美容院の後の髪はツヤツヤでサラサラ!でも数日たつとすぐにパサパサ髪に逆戻り……。その秘密は、美容室で使われているサロンシャンプーやサロントリートメントにありました! 美容院で取り扱いのあるシャンプーやトリートメントは、市販のものより高価なだけに、美容師さんにおすすめされるままに買うのはちょっとためらってしまいますよね。 でも、上手に選べば、髪の悩みを解消して、いつもキレイな髪でいられる頼もしい存在なんです。 サロンシャンプー・サロントリートメントの基本や洗浄成分のこと、正しいシャンプーの方法やお悩み別の選び方についてご紹介します!
毛髪診断士・美養研究家齊藤あき
大手美容室、化粧品会社で経験を積んだ後2008年独立。「美肌・美髪のスペシャリスト」としてサロンワークのほか、講師や執筆活動など幅広く活躍中。スキンケアサロンtinarossaオーナー
毛髪診断士・美養研究家齊藤あき
大手美容室、化粧品会社で経験を積んだ後2008年独立。「美肌・美髪のスペシャリスト」としてサロンワークのほか、講師や執筆活動など幅広く活躍中。スキンケアサロンtinarossaオーナー
サロンシャンプー・サロントリートメントとは、美容院で使われているシャンプーやトリートメントのことを指します。アミノ酸系の洗浄成分など、髪にやさしい成分が使われていたり、カラーやパーマの持ちをよくする成分が含まれるなど、単に汚れを落としたりうるおいを与えたりするだけではなく、+αの効果が期待できます。 価格はドラッグストアなどで手に入る市販のシャンプーやトリートメントよりも少し高価な傾向にあります。また髪のうねりやカラーの保持など、髪の悩みや目的によって種類が細かく分かれているものが多いのも特徴です。
スーパーやドラッグストアで全国どこでも手に入り、CMなどによる認知度も高い市販シャンプーと比べると、あまり名前が知られていない商品が多いサロンシャンプー・サロントリートメント。商品によって特徴や配合成分はさまざまですが、一般的なサロンシャンプーと市販のシャンプーを比べたときのメリット、デメリットをまとめました。
もともとは美容院でしか購入できないサロン専売品のシャンプーやトリートメントがほとんどでしたが、最近ではコスメ雑貨を取り扱うお店や百貨店、ネットショップなどで購入できるものも増え、手に取りやすくなりました。ですが、サロンシャンプーの中には、1人ひとりの髪や頭皮の状態を美容師が見極めたうえで使ってほしいという方針から、メーカーが美容院での購入を推奨しているものもあります。
カラーやパーマの繰り返しや、日差しによるダメージが蓄積してしまった髪は、アミノ酸系やベタイン系など、やさしい洗浄成分を使ったシャンプーで洗うのが基本。トリートメントは、コーティング力のあるシリコン系の補修成分や、セラミド、加水分解系などの保湿成分が豊富に含まれているものを使ってうるおいをキープしましょう。洗い流さないアウトバスのオイルトリートメントで日中の紫外線対策も忘れずに!
髪のボリュームが失われる原因は大きく分けて2つ。ストレスや加齢などにより髪が細くなっている場合は、エイジングケア成分が配合されているものを選びましょう。また、オイリー肌の人や洗浄が不十分な場合は毛穴が詰まることで毛が細くなってしまうので、スルホコハク酸系など洗浄力のあるシャンプーに変えるのがよいでしょう。どちらの場合も、シリコンが少ないものや、サラサラ仕上がるシャンプーやトリートメントを選ぶと、髪にボリュームがでます。
髪や頭皮がベタつく人は、洗浄力が高めの洗浄成分が配合されているシャンプーを使ってみましょう。皮脂を取りすぎるとさらに分泌を促進してしまうことがあるので、その場合は毎日の使用は避けて数日おきに取り入れてみましょう。トリートメントは、シリコンに比べて軽く仕上がるカチオンを主成分としたものを使えば、ベタつきを抑えることができます。
髪のタンパク質の流出を防ぐため、アミノ酸系シャンプーでやさしく洗浄しましょう。色落ちを防ぐ褐色防止剤の入ったものならなおベター。トリートメントは、コーティング力のあるシリコンを主成分としたものを使い、保護力をアップ。施術後1週間はカラーやパーマがまだ定着しておらず抜けやすい時期なので、特に慎重なヘアケアが必要です。オイルタイプのアウトバストリートメントも必須です。
主な原因は、乾燥や毛穴の皮脂詰まり。そのため、頭皮にやさしくすっきり洗えるベタイン系や酸性石けん系のシャンプーでしっかり頭皮の汚れを落とし、保湿力の高いトリートメントで髪にうるおいを与えることがよい対策になります。また、浸透性の高いミルクタイプのアウトバストリートメントを併用するのもよいでしょう。特にうねりの気になる部分を中心に保湿しましょう。
抜け毛も白髪も、頭皮の老化が原因です。シャンプーは刺激の少ないアミノ酸系やエイジングケア用のものを選びましょう。過剰な皮脂分泌も抜け毛の原因になるので、スカルプケア系シャンプーで解決することもあります。絡まった毛を無理にほぐすことも抜け毛の原因になるので、トリートメントで保湿することも重要。頭皮を活性化する植物エキスや、育毛剤に使われる成分が入ったものも適しています。
サロンシャンプーと市販シャンプーとの違いは、配合されている洗浄成分の違いが主に挙げられます。
またトリートメントは、使い方によっても役割が少し異なります。
ここでは、シャンプー・トリートメントに含まれる成分や、その役割についてご紹介します。
どのシャンプーにも、髪の皮脂や汚れを落とすための「界面活性剤」と呼ばれる洗浄成分が含まれています。この洗浄成分は大きく6つに分類され、サロンシャンプーには「アミノ酸系」や「ベタイン系」と呼ばれる低刺激の洗浄成分がよく使われています。また、1つのシャンプーに、複数の洗浄成分が配合されることも多くなっています。この割合や組み合わせによって、洗い心地や仕上がりが変わるのです。配合成分は、配合量が多い順に記載されています。購入時にはパッケージ裏の成分表をチェックしてみましょう。
アミノ酸系の代表的なサロンシャンプー
ベタイン系の代表的なサロンシャンプー
スルホコハク酸系の代表的なサロンシャンプー
α-オレフィン系の代表的なサロンシャンプー
酸性石けん系の代表的なサロンシャンプー
硫酸系の代表的なサロンシャンプー
トリートメントは、お風呂で洗い流すタイプ(=インバストリートメント)と洗い流さないタイプ(=アウトバストリートメント)の大きく2種類に分けられます。その中にもいくつかの種類があり、それぞれ役割が異なります。実際に美容院で取り扱われている商品とともに、特徴を見ていきましょう。
シャンプーをした後髪になじませ、少し時間をおいて髪の内部に成分を浸透させてから洗い流すタイプのトリートメント。髪の内側からケアをすることを目的としています。 キューティクルが開いている状態で使うのでしっかり成分が浸透し、内部ダメージの補修がしやすいのが特徴です。
お風呂上がりや外出前などに、髪につけてなじませるタイプ。洗い流さないため長時間髪に定着し、効果を実感しやすいのがメリットです。静電気や紫外線、排ガスなど、ダメージの原因となるものから髪を守り、保湿する役割を持ちます。髪になじみやすいミストタイプのほか、髪をコーティングするオイルタイプなど、大きく分けて4つの種類があります。
たまにならOKだけど長期使用は避けて
男性向けのものは清涼感が強く、洗浄力が強い成分が含まれる傾向にあります。一方女性向けのものは、洗浄力が穏やかで、保湿・補修成分が入ったものが多くなっています。清涼感を求めたいときなどに男性用を使ってもかまいませんが、刺激が強すぎることがあるので、長期使用はおすすめしません。髪を美しく保つには、女性用のものが適しています。
シリコン入りのほうがいい場合もある
ノンシリコンシャンプーという言葉を近年よく見かけるようになりましたが、シリコンは一概に避けたほうがいい成分というわけではありません。シリコンには、髪をコーティングしてダメージから守ったり、指どおりをよくしたりする効果があります。半面、細い髪がペタンとつぶれてしまうデメリットも。目的に応じてうまく味方につければ、頼もしい成分なのです。
いくらよいシャンプーやトリートメントを使っていても、正しい使い方ができていないと、効果は半減してしまいます。髪質や悩みによって選ぶアイテムは変わりますが、正しいシャンプー・トリートメントの方法は同じです。髪や頭皮をすこやかに保つ方法を知って、より美しい髪を目指しましょう。
ブラシで髪をほぐし、もつれや大まかな汚れを取り除く。頭皮がぬれた状態で行うと抜け毛やダメージの原因になるので、乾いた状態で行う。
頭全体をお湯で予備洗いする。単にぬらすのではなく、お湯だけでシャンプーをするようなイメージで、しっかり毛穴を開かせる。
両手に取ったシャンプーを髪の表面で泡立て、泡を全体に広げていく。いきなり頭皮にシャンプーをつけると刺激が強すぎるので注意。
髪よりも頭皮を洗うイメージでシャンプーする。おでこから後頭部にかけての中心線は皮脂がでやすいので、特に念入りに。
すすぎはシャンプーの2倍の時間をかけて洗い流す。地肌を洗い流すようなイメージで、お湯だけでなく指の腹を使ってぬめりがなくなるまですすぐ。
ワックスやスプレーがしっかりついているとき
ワックスやスプレーでしっかりとスタイリングした日は、シャンプー前のブラッシングをオイルマッサージに変えることで、効果的に汚れを落とすことができます。ワックスやスプレーは油分がメインなので、ホホバオイルなどのマッサージオイルを乾いた髪や頭皮につけ、もむようにマッサージを行うと、毛穴に詰まったスタイリング剤の成分を浮き上がらせることができます。この場合はシャンプーで2度洗いするとよいでしょう。
シャンプーに適したお湯
シャンプーをするときの温度は、少しだけぬるいと感じる38度くらいが適温です。熱すぎるお湯は頭皮や髪にダメージを与えたり、皮脂を落としすぎたりする恐れがあります。また、湯船の残り湯を使う場合、入浴剤が頭皮や髪に残ると刺激になってしまうことがあります。最後は必ずシャワーのお湯で仕上げのすすぎを行いましょう。
シャンプー後、タオルで髪の水分をふき取る。ぬれた髪はキューティクルが開いておりダメージを受けやすいので、やさしく両手で挟むように。
トリートメントを2〜3回に分けて手に取り、毛先から順にもみ込んでいく。頭皮にトリートメントがつくと毛穴詰まりの原因になるので5cmほど離してつける。
髪全体にもみ込んだら、最低でも1分、できれば3〜5分おく。タオルをお湯で絞り、髪に巻いておくとなお効果的。湯船につかるとさらに効果アップ。
ぬめり感がなくなるまで洗い流す。頭皮にトリートメントが残ると頭皮トラブルの原因になるので、頭皮をしっかり洗い流すようにシャワーを当てる。
インバストリートメントを洗い流した後、タオルで髪の水分をふき取る。髪にダメージを与えないよう、やさしく両手で挟むようにタオルを当てる。
手で包んでトリートメントを少し温める。両手に広げて、髪全体になじみやすくなるよう準備をする。ミストタイプの場合はこのステップは不要。
毛先から2〜3回に分けて髪全体にもみ込んでいく。ダメージや乾燥が気になる部分には重点的に。できるだけ頭皮や顔などの皮膚につかないようにする。
手ぐしか目の粗いくしでやさしく髪をとかしてからドライヤーで乾かす。ダメージを与えないようにするため、髪を引っ張らないようにし、手早く乾かす。
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