだが、そこで光るのがフラッグシップモデルにふさわしい洗練された外観だ。先進的なミニマルデザインが徹底されたうえ、つや消し加工が施されたボディは上質感にあふれ、身につける喜びを与えてくれる。また、シックな「ブラック」とエレガントな「モカ」のカラーバリエーションが用意されており、スタイルに合わせてチョイスできることもうれしい。
機能性幅広い用途をアシストしてくれる充実の機能性
「TOUR ONE M3」はあらゆるコンテンツを最適な環境で楽しめるよう、各種機能も充実させている。ここで注目したいのは、専用スマートフォンアプリ「JBL Headphones」が提供する「空間サウンド」機能だ。これは音楽や映画などコンテンツに応じてサウンドを最適化し、没入感をいっそう高めるためのもの。しかも、従来モデルより処理性能の高いチップセットでアルゴリズムを最適化している最新版であるため、よりリアルかつ正確にチューニングされる。実際に「空間サウンド」を「ムービー」に設定して動画コンテンツを鑑賞してみたところ、いっそうサラウンド感が高まり、映像の世界により深く没入できた。
また、新搭載された「ヘッドトラッキング」機能も外せない。この機能を使えば、リアル空間のように音の響く空間を固定できるため、頭の向きに応じて音の方向が変わってくる。ライブ音楽や動画コンテンツの鑑賞などで活用すれば、臨場感がいっそう高まること請け合いだ。
通話シーンを快適にするノイズ低減性能にも注目したい。ここで威力を発揮するのは、前方に設けられた通話用マイク×2と、後方のフィードフォワードマイク×2に採用されている、ビームフォーミングマイクだ。音源の方向をしっかり特定し、ノイズ低減を緻密にコントロールできるため、騒がしい場所でもクリアな通話が可能になる。
そのほか、高性能DACを搭載していることも大きな魅力。USB Type-Cケーブル接続によって96kHz/24bitのロスレス再生が実現できるので、オーディオ上級者でも満足度が高い。さらに、Auracastレシーバー機能も搭載。接続機器の幅が広がるので、一段と活用しやすくなる。
まとめすべてを過去にする新時代のサウンドに震撼!
メーカー各社が高音質モデルの開発に注力するワイヤレスヘッドホン。そのような中でも、「TOUR ONE M3」ほど全方位で“音質本位”の設計を追求している製品は貴重だ。
特にサウンドに対するこだわりはすさまじい。音響特性にすぐれるマイカを振動板に採用した大口径ドライバーユニットに、ノイズをリアルタイムに補正できる最新ハイブリッドノイズキャンセリングをかけ合わせたうえ、ハイレゾワイヤレスコーデックのLDACにも対応。低音から高音まで研ぎ澄まされたその「JBL PROサウンド」は、ハイエンドモデルの新基準と言うべき領域にまで到達していた。さらにデザイン面では、すぐれた装着感と密閉性を叶えるイヤーカップとイヤーパッドを再設計し、心地よさと遮音性をアップグレード。そのうえ、コンテンツに応じてサウンドを最適化する「空間サウンド」や、臨場感を高める「ヘッドトラッキング」機能などのアシストも加わり、コンテンツ本来の魅力を最大限に引き出せる。有線接続によるロスレス再生までカバーしており、“音質こだわり派”でも大満足の出来栄えだ。
あらゆる面から音質を追求した「TOUR ONE M3」。真の音楽好きにこそ、すべてを過去にするその新時代のサウンドをぜひ体感してもらいたい。