ソニー歴代完全ワイヤレスイヤホンを長年使い倒したスタッフがガチ検証「WF-1000XM6」は本当に買いか?前モデルと比較してわかった結論

\ この製品のポイント /

  • 約11%のスリム化による、より快適な装着感
  • アーティストの“想い”まで届ける圧倒的な音場
  • 合計8個のマイクで“静寂”を更新したノイズキャンセリング

その完成度の高さから「価格.comプロダクトアワード2023」オーディオ部門で“大賞”を受賞するなど高評価を受けてきた、ソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM5」。そんな名機の後継モデル「WF-1000XM6」が2026年2月、いよいよ発表された。そこで今回は、前モデル「WF-1000XM5」を発売当初から愛用してきたスタッフが「WF-1000XM6」を速攻レビュー。本機がどのような進化を遂げたのか、ガチ比較でチェックしてみた。

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01 / スペック比較イヤホン本体の幅がスリムになって着け心地が大きく向上

完全ワイヤレスイヤホン(TWS)の黎明期から、音質やノイキャン性能にこだわったハイクラスモデルを提供し、言わずと知れたTWSの代表シリーズとなったソニー「WF-1000X」シリーズ。2026年2月に発表された新モデル「WF-1000XM6」も、オーディオ好きが多い価格.comユーザーから大きな注目を集めるに違いない

そして、2023年発売の前モデル「WF-1000XM5」をいち早く手に入れた筆者のようなオーディオ好きは、ちょうど買い替えを意識し始めるタイミング。「新モデルがどこまで進化したのか?」は最も気になるポイントだろう。今回のレビューも期待に胸を膨らませながらの実施となった。

筆者が愛用する「WF-1000XM5」とガッツリ比較しながら、新たな魅力を解き明かしていこう

日常使いのメイン機として、TWSレビュー時のベンチマーク機として「WF-1000XM5」(左)を日々使用している筆者。期待の新モデル「WF-1000XM6」(右)をいち早くレビューする機会を得たので、今回は真っ向勝負のガチ比較といこう

スペック比較
製品型番 WF-1000XM5 WF-1000XM6
ドライバーユニット φ8.4mmダイナミックドライバー ノッチ形状(特許出願済み)を
取り入れたφ8.4mmダイナミックドライバー
プロセッサー 統合プロセッサー V2
高音質ノイズキャンセリング
プロセッサーQN2e
統合プロセッサー V2
高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN3e
ノイキャン用マイク 3個(片耳) 4個(片耳)
通話用マイク 1個(片耳) 2個(片耳)
重量 約5.9g(片耳)/約39g(ケース) 約6.5g(片耳)/約47g(ケース)
イヤーピース XS/S/M/L XS/S/M/L
対応コーデック SBC/AAC/LDAC/LC3 SBC/AAC/LDAC/LC3
バッテリー駆動時間 最大約24時間(本体約8時間、専用ケース充電で約16時間、NCオン時) 最大約24時間(本体約8時間、専用ケース充電で約16時間、NCオン時)

ご存じの人もいるかもしれないが、「WF-1000X」シリーズはほぼ2年ごとに新モデルが発表されてきた。今回の「WF-1000XM6」の登場は前モデルの発売(2023年9月)から約2年6か月の歳月を経ており、通常サイクルよりも長い開発期間があてられたことになる。そうだとすれば、がぜん期待が高まるというほかないだろう。実際、基本スペックを比較しただけでも各所が確実にパワーアップしており、本モデルの期待が高まる。

1点、気になるのは、重量がわずかに増加したこと。前モデルの最大の美点は、個人的には本体サイズがコンパクトになって装着感が向上した点にあると思っており、それによる軽快なフィット感が「WF-1000XM5」を愛してやまない理由のひとつとなっていた。音質やノイズキャンセリング性能を向上するために、装着感が犠牲になっていないか心配である。

重量アップでも装着感は◎

「WF-1000XM6」を手に取り、耳に装着してみると、そんな心配は消し飛んだ。重量が増えたにもかかわらず、イヤホンの幅は約11%細くなっており、スッと自然に装着できる。「WF-1000XM5」は耳奥まで入れにくいという声も一部に聞こえたが、「WF-1000XM6」ではこの点が改善されたようだ。

また、多くの耳形状を分析して導き出した「エルゴノミック・サーフェス・デザイン」をさらに推し進めた結果だろうか、装着時の圧迫感が減っており、長時間装着した際の負担感はほとんどなかった。装着時のファーストインプレッションは、「WF-1000XM5」よりも良好だ。

「WF-1000XM5」(左)に比べて約0.6g重くなった「WF-1000XM6」(右)だが、見比べてみると本体幅は「WF-1000XM6」のほうがスリム。耳の出っ張りに接触しにくくなり、快適性が大きく向上している

デザイン面では、「WF-1000XM5」(左)は光沢とマットの組み合わせだったいっぽう、「WF-1000XM6」(右)は全体的にマット基調で、ロゴの主張を抑えたノイズレスなデザイン。華やかな「WF-1000XM5」からグッと大人びた印象になったと感じる

カラーバリエーションに「ブラック」と「プラチナシルバー」の2色を用意。ライフスタイルや好みに合わせて選べるのがうれしい

装着時は、このような感じ。「WF-1000XM5」(左)は丸形で耳穴周辺をやや押し広げるのに対し、スリムな縦型の「WF-1000XM6」(右)は耳介にすっぽりと収まる。結果として、「WF-1000XM6」は耳への負担感が少なく、長時間装着していてもラクだ。装着感を重視する人にとって、この差は大きい

専用ケースはデザイン面が進化。シルエットが曲線基調から直線基調になり、ヒンジ部に金属部品を採用するなど、シンプルで高級感のある仕上がりだ。少々サイズアップしたためコンパクトさを重視する筆者にとってはもう一歩踏み込んでほしかった。とはいえ、奥行きはあまり変化がないため、ポケットに入れて持ち運ぶ際の影響はほとんどない

02 / 音質比較大注目はサウンド面の一新。アーティストの想いが伝わる音質とは?

φ8.4mmの「ダイナミックドライバーX」を搭載した前モデルのサウンドは完成度が高く、その音質は価格.comユーザーからも高い評価を獲得してきた。筆者の評価も同様で、そのサウンドは今なおTWSのトップクラスにあると感じている。

それにもかかわらず、「WF-1000XM6」は「音質」を開発の最優先テーマに掲げ、ドライバーユニットから信号処理まで徹底的に刷新してきた

新開発のφ8.4mmドライバーユニットは、振動板のエッジ部にノッチ形状を導入し、高音の伸びと抜けを強化。さらに、DAC性能を高めた「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN3e」の採用によってSN比を改善し、「統合プロセッサーV2」の32bit音声信号処理によって、微細な音のニュアンスまで余すことなく描き出すという。

これに加えて、日本人アーティストの楽曲も手掛ける世界的なマスタリングエンジニアとタッグを組んでサウンドチューニングを実施。音質を高めるだけでなく、アーティストが楽曲に込めた"想い"まで感じ取れるような、感性に訴えかけるサウンドクオリティを追求したという。

ドライバーユニット

「WF-1000XM6」のドライバーユニットは、サイズがφ8.4mmで前モデル「WF-1000XM5」と同様。しかし、エッジ部にノッチ形状(特許出願済み)を取り入れ、トランジェント(音の立ち上がり)を高め、伸びやかな高音を実現している

プロセッサー

信号を処理するプロセッサーは名称こそ同じだが、「統合プロセッサー V2」は32bit処理に対応。高音質ノイズキャンセリングプロセッサーが「QN2e」から「QN3e」へと進化し、処理速度は約3倍に向上した

ソニー「WF-1000XM6」

「WF-1000XM6」のサウンドコンセプトは"アーティストの想いに満ちる音"。アーティストが楽曲に込めた細かなニュアンスまで再現すべく、音決めは日本人アーティストの楽曲も手掛ける、グラミー賞受賞の超大物マスタリングエンジニアとともに行ったという

気になるサウンドクオリティを比較チェック

実際に「WF-1000XM6」の音質はどのように進化したのか。主にLDAC対応の「Xperia 10 VI」と接続して前モデル「WF-1000XM5」と比較してみた。

まず「WF-1000XM5」のサウンドを確認してみたが、やはり低音から高音までバランスにすぐれた、聴き心地のいい、すばらしいサウンドだ。そんな余韻のなか、「WF-1000XM6」と聴き比べると、音作りの方向性は踏襲されていると感じるが、音場の広さに違いがあるようだ。

「WF-1000XM5」もTWSのなかでは十分に音場が広いモデルだったが、「WF-1000XM6」ではそのステージがひと回り広くなり、目の前でオーケストラが展開されているような立体感がある。それでいて、ボーカルは芯がとおっており、ツヤっぽさや生々しさが伝わってくる。

振動板のエッジ部にノッチ形状を採用したおかげか、特にバスドラやティンパニーなどの立ち上がりがよいうえ、高音はきらびやか。「WF-1000XM6」の開発でソニーが「サウンドに最も力を入れた」と語るのも納得できる、確かな進化が感じられた。

また、AI技術であらゆる圧縮音源をハイレゾ相当(最大96kHz/24bit)に拡張する独自技術「DSEE Extreme」も効果的で、音楽ストリーミングサービスで楽曲を楽しんでいる人には特に恩恵があるだろう。

03 / ノイキャン比較静寂性アップを実感! 更新された世界最高クラス*1のノイズキャンセリング性能*1 左右独立型ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン市場において。2025年12月1日時点。ソニー調べ、国際電気標準会議(IEC)基準に則る

続いて、TWSに欠かせないノイズキャンセリング機能をチェックしていこう。

前モデル「WF-1000XM5」も前述のデュアルプロセッサーによって、世界最高クラスのノイズキャンセリング性能を誇っており、「これが現実的な最高到達点では?」と感じていた。

ところが、である。新モデル「WF-1000XM6」では、従来比約3倍の処理速度を誇る「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN3e」に変更することで、さらなる性能アップを実現。そのうえ、ノイズキャンセリング用のマイクを前モデルのトリプル(3個)からクアッド(4個)に増やすことで収音性能を向上させている。詳しくは後述する、足音や咀嚼(そしゃく)音などの体内ノイズを減らす通気構造を新たに採用しながらも、ノイズキャンセリング性能は前モデル比で約25%向上しているのだ。

さらに、個々人の耳の形状に加えて、周囲の状況や装着状態をリアルタイムで分析し、常に適切なノイズキャンセリングを提供する「アダプティブNCオプティマイザー」を新搭載。ノイズキャンセリングも進化を遂げていることがよくわかる。

「WF-1000XM5」はフィードフォワードマイク×1、フィードバックマイク×2の片耳3個のマイクを搭載していたが、「WF-1000XM6」ではフィードフォワードマイクをさらに1個プラスした片耳4個の構成に。この増えたクアッドマイクを従来比約3倍の処理速度を有する「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN3e」が高精度に制御することで、世界最高クラス*1のノイズキャンセリング性能をさらに塗り替えてきた
*1 左右独立型ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン市場において。2025年12月1日時点。ソニー調べ、国際電気標準会議(IEC)基準に則る

「WF-1000XM6」に新搭載された独自の通気構造。これにより、みずからの足音や咀嚼音などの体内ノイズの伝導を大きく低減したのも特徴だ。TWSは1日中着用していることも珍しくないが、体内ノイズを抑制し、快適性を向上させている

ノイズキャンセリング性能を比較チェック

「WF-1000XM5」と「WF-1000XM6」のノイズキャンセリング効果を比較してみると、どちらもトップクラスの静寂を生み出す点は共通している。なかでも強く進化を実感できたのは、高音域ノイズへの効き方だ。

電車が加速する際の金属的な走行音や、カップをソーサーに置いた瞬間の「カチャン」という甲高い音など、日常生活でストレスに感じやすいノイズが、よりしっかりと抑え込まれている印象だ。

聴き込んでいくなかで特に印象的だったのが、ノイズキャンセリングの効果の"自然さ"。「WF-1000XM5」もノイズキャンセリング時の圧迫感をしっかりと抑えているのだが、比較すると「WF-1000XM6」のほうが一枚上手で、気付けば周囲の雑音だけが静かに消えている。まるでノイズキャンセリングを有効にしていないかのような、さりげない効き方に感心した。

電車のなかや、クルマの走行音が激しい雑踏、話し声の多いカフェなど中高音が多い場所で「WF-1000XM6」のノイズキャンセリング効果の高さを感じる。音楽や作業により没頭することができた

再生音楽の音量を一時的に絞りつつ、周囲の音を取り込む「クイックアテンションモード」も日常使いで欠かせない機能。「WF-1000XM6」では、フィードフォワードマイクが増えたことで外音取り込みの精度がアップ。周囲の音が自然と聴こえるので、駅のアナウンスなどを聴き逃す心配も減る

通話性能が大幅に向上した点も見逃せない。「WF-1000XM6」では片耳あたりの通話用マイクの数が1個から2個へ増えたうえ、AIを活用したビームフォーミングノイズリダクションアルゴリズムと骨伝導センサーによって、ソニー史上最高*2の通話品質を実現。人の多いオフィスでWeb会議をしてみたが、相手から「WF-1000XM6」のほうが聴き取りやすいとの評価が受けられた
*2 2025年12月1日。完全ワイヤレスモデルにおいて。ソニー調べ

「WF-1000XM6」では、アンテナサイズが前モデル比で約1.5倍大きくなったうえ、装着時に耳と干渉しない位置に配置されるなどしたことで、接続性も向上している。混雑した場所で切れやすいTWSの接続性をチェックすべく、品川駅で使用してみたが、「WF-1000XM6」では途切れが気になることがなかった

04 / まとめTWSを代表する次世代ベンチマークモデルの誕生。これは間違いなく買いだ

前モデル「WF-1000XM5」と新モデル「WF-1000XM6」を比較レビューしてきたが、「ここまで明確な差があるとは」と正直、驚かされた

筆者がこの2年間、ほかのTWSに浮気することなく、ひとえに「WF-1000XM5」を愛用し続けてきたのは、総合力の高さが際立っていたからだ。それだけに、新モデル「WF-1000XM6」が越えなければならない壁は高いと感じていたが、本機はそんな壁をゆうゆうと乗り越えてきた。

特に、本機で最も力を入れたという音質は、その触れ込みどおり"アーティストが楽曲に込めた想い"まで感じられるレベルに達していた。世界最高クラス*1を更新したノイズキャンセリング性能や、ソニー史上最高*2の通話品質、若干重さは増えたものの心地よさが増した装着感、日常使いにおける快適性を追求した通気構造など、進化点も多岐にわたる。 *1 左右独立型ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン市場において。2025年12月1日時点。ソニー調べ、国際電気標準会議(IEC)基準に則る
*2 2025年12月1日。完全ワイヤレスモデルにおいて。ソニー調べ

「WF-1000XM6」の想定売価は45,000円前後。いっぽうで、発売から期間を経た前モデル「WF-1000XM5」は価格.com最安価格が22,700円(2026年2月13日時点)と、価格を単純比較した場合の差は小さくない。しかし、この差を埋めて余りあるだけの性能が「WF-1000XM6」にはあると言える。

筆者も「WF-1000XM6」をいち早く手に入れ、本機を次世代の新たなるベンチマークモデルに据え、TWSのレビューを続けることになりそうだ。

この記事は2026年2月13日の情報を基にしております。

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