超薄型・軽量ボディに約2億画素カメラを搭載! “究極”の進化を遂げた大画面折りたたみスマホ「Samsung Galaxy Z Fold7」徹底レビュー
サムスンから折りたたみスマートフォンの第7世代モデル「Samsung Galaxy Z Fold7」がついに発売された。ストレート型スマートフォンと変わらない超薄型・軽量ボディを実現しているうえ、約2億画素の高性能カメラも搭載。最新の独自AI「Galaxy AI」もフルサポートしており、多彩な用途に活躍する新世代デバイスに仕上がっている。本特集では、ハードウェアとソフトウェアの両面から本機の特徴を徹底的にレビューする。
01約8.0インチの大画面ながら
シリーズ最薄・最軽量ボディを実現

サムスンの折りたたみスマートフォン「Samsung Galaxy Z Fold」シリーズの最新モデル「Samsung Galaxy Z Fold7」。大画面と薄型・軽量を両立したボディに進化を遂げている
折りたたみスマートフォンは、ボディを「折りたたんだ状態」と「開いた状態」の2つのスタイルで使用できる先進的なデバイスだ。折りたたんだ状態でコンパクトに持ち運びながら、じっくり使いたいときはボディを開いて、一般的なスマートフォンよりもはるかに大きな画面でWebページを閲覧したり、動画や写真を表示したりできるのが最大の魅力だ。
ただし、折りたたみ構造のメインディスプレイに加えてカバー画面も搭載しているため、ストレートタイプのスマートフォンと比べると、どうしてもボディが厚く、重くなる傾向がある。それを技術革新で克服したのが、今回紹介する「Samsung Galaxy Z Fold7」だ。
本機の、折りたたんだ状態での厚さはわずか約8.9mm(開いた状態では約4.2mm)で、重量は約215g。「Samsung Galaxy Z Fold」シリーズはこれまでも薄型・軽量化を徹底してきたが、本機は同シリーズとして史上最薄・最軽量を実現。日本の横折りスマホ史上最薄・最軽量※1の最新折りたたみスマートフォンとなっている。折りたたんだ状態で一般的なストレートタイプのスマートフォンと何ら変わらないサイズ感に収まっているのだから驚かされる。
※1 日本国内で発売している横折りスマートフォンモデル比。2025年7月1日時点、サムスン調べ。

スマートフォンはディスプレイやプロセッサー、カメラ、バッテリーなどがすき間なく詰め込まれており、コンマ数ミリでもボディをコンパクトにするのは至難の業だ。そのなかで、「Samsung Galaxy Z Fold7」は折りたたんだ状態で厚さ約8.9mmという驚異的な薄型ボディを実現。重量も約215gに抑えられており、片手で楽々と持つことができる
奥に「Samsung Galaxy Z Fold7」を、手前に少し太めの色鉛筆を置いた状態から色鉛筆を持ち上げてみた動画。本機は折りたたんだ状態でも色鉛筆と変わらない薄さであることがわかる
「Samsung Galaxy Z Fold7」を実際に持ってみての感想は、「ストレートタイプのスマートフォンとまったく変わらない!」ということ。折りたたんだ状態で幅が約72.8mm、厚さが約8.9mmの薄型コンパクトボディは片手での持ち運びが実に快適。カバンやポケットからもスムーズに出し入れできる。折りたたみスマートフォンの長所は「大画面をコンパクトに携帯できる」ことだが、本機はその携帯性にさらに磨きがかかっているのだ。

折りたたんだ状態で、ストレートタイプのスマートフォンと変わらない携帯性を実現。カバー画面には、従来よりも大きな約6.5インチ(アスペクト比21:9)の有機EL「Dynamic AMOLED 2X」ディスプレイを採用している
しかも本機は、大幅な薄型・軽量化を成し遂げつつ、メインディスプレイに、前機種よりも大きな約8.0インチの有機EL「Dynamic AMOLED 2X」ディスプレイを搭載しているのだから本当に驚かされる。約8.0インチというのはGalaxy史上最大の画面サイズ。輝度は2600nitsと明るく、リフレッシュレートは1〜120Hzの可変で省電力性と高速性を両立している。映画やドラマ、ミュージックビデオなど、高品質なストリーミング動画を美しく迫力ある映像で楽しむことが可能だ。もちろん、アプリを複数表示させて同時に利用するマルチタスク操作も画面が大きいほど快適に行える。

画面が大きいので、最大3つのアプリを同時に開いて利用できるマルチタスクも余裕をもって行える。この写真では、ブラウザでイベント会場の情報を調べながら、マップアプリで場所を、カレンダーでスケジュールを確認している様子。このような“ながら作業”を快適にこなすことが可能だ
本機が驚異的な薄型・軽量化と大画面化を両立できた理由は、水滴型ヒンジとマルチレール構造を取り入れた新世代ヒンジ「Armor FlexHinge」を採用したことが大きい。これは支持部と回転部分を分離したサムスン独自のまったく新しい機構であり、ヒンジ全体を大幅に薄型化しつつ、画面中央の折り目が目立たないように、なだらかな形状を実現している。実際、本機は正面から見れば折り目がほとんど見えないし、斜めから見ても明らかに折り目が目立たなくなっている。
薄型・軽量化を実現したことによって気になるのがボディの耐久性だが、本機は、各所に強度を保つ工夫が施されているから安心してほしい。ボディ素材には、Galaxyとして初めて「Advanced Armor Aluminum」を採用し、強度と耐久性が向上。フレームとヒンジ部の強度・硬度は前機種比で10%向上している。さらに、メインディスプレイにはチタンプレート層を、カバー画面にはガラス構造に微細結晶を埋め込んだ新素材「Corning® Gorilla® Glass Ceramic 2」を採用するという徹底ぶりだ。保護ケースなしで使用する際にも安心感が高いと言えよう。
“究極”の進化を遂げた大画面折りたたみスマホ「Samsung Galaxy Z Fold7」
02約2億画素の高性能カメラをついに搭載!
暗いところでも鮮明に撮れる
Galaxyの魅力として外せないのが高画質なカメラ機能だ。ただ、折りたたみスマートフォン「Samsung Galaxy Z Fold」シリーズについては、「カメラがいまひとつ……」という声があったのも事実。これは本体の構造によるところが大きかった。ヒンジを中央にして本体が左右に分かれる構造のため、フラッグシップスマートフォン「Samsung Galaxy S Ultra」シリーズのようなハイスペックカメラを組み込むことがどうしても難しかったのだ。
しかし、「Samsung Galaxy Z Fold7」は、薄型・軽量化を図りつつ、同シリーズとして初めて約2億画素の画素数を持つメインカメラ(広角カメラ)の搭載を実現している。まさにUltra級のカメラハードウェアに加えて、独自の画像処理エンジン「ProVisual Engine」と組み合わせることで、さらに美しく、高解像度な写真の撮影が可能となっている。

上から、約1200万画素の超広角カメラ(F2.2)、約2億画素の広角カメラ(F1.7、光学相当2倍ズーム対応)、約1000万画素の望遠カメラ(F2.4、光学3倍ズーム対応)のトリプルカメラを搭載。超広角から望遠まで高画質な撮影が可能だ
本機のメインカメラは、前機種と比べて画素数が4倍も向上している。さらに、イメージセンサーのサイズは44%拡大。こうした基本スペックの向上によって、非常に細かいところまで、ノイズを抑えて鮮明に写すことが可能だ。ズームアップしても細かな部分をしっかりと鑑賞できるのも約2億画素ならではのアドバンテージ。撮影後に写真を自由に切り出して、まったく異なる構図の写真に仕上げられるのもメリットだ。

広角カメラの200Mモード(約2億画素モード)で人物を撮影してみたところ、髪の毛や肌、服の質感までシャープに記録できた。写真を拡大してみても、細かいところまでしっかりと描写されていることがわかる
撮影データ(12240×16320)を開く
「ナイトモード」の画質も着実に向上しているのも見逃せない。元々Galaxyは「ナイトモード」の優秀さに定評があるが、イメージセンサーのサイズが拡大されたことにより、より多くの光をとらえられるようになった。今回夜景を撮影してみたが、その画質は圧巻。街の隅々まで明るく写しつつ、強い光源の白飛びをしっかりと抑えている。ノイズが出がちな夜空も絶妙なグラデーションで記録することができた。

隅々まで明るくとらえつつ、強い光源の白飛びは抑えているのが秀逸。夜空のグラデーションもとてもきれいに再現できている
撮影データ(3000×4000)を開く
さらに、約1200万画素の超広角カメラも大きく進化している。オートフォーカスに対応するようになったうえ、Ultraモデルしか対応していなかった超広角レンズを使用したマクロ撮影にも対応。被写体のギリギリまで近づいてオートフォーカスでシャッターを切れるため、簡単にマクロ写真を撮ることが可能だ。もちろん、超広角カメラは広角カメラよりも広い範囲を撮影できるのもメリット。遠近感を強調した写真撮影を手軽に楽しむことができる。

スイーツを被写体に超広角カメラで撮影したマクロ写真。オートフォーカスに対応しているため、このような迫力満点のマクロ写真を簡単に撮影することができる。果物の瑞々しさや質感をしっかりと描写できている
撮影データ(4000×3000)を開く
左上が超広角カメラ、右下が広角カメラで撮影した写真。同じ位置から撮影しているが、超広角カメラは圧倒的に広い範囲を収められることがわかる。遠近感を強調したい場合にも超広角カメラは便利だ
超広角カメラの撮影データ(3000×4000)を開く
広角カメラの撮影データ(3000×4000)を開く
このように、「Samsung Galaxy Z Fold7」のカメラは大幅な進化を遂げている。メインカメラ(広角カメラ)と超広角カメラについては、フラッグシップモデル「Samsung Galaxy S」シリーズの最新モデルと基本性能は同等だ。Galaxyならではの最上級の撮影体験を存分に楽しめるようになったのは非常にうれしい。
“究極”の進化を遂げた大画面折りたたみスマホ「Samsung Galaxy Z Fold7」
03大画面だからこそAI機能を快適に利用できる!
Galaxyのハイスペックモデルに共通するイチオシの機能として押さえておきたいのが、サムスン独自のAI技術「Galaxy AI」だ。「Samsung Galaxy Z Fold7」は、「Galaxy AI」の最新機能をほぼすべて搭載しており、AIをフル活用できる折りたたみスマートフォンとなっている。
具体的には、音声データからテキストを書き起こしてくれる「文字起こしアシスト」、Webサイトの情報の要約や読み上げが可能な「ウェブアシスト」、効率的な編集・入力作業をサポートする「入力アシスト」など、さまざまな生成AI機能を活用できる。しかも、どれもデモレベルではなく、ビジネスの現場でも利用できるだけの実用的なクオリティを実現している。
さらに、折りたたみスマートフォンである本機は、大画面を生かして多くの情報を表示しつつ、生成AI機能を快適に利用できるという強みがある。操作性という点でも、画面の見やすさという点でも、本機こそ「Galaxy AI」を最も快適に利用できるGalaxyスマートフォンと言えるのだ。
音声データからテキストを自動で作成してくれる機能。議事録の作成などにも便利に活用できる。この画像のように、通話で録音した音声データに適用することも可能だ。文字起こしの精度は非常に高く、正確に変換してくれる


「Samsungブラウザ」アプリ上でWebページのテキストを要約したり、ハイライトを読み上げたりしてくれる機能。テキストを翻訳して読み上げることも可能で、この機能を使えば、多くの情報が掲載されているWebページの内容を短い時間で把握することができる
「Galaxy AI」の機能の中で最も能力の高さを体感できるのが「フォトアシスト」だ。ふいに訪れたチャンスにとっさにシャッターを切った写真では、構図が傾いていたり、背景に余計な人物やモノが写ってしまったりすることがあるが、「フォトアシスト」を使えば、写真の角度を大きく変えても背景を自動で生成してくれるし、「生成AI編集」でタップするだけで余計な人物やモノを簡単に消去してくれる。
「フォトアシスト」が優秀なのは画像補完のクオリティの高さ。消去・補完する範囲が広くても精度よく補正できるのだ。詳細は以下の動画をご覧いただきたいが、たとえば、「生成AI編集」で人物を選択すると、人物だけでなく影も一緒にきれいに消去してくれる。さらに、背景の床、壁、カーテンなども違和感なく補完してくれるからすごい。このような機能は、最新のスマートフォンの多くが搭載しているが、画像補完の自然さという点では「Galaxy AI」の「生成AI編集」がトップレベルと言えるだろう。
「フォトアシスト」の「生成AI編集」を使って、「背景の人物」と「画面左側に置かれている本」を消去・補完している様子を記録した動画。対象部分を囲ったりタップしたりといった簡単な操作で、非常にスムーズに処理されていることがわかる。さらに、本機には、折りたたみスマートフォンの画面に最適化した最新UI「One UI 8」が実装されているのもポイント。「フォトアシスト」では、左右の画面で編集前・編集後の画像を比較しながら操作できるようになった
左上が編集前の写真で、右下が「生成AI編集」で編集した後の写真。背景の人物の部分では、床に差し込む外光、カーテン、壁が非常に自然に補完されている。本が置いてあった位置の、テーブルの反射具合も違和感がまったくない
さらに、本機は、クアルコムがGalaxy向けに用意した最新プロセッサー「Snapdragon® 8 Elite for Galaxy」を搭載しており、高度なAI技術を高速に処理できるのも特徴だ。最新スマートフォンならではのパフォーマンスも、本機の大きなアドバンテージなのである。
データ移行アプリ
「Smart Switch(スマートスイッチ)」
が超便利!
スマートフォンを買い替える際にネックになるのが、機種変更にともなう各種設定の移行だ。移行作業が面倒で新機種の購入に踏み切れない人もいるかもしれないが、Galaxyに関しては心配不要だ。Galaxy向けのデータ移行アプリ「Smart Switch(スマートスイッチ)」が用意されており、このアプリを使えば、写真や動画、連絡先、アプリだけでなく、LINEの全トーク履歴も簡単に移行できる。Androidだけでなく、iPhoneなどのiOS端末からの移行にも対応しているので、機種変更時にはぜひ「Smart Switch」を活用してほしい。
“究極”の進化を遂げた大画面折りたたみスマホ「Samsung Galaxy Z Fold7」
プライベートにフル活用できる
折りたたみスマートフォンの本命!
「Samsung Galaxy Z Fold」シリーズは、薄型・軽量化と高性能化を徹底的に追求し、折りたたみスマートフォンの市場を切り開いてきたエポックメイキングな製品だ。その第7世代モデルである「Samsung Galaxy Z Fold7」は、同シリーズにおいて最大級と言っても過言ではない、“究極”の進化を遂げている。
まず、新設計のヒンジ機構を採用し、薄型・軽量化と大画面化を実現しているのが大きい。ストレートタイプのスマートフォンと変わらない携帯性で軽快に持ち運べるのは、「折りたたみスマートフォンの革命」と言っても言い過ぎではないだろう。さらに、広角メインカメラを約2億画素にグレードアップするなどカメラ機能が強化されたのもうれしい。Galaxy史上最大のメインディスプレイを活用して、「フォトアシスト」の「生成AI編集」など、独自AI「Galaxy AI」を快適に利用できるのも見逃せないポイントだ。
このように、「Samsung Galaxy Z Fold7」は、持ち運びやすく高性能な折りたたみスマートフォンに仕上がっている。多彩な使い方に対応できるので、ビジネス用としてだけでなく、プライベート用としてもフル活用できるはずだ。「折りたたみスマートフォンの大本命モデル」としてぜひ購入を検討してほしい。